バックスvsセルティックス

イーストの覇者を争うのか?

本日はチョイスを間違えて日本語解説になっていました。一生懸命盛り上げる言葉を並べる試合前だったのですが、そこまでの緊張感はなさそうだよね。オールスター前だし、プレーオフに向けてはセルティックス側には足りないというか、も少し伸ばしていく部分があるからさ。

ところで、イマイチ盛り上がりに欠ける理由がジェイレン・ブラウンの欠場です。ここは「ブラウンが」ではなくて、「ヤニス対策をどうするのか」が見えにくいって事です。ビッグがタイス(orカンター)のみのセルティックスだと、ヤニスとマッチアップする選手に困ります。

ということで早速ハンマーダンクのヤニス。担当はヘイワードなので、インサイド勝負したら相手にならないね。ってことでスマートがマッチアップするとブルックとのピック&ロールでスイッチさせてのブルック3Pです。うーん、チームとしてのミスマッチ感が満載じゃ。

しかも、そのブルックが3P3連発にミドルまで決めるのでバックスが早々に二桁リードです。どうしてもヤニスのフィジカルに抗えず、タイスはブルックの3Pを守れない。苦しいぜ。

ところが、それって攻守が入れ替わると同じ構図が成立します。ヤニスが守るのはスマートなのですが、おそらくその理由はスマートが最も離して良い選手だから。カバー担当にヤニスを残しておきたいから、せめてスマートを空けようよ。交代したイリャソバもスマートのマークです。

スマート、ケンバ、テイタム、ヘイワードの4人だと思いっきりストレッチされるからインサイドカバーをどうするか難しい課題にされてしまいます。個人は結構守れるから、そこまで困らない序盤なのですが、チームディフェンス自体は崩されています。珍しくタイスが3P打たなかったからよかったけど、怪しかったよ。

試合開始から6本連続で決まらなかった3P。一方でバックスは5/6でした。それで二桁リードなら当たり前ですね。そこまで気にしても仕方がないわ。バックスが16点リードの1Qになりました。

◉プレーオフを思い出そう

2Qはスターターがテイタムだけの布陣となったセルティックスですが解説からは「ベンチポイントが悪い」「2Qだからテイタム氏かいなくて仕方がない」と伝えていますが、セルティックスの事情はちょっと違うよね。

基本的にはカンターを含めた5人のスコアラーを支える周囲のメンバーという構図なので、ベンチポイントが少ないんじゃなくて組み合わせによってスターターの中のエースキャラが行くだけです。そのためのグラント・ウィリアムスやタイスなわけです。なお、テイタムだけといってますが、すぐにヘイワードやケンバが出てくるのでエースチェンジを頻繁にね。

ところが、そのオフェンスが全く通用しません。理由はシンプルで3Pが決まらな過ぎたからインサイドカバーされまくっていることです。キックアウトパスが上手くないエースだと苦しいなー。苦しいからケンバとヘイワードの登場だろうな。

どうにもならないので2分経過時点で24点差まで広がります。だけど、ケンバとヘイワード中心で人とボールが動くようになってきます。グラントが繋いでケンバアタックでの崩しが増えていきます。上手いぜケンバ。そう思ったらエンドラインの合わせをするグラント。広げまくるがシュートは決まらないぜ。散々あけられてやっと3Pを決めた。

ところでさ、本日はブラウンがいないわけでしょ。じゃあさ、ヤニス対策でオジェレイがスターターだろ!っていうのが2年前のプレーオフでした。ザ・ヤニスキラーだったオジェレイ。

ということで出番を与えられたオジェレイ。2年前の感じだともっとプレータイムが増えると思っていたのに、今の状況は面白くないだろうな。でも、誰もヤニスを止められないなら再びチャンスが訪れるはず。あんまり止められないけど、他の選手よりは個人で止めてくれるのがオジェレイ。マシって程度のレベルですが、ヤニス相手に1人で挑めるだけで偉い。これで何とか広がり続ける点差を止めます。

で、この両HCって細かくユニットチェンジしてくるから1つの回答が短時間しか続きません。ヤニスがベンチに行ったのでオジェレイとグラントもベンチへ。セルティックスはテイタム、ケンバ、スマートが並ぶのでユニットでの優位性が生まれます。短時間だけどね。

しかし20点差までしかいけません。ジョージ・ヒルとディビチェンゾが3P。プレーオフで決めるために呼んだベテランと、決める選手になってほしい若手。これが重要なバックスだね。

ヤニスが出てくるとオジェレイも登場。さすがわかりやすいぜブラッド・スティーブンス。だけど何故かカンターも登場です。よくわかんないぜブラッド・スティーブンス。

良い感じになりかけたのですが、オジェレイが酷いフォームの3Pを外し、スマートのインサイドアタックにカンターが寄ってきたからロビンがブロック。あちゃちゃー。そこはグラントが良かったんじゃないのか。

それでも残り30秒からバックスオフェンスが連続ミスになったので、18点差で済んだ前半でした。なんと2Qだけで24点を奪ったケンバ。なんだけどバックスに40点を奪われてしまいました。

なんとバックスの3Pは12/15です。こういう日もあるから、そんなときは諦めるのがルールだったりします。諦めないのがブラッド・スティーブンスです。

◉変化をつけろ

後半になってもヤニスの理不尽速攻に狂わされます。しかし、もう一つ狂ったのがヤニスのフリースロー。ヤニスは止められないけど、ファールで止めたらフロースローをそこそこ落としてくれるように。

一方でタイスがオフェンスで輝き始めます。「輝く」ってのは嘘だな。1Qには空いていても打たなかったタイスですが、ブルックがインサイドカバーばかり狙っていたので、初めて3P打つとこれが決まり、さらにストレッチしたことでマークが外れ始めて、オフェンスリバウンドを奪っていきます。

さらにスマートが3Pで続きます。思い返せば1Qにヤニスにマークされていたわけで、インサイドヘルプを打ち消さないといけないタイスとスマートの3Pは明確に前半の修正点でした。

これで守り切れないまでも失点を減らすことに成功し、決めきれないまでもバックスディフェンスを攻略する手段を講じ始めたセルティックスなので、両者の点差は少しずつ縮まっていくのでした。テイタムは沈黙しているな。

バックスは前半面白いように決まっていた3Pが決まらなくなります。これが「3Pが決まらない」のか「インサイドのヤニスにマークが集中しない」のか、微妙なラインでした。ファールしてでも止めておこうのセルティックスはテイタムが1人でヤニスに立ち向かうなどオーバーヘルプに気を付けることに。

加えて前半で3ファールだったブレッドソーが、ケンバに振り切られそうになるとスクリナーのタイスにタックルしてファールコール。バカなブレッドソーだな・・・と思ったら、レフリーは何とケンバにフリースローを与える意味わからない形に。キレてテクニカルのブレッドソー。

こうして、まさかまさかの一気に得点差が一けたに突入します。大逆転の風が吹く。解説が「前回の試合のようにケンバ、スマート、テイタム、カンターと爆発すれば、この試合もまだわかりません」って言ってるよ。そんなに爆発すれば当たり前じゃねーか。

ところがヤニスがベンチに下がってからバックスペースに戻ってしまいます。ジョージ・ヒルのプルアップ3Pが決まれば、イリャソバとコーバーが見事なカバーディフェンスでイージーシュートを許さず、そしてトランジションから3Pを打ったディヴィチェンゾに対してファールしてしまったグリーン。あーあ。

ってことで残り40秒で20点差に戻ってしまいました。ヤニスがいなくなってからってのがミソ。ヤニスにオーバーヘルプしないことを優先してきたような守り方が、ヤニスがいなくなると逆に崩されるってね。特別な理由はないのですが、大きく戦術が変わって守れなくなるのは良くある話です。変化をつけてくるブーデンフォルツァー。

見事な修正による変化でセルティックスが上手くいきかけたのに、それを許さないユニット組でパターン変更し持ち直したバックスでした。

◉ヤニスキラー

再びオジェレイをヤニスにあててきますが、解説は「ゾーンしないのか」と言っています。もう一人オトボケなのが、ヤニスのスクリーンによってスイッチしてvsオジェレイになって自分で打ってしまうブレッドソー。違うじゃん。オジェレイを引きはがすためのピックじゃん。お前が勝負してどうする。

オフェンスではバックスのヘルプに困るも、最後にゴール下のカンターに任せることが出来、インサイドに寄ったらオジェレイの3Pも決まって再び追い上げモードになります。ブレッドソーと交代したジョージ・ヒルはまたも3P。

それでもオジェレイはヤニスとの1on1でテイクチャージ。次のオフェンスもヤニスが1on1を挑むも完璧に止めるオジェレイ。ザ・ヤニスキラーの復活。面白きことにこの後のオフェンスでオジェレイが3P。やり返してメンタル削るのか。

これでバックスは明確にヤニスへのスクリーンでオジェレイを剥がしに行きます。対応早いし、徹底しているし。そりゃ強いさ。しかも「剥がしてスマートを狙う」んだぜ。そんなのヤニスにしか許されないスイッチ誘導じゃん。スマートを狙わせる戦術とか異常だ。

そのポストアップからスマートはタフに守るのですが、パスアウトからディヴィチェンゾの3P、さらに高さを使ってのタフミドルを決めて流れを止めに行きます。このミドルを決めるからバックスは強くなったね。

一桁点差まで持って行ったものの、スローダウンしてのバックスオフェンスが堅実なので、スーパースモールに移行したブラッド・スティーブンス。ロペスブラザーズがベンチに座っていることもあって、オジェレイをセンターにしています。

急ぐしかないのですが、時間をかけさせられるセルティックス。それでもテイタムがタフな3Pを決めきり、ケンバがワンマン超速攻でレイアップを決め、最後まで抵抗し続けます。でも、点差が離れすぎていたね。

◉プレーオフに向けて

完成度の高まりを感じさせてくれるバックス。特にジョージ・ヒルとディヴィチェンゾで安定しているベンチ陣がバックスの強さをワンステージ上に上げてくれています。ブログドンがいなくなった不安要素を補ってくれそうな、期待して大丈夫か不安なね。

そんなバックスの強さに対して、止めきれなかったセルティックス。それでもいくつかのトライを混ぜつつ、オフェンシブに戦えたことはポジティブです。守れないとどうしようもなかった感じのチームが、苦しんでも得点の取り合いを挑むだけの可能性もあったってね。

セルティックスの場合はプレーオフまでに延ばせる要素があるのも、それなりの強みです。負け惜しみですが、惜しむ要素はあるってことだ。

まずはオジェレイ。振り返るとやっぱりスターターで良かったね。ヤニス対策としてオジェレイはまだ有効みたいです。プレーオフ全試合では通じないのですが、ここまでオジェレイが守れるなら戦略が増します。

この試合でわかったのは「ヤニスにやられた方がマシ」ってことです。ヤニスを恐れてマークを寄せたところであまり効果がない上にパスアウトされて3Pの方が厄介です。

ヤニスとの個人勝負を挑んで40点に抑えよう

50点取られては意味がありません。なんとか40点に抑えましょう。それをオジェレイが出来るかどうか。ブラウンやスマートもいるからプレーオフなら、細かく戦略を組み立てたいですね。

オフェンスでハッキリしていたのは「まずはブルック・ロペスをいじめろ」ってことでした。ブルックがインサイドでカバーしているとヤニスの脅威もあってドライブが全く通用しません。なので、まずは1on1シチュエーションでブルックをアウトサイドにおびき出しましょう。

これが出来て初めてオフェンスになります。後半からはタイスだけでなくテイタムも上手くおびき出していました。走らせたら遅いブルックなので、おびき出しさえすれば、可能性は膨らみます。

センターの補強がポイントになっているセルティックスですが、これらの事を考えるとPGの方が課題に思えます。ケンバがいるのでスイッチディフェンスへの対応は準備しないといけません。そこにベンチがワナメイカーだと苦しめ。ほんの少しで良いから控えPGをアップグレードしたいなぁ。それかオジェレイをウイングたちの控えとして積極的に使い、スマートPGをもっと増やすかだね。

バックスは控えPGがジョージ・ヒル。4Qに追い上げられるとハーフコートで堅実な選択をしはじめたわけですが、ブレッドソーには戻さず安定したジョージ・ヒルを続けました。ヒルが安定しているってのもウケる部分はあるのですが、ディフェンスがあるPGって使いやすいよね。

まぁ色々とあったけど、戦略的な両HCの目まぐるしい選手交代とそれに伴う形の変化は見ている方にも気を抜くことを許してくれないよ。バックスの方が明確に個人が戦術を推し進めていました。

若手の多いセルティックスが、もう2つくらいレベルアップさせなければいけないことがわかり試合でしたし、その可能性も残っている感じでした。

バックスvsセルティックス” への4件のフィードバック

  1. 日本の解説者は佐々木クリス以外本当にひどい。
    ただ感想を言ってるだけ。解説になってない。

    1. プレー解説で選んだのが、ヤニスが理不尽速攻で2人の間を抜けてダンクだったのはビックリ!
      それって単に「ヤニスすげー」ってだけなので、何を解説したいのか・・・感想か。

  2. 第3PG問題はここ最近は特に顕著ですよね。個人的にはセルツのPGはケンバ・スマート・ヘイワードだと思っているので、ウイングの出番を増やして、3人の内の誰かが常にオンコートするローテーションを組めればなと思ってるんですが。
    シーズン序盤のセルツは上記3人のチームという感じが強くて、ワナメイカーの仕掛けも彼らのパスを受けた所からが多く、それ自体は効果的だった気がします。
    徐々に戦い方を変えていった中で、チームでの役割とワナメイカーの能力にミスマッチが起こってしまったのかなと思いました。

    1. その中でスマートの仕掛けがどこまで信用して良いのか、って空気もあります。判断力は確かなのですが、仕掛けるタイプじゃないんですよね。
      で、ウイングに仕掛けさせるとなると、仕組み不足だったりして。スクリナーが少ない構成なので、悩んじゃいますね。

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