ドートとザイオン

ルーキーズ

そういえばまだザイオンが登場していませんでした。ちょうどシュルーダーを観たかったので、都合よくサンダーとペリカンズの試合が行われました。

◉ドート

試合開始から目を引いたのはサンダーのドラフト外ルーキーであるドート。でもね、数字的には大したことないんですよ。それが目立つってのは多くの場合、運動量が豊富でいろんな場面に顔を出すって事です。

正確にいえば最も目立っているのはジュルー・ホリデーで、スルスルっと抜けてはパスを出していきます。レディックがスターターから抜けた事でゲームを作る意識の高まったペリカンズなので、5人が動きながら、その間をホリデーがドライブとパスで結んでいきます。

そんなホリデーのプレーに翻弄されるのだけど、すぐにリカバリーするのがドート。抜かれても追いかけ、シュートに行く前に全力で寄せて打たせず、パスが出た先までチェイスする気持ちを出し、そしてマイボールになれば走り出す。

また単にハッスルするだけでなくドートのディフェンスはルーキーとしては「ファールをしない」意識が高くって、体を寄せる向きや手の角度が工夫されています。身体能力任せではなく、ある程度は読みも混ざっている感じですね。

しかし、過去の試合を観るとデビュー2試合目でブレイザーズ相手に20分で退場しており、まぁ何となく想像つきますね。そして3ファール以上の試合も多いので、ここまで苦労したからこそのファールを避ける動きなんだと思います。

ドートのハッスルプレーは目立つし、サンダーにエナジーをもたらしてくれています。FGも3Pも確率は良くないので、サンダーらしいハードワークでチャンスを掴んだぜ!

◉エリート

そんなドートはドラフト外ですが20歳なので、アーリーエントリーしたけど指名されなかったのかな。エリートなんだけど、エリートになれなかった感じか。

もうすっかり珍しくなくなったドラフト外ですが、ハッスルでチャンスを掴むのもあるある。エリートではない方がディフェンス専任みたいになって使えるシーンが増えることもあるよね。あとは戦術や正確性などの経験がモノを言う時があるけどドートには当てはまらない。

ドートにとって少しありがたかったのは、クリス・ポール、SGA、ガリナリと並ぶスターターで、さらにファーガソンとなるとサンダーはフィジカル面での弱みが出そうです。アダムスが1人で何とかする。

6フィート3インチと完全なるガードサイズのドートですが215パウンドあり、重めの選手です。同じサイズのモーラントは174パウンドしかありません。もう少し重くなるとマーカス・スマート220パウンドですが、似たような筋肉系なドートです。

これがポジションの不利を感じさせないのでサンダーのラインナップにハマった感じもあります。ファーガソンよりは守れる相手が多く、ハードワークもしてくれる。働くのはスターターの時間だけで良いのでね。

元々、この手のタイプが好きなサンダーはバートンも6-4で240パウンドあるからね。エリートになり損ねたドートですが、ちょっとした特徴で活躍しています。

そしてエリートといえば、エリートの中のエリート。歴史的エリートなのがザイオン。こちらのサイズは衝撃的で284パウンドあるのですが、なんとリーグでタコ・フォールとマルヤノビッチに次ぐ3番目の体重ながら6フィート6インチしかありません!

ヨキッチと同じ体重のザイオンの存在は有無を言わさないスターターなわけですが、欠場のイングラムの代役にハートが選ばれ、違和感なくプレー出来ているのとザイオンは関係していそうです。サイズの不利を無くすような半端ない分厚さ。

本日のマッチアップはガリナリ。管理人は「今日はネイダーがスターターなのか」と思ってしまった。ガリナリをネイダーに見せるくらい分厚いザイオン。

ドートの身長・体重は特徴的

だけどザイオンの身長・体重は歴史的規格外

そんな事を考えたくなるサンダーvsペリカンズです。

◉ザイオンとフェィバーズ

ペリカンズはスターターにザイオンとフェィバーズを並べてきます。この選択は当たり前のようで不思議でもあります。ザイオンのプレーエリアを消しそうなフェィバーズ、ということ以上にペリカンズオフェンスはドライブしたそうなのに2人もローポストで並べてるのがね。

案の定、ホリデーからのプレーメイク以外はイマイチな立ち上がりに。ところがこれが2Qになってザイオンのワンビッグになると大きく試合が動き出します。

アンダーサイズながら尋常ではないパワーのザイオン。普通はゴール下で囲まれると困るサイズなのに意に介さず。とはいえ、それはあくまでも個人の話であり、インサイド渋滞になるとパスを引き出すのが難しくなります。

ワンビッグになると、ロンゾやフランク・ジャクソンから素晴らしいロブ気味のパスが連発されるように。ここでザイオンはパワーだけでなくフィニッシュの巧さを見せており、後ろから来たパスを空中でそのままリングへ持って行くし、囲まれてもファールを引き出すし。

サンダーはノエルがマークする時間が長く、少しだけアダムスになったのですが、両者はヘルプポジションをとるのがルールであり、ザイオンへのパスコースも潰しながら、というポジションをとるのですが、ロンゾとフランク・ジャクソンのパスも上手かった。

ザイオンにセンターをつけるとヘルプとの関係が上手く行かずスピード差が生まれるし、他の選手だとパワー差が生じる。どちらが辛いかというとペリカンズにはパス能力があったので、スピード差の方が辛かったね。そしてスピード差はワンビッグの方が使いやすいのよ。

これで2Qに良い感じになったペリカンズ。しかし、ディフェンスはスルスルと抜かれればリムプロテクター不足なのでイージーに決められたし、アダムスがハーフコートブザービーターを決めるのでサンダーリードでした。

◉ザイオンとガリナリ

3QになるとザイオンのFG3/3もあってペリカンズが追いつくのですが、それをマスカラのFG3/3で取り返すサンダー。

そしてフェィバーズには出番がなくなり、ザイオンをセンターにしてメリとの同時起用でバランスを保とうとしました。まずフェィバーズについて言えば、ジャズ時代のようにゴベアーと同時起用パターンのPFやらせれば解決しそうだったし、ザイオンがミドルポストあたりでボールをもらうと逆サイドローポストで合わせるプレーは、ザイオンの見事なパスもあって機能していました。解決手段があるならやれば良いのに。

次にメリ、そしてレディックは4Q出続けました。3Qからのロングプレータイムです。ザイオンのプレータイムは気にかけるのに随分と乱暴な起用でした。特にレディックは早打ちマシーンなので疲労も溜まるだろうに。

その結果、4Qのペリカンズはレディックとザイオン以外のFGアテンプトはロンゾとメリが3Pを打っただけになりました。アンバランスなオフェンスというか、広げるレディックと支配するザイオンに全てを託したというか。

◯ザイオン

32点 FG11/19 6リバウンド

見事な高確率で30点オーバーのザイオン。そこは大いに褒めましょう。個人技マックスで攻め勝ったわけではなく、周囲との関係性の中でポジションを奪ってのフィニッシュ役だったのも好印象です。アシストが1しかないので当面はこの役割が向いているかと。

そこにレディックは効果的なようでいて、イングラムどうすんのかな?という疑問も出てくる試合でしたが、未来永劫どころか来シーズンいるかもわからないレディックに触れても意味ないか。

問題は例によってホリデーのアテンプトが消えたこと。4Q0本ってのは偏りすぎのオフェンスでした。それでも勢いとスタミナを保てた4Q中盤にペリカンズは逆転します。

残り6分18秒で逆転のレイアップを決めたザイオンでしたが、そこからはフリースローの1点のみ。チームの中で上手く機能していたのがチームとして止まってしまいました。

サンダーに勝利をもたらしたのはザイオンのマークで消えていたガリナリ。ペリカンズの失速に反して4Qになって仕事をしました。

ザイオン相手のドライブからステップバックジャンパーを決めたのは、ディフェンスがついて来れなくなったと判断した事と、難しいシュートを決める足が残っていた事。かつてウエストブルックが試合を通して1人でやっていた事を分業しているので効果的

SGAとCP3が0点だった4Qですがガリナリが11点。特定の選手が点を取る同じスタイルのペリカンズとサンダーのようでいて、分業させる心は全く違ったかな。そんな試合でした。

ということで、ペリカンズの課題は

どこまでザイオンを信じ

どこまで分業するのか

ってことですね。ロンゾとザイオンの相性は良さげなのでイングラムやハートとの関係性かな。あとヘイズと並べるのは難しそうだし、ホリデー型のエースキャラとの関係性も難しい。まぁアルビン・ジェントリーはそういう部分は選手の個性って事で放置しそうだけどね。

ドラフト外入団でチームに残るために自分を改善しハードワークでアピールするドート

NO.1ピックとして実力を示し周囲の改善を求められるザイオン

ルーキーもいろいろさ。

ドートとザイオン” への2件のフィードバック

  1. シュルーダーがオフェンス効率を爆上げするどころかディフェンスレーティングまでかなり上げているんですがあまり理由が分からないのです。

    1. オフェンスは独りよがりがなくなりましたね。ホークス時代にムリだったのに、ここにきて改善したのはナゾです。
      ディフェンスはサンダー全体の問題なので、たまたまじゃないかと。ベンチメンバー同士だとサンダーのが強いみたいな。

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