スパーズvsホークス

ティーグが戻ってきたぜ!試合には出そうにないぜ!

ACダンカンが見守る中でビンス・カーターを讃えるサンアントニオのAT&Tセンター。そんな42歳もいるし、かつてのオールスターPGであるティーグも戻ってきましたホークスですが、スターターが

ジョン・コリンズ(3年目)
トレ・ヤング(2年目)
ケビン・ハーター(2年目)
キャム・レディッシュ(1年目)
デアンドレ・ハンター(1年目)

合計で9年ですよ。ビンスおじさんと比べるまでもなく、デローザン1人にすら劣る経験年数です。でも、なんだかやっと見ることが出来たラインナップでもあります。適切な組み合わせとは言えないのだけど、それはレディッシュがどこまでインサイドプレーを出来るか次第かな。

調べてみるとこの形は6試合平均7.1分しか組まれていません。ところが平均7.1分はホークスで最も長い平均プレータイムです。パッシングで作っていくチームが崩壊している理由がわかる気もしてくるのでした。

◉両チームの3P事情

デローザンのスーパーFG%の裏で進んだのが、ストレッチしての3P増だったスパーズは鮮やかに繋いでいきます。同じくヤング&コリンズのコンビが笑えるほどに鮮やかなホークスもまた3Pを使いながらのスペース利用してきます。

同じように3Pを打っていく両チームですが、考え方が真逆になっていて

スパーズ:ドライブ→パスアウト→3P
ホークス:3P→ドライブ→パス

みたいな。3Pを打つことから始めるホークスと、ドライブから始めるスパーズ。難しいのはホークスなのですが、ハーター、ヤング、コリンズと決めていったのに対して、スパーズはパスアウト3Pが6本連続ミス。これが時代か。

ホークスは神のごときFG%を誇るデローザンのアタックに対して収縮しすぎ、アウトサイドはフリーになりまくるのですがそれが決まらないと、インサイドでもデローザンがまさかの2本連続ペイント内をミス。なお、どっちもしっかりとマークされていたけど、外しただけでニュースになる男。

ということでホークスの方が強そうな両者の関係性。だけど、ヤング&コリンズがいなくなるとあっさりと立場が逆転します。

「3Pを打つ」ことを念頭に置いた形そのものは継続するけど、それでディフェンスが広がったところを上手く利用できないのがホークスベンチ陣。ヤング&コリンズがあまりにも上手いから尚更ね。ティーグを求めた理由を示すようにオフェンスが停滞します。

一方のスパーズベンチ陣は4ガード+パートルという構成。よくわからん。だれがインサイド攻略するのか不明なのですが、ホワイトとロニー・ウォーカーなんだろうね。そこは特筆すべきプレーはなかったものの、ベテラン・ベリネリがロング2Pで決めきってくれたので29-27と2点ビハインドになって1Qが終わります。ベリネリが3Pにしていれば同点でした。ライン踏んだのか。

◉ベンチで追いつけないと

2Qになっても変わらず。カウンター気味のトランジション連発でフォーブス3Pでスパーズが逆転します。それをビンスおじさんが単独3Pを連発して盛り返します。マジ個人技というか崩したわけじゃないけど、ルーズボールの流れとかで空いたのを決めきった。偉いぞ42歳。

ところが今度はベンブリーがフリースローで「フェイクしたからバイオレーション」という超ひどいターンオーバー。てぃーーーーーーぐ。それでもビンスおじさんとベンブリーはスティールで結果を残してくれたのでギリギリで戦えているホークス。ミスが多いスパーズ。

そのスパーズもデローザンが戻ってくると切り崩してタフなリバースレイアップを決めれば、パートルへのアシスト、キックアウトパス連発で形にしてくれます。高確率で決めまくっているデローザンですが、それよりもパサーとしての能力の高さが光ります。

なんだかんだでハイスコアゲーム。お互いにトランジション系になっていることもあるし、ハーフコートでシュートチャンス掴んで打ちまくるし。

だけど、これってスパーズの失敗だよね。だってスターターはホークスの方が強かったじゃん。ってことで、スターター同士に戻るとヤングの3P、ハーターとレディッシュのジャンプシュートとミスが減って決めきるホークスが残り3分で10点リードにします。

スパーズのインサイドに対してあまりヘルプをしなくなったホークス。オルドリッジvsコリンズがミスマッチ気味で、止めきれないコリンズなのでスパーズも狙いたいのですが、「パスを通させない」ような守り方で塞いでいくコリンズ。

デローザンは変わらず決めていくのですが、そこはハンターが頑張って頑張って、って感じです。パスアウトが上手くなったわけだから、強引に打ち切るわけじゃないんだよねデローザン。だけど、パスを出そうにもあまり収縮していないホークスディフェンスみたいな。あくまでも「確率が神」なデローザン。

残り1分から速攻でアリウープダンクのマレー。そこからフルコートディフェンスでターンオーバーを促し、デローザンのフリースローに繋げて点差を一桁にしたものの、ヤングにプルアップ3Pを食らってしまいます。

ラストプレーでデローザンからスティールしたヤング。倒れこみながらパスを出して速攻にしたのに、チェイスしてきたマレーが2on1でもスティール仕返し、オルドリッジのブザービーターに繋げて67-58とホークス9点リードで前半が終わりました。

〇前半の3P
ホークス 10/21
スパーズ  4/17

この差が響いたし、プルアップばかりのヤングが4/5、ビンスおじさんが3/3なので出来すぎといえば出来すぎのホークスでした。魅惑のスターター5人はホークスの未来を創るわけですが、そのためにもビンスおじさんの代役を準備しないといけないですね。

◉ポイント・ゴッド

ホークスの5人は5人で魅力ってわけじゃなくて、ヤング&コリンズ&ハーターなんだよね。後半になると、コリンズとハーターが決めきれないというか、スパーズディフェンスが集中的にカバーしてきてタフショットにしていきます。ハンターとレディッシュが個人として悪いというよりも、有効に絡めていかないとダメだろうね。

スパーズは相変わらずのオルドリッジ狙いとデローザンアタックで徐々に稼いでいきます。時にマレーのドライブも混じっており、この3人がキーとなり、フォーブスとライルズをシューターポジションに置くわけです。5人の絡み方が整理されているニュースタイル。

ハーターとコリンズ間のミスから速攻に行くマレー。キーとなる3人の部分で前半は負けていたけど、後半になって立場が逆転していきます。オルドリッジのハンドオフからデローザンがアタックし、パスアウトでオルドリッジの3P。4分経過した時点で追いついたスパーズ。ニュー・スパーズ。

ロイド・ピアースも同じことを思ったようでタイムアウトからハンターをピック役にしてトップの位置でオフェンスに絡めていきます。見事にドライブを決めたハンターですが、デローザン相手のディフェンスではフェイクに飛んでしまいミドル&ワンを食らってしまい、スパーズが逆転します。

そして神デローザンが止められず、次々にドライブを食らいます。くらいに食らうと、トランジションのドライブからコーナーでドフリーになったミルズへキックアウト&3P。パーフェクトだぜデローザン!

一気に10点リードにすると、さらにリバウンドからタッチダウンパスでミルズにアリウープパスを通すデローザン(もちろんダンクではない)完全にポイント・ゴッドなデローザン。真ん中をドライブして右へ左へパスを振る。

もう集中力が欠けてきた若きホークスは、コリンズがオフェンスリバウンドこそ押し込むければ、特に連携のないシュートを打ってミスし、パスを出す先をみつけられず困ったハーターはロニー・ウォーカーにプレゼントパス。ビンスおじさんもなす術がなく、一方的な展開になるのでした。

3Qは41-21とスパーズが圧倒しました。デローザンによるデローザンのためのデローザン劇場。そのデローザンが交代するとロニー・ウォーカーが速攻、ドライブジャンプシュート、3Pと成長しているんだアピールしていたよ。

終盤のホークスはトレーニングモード。ベンチメンバーの中にレディッシュを混ぜ両コーナーにビンスおじさんとベンブリーを置く中でプレーメイカーにして、積極的にアタックさせていました。ヤングが戦術の中心だけに、困ったときに個人技で仕掛けてくれるウイングは必要だよね。

◉諦めないヤング

11点差なのでまだまだ逆転圏内ですが、追いつくための特別な戦略みたいなものがホークスにはないよね。3Pを決められるかどうかみたいな。スパーズがドライブで切り裂こうとしているのとは違うよね。さすがにスラッシャー不足だわ。ボールを動かしても結局はレディッシュ頼みになるぜ。

レディッシュは割と結果を残すのですが、今ではオフェンス力が売りのスパーズがまたも4ガードにしてストレッチ&ドライブを繰り返します。中心はホワイト。デローザン記事において「デローザン&マレーの時間が長くなった」と書きましたが、それって両方がベンチに座っている時間が長くなることにも繋がります。そこをホワイトとロニー・ウォーカーがどうするか。

レディッシュとホワイトの戦いみたいになった4Q序盤は、スティールから速攻に行ったレディッシュを待ち受けたホワイトがテイクチャージ。ということでホワイトに軍配があがり、14点差に広がってデローザンやヤングが戻ってきます。なお、戻ってきたら30秒でレディッシュとハーターの連続3Pで8点差です。ここまでの攻防を無視した得点差。

ホークスは3P好調のレディッシュとビンスおじさんを残し、両コーナーに置きます。あとは主役達がどれだけ結果を残せるかの勝負だね。コリンズとハーターがそれぞれレイアップを決めて反撃に。さらにハーターのドライブからコーナーで待っていたレディッシュが3P。

ヤングだけはマレーに困り続けているけど、トランジションからロニー・ウォーカーになるとファールドローに成功。ところがフリースローを2本ともミスして、残り5分で4点差です。追い上げたけど、追い抜ききれないみたいな。しかもハンターがコリンズに出したパスがデローザンにカットされ、ボールを受けようと手を出したコリンズが5つ目のファール。ベンチへ。

勝負の時間なのでスパーズはコートを空けてデローザン。連続アタックで決めきる確率の神。それに対して久々に3Pを決めたヤングは、続けざまにマレーから3Pファールドロー。ミスが続いていたのに、終盤でちゃんと働ける2年目エース素晴らしいね。残り3分3点差。

タイムアウトからのスパーズはデローザンではなくオルドリッジ狙い。マークがダミアン・ジョーンズなので、理由は良くわかりませんでしたが、ファールドローに成功。いずれにしても両エースがしっかりと得点できているスパーズ。オフェンスのチームじゃ。

ファールトラブルのコリンズを戻したホークスはオルドリッジのマークをハンターにします。この人もPGからセンターまで守るオールラウンドディフェンダーにされようとしています。まぁファールしちゃったけど。これで残り2分7点差になって勝負ありかと思たら、またヤングがプルアップのロング3Pで終わらせない。

ただヤングは狙いすぎのパスがスティールされていて自分で取らないとダメな状態になっています。自分で行けばオルドリッジからファールドローして何とかついていく。

デローザンではなくオルドリッジを狙うスパーズ。これがポジション争いでファールコールされ6つ目で退場に。そのため残り30秒で2点リードの場面はデローザンがアタックするもリバースレイアップが決まらず。

逆転をかけたホークスはヤングにダブルチームにこられたので、ハンターがフリーになるも3Pは打たずにドライブ狙いからコーナーのハーターへパスアウト。これを受けたハーターが見事に3Pをヒットし残り6秒で逆転に成功します。強いぜスターター。

ラストオフェンスはスパーズ。もちろんデローザンだろうな。マークはハンター。何度もスクリーンをかけて剥がしたのに、ボールを持った時にはレディッシュに。せめてヤングにしたかったね。ドライブからエンドラインジャンパーを狙うも、3人に囲まれながらのタフショットは決まらず。

神になり切れなかったデローザンでした。

◉強いぜ若きホークス

〇ホークスのスターター
ヤング 31点
ハーター 18点
コリンズ 18点
レディッシュ 22点
ハンター 6点

5人で95点の若きスターター達は、FG40/64、3P16/31と素晴らしいオフェンシブスタッツを残しました。3Qこそ困ったものの、前半と4Qにデローザンとオルドリッジがいるスパーズのスターターを圧倒したのでした。

これこそシーズン前に待ち望んでいたホークスという試合展開。まぁスパーズのディフェンス問題もあるので、手放しでほめて良いわけではありませんが、良い試合を見せてもらったよ。

ヤング&コリンズに依存していた前半に圧倒し、そこへのマークが苦しくなって3Qに困る中で、ビハインドからレディッシュがみせたパフォーマンスが見事にホークスを蘇らせたといえます。本当はレディッシュを6thマンにした方がバランスが良さそう。そこはティーグに期待するのかな。

なお、レディッシュのシーズンスタッツはFG32%、3P27%なのでスパーズファンは運が悪かったですね。

一方で4Q終盤になると、しっかりと結果を残してきたヤングと逆転シュートを決めきったハーター。1年前からスーパーだったコンビが、やっと復活っていう感じでもあります。個々では活躍していたけど、相乗効果を感じられるのが良かったね。

ティーグを呼べたけど、クラブがいなくなったのでもう1枚ベテランのウイングが欲しいですが、そういえばグラハムが来るんだよね。大きく改善することを期待しましょう。そしてティーグを獲得したという事はドラモンドは諦めたのかな。チャンドラー・パーソンズを放出すれば成立するのかな。(サラリー問題)

〇スパーズのFG
デローザン 9/18
オルドリッジ 11/20
マレー 5/10

オフェンスはほぼ問題なかったスパーズ。打ち勝てなかったのは3Pの部分です。

〇3P
マレー 0/3
フォーブス 1/6
オルドリッジ 1/3

ただ、120点を奪っており、毎試合決まりまくるわけじゃないから、ここを責めても仕方がないし、終盤は3/7決めたミルズにしていたしね。終盤じゃなくても良いので、あと2本3Pを決めていれば問題なく逃げ切った試合といえます。

やっぱりもう少しディフェンスを強化しないと苦しすぎます。マレーとロニー・ウォーカーがハードに踏ん張り、ホワイトの読みがありながら、完全に振り回されてしまった。3Qを21点に抑えながら、4Qに継続できなかったのはレディッシュに崩されたからだし、4ガードにしたのがね。

とはいえ、相変わらずFG50%以上を継続するデローザン。本日は危なかったし、最後を決めていればヒーローでした。なお、あれはオフェンス構築の段階でほぼ負けていたので、外したデローザンを責めるのもちょっと違うかもね。

8位の座が遠いスパーズ。個人としてはそれなりになってきているだけに尚更ね。結局はガード過多問題に戻ってしまいそうなのがさ。

スパーズvsホークス” への4件のフィードバック

  1. 最近デローザンの活躍とオルドリッジのストレッチ5への変化で良くなってきているのになかなか勝てなくてモヤモヤしています。特にシューター陣のディフェンスが弱く明らかに狙われている印象です。それに最近スパーズのオープンスリーの確率も低いのも問題だと思います。キャロルもシステムの理解度のせいか出場時間を貰えてないのでシューター陣とキャロルで3&Dの選手をトレードで取れたら1番いいのかなと思うのですがどう思われますか?

    1. キャロルを起用しないなんてもったいない。わけですが、そうなると他の選手を連れてきても、「戦術理解度が・・・」となって起用しないんじゃないですかね。

      元スパーズが良いのでしょうが、やっぱりカイル・アンダーソンですかね。グリズリーズも不要になってきたっぽいし。ついでにイグダラももらいますか。

  2. デローザンをより生かすオフェンスに改善されてきたスパーズですが、それが勝率の大きな向上にはつながっていないのが悲しいところです。
    トレードでガードを減らしてディフェンスのいいウイングとインサイドを増やすべきではないかと思うのですが、誰を放出して誰を獲得できるのかが問題。
    そして、今のデローザン中心のチームを今後も続けていくつもりなのか。そうでないならやはりデローザンを売って将来性のあるプレイヤーの獲得を目指してもよいのではと思います。

    1. 確かに、これだけデローザンを生かしてオフェンスも良くなって勝てないなら、崩壊するしかなく。
      ディフェンスの良いウイング連れてくれば解決しますが、だったらデローザンを放出して再建もひとつの道ですね。

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