ウルブズは何を観ているか~vsペイサーズ~

ネッツ好きの管理人がお送りします。

ネッツみたいなことをして上手くいかないウルブズ
ネッツみたいなことをしないで上手くいくペイサーズ
そんな空気を感じながら1Qを観ていました。

ウルブズが5割勝つと予想していたシーズン前ですが、穴が合ったら入りたい感じですね。じゃあ何故5割勝てると思ったかですが、オコギーやカルバーの若手とボーンレイやレイマンなんかを加えて、ハードに頑張る選手で構築していったからです。ジョーダン・ベルもいたよね。

そして、そんな選手を集めながら若きサンダースHCは若いHCらしく、ネッツみたいなチームで崩す形を取り込んできました。それがシーズン前の状況でして、簡単に言えば「このまま続けていけば勝てるようになる」と感じたわけです。

もちろん、元気が最大のとりえだったタウンズが何故か長期離脱している事情もありますが、タウンズ頼みで戦っていたらいつまでたっても勝てないからね。しかし、現実は負けに負けているわけです。

問題は負けている事ではなく、シーズン序盤と今でやっていることが変わらない事。チームで崩す戦術のはずが、時間が経っても崩し方に再現性が出てきません。要するに

形はあるけど全く成熟していない

ってことで、ガッカリしています。論理的には構築させても、それを上手く成熟させていけるかは違う問題です。序盤からネイピアーがカッティングに対してパスを通してもゴール下まで飛び込んでくれなかったりしています。もうシーズンも半分過ぎたんだから、それじゃダメだろ。

◉サボニスを観ているか

一方でシーズン序盤に躓きながらも、しっかりと成熟させているペイサーズ。そういうことなんだよね。

こちらはネッツみたいな5人で崩す形は少なく、その代わりコンビで崩すことを好みます。ザ・サボニスなんだけど、サボニスがいなくてもコンビプレーはやるからね。これで次第に連携があってくるんだからスゲーわ。

そのサボニスはゴール下で暴れまくり、ペイサーズが38点に達した時点で、なんと25点を奪います。お前はどこのハーデンだ!! サボニスを中心としたコンビプレーに手も足も出ないウルブズディフェンス。

ブログドンとのピック&ロールでも、マッコネルとのピック&ロールでも、マグダーモッドへのスクリーンでも、何でも形にしてしまうぜサボニス。オフェンスリバウンドも拾ってくれるしさ。

しかし、序盤にリードを得ているのはウルブズ。それはオフェンス時にサボニスにマークされたコビントンがアウトサイドから打ちまくり、コートを広く使う形が出来上がると、ネイピアーとティーグがドライブで崩してからのパスでチャンスを作って決めていったのでした。

ディフェンスリバウンドには常に3人くらいがゴール下に固まっており、誰かが特別に当たっているわけじゃないのにしっかりと戦えているウルブズです。サボニスさえいなければ、かなり守れたんじゃないかってくらいの前半のウルブズディフェンスでした。

ところが前半残り5分くらいからウルブズはパスミスが目立ち始めます。それはパスミスなのか、受け手のミスなのか、とにかく呼吸が合わない形なので、簡単にボールを奪われてペイサーズのトランジションが増えていきました。パスを出したネイピアーがうなだれていたので、おそらく受け手のタイミング・ポジション取りがネッツと大きく違うんでしょうね。

ということで前半は59-54で5点リードだったウルブズ。サボニスさえいなければ、パスミスさえしなければ二桁リードは固かったね。

◉選手を観ているか

そのリードをあっと言う間に吐きだした後半開始のウルブズ。オフェンスが形にならないというか、ゴーギー・ジェンがアウトサイドから打ってばかりになります。その作り方自体は形になっているけど、タウンズじゃないから意味がないって。

ところでウルブズには新顔がいて、ナズ・リードというドラフト外ルーキーのセンターがタウンズがいないことでチャンスを掴み、直近8試合のうち6試合で二桁得点です。ドラフト外は珍しくないけど20歳なのでアーリーエントリー失敗組みかな。なお、本日は活躍しなかったよ。

この選手が活躍した理由も3Pで得点を稼げたからです。ネッツ戦では10本もアテンプトがありました。ということはタウンズが打つべきだったシュートを任せられたわけです。これはウルブズが

「形になっているけど、選手の特徴を観ているかは微妙」

という状況を示してもいます。少なくともそんなに3P打たせたいなら、タウンズのベンチ要員はジェンではなかったよね。

ってことで18点しかとれなかった3Qのウルブズ。ところがペイサーズも22点しかとれませんでした。打ち切っていたからカウンター速攻が少なかったことも関係しているかな。

見事にイージーシュートを作ることもあるペイサーズのハーフコートでしたが、例によって3Pに繋げるパターンには乏しく、地道過ぎて内容の割には反撃できず、1点ビハインドでラストクォーターになるのでした。

◉試合展開を観ているか

4Q序盤に29点目のゴール下を押し込むサボニスですが、これがこの試合最後の得点になりました。サボニスへのパスを嫌がり、ハンドラー側が空くようになったペイサーズは、予定通りのブログドン側が動き出す形です。

一方のウルブズはボーンレイ、グラハム、ケイタ・ディオップを並べたフロントラインになると、それまでのような動かないセンターの3Pではなく、インサイドあり、アウトサイドありのバランスがとれているし、キックアウトで振り回していきます。

ここまで17分で15点を奪ってウルブズのリーディングスコアラーとなっていたディオップ。かつての渡邊雄太のライバルは体を張って守り3P打つので役に立ってきました。ところが、リーディングスコアラーはローテ通りベンチに戻るとそのまま座り続けることに。

明らかにボーンレイ、グラハム、ディオップというノーセンターの方が魅力的だったのですが、HCにとってはそうでもなかったらしく、通常のスターターに戻します。するとカルバーが連続でドライブを決めはしたものの、次第にハンドラー任せのオフェンスに。そんな優秀なハンドラーはいないだろうに。

一方で本日はターナーを23分しか起用しないマクミランHC。理由は簡単で、ウルブズがビッグマン1枚体勢かつ3P打ってくるのが好きだったので相手にディフェンスを合わせてのサボニス1枚体勢です。4Qはサボニスを休ませるためだけに出てきたターナー。肩を落としつつも「しょうがないか」みたいな空気です。

4Qになって、そこまでの流れを捉えたようにサボニスのワンビッグマンながら、そのサボニスは囮役ばかりで、ピックから空いたハンドラーのシュートで得点していくペイサーズ。ケガをしないような堅実なゲーム運びで、わずかに得たリードをなにも問題なく守っていきました。

◉勝利を観ていたのか?

ということで、やっていること自体は否定するほどでもなかったウルブズですが「やっていることは悪くないけど、素晴らしい連携もない」ってのは、この時期としてはどうしようもないのも事実です。思えば、サンダースがHCになって1年がたちますが、ずっとそんな感じですね。1年はまだまだ短いともいえるし、1年経った割には成熟していないし・・・。

うーん、ウルブズが勝ってもおかしくない試合でしたが、勝てる気もしない試合でした。なーんか選手も勝てる気がしないまま戦っているような。勝利への道筋に自信がないんでしょうね。やっていることは悪くないといっても

・流れるようなスムーズさがない
・選手の特徴にあったプレーとは言い難い
・同じパターンに押し込み過ぎている
・試合展開に合わせたユニットとは思えない

こんな空気を感じました。上の2つは戦術そのものは悪くないけど、それが深く浸透していないし、選手が活かされていることも感じない悪さです。下の2つは「勝利する」という点で欠けている要素で、相手がいることを無視したような戦い方です。戦略不足だね。

確かにタウンズがいれば個人能力も段違いだし、戦術タウンズと言いたくなる戦い方なので上の2つは何とかなるかもしれませんが、下2つはどうにもね。「困ったらウィギンズのアイソ」も出てこなかったし。何なんだろうか。

一方のペイサーズはエース・オラディポが不在の中で分厚い中堅選手を並べ、下2つが特徴みたいな部分もあるしな。3Qまでずっとビハインドだし、3P殆ど決まらないしでも、全く慌てることなく試合を進めていったね。それって最後には勝てるっていう自信というか、経験というか。

〇ペイサーズのFG51.8%

それにしても、この確率で104点しかとっていない不可思議なオフェンスを展開しています。3P少なくてフリースローも少なかったよ。普通ならノット現代オフェンスってことで反感を食らうのですが、そうはならないマクミラン型チームです。

やっていることが良かったとしても、それを結果に結びつけるのはまた違うんだよね。現代的なオフェンスじゃなくても結果に結びつける方法論があると独創的で素晴らしいよね。そんな試合でした。

少なくともペイサーズには「勝つための論理」があって、ウルブズには「ただの論理」があっただけだね。

ウルブズは何を観ているか~vsペイサーズ~” への4件のフィードバック

  1. ウィギンスだけみると、開幕当初と今で役割を変えているのかな?と思う点もあります。
    例えば好調だった11月は1試合あたり20本のFGAだったのに1月の復帰後は14本まで減っていたり。オフェンスもトップ〜45°でプレイするのが中心だったのに今はコーナー付近でプレイすることも多くなってきたり。そもそもプレイタイムが1月は他の月より5分ほど少なくなっていたり。
    開幕初期はハーデン的だったのに、11連敗中にバランスアタックに移行して、今は時々ハンドラーもするウィング役程度で収まっています。ウィギンスが積極的に攻めないから勝てないんだと言えばそこまでなんですけど、ライアンは何を目指してるんだ?と思うことも増えてきた1月です。

    1. あれ、よくわかんないですよね。
      とりあえず契約的にも「ウィギンズを何とかしないと」みたいなところがあって、それが「何とかなりそうだ」となって。
      ところが、辞めちゃうんですから。今じゃウィギンズはただの無駄な高給取りに戻ってしまいました。個人の頑張りじゃなくて戦術的理由ですから、ライアンは何してんのか?

  2. 今シーズン全然ウルブズを見ていなかったので、試合前のスタッツで3Pの入らないネッツみたいなものかなと思って見始めたのですが、そんな感じでしたね。
    ティーグとクラブをトレードしたので、よりネッツに近い形になっていくのでしょうか。同じカードが連戦になるので(クラブは出ないようですが)

    この前のWCJがいないブルズ戦でも、(その時はサボニスが欠場だったので)ターナーが前半はペイントを支配して、後半はターナーが囮になるというこのウルブズ戦と同じような試合展開になりました。マクミランにあんまり感じなかったストーリー性のある展開だったので少し不思議に思ったのですが、再現性があったので狙ってやっているようにも思えますね。

    ペイサーズは12月に入ってから、ターナーとサボニスを1人ずつ出して2ビッグマンにしない時間帯が多いローテーションにしています。
    ウイングやハンドラーがロスターに多いということもあり、TJリーフがあんまり伸びてこないということもあり。オラディポが帰ってきたらまたハンドラーが増えるので、その辺を整理する必要がありそうです。

    1. 今は対戦相手によってワンビッグかツービッグか使い分けるんでしょうね。最近はツービッグのチームが増えてきたから、コンビとして解体してOKってわけでもないですし。本当はどっちかがサドやんくらい守れれば良いのですが、仕方ないのかな。

      ブログドンがケガしたことによって、良い意味で1Qからブログドンがやる必要がなくなったのは、かなりポジティブですね。
      オラディポが戻ってきたら、試合ごとにラムと交代で使うんじゃないですかね。ブログドンは本職の地味PGに戻ってもらいましょう。

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