ウィザーズの知らない男たち

ウォールもビールもルイ・ハチムラもいないぜ

取りこぼしの王者ナゲッツに勝利した大物食いの王者ウィザーズ。直近でヒートを下し、12月初旬にはシクサーズも倒しています。知られた選手たちが軒並みケガで離脱し、3年前はMVP候補だったアイザイア・トーマスだけが有名みたいな。

そんな苦しすぎるウィザーズに対して、ケンバのいないセルティックスは1Qから普段は見ないカーセン・エドワーズがプレーしています。この1か月ほどで26分しかプレーしていない選手を1Q途中から6分起用しました。その後は出番がありませんでした。

ちなみにそんなエドワーズの時間にはノーセンターでグラント・ウィリアムスのみがインサイド役という、ちょっと相手を舐めた形で戦い始めたセルティックスでもありました。前回に続いて引き立て役になってもらいましょう。

◉ケガ人だらけはマクレイ

ケガ&ケガのチームには、次から次へとどこの誰だかわからない選手達が増えてきました。そんな中に管理人お気に入りの選手が混じってきたのと、マジで全く知らない選手がそこそこ活躍しているらしいので、気になっていました。

「どうせ八村様のために観ないといけないんだし」と思って敬遠してきたのですが、あまりにも面白そうなので興味を持ったわけです。

まず登場するのはジョーダン・マクレイ。プレシーズンで良い活躍をしていたので覚えています。14年ドラフトの2巡目指名のウイングでプレーは「可もなく不可もなく」です。こういう選手は何の特徴もないのですが、全てのプレーを頑張るので、ある一定のラインを超えると途端に素晴らしい選手に代わります。

例えば「3P34%だったら使えないけど、38%でオールラウンドにプレーできるなら使い勝手が一気に上がる」ようにね。この僅かな違いがNBAで生き残れるかのラインみたいな。

そしてマクレイは自分でディフェンスリバウンドをとって、ボールプッシュして、PG的にアイザイアにパスを出して、上手くいかなかったときは自分で打ちに行って・・・ってことで、苦しいチーム事情だからいろんなことをやるマクレイの出番があちこちに現れます。

特にリバウンドからPG的に振舞えるのは好印象。ウォールがいたら不要なプレーなんだけど、いないからミニ・イグダラみたいなイメージでプレーしてくれます。

そしてディフェンスの良いセルティックス相手に攻め所がなさすぎたスターターは、仕方なくマクレイが打ちまくることになりました。ほんとに、何一つ良くなかったオフェンスだけど、アイザイアかマクレイがムリヤリ打つみたいな。

最終的に24本ものFGを打ったマクレイ。8本しか決まらなかったけど、仕方ないね。そして7つのリバウンドと2つのスティール、3つのブロックを記録しました。ってことでPG的に振舞うミニ・イグダラ。ケガ人に困ったら便利だからベンチの端っこに座らせておきたいタイプ。

◉決まらないセルティックス

正直、ウィザーズのオフェンスは酷かった。だけど、セルティックスも舐めたスタートを切ったため、ドライブしていくブラウン以外は何物でもなかった。ケンバがいないとスピード不足なことを感じさせます。ちなみに2Q中盤からイシュとアイザイアを並べたウィザーズなのでエドワーズを起用するならここだっただろ。

あんなに守れないチームだったウィザーズがケガ人だらけで良くなったのがトランジションに戻ること。うん、戻ること。ザ・戻らないチームだったのが、チャンスに生き残りをかけるハングリーな選手が増えたからか戻るんだ。

まるで別のチームみたいなウィザーズ。その中で別人みたいだったのがマヒンミ。ザ・どうしようもない選手として、サラリーに見合わない問題児だったのが、違う選手みたいになっています。

というのも、ウォールに合わせられなかったように、相変わらずドライブへの合わせはヘタクソ。フリーのレイアップも外していた。ただ、チーム全体が走るからか、走力系であることを示すように、しっかりと戻って、前半だけで3つのブロックでチームを救います。

おそらくマヒンミはウォールが復帰したら、また問題児になると思います。だけど、ウォールみたいに抜きまくる選手がいないから、スローな中で判断すればよい状況に落ち着いてプレーしている感じのマヒンミ。攻めてくるのもカンターのポストアップだから、落ち着いて守れたね。すごくよく守れたわけではありません。落ち着いて守れたってくらい。

そんなわけで前半のセルティックスは42点しかとれませんでした。それはケンバ不在でスピード不足のチーム相手に、ウィザーズの面々は落ち着いて守れたから。オフェンス隆盛の時代といっても、それはアンストラクチャーな状況が増えたからであって、ゆっくり攻めてしっかり戻るだけで、かなり違うんだよね。ただし「戻らせない・待ち構えさせない」のが現代オフェンスです。

奇しくもディフェンスの良いセルティックス相手に、イシュ以外は攻め手も欠いていたので、オフェンスに時間がかかり、シュートが苦しいのはわかっているから、全員が戻って待ち構えるようなことが多かったよ。

◉2世とJr

でもハーフコートになったらテイタムがいるじゃないか、ともなりますが、そこには管理人のお気に入りにして、新加入のゲイリー・子ペイトンが父ペイトンばりの密着ディフェンスでボールを持つことすら許しませんでした。テイタムがボールもったら結構決めていたよ。

「なんでこの選手がどこのチームとも契約できないんだろうか」と思ってしまうディフェンダーっぷりを発揮する子ペイトンなのですが、スマートといい管理人はこの手のタイプが好きなのさ。普通、そんなに密着したら動けないだろ、ってくらいに密着ディフェンスするし、粘り強くボールに絡んでいくし、最後までボールを見て手を出していきます。おそらくセンターのサイズがあったらブロックで大活躍しているんじゃないかな。高さ不足。

スターターで出場しておきながら、1点もとれなかった子ペイトンですが、ディフェンスだけでなく7リバウンドとボールに食らいついていました。これもウィザーズに足りない要素だった気がします。マクレイみたいなオールラウンドに埋めるタイプもいれば、ペイトンみたいにディフェンスとハードワークで埋めるタイプも必要さ。

ビールが戻ってきても残してほしい子ペイトンは、スターターとして組ませたら面白いわけですが、その逆でビールがいないからこそ輝いているようなのが、2年目でも登場したトロイ・ブラウンJrでした。こちらはミドルレンジ系のシューティングを使いながら15点とオフェンスで結果を残します。

〇トロイ・ブラウンJr
スターター時 6.4点 FG35%
ベンチ時 12.7点 FG54%

スターターで出るとダメで、ベンチから登場すると活躍するトロイ・ブラウンですが、この手のタイプには2つの理由があって

①スコアラーの多いスターターではシュートが打てない
②ディフェンスが少し弱いベンチメンバー同士だと優位になる

ビールや八村がいるスターターではやりにくいであろう個人での仕掛けをしていくブラウンなので①の要素は大きいですが、FG%が示すように②も関係します。この試合では36分もプレーしているので15点もちょっと微妙なくらいだな。

速攻などの流れの中ではもちろん、個人での仕掛けもそこそこ決めていくのですが、キャッチ&シュートの思い切りは良くないので、プレー内容としても①を感じさせるし、1on1仕掛けたらジェイレン・ブラウンに完璧に止められているので②も感じさせます。もうちょっとブレークしたいところであり、今がチャンスなので頑張りましょう。

そんなわけで、オフェンス側ではやっぱりそこまで良くなかったウィザーズ。3Qはなんと8つもターンオーバーを犯し、得点を奪えないわ、カウンターくらうからディフェンスも耐え切れませんでした。待ち構えていれば、どこのチームだってそこまで守れないことはないけど、待ち構える前に攻められたら、ディフェンダーも意味がないしね。

3Q終了時に74-72と前半の貯金を吐き出し、互角で4Qにはいるのでした。なお、カーセン・エドワーズを起用しなかったセルティックスですが、もう1人知らないガード・ウォータースを起用して、スピードで振り切っての得点をしていました。ケンバ不足。

◉エースなイシュとハードワーク

4Q4分が経過したころにグラント・ウィリアムスとジェイレン・ブラウンの3Pで同点に追いついたセルティックスでしたが、本当に困ったのはディフェンスのスピード不足でした。スモールでとにかくスキをつくらない守り方をするセルティックスに対して、スピードで振り切りまくったのが、2試合連続で輝いたイシュ・スミス。

4Qになるとタイスやカンターにマッチアップ変更してはスピード勝負を決めきっていきます。まぁそれだと、もっともっとスモールを組みたくなりそうなセルティックスですが。

さて、イシュ・スミスはずっとお気に入りでした。とにかくハードにプレーし、たぐいまれなる運動量と冷静な判断でフルコートオフェンスをけん引する小さなPG。

しかし、ウィザーズにきた当初は良かったけど、相変わらずの戦術不足のチームではイシュ・スミスさえ、連続したトランジションの中で意味不明なプレー判断をするようになり・・・要するにプレーメイクよりも直接的に得点しに行くプレーだらけで足が止まる周囲と共に魅力を失っていきました。

そんなイシュがナゲッツ戦の32点に続いて、この試合でも27点と大爆発。特に4Qだけで14点FG6/8です。

ところが、やっぱりイシュらしいプレーメイクは機能しておらず、ただただスピードで振り切ってのミドルを連発しました。連動したとかじゃないぜ。センターとのマッチアップになってはミドルを打っていた。ていうか、ミドルばかりで3P1本も決めていません。

決まりまくったから良いけど、そのオフェンスってどうなんだ?

といいたくなるチームオフェンスの中での個人の大活躍でした。セルティックスファンは運が悪かったと言いたくなるね。いわゆるスーパーエースみたいな得点の仕方をしたイシュですが、これが成立するには

チームメイトがハードワークで助ける
ディフェンスを頑張る

そんなことが必要になります。スター選手不在のウィザーズで登場した無名の選手たちは、そんなことを必死に頑張りました。なお、アイザイアはベンチに座ったままなので、勝負所だからと言ってイシュと並べなかった判断もあります。

この勝負所でマクレイ、トロイ・ブラウンと共に踏ん張ったのがボンガ。ルーズボールに食らいつき、ウイングスパンの長さを生かしたディフェンスで奮闘しました。

そしてもう1人が最も観てみたかった選手で、Anzejs Pasecniksでした。スコアボードを見るたびに「誰だお前?」と思っていた17年ドラフト25位のラトビア人は今シーズンからウィザーズに加わったビッグマン。12/18にNBAデビューすると堅実なプレーで支えています。

12/18ってことは急遽呼び寄せたの?
※調べたらマジックが指名→そのままシクサーズにトレード(シクサーズはユーロ選手を指名して呼ばずに貯めるのが好き)されたけど、翌年に権利放棄になってウィザーズのサマーリーグに参加。そのまま契約したけど、ウェイブされて今は2WAY契約らしい。

大したプレーはしなかったのですが、前述のとおりイシュがセンターとのマッチアップになっていた理由は、しつこくスクリーンでスイッチを誘導させていたから。守ってもゴール下で待ち構えてのブロック、ボックスアウトでのリバウンド死守とハードワークで貢献しました。

残念ながら、素晴らしさを感じるほどのプレーにはなりませんでしたが、明確にウィザーズに足りない要素をみせてくれたAnzejs Pasecniksペイセクニックでいいのかな?。

結局、イシュで奪ったリードをとにかくハードにプレーして守り切ったようなウィザーズ。4Qはかなりドライブに翻弄されていましたが、ボンガとペイセニックが必ず追いかけてきました。決めても決め返されるのが「らしさ」ですらあったチームですが、主力不在で必死にやるしかないメンバーで起こった変化って感じでした。

◉面白いのか、どうなのか

ということで、ナゲッツとセルティックスを倒して連勝するという、まさかの大物食いをしたウィザーズの知らない男たち。

ただ、やっぱりオフェンスは全然でした。「連携がない」というウィザーズらしさ満開で、かといってイシュ以外には個人力で突破しきれる要素も足りなかったね。

しかし、NBAに食いつこうとする選手達が増えたことで、とにかくハードでした。それはウィザーズらしさの欠片もないプレーぶり。「全力で走る」という、ただそれだけの重要性を感じずにはいられなかったよ。

ブレークしそうな選手がいるかっていうと、まぁ・・・なんですが、トロイ・ブラウンに頑張ってもらうしかないですね。

問題はブレークすることではなくて、こういう選手たちを上手くスターをフォローする役割で輝かせること。そんなことをスコット・ブルックスは描けているのかなぁ。いないだろうなぁ。。。

ウィザーズの知らない男たち。八村が復帰したら、知られないままいなくなるかもしれませんが、見事に強豪相手に連勝したのでした。

ウィザーズの知らない男たち” への2件のフィードバック

  1. いつも楽しく拝見しております。NBA楽天だとパセチニクスと表記してたかと思います。
    イシュスミスよかったですね。富樫もあのレベルまで行ければ生き残れたのかもとふと思いました。

  2. 謎のラトビア人の読み方は「アンジェス・パセチニクス」らしいです。
    ここのブログでも2017/7/3の記事に名前だけ一度出てきてますね。

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