ラビーンを活かせていないブルズですが、活かす方法のひとつがウォリアーズ型。そのウォリアーズ型は選手を揃えないと難しいよね。
ラビーン、サトランスキー、ポーター、マルカネン、カーター
あれっ?シューター揃っているし、パスも出せる選手が多く、出来そうじゃない?
これがアンマッチ・ブルズ。バトラーをトレードした際に手に入れた選手たちはホイバーグ戦術のために集められたようなタイプが多く、特にドラフトしたマルカネンとカーターはその傾向が強いよ。
スクリーンの連続でスイッチを促し、オフボールでミスマッチとフリーを作っていくホイバーグ戦術
には適したメンバーだし、ドライブが混ざるダンとハッチソンに期待する事項もありました。だけどホイバーグを全否定するようなボイレンになったことで生じたアンマッチ・ブルズ。
一方でルーキーのホワイトはボイレンを象徴するように個人技での得点パターンを持つガード。コントロールしないでスコアリングに寄っているタイプです。それを支えるハードワーカーのサディアス・ヤングなので、ボイレンの好みが反映されたような選手獲得ではありました。
舵を大きく切りすぎたブルズ。もっと振り返ればローズ&バトラー路線に戻っているボイレンなんだよね。ノア、ギブソン、スネルを呼び戻そうぜ。
◎意外な数字
しかし、これらの印象とは違って数字が示すのは3Pの増加による現代化。やっていることと数字は時に相反することもあるのさ。
〇3Pアテンプト 25.9本 ⇒ 35.2本
〇キャッチ&3P 19.2本 ⇒ 25.3本
〇アシスト 21.9本 ⇒ 23.1本
ブルズは3Pを増やしましたが、しっかりとキャッチ&シュートにしており、結果としてアシストも増えました。この数字はハンドラー任せのオフェンスでは難しい数字であり、狙いが3Pに移行していることを示しています。ポジティブなはずだ。
〇ワイドオープン3P 18.8本(4位)
そしてドフリーで打てています。リーグ4位ですが、上位にいるのがバックス、ロケッツ、マブスと勝率の高いチームなのでブルズもこの路線を続けていけばOKな気がしてきます。ハーデンとドンチッチがいるのが気になりますが。
〇ワイドオープン3P
マルカネン 3.3本
ホワイト 3.0本
ヤング 2.2本
ラビーン 2.0本
サトランスキー 1.9本
そして非常にバランスよくワイドオープンになっています。全員が打てることもあり、打たせる人材としても間違っていません。ヤングばかり打っていたら、それは「打たされている」だけですが、マルカネンとホワイトが多いなら悪くないよね。
これだけの要素を抑えているブルズオフェンスはデータとしては成功している部類です。ところがレーティングは酷いものに
〇オフェンスレーティング 105.2(28位)
まぁ105で28位ってのも難儀な時代ですが、ワイドオープンで3Pを打つ体制を作れている割にはオフェンス力がありません。マジで105で28位とか恐ろしい時代だな。オフにBリーグと比較してみようか。
ということでブルズの問題点は大きく2つ
3Pが決まらない
3Pを多く打つのにインサイドが空かない
基本的に前者は選手の問題、後者はチームの問題と位置付けることが多い内容です。まずは選手問題から考えてみましょう。
◎確率を上げろ
基本的にスターター全員が良いシューターのブルズですが、まだ若手ということもあり安定しないのはあるあるです。ブルズに限らないことですし、ドンチッチだって3Pの確率は低いからね。ラビーンが高確率なことはすでにふれたので、他の選手だけでいきましょう。
〇3P成功率(アテンプト順)
マルカネン 34.4%
ホワイト 33.8%
バレンタイン35.6%
ヤング 33.9%
サトランスキ34.1%
ダン 25.9%
ということで、みんなもっと頑張りましょう。
で、終わればよいのですが、こう見ると全員が悪く、しかも「ワイドオープンを多く打っている」マルカネンとホワイトが確率が悪いこともわかります。言い換えれば「打たされている」とすら思えてくるわけです。ヤングに関しては決まらないことは世間に知られているので確実に打たされています。
もう一つの問題がサトランスキーやバレンタインになっていて、この2人は確率の良いシューターとして価値がある選手であり、実績ももっています。特にサトランスキーについてはウィザーズのヘッポコオフェンスで40%決めていたわけなので、ブルズに来て数字が下がるのは大きな問題があります。総じて選手の問題だけでなく
ブルズオフェンスは3Pが決まりにくい
と捉えることもできます。しかし、これを定義するのってかなり難しいんだけどね。ひとつには単純に選手が揃わなかったから連携不足という面もあります。
〇5人ユニットのプレータイム 317分
サトランスキー、ラビーン、ダン、マルカネン、カーター
もっとも長くプレーした5人でも317分のみ。その点ではチームの健康管理問題は引き続きの大きな課題です。すべてのチームが「ケガ人多くても連携を深めるラプターズ」みたいになれるわけじゃないので、コンディショニングは大切。
ただ、その意味で上記のユニットは3ガードになっており、ロスター構成の失敗も否めない。特にオット・ポーターの代役が誰だったのか。唯一のハッチソンはGリーグにいたりと、SFの緩さが目立ちました。本日の題名はアンマッチ・ブルズですが、ここで2つの事実が気になります。
①マルカネンやヤングの3Pが多い
②SFの控えがハッチソン
ラビーンの回で触れたように、ブルズはハンドラーアタックが基本にあるチームなので、そこからパスアウト3Pは狙いの1つです。マルカネンとポーターは良いシューター(になれる)選手ですが、ボールをもらう回数が少なくても決められる選手は必要だし、控えには3&D専任みたいな選手を用意すれば違ったんじゃないのかっていうね。
この点については、マルカネンが決めまくれば済んだ話ともいえるのでボイレンを責めることでは解決はしません。一方で
「GMが揃えた選手がズレている」
のが気になるわけです。シュートの確率上げる選手が足りなかった。あるいはHCとGMのコミュニケーションが悪すぎた。
もう1つの問題はパサー。ラビーンがキックアウトパスが上手くないのが大きな課題ですが、チームとしてオープンな3Pを打てている前提に立つと、ラビーン以外にも問題がありそうです。一番気になるのはPGサトランスキーなわけですが、オンオフコートの成功率を比べると、なかなか面白い数字が出てきます。
〇サトランスキーのオン/オフによる3P
オンコート 36.3%
オフコート 32.3%
サトランスキー本人の確率も関係しますが、ラビーンやマルカネンのオンオフは大した差がないのに、サトランスキーがコートにいるかどうかでブルズの3P成功率は大きく変わってきます。
サトランスキーのアシスト数はチーム最高とはいえ5.3本程度ですが、ターンオーバー1.9と少なく、ミスなく正確にパスを回してくれています。これが個人技で助けてくれているような印象。
一方で控えPGはホワイトとダンというパス能力に課題が大きい選手、アーチディアカノはパサータイプだけど、ウイング気味に振舞うことも多いサトランスキーとはタイプが違う。簡単に言えばラビーンとの共存が苦しめ。
ということで3Pの成功率が上がらない問題はマルカネンがもっと頑張れ案件だけでなく、
パサー不足と3P担当ウイング不足
オープンショットを作れているけど、決めさせるための選手構成が足りなかったね。まぁそんなことよりも試合の印象的には「決まらないから打たせとけ」だったり「ディフェンスを崩せないから3P」って感じなんですけどね。
◉攻略できないインサイド
本来は3Pを多く打つからインサイドが空くのに、ブルズの場合はワイドオープン3Pを数多く打ってインサイドが空くはずが2Pは決まらない。
〇2P成功率 50.6%(26位)
〇ゾーン別成功率
ゴール下 60.2%(27位)
ペイント内36.2%(29位)
ミドル 31.8%(29位)
いやー、酷いね。全ゾーン酷い。これ以上酷いのはホーネッツくらい。これを「個人能力が低い」と定義すると、それはもう選手の質が低いとなるので再建まっしぐらです。若いブルズですがラビーン、ダン、サトランスキーは中堅にはいってきたので、シーズン後半に改善しないなら将来も難しい。ダンは欠場っぽいしな。
そしてプレーを分解すると特徴も出てきます。
〇ピック&ロールの得点率
ハンドラー 0.81(26位)
ロールマン 1.02(25位)
まず何よりピック&ロールの得点率が低い。ハンドラーもロールマンも低い。選手の質が低いっていうなら、そもそもラビーンにやらせるな。となるわけですが、じゃあホワイトってわけにもいかないよね。エース論。
〇アイソレーション 0.82(26位)
そしてアイソもダメなので、個人の突破系統は全滅です。シュートが上手い選手が多くて突破がダメならばパスゲームを選択すべきです。
ところがドライブが多いのがブルズの特徴
〇ドライブ
回数 52.2回(4位)
得点率49.4%(26位)
ブルズよりもドライブが多くて失敗しまくっているのはネッツくらい。カムバック・ディアンジェロ。
ブルズオフェンスの悪さはこのドライブに集約されているといっても過言ではありません。リーグで4番目に多くドライブしているのに成功率は低い。ドライブを成功させる仕組みがありません。
ならばせめてドライブが得意な選手を連れてきましょう。
・・・
・・・
・・・あれっ?
ワイドオープン3Pが決まらない
パサーが足りない
ドライブが得意な選手がいない
いったいどんな選手がいるんだブルズ。おかしいな有望な若手が揃っているはずなのに。もう一度並べてみましょう。
ラビーン、サトランスキー、ポーター、マルカネン、カーター 、ハッチソン、ダン、ホワイト
少なくとも「ドライブが多い」は間違いであり「ワイドオープン3Pが多い」は間違っていない気もしますが実際には決まらないわけです。ドライブが効果的ではないから決まらないと考えるのが自然な気がします。
アンマッチ・ブルズ。その最大の問題点は「多く選択するプレーの成功率が低い」ことです。
ワイドオープン3Pが多いけど、成功率が低い
ドライブが多いけど、成功率が低い
この差を埋めないとオフェンスはチグハグなままになりそうです。選手の成長で賄うのか、プレーチョイスを変更すべきなのか、それともトレードに動くべきなのか。
◉結論
管理人はマルカネンとホイバーグ推しだったので、路線として現状のラビーンアタックは嫌いです。そんな好き嫌いだけでなく「ラビーンをスーパーエースにしたバスケ」はプレーオフにすら進める気がしない。一方でシューティングエースくらいの役割ならばラビーンは輝きそう。
ドライブからのフィニッシュに秀でた選手がいないのに、ドライブが多いアンマッチ。だからその先の3Pも決まらないし、スポットシューターに向いた選手もいないアンマッチ
おそらくこれがブルズの結論。わかりやすい。
しかし、シューティングに秀でた選手を多く抱えており、「ドライブ」という要素を抜いてしまえば、一気に解決しそうな匂いもします。リーグの中でドライブの少ないチームを探してみましょう。
〇ドライブの少ないチーム
レイカーズ
ブレイザーズ
ウォリアーズ
バックス
ナゲッツ
この5チームが40回以下のドライブ数で構成されています。ちなみにブレイザーズだけは変わっていて「ドライブは少ないけど得点は多い」チームになっていて、ドライブしたらフィニッシュまで行くリラードとマカラムの特徴が出ています。
レブロンとADで構成しているレイカーズのマネは出来ないでしょうが、他の4チームに関しては完全なマネではないけど自分たちのメンバーに合わせた形で取り込む要素はありそう。
アンマッチ・ブルズの正解は何か?
フロントが解雇される噂もあるので、来シーズンには解消されるかもしれません。どんな戦術ならばマッチするのか、それともトレードで選手を変えるのか。
まぁ正直そのまんまホイバーグが正解だと思うのですが、他にもジェイ・ライトでもいけそうな匂いもします。
少なくともボイレンを信じるならば、マルカネンはトレードしてディフェンスの良い選手を集めましょう。
ラビーンの個人記事からブルズ全体の問題点が気になっていました。
選手をあれこれトレードするより、ヘッドコーチを代えちゃう方が(GMは迷いどころ)、早く簡単に済みそうですが、そーならないのかなぁ。不思議でもやもやブルズ。もやもやと言えば、キングス…あれはヘッドコーチの責任なのかいな。ヘッドコーチだろーなぁー。
ラビーンをハーデンにするには年齢的には遅い気がするし、相棒も見当たらず…昔のハーデンも最初はリンとハワードもやってましたが。
シボドーから変わったのに、なんか根本的に変われないブルズらしさなのかなぁー。うーん うーん
シボドーに変えた直後は見事でしたけどね。何故か路線を戻すことにしました。ホイバーグをクビにしたことよりもGMが路線変更していることが問題です。まずはパクソンからクビにしないと。
そか ヘッドコーチと選手の両方を揃えたのはGMですね。パクソン アウト~
あざっす