ホーネッツvsセルティックス

24歳のケンバよりもグラハムの方が活躍しているらしい。

両チームともにボールムーブとそこからの仕掛けが早く、早送りしていたっけと思わせるような立ち上がりなのですが、明確に差があったのがディフェンス。パス回しを読んでのスティール、ドライブに対しての個人の対応と少しずつセルティックスが上回ります。それもテイタムだからな。

殆どメンバーは変わっていないのに、どうしてこれが昨シーズンはそんなに機能しなかったのか悩んでしまうね。

オフェンスもボールムーブからフリーにしておいてのテイタム3Pというチームオフェンスがあれば、スピードのミスマッチにしてのヘイワードのドライブという個人技も。大切なのは後者の状況が作れた時に、全員が迷わずアイソレーションに移行している事です。「決められたプレー」をしっかりとこなすのではなくて、「共通意識」をもってプレーを構築出来ているという事。

個人技とボールムーブの組み合わせでスムーズなオフェンスを展開していくセルティックスの姿は忘れていたブラッド・スティーブンス流が戻ってきた印象を与えてくれます。スモールラインナップで守れてしまうディフェンス組織もね。

ミスらしいミスは1Q残り1分でジャボンテ・グリーンにトラベリングが起きた時は初めてだったような。ミスっていうか意図したプレーが合わなかった瞬間かな。それくらい共通意識があったということで。

ただし、ベンチメンバーはちょっと苦しくてカンターのポストアタック、グラント・ウィリアムスのヘルプ力なんかに頼っている空気感もあります。プレイヤー・オブ・ザ・ウィークのジェイレン・ブラウンはいないし。ボールムーブが乏しくなって、ギャップのある状況でボールを貰っていない。

足りないのは控えPGかな。スマート、ケンバ、ヘイワードの全員をベンチに下げてしまうのは辞めた方が良さそうな感じでした。ということで少し停滞してしまったオフェンスがあって、24-18の1Qでした。ホーネッツの方が停滞しちゃったね。

◉センターとノーセンター

ホーネッツの問題点にセンターがゼラーしか機能しないってのがありましたが、いつのまにやらビヨンボがスターターでも形になり始めました。アウトサイドで打ち切ってしまうグラハムなのでゼラーの合わせがなくても、ビヨンボのゴール下奮闘があれば成立しているような空気です。

しかし打ち切れないロジアーになるとオフェンスが停滞しちゃった感じ。それは見方を変えると3P打つしかないオフェンスになってしまうケースがそこそこあるので、まだまだってことなんだろうね。

同じようにボールムーブしていても時にミスマッチにしてアイソレーションの個人技を使うような形がホーネッツ側にはないってことです。あるいは、それが嫌だからスモールなセルティックスなのか。かといってセンター陣で高さのミスマッチ使うほどの個人突破はないしね。

そんなわけでチーム全体での連動はあるけど、インサイドとのコンビプレーが乏しくて崩しきれない感じのホーネッツ。セルティックスもコンビプレーに乏しいのですが、センターのタイスにも3Pで構えさせることでスペースを構築していき、ドライブでの得点をしやすくしているのが違いです。

ボレゴもそう感じたのか、2Q中盤になるとセンターを全員ベンチに。ベーコンにセンター役をやらせます。これって日常なのかどうか知りません。でも形になっています。

インサイドにスペースを作ったホーネッツはそこからブリッジスが次々にドライブ突破すれば、ジャブステップからのミドルも決めて連続得点。ワシントンの3P、ベーコンのドライブも混じって、停滞していたオフェンスが途端に機能し始めます。機能っていうか3Pに頼っていたのが、ちゃんとインサイドプレーだけでも攻め切れるようになった。

守っても苦しそうなインサイドにベーコンだけでなく、ワシントン、ブリッジスがリバウンドに飛び込んでくるので苦しさを感じさせません。っていうか、セルティックスがそこに人を割いていないからね。

さらにベーコンはヘジテーションムーブでのドライブ、単純なキャッチ&シュートの3Pで追い上げて前半が終わります。ただし、追いつきそうな勢いになるとケンバがあっさりと3Pで流れを止めてリードをキープ。50-43でした。

意外な共通点があった前半でした。セルティックスもホーフォードがいなくなってインサイドの合わせは消えた感じだもんね。もちろんピック&ロールみたいなシンプルなコンビプレーってのはありますが、ドライブにアリウープで合わせるような形がお互いに足りなかった。だけどビッグマンも3P打つようにすればドライブでのフィニッシュが機能するわけね。

〇前半のフリースロー
セルティックス 2/4
ホーネッツ 3/3

ロースコアになった理由はお互いにファールドローできなかった事情もありました。ドライブが多い割にね。ファールしないで守れたディフェンス面と人数の多いインサイドに飛び込むくらいなら3P打っちゃうオフェンスとね。

◉もう1工夫欲しい

後半もビヨンボ絡みのミスが発生し、だけどビヨンボに合わせての得点もあるホーネッツをインサイドが空いているから打ち切るセルティックスがリードを広げるスタートになります。負けている方が後半の入りにプレッシャーを強められなかったな。

それでも1Qと違ってテイタムを問題にしなくなったブリッジスから崩し始めるとドライブからキックアウト3Pで広げて、タイスに走り勝ったビヨンボがカッティングでレイアップ。

その後は3Pの打ち合い。ヘイワードとスマートが決めればロジアーが打ち返す。そしてストレッチさせたらケンバとグラハムがドライブ攻略。リードしているセルティックスには余裕があるけど、突き放すことも出来ません。

ここって考え方の分かれるところでホーネッツ型のオフェンスだと追いつくには3P連発する必要があります。外れ続けることはないから突き放されずついていけるわけですが、連発される空気感にも乏しいんだよね。連続得点するのを3Pじゃない部分に求めているチームが増えてきたので、ホーネッツももう1つ違う手段が欲しいね。

セルティックスはこんな時にはケンバ。シンプルなパス交換をしてスピードに乗った状態でボールを受けてのアタックで簡単に得点にしていきます。チームは変わったけど、やるべきことは同じさ。

3Q終盤になるとケンバがベンチに下がりセルティックスのオフェンスも微妙な空気になりかけるものの、今度はヘイワードが繋いでリードをキープして終わりました。ホーネッツは試合序盤のボールムーブがどんどん消えていくのが気になります。スクリーン利用でフリーを作るようなプレーコールがないからか、個人での突破中心に偏ってきました。やっぱりもう1工夫欲しいね。

◉しれっと終わった

グラハムがベンチに下がった4Q序盤に工夫が足りなくなって、再びセルティックスが二桁リードにします。ゼラーがヘルプに出るとカンターにリバウンドを押し込まれ、スイッチするとテイタムに3P決められた。

するともう崩壊気味になっちゃって、そこまでセルティックスのオフェンスがよくなくてもカンターが押し込んじゃうことで繋がりまくり、ロースコアだったはずがあっという間に100点に近づいていき17点差になってしまいました。

はい、予想外ですが4Qの展開に触れることなくまとめです。

3P大好きセルティックスのオフェンスは相変わらずですが、カイリーがいなくなって全員が動くようになったというそれっぽい理由だけでなく、ホーフォードというインサイドの要がいなくなったことでポジションチェンジとボールムーブがスムーズになったのかもしれません。スクリーン使って、コンビで崩して・・・みたいなプレーがなくなり、コーナー担当も止まって待つことが少なくなりました。

30試合も過ぎて、そんなプレー構築がスムーズになってきた印象も。特筆すべきコンビプレーがあるとは言い難いのですが、目まぐるしくポジションチェンジしている感じで、ディフェンスからすると次第に追いかけきれなくなっていく感じです。

そこにスピードと超絶ハンドリングのケンバがいるので、ホーネッツのインサイド陣だと全く追い付けませんでした。カンターが相変わらずの戦術的微妙さを発揮しており、インサイドの不安は残りますが、それを上回るオフェンスのスムーズさが出てきています。

むしろPGワナメイカーだとボールが止まりすぎる点の方が気になりました。自分が目立つつもりはないでしょうから、意図的ではないのだけど、どうしても連続パスがつながらなくなった印象のベンチユニットでした。

このスモールな布陣で守り切れてしまうってのも取っても不思議ですが、相手がホーネッツだとそこはわからないね。クリスマスゲームでは見事な準備でラプターズを倒しましたが、2日後には逆に完璧に攻略されていました。

本日もブリッジスに困っていたように全員が動けるメンバーでスキを減らす守り方は、1か所の崩壊が起こると苦しくなるのかも。どこかのチームが試しにテイタムを狙いまくったらどうなるかやってくれないかな。それはテイタムが守り切れないのではなくて、狙われまくることでオフェンスにも影響が出てトータルでどうなるかってことね。

一方のホーネッツは3Qそのままです。ブリッジスやワシントンといったウイングもいて概ね好印象だけど、変化に乏しい面と、どんな方法で爆発するのかっていう両面が苦しい。セルティックスも似ているんだけどね。その代わりに安定して戦って離されず、ディフェンス力で勝ち切ろうとしているわけだ。

ホーネッツは整備されてきましたが、「勝つための一手」が足りない感じなわけです。JRスミスが突然決めまくるみたいなラッシュ力不足ともいえるし、相手エースを消してしまうロバーソンみたいなキラーが足りないともいえます。違いを生み出す特殊なタイプが足りないって事ですね。

この試合ではベーコンにセンターをやらせていた時間が特殊性で差をつくっていました。あるいは昨シーズンはMKGがキラーディフェンダーやっていたね。

まだまだチームは始まったばかりなので、特殊性を求めるには早いのかもしれません。その判断は大事だと思いますが、思ったよりもチーム全体は整備されているだけに、変化をつけれるようになりたいね。異分子を交えても通常通りにプレーできるようになることもトレーニングなので。

ということで、勝ちに行くチームと再建し始めたチームの差がもろに出てしまったのかな。強い弱いではなくて、勝つための武器に差があったね。

ホーネッツvsセルティックス” への2件のフィードバック

  1. マイナーなホーネッツを取り上げていただきありがとうございます。

    勝つための一手がないという表現が府に落ちて、序盤覚醒したグラハムのスリーが落ち着いてきた近頃は、お家芸的なものがなく、スルッと負けることが多くなった気がします。

    選手のスキル、特殊性で生み出すパターンもありますが、あまりFAに期待できない土地柄、チームワークとしての武器(DFでもOFでも)を持って欲しいのが願いです。

    とはいえそれは、セルティックスのディフェンスみたく平常運転では強いものの、変化性をチームに求めるの手段としては得策ではないのでしょうか。
    変化性うんぬんの前に安定した強さの方が先なのか。

    ただ若手が躍動する様は楽しく、やきもきしながらこれからも追っかけていきます。

    1. 今シーズンはもっと酷いと思ってましたが、グラハムのお陰で形は出来てきたので、プラスが欲しくなるんですよね。
      ボレゴは昨シーズンもケンバの次の手を明確には繰り出せなかった印象があるので。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA