ピストンズvsジャズ

コンリーが戻ってきて失速した感じもあるジャズ。モーラントのプレーにおいては周囲が気持ちよく3P打たないことと、コンリー的なPGをフロントが求めていそうな気がしたのですが、ジャズの環境は逆なのできれいなキックアウト3Pを生み出すタイプではないコンリーは、ちょっとした異分子としての活躍を求めらえるだけにね。

本日のピストンズにはローズすらいません。見る意味あんのかな。辞めようか。ただブルース・ブラウンが戻ってきたらしい。そしてスターターはブランドン・ナイトでケーシーが好きそうなプレーをし始めています。

とはいえ、前半が終わってピストンズの得点は39点。あまりにも予想通り過ぎるので、試合関係なく雑感として触れていきましょう。

◉ブルースとブランドン

チームとしての形に乏しすぎたピストンズ。それでもミハイル-が5アシスト、ベンチから登場したブルースが3アシストの前半でした。ケナードも含めて若手のアウトサイド陣は、それぞれの得意なプレーを上手く生かしながら連携する能力も持っています。

ルーキーシーズンはディフェンスとハッスルだけで貢献していたブルースですが、チャンスを掴んでからはしっかりとオフェンスでの役割を確立していき、自分が出来る事、通用する事が何かを見極めつつも、アグレッシブなのが印象的です。そんな中でPGとしてチーム全体を動かす選手になってきています。

でも、ローズとブランドン・ナイトはより個人の得点を中心にしたタイプ。自分が得点することでディフェンスが寄ってくるから捌く。ピストンズにきてからのブランドン・ナイトはステップバックも使いながら3Pアテンプトを増やしてベンチスコアラーになれそうな空気を出しています。ちょっとしたオールドタイプ。

ケーシーが好きなのはローズやナイトのプレースタイルなので、ちょっと悩ましそうなんだよね。ミハイルーのアシストが多かった理由は、そうしないとバランスが保てなかったからなので、若手がムリヤリに合わせてあげたような空気感です。

ケーシーがいなくなってからのラウリーは得点を大きく減らしてゲームメイクとアシストで存在感を出し、それが若手たちを伸ばしているように、いろんな活躍の仕方があるわけで、ピストンズがどうしたいかは気になるね。

ちょうどアトキンソンがフリーになりまして、隣の芝生が青く見えるピストンズのフロントなので考慮する気が。3Pの打てるセンター(グリフィン)や走れるウッドがいるだけに、全体が連動していくためのガードにするか、自分が引き付けてフィニッシュを促すガードにするか。

ケナードとミハイルーもいるので、シューティングもあるし、方向性どうするんだろうね。という毎度の疑問が沸いてきたし、毎度の疑問ってことはケーシーは限界なのかな。

◉冗談みたいなセカンドユニット

やっぱりコンリーがPGだとイマイチなジャズ。スターターで登場するのですが、早めにベンチに下がり、セカンドユニットに混ざることになっているようです。ところで、このセカンドユニットが

コンリー、クラークソン、イングルス、ニヤング、トニー・ブラッドリー

と冗談みたいなセカンドユニットになっていてビックリ。なんとなくクラークソンとコンリーを起用しないといけないような状況から生み出されたような形。

ピストンズのセカンドユニットが相手だとブラッドリーがゴール下で大活躍し、リバウンドも拾ってくれるので長く使うことが出来ましたが、攻守に苦しそうなメンバー構成でした。

コンリーがいないときはクラークソンとイングルスのガードコンビで済んだわけで、イングルスからはワイドにボールが出ていくのですが、みんながキレイに打ちたがるというか、要は3Pだらけになってしまってイマイチな。クラークソンは意味不明なドリブルをしていましたが、わかりやすいことしかしていない中では変化になっていました。

ところがこのユニットは、ここ最近ですさまじい効果を発揮しているらしい。正直、よくわからんのですが、ジャズのキーポイントになりそうな感じです。特にビッグマン不足なのでこれが機能すればプレータイムが楽になる。

また違う意味もあって、3月になって明確なセカンドユニットを構成するチームが減った中で、ジャズは普通に組んでいる様子。これが勝率に響いてマイナスになるか、負荷軽減とチーム力向上につながるのかどうか。

◉ドゥンブーヤとウッド

後半になってジャズが失速します。驚くほどに失速します。

その内容はパスを読まれている事。ボグダノビッチとドノバン・ミッチェルの2人は自分でしっかりと得点しているので、単純に個人で突破しきれる状況なのにパスを選んでしまってミスになっています。チームオフェンスすればよいってわけじゃない怖さ。

そうしてカウンターに移行するのでピストンズペースに。打開策がいまいちみつからないし、ヘンソンのゴール下での踏ん張りがファールを呼び込むしで流れが変わってきます。

でも、そこはジャズって事もあってスローダウンの連続なので明らかにピストンズペースなのだけど、二桁リードはキープ。スローダウンでリズムが乱れないのも大切な事。

そして本当の問題が発生したのがジャズがセカンドユニットになってから。速攻以外も止められなくなっていきました。

ピストンズの中心にあったのは、ドゥンブーヤとウッドの破壊的な身体能力。怪しい空気だったジャズのセカンドユニットは、まさに運動能力に粉砕されてしまいました。

ディフェンスではあまり守っているとはいえず、インサイドを固めてジャズの3Pが落ちるのを待っている雰囲気でしたが、チェイスする能力はあるのでプレッシャーはかけているし、ドライブしてきたなら複数で囲むんだ。

コンリーは単なるスピードでブルースに振り切られ、ディフェンスのチームが荒いオフェンスに押し込まれ、単純にトランジションで負けることに。

正直、ジャズの方こそドゥンブーヤやウッドみたいな選手を1人くらいは混ぜておくべきだと思わされる展開で4Q序盤にピストンズがまさかの逆転するのでした。

◉1on1

追い付かれたジャズはオニールとゴベアーを出すと再びリードします。ドゥンブーヤとウッドがベンチに下がったことの方が大きいかもね。インサイド側で負けなくなった。

例えばピック&ロールで崩されても抜かれるわけじゃないし、カバーに来たゴベアーが一瞬止めてくれるし、合わせのパスが出てもメイカーはシュートまでに時間がかかるのでゴベアーのディフェンスにシュートを外してしまう。

そしてミッチェルとボグダノビッチが出てくると、ショートフローターでそれぞれ得点し、残り7分で再び二桁リードに。

要するに攻守に1on1での対応が多いピストンズなので、エースクラスに突破されたら対抗しきれず、一方で運動能力に溢れた若手は強引でも突破してくれるような。そこにブルースやミハイルーが絡んでくることでチームオフェンスになるしね。

せっかく追いついたピストンズですが、ナイトとメイカーだとディフェンスプレッシャーが緩く、オフェンスの合わせも決めきれず。

ウッドが戻ってくるとゴベアー相手に強引に仕掛けてファールドローするシーンもありました。このプレーに必要なのはスピードで仕掛けられるだけのスペース。ここではジャズ側が「ヘルプは不要」と判断して生まれたスペースだったので、能動的な仕掛けではなかったよ。何とか能動的に変えたいところ。ドゥンブーヤも。

あとは時間を使えばOKだったジャズですが、コンリーが戻ってくると再び変な感じに。何だろうねこれ。ミスが出てしまうコンリー。積極的にダブルチームで仕掛けてくるピストンズディフェンスに苦労します。それまでドノバン・ミッチェルが交わしていた部分なのですが。

そしてどうもディフェンスも狙われている様子のコンリー・狙われているっていうか、ピストンズが普通にやったらナイトから攻めるからですが。

プレッシャーディフェンスが成功したピストンズが追い上げますが、そのディフェンスはボールを回されたら時間を使われるリスクも。それでも追いかけるだけの選手が揃っていたは朗報で、グリフィンとドラモンドでは簡単じゃなかった。

残り1分半でナイトが見事なプルアップ3Pを決めて5点差。ミッチェルがドライブからフリーのコンリーにパスを出すも、コンリーのミドルは決まらず。再びカウンターに走ったマクレーが強引にレイアップを決めて3点差。

ナゲッツでのプレーを嫌がったのかウェイブ(サンズが複数年契約を前提にしていた)されたもののピストンズがクレームしたマクレーは、ウィザーズのケガ人事情でチャンスを掴んで一気に成り上がったし、ここでも強気なプレーで貢献しています。

残り40秒のジャズはミッチェルが持ちますが、スリップしてしまいフロアに転んだ状態でナイトのプレッシャーを受けますが、倒れこんだ状況から逆サイドへスローインパス。ボールを受けたボグダノビッチがゴベアーに繋いでファールドロー。フリースローをしっかりと決めたゴベアー。

残り18秒5点差でオフェンスが構築できずウッドの3Pが外れたことで大逆転勝利はならなかったピストンズでした。

◉イメージが違った

〇クリスチャン・ウッド
30点 FG13/24 3P0/6

3Pを全て外したけど30点を奪えたウッド。マクレーやドゥンブーヤといったウイングがベンチから長く出たことでワンビッグの時間が増えました。それでもこれまではローズのアタックがチームの中心にあっただけに、インサイドプレーで30点を奪えるイメージはありませんでした。

それがローズのケガもあってワンビッグでインサイドの得点を大いに増やすことに。そして、ベンチからのウイングアタックも有効に決まりました。

前半はスターターがどうしても個人技頼みだったわけですが、ガード主導なのでヘルプも多いし、なかなか降り切れなかったけど、後半はガードは広くボールを動かして、出来上がったスペースでフィニッシャー達がドライブ出来たイメージです。

この手のオフェンスイメージが皆無だったピストンズだけに、怪我の功名みたいに面白い展開が生まれました。終盤の積極的なダブルチーム戦法も今シーズンのNBAっぽくって良いし、ロケッツもびっくりのポケットな雰囲気だったのでした。

完全に興味をなくしていた前半から、面白いものがみれば広範なのでポジティブですが、どうにもウッドが主役では長期的目線に欠ける部分もあるわけで、せめてドゥンブーヤを25分くらいは起用してくれないかな。

裏返してジャズはコンリーが出ているとオフェンスゾーンが狭くなりがち。かといってコンリー自身のFG%は低いからディフェンスもそんなに怖がらずに仕掛けてきます。どうしても気になってしまうコンリー問題。プレーオフになったら勝負強さで解決できるのかどうか。

本日はFG52%決めたのに主力がいないピストンズに危ない試合となりました。ってことはディフェンス側に問題が発生したわけで、セカンドユニットが苦しかったね。トニー・ブラッドリーは一時期よりも良くなったのですが、やっぱりスモールに対抗するためのビッグマンが足りない。なんでジェフ・グリーンを放出したのか。

〇ジャズ
ボグダノビッチ FG12/18
ミッチェル   FG 8/14

ちゃんと機能しているのに苦しくなってしまっているジャズ。どうするんだスナイダー?

ピストンズvsジャズ” への6件のフィードバック

  1. (アトキンソンさんがヘッドコーチになればwhynotさんのピストンズネタが増える!)

    1. 負けても観ちゃうよね!

      ローズはあれですが、グリフィンがアトキンソンでどうなるのか興味あります。
      プレー的にはストレッチ5でピッタリ、性格的にはハードワーク求められてケンカしそう。

  2. アトキンソンはウルブズに行ってDloと再びチームアップするとともに、サンダースの育成をするのが収まりがいいかなぁなんて考えてます。
    ピストンズはよく分かんないですね。若手のスタイルがローズと違うので長期的にどうなるのかとか、グリフィンにはどんな役割が期待されてるのかとか。

    1. グリフィンはなにはともあれケガしないように体を変えないといけません。
      過去を否定するわけではなく、そういうことも考えないといけないという意味で。

  3. 記事と関係ないのですが、アトキンソンのクビと現時点でのファイナル進出チームの予想について一言ください!

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