ノーカイリー、ノーケンバ
カイリー・アービングのシーズン欠場を決めたネッツ。一番の問題はそれが成績に悪い影響を与えるのかどうかわからないこと。ただ少なくともガード不足にはなるね。
ケンバがいなくなったけど、グラハムが台頭し、若手たちが躍動するシーズンになったホーネッツ。マービン・ウィリアムスとMKGという昨シーズンまでの主力とバイアウトして、その方向性がさらに明確になりました。
どちらも重要なピースを失ったわけですが、ホーネッツの場合は今シーズン初めから失っているわけで、若手ばかりと言えどもそろそろチームとしては成長していないとね。ここが1年前の課題でもあったわけだし。
ということで、昨シーズンに注目していた両チームの戦いです。1年経つと興味も変化してくるものだ。
◉グラハム→ブリッジス
グラハムの台頭が目立ったホーネッツですが、それはケンバに点を取らせる形の延長線上にハマった雰囲気でもあり、同時に「ここから伸びるのか」という疑問が沸いてきます。もちろんグラハムがケンバレベルに成長すれば良いわけですが、残念ながらケンバになったところでプレーオフに進めるわけでもなく。
しかし、ちょっとした変化が起き始めました。もともとグラハムのプレーはドライブ主体ではなく、プルアップ3Pを使い得点を奪うことでフロアを広くし、そこにウイングを使っていく形。ドライブの分だけケンバとは違いがあります。
〇グラハムの得点とFGアテンプト
12月まで 18.9点 FG15.9本
1月以降 15.8点 FG13.7本
こうしてグラハムのシュートが減ったのですが、代わりにブリッジスが増やしています。PGからウイングへとシュートアテンプトが変化してきたので、チームとして次のステップに進むことを目指しているような。なお、ホーネッツはグラハムの次にアテンプトが多いのがロジアーになっていて、さすがに2ガードが多すぎる構図は同じです。
この試合もブリッジスがステップバック3Pを決めれば、ドライブで切り裂くプレーも混ぜていく序盤。ただブリッジスはドライブ後のフィニッシュパターン、特にリングから離れた位置からのシュートが上手くないし、ブリッジスのドライブにどうやって合わせるのかが未整備。
1QのFG3/6で2本打った3Pを決めて8点を奪ったブリッジス。だけどそれって2Pは1/4であり、フリースローもゲットできませんでした。ブリッジスの場合は完全にドライブからのパターン不足なので、突然解決することはないでしょう。オフに誰か上手い選手とトレーニングしましょう。
総じてホーネッツはこのシュートが上手くない。だからガード陣のシュートが多くなってしまうのも事実。困った結果、ガードがアウトサイトから打つってね。3P4/7だったのに2P6/18しか決まらなかった1Qでした。
◉ネッツの3Pと2P
ネッツは初めの20本のFGアテンプトのうち15本が3Pでした。ぶっ飛んでるな。そのうち6本を決めて、2Pは4/5で6本のフリースローを得てリードします。非常にわかりやすい構図で、
難しいシュートを打つなら3Pを打て
3Pで空いたインサイドでイージーシュート
カイリーがプレーしていた時に高確率で決めていましたが、このオフェンスで超絶シュートスキルを持つカイリーならばそりゃあ決めるよね。ホーネッツからするとロジアー君にもそういう活躍をして欲しいよね。
ただネッツの場合はカイリーがいなくても、インサイドフィニッシュをジョーダンが決めきってくれます。広いから合わせるパターンも楽さ。堅実に決めまくってくれたジョーダンによって2Qになると点差を二桁にします。
特にベンチメンバーが増えるとネッツのウイング陣とホーネッツのウイング陣には大きすぎる差があり、ディフェンスでは個人の戦いで完封していきます。ボールが奪えそうでルーズボールにダイブしたカバローが早くも4ファールになったこと以外は。
順調に思えたネッツでしたが、次第に得点が止まります。PGがいないせいでもあるし、いてもディンウディだから積極的に打っていくだけなんだけど。
何があったかといえば、特に何もなくシュートが外れているだけなのですが、ホーネッツのファール数が異様に少なく、その割には決めきれなかった感じです。本来はスピードで切り裂くラベートの出番なのですが、キレがなくて全然抜けないのね。
2Q後半にホーネッツはグラハム、ロジアー、モンクの3ガードにブリッジスとPJワシントンにしてきたのですが、ポストアップ要員もいないし、押し込むようなプレーが出来なかったネッツ。
差をつけてくれたのはジョー・ハリスの堅実なドライブレイアップと3Pくらいで、ちょっとグダってしまいました。なおホーネッツはもっとグダグダになってしまい、ノースクリーンの3ガードだからボールを動かすだけでチャンスは生まれず。
〇前半のネッツ
2P 12/16
3P 8/26
3Pがそこそこだった前半のネッツですが、それよりも苦しかったのはオフェンスリバウンドがアレンの1つしかなかったこと。18本も3Pが落ちていれば、ロングリバウンドが落ちてきて、もう少し拾えるものじゃないかな。
〇前半のホーネッツ
2P9/27
3P6/16
2Pが33%はマズいって。ホーネッツがザイオンを獲得できていれば、一気に有望チームになったかもしれないね。とはいえ、スター選手は簡単には手に入らないわけですし、堅実タイプのPJワシントンを取ったわけですし、ネッツみたいに3P積極的に打った方が良い気がした前半でした。
◉おしまい
後半開始早々に7-0のランで16点差にするネッツ
なんだか何も変わらない気がするので、シクサーズvsバックスに移ろうかな。ホーネッツはブリッジスのドライブからゼラーがゴール下でフリーになり、さらにワシントンからフリーのゼラーへ。こういうプレーが増えてくれば違うんだろうね、という形はみせてくれました。
まぁいずれにしてもボレゴの課題は何も変わりませんでした。
シーズンが進む中で選手が伸びるかどうか
ボレゴは与えられた選手で素晴らしいチームをシーズン序盤から作ってきますが、この視点で考えた時には物足りない面があって、ネッツとの比較で言えば「3Pを積極的に打つ」ことをシーズン初めからやっていると戦術に慣れてきた選手が決め始める可能性があるし、確率が上がるようにトレーニングさせるだろうし。
でもホーネッツの戦術の中ではドライブを決めきる能力やビッグマンフィニッシュを伸ばさないと前に進めない状況なので、それって個人が伸びるよりも、そういう選手を連れてきたくなるよね。ゼラーは頑張っているし、伸びたと思うけど、これ以上何を求めるってんだ。
昨シーズンはケンバの大爆発で驚異的に追い上げる試合もあったけど、さすがにそんな空気はないんだよね。
ネッツディフェンスがインサイドアタックへのカバーを強めることでイージーシュートだけは許さず進める3Qが反撃のきっかけすら掴めずに進んでいくので、もういいか。反撃が合ったら4Qを見ますが、とりあえず終了です。
もう1試合みれば、ホーネッツ論が書けそうなくらいでした。ネッツについては観なくても書けるし、特にこれと言って書きたいプラス要素にも欠けているので、またそのうち会いましょう。
両チームにあったのは3Pの確率差ではなくて、2Pの堅実さを生み出す仕組みの差でした。
タフで2pを打つくらいなら3pを打てということですが、この路線で続けていく場合、その3pの確率を上げていく選手が帰ってくるのを待つといったような感じなのですかね。
プリンスからデュラントになれば、外から撃ち抜く確率も上がりますし、さらにカイリーのミドルレンジエリアも広がるということで
アキレス腱の怪我の負担。含めて、デュラント には今年の11分だけ出たNBAファイナルのような役割(外からのシュートに専念)をすれば、このままの戦術でも上手くいくのかなと思いました。
基本はそういう感じですが、
オフボールで動くジョー・ハリスにスクリーンを用意して打たせるパターン
キックアウトからスポットシューターに打たせるパターン
など多彩なパターンを用意しているのがアトキンソンらしさでもあります。
タフショット打つなら3P打て、なのですが、3Pだってフリーを作って打つのが基本です。
その精度が落ちているというか、プレーメイカーとスクリナーの質が低くなっている今シーズンでもありますね。