ウィザーズと八村のいろんな数字

続・ウィザーズの話

テーマを考えるのが面倒なので、ウィザーズ編の続きです。ここで八村中心に見直しておくことで、後日まとめ記事も書きやすくなるので。

今回は八村とウィザーズの触れていなかった数字を探すことで違う一面での特徴や来シーズンへの期待なんかも考えていきます。根底にあるのはドラフト9位のルーキーであり、ウィザーズにとって足りなかったPFの選手であるってことです。今が良くなくっても、来シーズンに改善してくれればそれでOKなわけで、チームの数字と本人の数字を比べることで、狙いなんかもぼやーっと見えてきます。

ぼやーっとしか見えないのはHCの責任ですが、数字を見るとポポビッチだったら殆ど起用してくれなかった気もするので、スコット・ブルックスで良かったんだよ、きっと。

●ポストアップ

PFに人材がいなかったウィザーズは八村を獲得したわけですが、日本代表でも目立っていたのはポストアップからの得点です。その特徴を表現できているかは、ひとつのポイントになってきます。

〇八村のポストアップ
1.1回
0.9点
39%

その結果は酷いFG%となっており、あまり良い形ではありません。ただし、フリースローをしっかりと決めているので得点効率としてはそこそこです。ただ、そもそも回数が非常に少なくなっています。

ポストアップはここ2年で重要性が増してきましたが、ウィザーズは1試合平均2.0回でリーグ29位と非常に回数が少なく、得点率も0.84でリーグ28位です。とっても悪いわけだ。

ウィザーズはポストアップが下手
八村はウィザーズの中で最も多くポストアップする

ネガティブにいえば八村で上手くいっていないポストアップであり、ポジティブに言えばルーキーの八村が成長すれば、即ウィザーズにとってメリットが出て着るということになります。チームがこれを武器にするかどうかは八村次第ってことです。

ちなみにここはウィザーズ的にはポジティブに捉えるべき事項です。自分たちに足りない部分を補うための若手なので、しっかりと成長させることが出来れば、インサイドとアウトサイドそれぞれに武器が出来るわけで、ウォールやビールにまかせっきりのワンパターンに陥らないように持っていきましょう。ちなみにウォールは結構ポストを使うのが好きです。センター好きなのはカズンズとチームメイトだったからか。

実際、八村は得点の1/3が1Qになりますが、試合序盤はポストアップ使うことが多いですね。これを増やすのが正解なのか、増やすことで確率が上がるのかが2年目で最も重要な要素になりそうです。

〇スポットアップ
3.3回
2.8点
EFG39%

なお、リングから離れると確率が悪くなります。ここはバータンズがチームで最も多い4.1回のスポットアップからEFG59%を記録しており、八村はかなり苦しくなります。つまりは、ポストアップを効果的に決めるために、ポジション取りも重要になってくると考えましょう。よりインサイドにしっかりと押し込もうぜ。

●ピック&ロール

八村が個人技でインサイドを攻める意味合いでウィザーズにとってポストアップが必要になりそうな一方で、ツーメンゲームではチームとしても、あまり期待していない雰囲気があります。それがピック役としての数字。

〇ピック&ロール ロールマン
1.4回
1.3点
46.3%

ビッグマンとしては非常に少ない数字となっており、ピック役にはなっていないことがわかります。一番多いトーマス・ブライアントが3.1回なので割と差があるね。ただ、2人ともがピック役になるのは変なので、ウィザーズのチーム事情ってことになります。

〇ウィザーズのピック&ロール
ハンドラー 21.5回 18.5点
ロールマン  6.4回  7.1点

チームとしてはハンドラーに偏っていますが、これはリーグ全体の傾向です。そして共にリーグ中位の回数なので、ほどほどにピック&ロールを使い、平均的にロールマンを使っている形です。Bリーグの数字を知りたくなるね。

同じポジションのバータンズが0.7回0.7点なので、八村のピック回数はチーム事情も含めると悪くない数字です。ところが大きな差があるのが、バータンズはほぼ「ピック&ポップ」、つまりピック役から3Pを打ちますが、八村は全てが2Pになっています。

ピック役から3Pを打っていない
ロールマンとして2PのFG46%

となるのですが、トーマス・ブライアントは60%決めており、控えのワグナーも3Pが混じりながら57%と高確率なので、八村のロールマンとしての能力には課題があります。ハンドラーにエースのウォール&ビールがいる点も含め、「ポップしての3P」は重要なプレーになるはずです

アウトサイドショットは多くのルーキーの課題となりますが、八村も例にもれず3P33%と苦戦しています。ただその3Pは単に確率ではなく、プレーパターンとして選択肢を増やさないといけない感じです。もっとも、ここはバータンズには勝てないので、ウィザーズが本当に必要とするならバータンズに任せればよいだけ。

●キャッチ&3P

ピック&ロールをセンターを行い、しかも3Pのバータンズもいることで、インサイド側を広く使いたいウィザーズ。そのためにはキャッチ&シュートの確率が重要になるわけですが、ここでチームは成功しています。

〇ウィザーズのキャッチ&3P
アテンプト 23.8本(14位)
成功率 39.0%(3位)

まさにバータンズ様様な成功率ですが、他にもトロイ・ブラウンも39%と効果的。ただ、あらゆる成功率が低かったアイザイア・トーマスが46%を記録し、便利屋ジョーダン・マクレーも42%といなくなった選手の貢献も大きかったので来シーズンへ向けては微妙です。そんな中で成功率の高さに反して大きな問題がありました。

〇ゾーン別3Pアテンプト
左コーナー 3.1本(30位)
右コーナー 2.7本(29位)
その他  27.0本(10位)

それはコーナーのアテンプトが極めて少ないこと。一般的に確率の高いコーナーから打たないのに3位の成功率ってのは出木杉くんです。逆に言えば、うまくコーナーまで展開するボールムーブを作れれば、オフェンス力向上が期待できます。期待できないHCですが、ウォールのキックアウトがあれば少しは・・・。

ただ、前回触れた「トランジションディフェンス」の良さは、「キックアウトからのキャッチ&3P」との相性がすこぶる悪く、コーナー3Pが増えることでディフェンス悪化の懸念もあるのでした。まぁこれ以上悪化することが至難の業ってくらいに現状が悪いのですが。

〇八村のコーナー3P
左コーナー 11本 27%
右コーナー 12本 33%

そして八村はシーズントータルでこれしか打っていません。シーズン中盤にはエンドライン担当に変わってもいたので、チームの戦術的にもあまりコーナーに立たせていない事情があります。あれだけ決めているバータンズも左右それぞれ19本のみなので、あまりコーナーを使わないチームなわけだ。

オフェンスレーティング111もあって、コーナー使っていないとかある意味脅威なので、ウィザーズ的には戦術面での伸ばしどころです。SFにはケガしちゃったCJマイルズもいるので、どうすんのかね。

●カッティング

両コーナーからのアテンプトが少ないのは、ウイングがコーナーのスポットシューターになるよりもカッティングさせることを好むチーム事情でもありました。こちらはわかりやすく答えが出ています。

〇ウィザーズのカッティング
9.1回(4位)
11.3点(5位)
FG62%(28位)

非常に多くのカッティングを行い、しっかりと得点を加えましたが、その成功率は非常に低かったのでした。ちなみにコーナー3Pがリーグで最も少ないのがマジックですが、カッティングでの得点は多くウィザーズと似た傾向があります。

ということでウィザーズには面白い特徴があります。

キャッチ&シュートの成功率が高いが、回数が少ない
カッティングの回数が多いが、成功率が低い

逆を行っているわけですが、まぁ回数が多いから成功率が低くなったり、成功率が高いから警戒されるってのも定石ではあります。ただ、バランスの改善は求めたいよね。で、カッティングにおいて八村の役割は重要です。

〇八村のカッティング
2.3回
2.7点
FG57%

チームで最も多くのカッティングをして、最も多くの得点を稼いでいます。3Pがいまいちなのでエンドライン担当になったと予想されますが、しっかりとインサイドで合わせていることがわかります。ただし、やっぱり成功率は課題なので、改善するかどうかはチームにとって大切です。

ちなみにトーマス・ブライアント71%、ワグナー76%なので、エンドライン担当とピック担当を入れ替える可能性もあります。

●個人技と合わせと

ウィザーズは両ガードが中心のチームだったため、センターをピック役にしてインサイドを空ける形を好んできました。ビールのみとなった今シーズンはその傾向がさらに強くなりました。あとはトランジションね。

そんな中で八村に期待されたのは、これまでになかったインサイドでの個人技得点だったとみるのが自然であり、ハイパーだったバータンズをベンチスタートにしていた理由でもあります。

一方でピック役ではないことと、3Pの確率が悪いことで、エンドライン担当として合わせプレーも学びました。完全にビッグマン扱いなわけで、それは微妙な部分もありますが、3Pズバズバ決めて得点が増えるよりも、ベーシックなインサイド合わせを学べたのは長い視点ではポジティブです。

〇フリースロー 82.9%

ルーキーながらフリースローが80%を超えているのは素晴らしく、シュートの部分は成長の余地が十分にあります。NBAのプレッシャーと戦術に慣れることで、スポットシューターとしての確率は上がるはず。そこを考慮すれば、うまい印象がないカッティングを学ぶことの方が大切だと思うんだ。

所詮はルーキーシーズンなので、多くの選手は2年目、3年目でステップアップしてスターになっていくので、明確に伸ばすべき部分がわかったのは良いことじゃ。チームとしての合わせで何ができるのか。わかりやすいスポットシューターではなかったことを良い経験に出来ると良いですね。

ウィザーズと八村のいろんな数字” への4件のフィードバック

  1. CJマイルズは1月にウェイブされていますが、ただ今はトロイブラウンとボンガしかSFがいないです。
    SFに八村をコンバートして、ベルタンスをスタートPFにするというのはどう思われますか?

    1. そういえばウェイブでしたね。姿見ないし忘れてました。

      トロイ君は良いとして、ボンガはSFとしてどうなのッて気がするので、八村をもっていくのは想定されていると思います。
      ただバータンズが出るなら、オフェンスでは八村がPF、ディフェンスでは八村がSFでしょうね。

      問題はどちらも繋ぐプレーや気の利くプレーをするタイプではないので、
      ウォール&ビールの両方が出ている時間帯には向かないと思います。
      片方の時なら、ありかと。

  2. 八村はポストアップで攻めあぐねている印象が強かったですね
    キャッチ&シュートやジャブからのシュートが減ったせいか、ペリメーターではほぼカットに行くと分析されていた気がします
    ペイントでのポンプフェイクからのダンクもかなりブロックされていました
    逆にトランジションや流れの中での攻撃は上手くいっていたので、1対1の状況をどう解決していくかが課題かと

    ブルックスHCの戦略はIT抜けた辺りから戦略ビールに見えたので
    この際ディフェンスの事は忘れて3Pとポストムーブを磨いて欲しいです

    ディフェンスは、まずリムプロテクターを獲得しないと機能しないような
    そいういう意味ではディフェンス無視してSF八村、ベルタンスPFの超攻撃布陣はありだと思いますね
    ベルタンは出来れば残留して欲しいな

    1. ポストアップは結局はショートレンジのシュートを単純に打っていくのが大切ですね。なつかしのフェイダウェイ時代のように。
      インサイドに侵入したら、フェイクしちゃうと2人目に捕まりますし、そこんところをどんなプレーで改善していくのか。

      ディフェンス無視するなら、ノーセンターにしたいです。
      リムプロテクトは出来なくても、センター相手のディフェンス自体は、そこそこ出来ると思うので。

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