サンズvsグリズリーズ

未来は塗り替えられるのか

再びのサンズです。そして再びべインズとエイトンを同時起用していますが、ニックスのクレイジーなパワーラインナップ対策だと思われた形が、そうではなかったということです。ちなみに同時起用されていますが、試合の殆どはどっちかだけがコートにいる形なので、ダブルPGのトータルゲームに似ていますね。ダブルセンターのトータルゲーム。

でも本筋はグリズリーズです。モーラント!モーラント!

ジェイレン・ジャクソンの現在地を確認し、モーラントとのコンビにどれだけ意味があるのか知りたいのです。ついでにいえば渡邊雄太はこのチームに残るべきなのかってね。

◉ダブルセンター問題

バランチューナスがエイトンを守り
エイトンがJJJを守ります。
そしてべインズとエイトンがそれぞれマークを捕まえきれておらず、バランチューナスの3PとJJJのレイアップで早々にタイムアウトのサンズ。お気に召さなかった模様です。予想される形で予定通りにやられました。

そして次々とべインズを攻め込まれます。酷いものです。中途半端なべインズはスイッチしたけど戻ってモーラントをドフリーにしたり、エイトンがモーラントを追いかけていたら何故かゴール下のバランチューナスを見失ったり。

エイトンの方はJJJをチェイスするのですが、これがグリズリーズの嫌らしさでJJJにスクリーンをかけてくるので、体の大きなエイトンは追いかけきれずスイッチすることに。簡単にミスマッチを生み出されます。

しかしオフェンスではスクリーンでブッカーをフリーにしてミドル、速攻に参加してアリウープダンク、ブッカーのドライブ合わせでゴール下。オフェンスリバウンドも押し込んでミドル以外は良い感じです。

ところでエイトンのミドルって悪いイメージなかったけど、弾道がメチャクチャ低くなっている気がします。

ちなみにルーキーのエイトンはミドルが91/228で40%となかなかのシュート力でした。それは評価できるものの、そもそも40%しか決まらない2Pなんて怖くない時代なので、打たせる代わりによりメリットのあるプレーと組み合わせないといけません。組み合わせていません。

そんな課題はありつつも、グリズリーズのシュートが決まらなかったこと、そしてブッカーが高確率で14点と決めまくったことでサンズが先手を取ります。でもディフェンスは怪しいです。

そんなディフェンスはビッグがべインズ1枚になると急激に改善します。理由はウイングが増えて多少のスクリーンは関係なくチェイス出来るようになったことと、ゴール下で待ち構えるのがべインズでわかりやすくなったこと。なお、サリッチはいません。

ただし、バランチューナスには3Pを決められ、ゴール下で合わせられ。要するにエイトンがいなくなってゴール下ヘルプの意識が強くなったべインズ。ただし、マークマンを掴められていないよ。という状況。

そしてグリズリーズが気が付いてしまいました。「バランチューナスに合わせておけばOKじゃね」とさ。インサイドでの合わせ連発で1Qに13点を奪ったバランチューナス。するとアウトサイドが空いてメルトンとタイアスの3Pで一気に追い上げたグリズリーズによって31-27で終わるのでした。

勿体なかったサンズ。っていうかべインズで何点取られたんだってくらいの出来でした。サンズはなんでドラフトでPFを取らなかったんだ?

止まらないバランチューナスが3P、ミドルと決めれば、モーラントも3Pで続いてあっさり逆転するグリズリーズ。

グリズリーズのオフェンスは両コーナーにシューターを置いて3人で構築する形です。それは必ずコートを広く使えるので、ヘルプを減らせるメリットがあり、見事にセンターラインの選手が得点し続けていきました。

いわゆるレブロン型のコーナー3Pですが、そのシューターがダニー・グリーン型じゃないのがポイントです。カイル・アンダーソンやクラークがいるのでシューター専門職ではなく、コーナーで待ちながらも次の動きをすることが求められます。

で、ここで命題ですが渡邊雄太はこのチームでどこのポジションを担当するのか。単純に言えばコーナー担当で収まるのですが、ビッグマンとして起用されているGリーグです。しかもコーナー担当といってもシュートではない役割が大切ってね。

そんなウイングに位置しながらも直ぐにウイングに出てくるのがブルックス。連続3Pで乗ってきます。乗りすぎて躊躇わず打ってエアボールします。てことで、点差はなかなか変わりません。

しかし、2Q終盤に再びダブルセンターのお時間が来てしまいます。しっかりとスペーシングされたグリズリーズのオフェンスにダブルセンターは追いかけきれないし、広いからスイッチさせられると簡単にスピードのミスマッチが出来ていきます。

このチャンスをそこまで行かせたわけじゃないグリズリーズでしたが、追いかけてこないから3P乱れ打ちみたいになって、イージーなオフェンスに。これで9点差まで広げるのですが、最後はブッカーに反撃を食らって62-57で前半が終わります。

グリズリーズ的には何の苦労もしない前半のオフェンスでした。ただシュートが決まらなかっただけ。バランチューナスの活躍もあって3Pは44%決めましたが、スピードのミスマッチで強気にドライブしなかったのでフリースローが2本しかありませんでした。ある意味、サンズはノーファールで行ったからバランチューナスにやられたってことかな。

◉ベンチが弱すぎた

ところが3Qになってフランストレーションが溜まったのか、ハーフタイムで叱責されたのか、あるいはシュートを決めた後に煽ってきたバランチューナスに腹だったのか、サンズのファールが増えてきて、グリズリーズはフリースローを得ていきます。3Qだけで8本。

あと、ファールが増えたことでサリッチが登場します。ファールトラブルがなければ出番はなかったのかな?

ゴール下、ゴール下、3P、ゴール下、3P。わかりやすくオフェンスしていくグリズリーズ。ファールドローできたことでインサイドも積極的になってきたのかな。JJJはオフボールスクリーンを貰ってのキャッチ&3Pを2本決めれば、スティールから3人の間を抜けていくコーストtoコースト。スマートオフェンスでチームを引っ張ります。

サンズはルビオがベンチに下がったのでブッカーしか攻撃手段がなくなります。うーん、これじゃあHCじゃなくてルビオが変えただけって感じになっちゃうね。他に個人で突破していく気持ちがあるのはウーブレイくらいなので、スターターで111点とりながら120点にしかならなかったニックス戦同様にベンチがね・・・。

カム・ジョンソンとミカルでせっかく3P作ってもラインクロスでノーカウント。そしてボカスカ打たれまくる前半同様の展開でリズムを掴めるはずもなく。結局3Qは20点しかとれなかったサンズは96-77と一気に19点差にされてしまったのでした。

◉まとめさせないブッカー

しかし、試合を終わらせるつもりのないサンズは、ウーブレイの3Pから始めると、ミカルはオフェンスリバウンドを&ワン。戻ってきたブッカーはローポストからエンドラインの外に倒れこみながらのジャンプシュートを&ワンで決めれば、ボールを持つと逆サイドのコーナーでフリーになったルビオを見逃さず見事なアシストで、4Q開始3分半で12点差まで詰めてきます。

グリズリーズは違う意味のらしさをみせます。トラベリングを連発するバランチューナス、大量リードのわりにあっさりと打つはハードコンタクトのスクリーンでオフェンスファールのソロモン・ヒル。特にバランチューナスは体デカいし、試合序盤と終盤でシュート率が違う選手なんだけどね。

サンズはトランジションゲームに勝機を見出そうとし、その形自体は悪くありません。特にウーブレイとミカルのフルコートディフェンスは見応えたっぷりだし、ルビオのワンパス速攻は気が抜けない。

しかし、ここにきて管理人の嫌いなエイトンが顔を出します。とにかく攻守の切り替え1歩目が遅い。ルーズというか、50/50のボールだったら「マイボールになることを信じて」動かないシーンが出てきます。これ、ニックス戦でも同じだった。

それでもブッカーがクラークとのインサイド勝負でも粘り強いディフェンスで対応し、軽いタッチでタフショット3P。外そうがなんだろうが強気で打ちまくります。とにかくブッカー、ミカル、ウーブレイの運動量とトランジションの意識が高く、サンズの方が1人多いかのように動き回っていきます。ただシュートはあまり決まらないので追い上げていけない。

それでもトランジションゲームになって、ちょっとずつブッカーに遅れていくグリズリーズ。ファールファールで4Qだけでブッカーが9本のフリースローを打ち、17点を奪って猛反撃します。

そんな中でもコーナーにしっかりとボールを動かして打っていったグリズリーズ。ブルックスが2本のコーナー3Pを沈めて点差を縮めることを許さず。結局残り1分半になっても12点差。反撃空しく、サンズは敗れた・・・

と思いきや、まだまだフルコートディフェンスで襲い掛かります。モーラントを3人で囲みターンオーバーを誘発。素早いキャッチ&3Pのミカル。会場全体の大ディフェンスコールに残り40秒で3点差まで詰め寄ります。全然まとめせないぜサンズ。

ベテランがミスしたからか、何故かこの時間にコートにいるメルトンがドライブすると、ファールに見えなかったけどエイトンからファールドローで5点差に戻します。

タイムアウトのサンズはルビオがブッカーにパスを出すと、リングと逆側を守らされたブルックスがファール。そのポジションになった時点でダメだろ。これで3点差なのでフルコートで守らなかったサンズ。
残り16秒でモーラントがドライブしてエイトンからファールドローします。今度はファールじゃない部分でモーラントがバランスを崩したのに、最後に手を出してファールしてました。勿体ないぜエイトン。残り16秒で5点差。「なんで、その前がプレッシャーディフェンスじゃなかったんだ?」と後悔してしまうシチュエーションです。点差よりも時間が・・・。

タイムアウトのスローインからブッカーがとんでもないタフショット3Pを打たされることとなり、決まるわけもなく、さすがに敗れたサンズでした。

ところで、このサンズの戦い方はブッカー、ミカル、ウーブレイを輝かせ、そこにパスを供給するルビオにも価値をもたらしてくれます。ベンチから出てくるカム・ジョンソンだって対応できそうだし、エイトンはまぁ頑張れ。

何が怖いって「やっぱりオレ達にはトランジションが合っているぜ」と言い出したらどうしようってことです。サリッチだってそっちの方が好きそうだし、反撃したことをポジティブにみつつも、もしも逆転でもしていたら戦い方そのものが変化してしまうんじゃないかってね。

◉戦術が浸透してきたのか

グリズリーズ的には完勝でした。戦術的にも、選手的にも完勝。3Qまではね。4Qは困ったことにベテランの方にミスが出て若手の方が落ち着ていたよ。落ち着いてはいたけど、個人の力で押し込まれて苦しみました。

モーラントは目立たず。といっても目立たないのがこの選手の良い部分だと思っています。これで4Qをしっかりとクローズできていれば絶賛したものですが、出来なかったので超微妙な試合でしたね。

JJJは高精度のシュートをいかんなく発揮してくれました。ブロックショットも決めているしね。

〇ジェイレン・ジャクソンJr
15点 8リバウンド 3ブロック

うーん、でもスタッツ的には微妙だな。これがこの選手が抱える最大の問題点かもね。スマートすぎるんだよ。それで本当に勝てるのかってね。勝った試合だから何とも言えないけどね。

さて、バランチューナスが30点で、クラウダーが3点しか取れなかった試合でした。しかし、前日に戦ったクリッパーズ相手にはクラウダーが27点、バランチューナスは9点しか奪っていません。

スマートに戦うという意味では、相手との兼ね合いの中で強みが取れそうなところで得点できています。ミスマッチ誘導とかではないので、自分たちのオフェンスが広いスペースへパスを出していく事だから、相手の守り方次第ではスコアラーが変わってくるって事ですね。

その意味では新HCが作ってきたオフェンスシステムはダイブ形を成してきたのかもしれません。それは勝利を呼び込んでくれるし、でももっと勝ちたければエース達が頑張れって感じかな。

目立たないモーラントとJJJ。そんなチームオフェンスを作ってきたジェンキンスHCって感じの試合でした。

サンズvsグリズリーズ” への2件のフィードバック

  1. JJJはオフェンス面で成長してますが、相変わらずファウルが多くて安定的に起用できないのが一番のネックかなと思います。試合ごとにモラント、ブルックス、バランチュナス、JJJと主役を変えられて、脇役のシューター陣も揃ってるのは強みですが、結局JJJのファウル癖を直さないと次の段階に進めないような気がします。

    1. JJJはファールしなければスタッツ2割増しですよ!
      オフェンスはスマートシューターなのに、ディフェンスではむやみに手を出しすぎなんですよね。

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