ブレイザーズvsキングス

カーメロにメロメロ

プレイヤーオブザウィークだと!どうしたんだカーメロ。復帰当初はポストアップが散々だったじゃないか。てことで、ブレイザーズを観てみましょう。

休みだらけでスモールラインナップとなり、しかもランニングゲームで点の取り合いを挑んだ数試合。でもホワイトサイドとカーメロが並んで元に戻ったじゃないか。まぁそもそもリラードに似合わないバスケだったしね。(リラードもいなかった)

戻ってきたリラードはじっくりとためを作ってゲームメイクするのが好きなタイプであり、セットされたオフェンスから周囲にパスを出し、そこはそこそこしか決まらないけど、マカラムと共に2人でクリアしていくのがパターンだよね。

基本の形は変わらず、リラードとマカラムのチームですが、両ウイングがフッドとカーメロが揃ったことで、左右対称のガード&ウイングの形が出来、真ん中はホワイトサイドで何となーくフロアバランスがとれているブレイザーズ。

フッドとカーメロってある種の似たところがあるよね。3P打てるけど抜くのが好きだし、だけどインサイドに侵入しないでミドル打っちゃう。

そう、カーメロは加入当初と違って、ポストアップではなくてウイングとして正面を向いてのプレーが増えています。それってサンダーの時に似ているのですが、違いはPGがボールを持ちすぎないことだよね。タメはつくりけど、回してくれるし、そこからプレーコールがあるからテンポの悪くない。

これだけだとウエストブルック問題なのですが、実はそれ以上に大きい気がするのがドライブ型PGではなく、シューター型PGだということ。それもマカラムも含めて。

つまりスプラッシュブラザーズと組んだデュラントに近いかも。ストレッチしてくれるし、インサイドが空いた状態でのドライブ→ミドルを打てるようなカーメロ。それはドライブからのキックアウトを受けていた時とは違うよね。あの頃は「ボールを貰ってから考えるのが長い」ってのが問題でしたが、今は多少考えたところで、パスアウトすればリラード&マカラムがいるし。

ってことで、ブレイザーズのオフェンスはカーメロが決めていること以上に、この5人になってバランスが良くなってきました。ちょっと意外でしたが、その真骨頂は最後に触れることにして、とりあえずスムーズ。

あと、カーメロの「休んでいたから体が軽い」発言は復帰当初を観ていると嘘だと思っていましたが、ディフェンスではチェイスしてブロックするし、ヒールド相手に軽やかなターンフェイダウェイを決めているので、事実かもしれません。

◉ハンドラー頼みなのにね

しかし、そんな奮闘空しくヒールドの14点に沈んだ1Q。ヒールドのFGがなんと13本。多すぎです。ハーデンなら30点取っています。

シューターのヒールドが3P2/4なのに13本打って14点ってのはブレイザーズのディフェンスを示している数字でもあって、フリースローが少なかったし、3P打たれるならドライブさせとけみたいな形です。

ちなみにお互い様だったんですけどね。

キングスはやっぱり個人技頼みというか、ヒールドをシューター的ではなくハンドラーにしており、ベンチからはファレルが積極的に打っていきます。アリーザとかバーンズの意味はわかりませんが、ファレルは頑張っているので、形にはなっています。

ブレイザーズのハンドラー頼みは肯定するけど、キングスのハンドラー頼みは否定する

ってのも変な話ですが、歩んできたルートの違いから気になる事実ですね。フォックスとバグリーを欠き、この試合ではボグダノビッチもいないキングス。危機的な状況ですが、プレーしているのはジョセフ、ファレル、アリーザ、ホルムズと他のチームがうらやむような選手層。そこが素晴らしいだけにハンドラー頼みっていうのがね。

まぁでもそこそこ戦えているキングスなのですが、マカラムが凄すぎた2QはFG7/9で止められないオフェンスを展開しました。キングスだって3P6/15も決めたのにね。

両チームのオフェンスが良かった前半はファールが合計で9個しかなかったので、快調にシュートが決まったと言えるし、その一方でフリースローがないから普通の試合と比べてハイスコアってわけでもなく。

ある意味、データ的には超ヘンテコな前半になっていて、テンポは良いし、シュートは決まるし、ファールはないし、だけどペースは101くらい。だってオフェンスの途中でファールコールされてフリースローというシューシチュエーションにならないからね。

レーティングは130近くありましたが、得点は66-64と最近ではほどほど。ある意味、オフェンス力が高くて、でもコントロールしているのだから、今シーズンのブレイザーズがやりたかったバスケが形になりつつあるのか。テリー・ストッツとリラードが偉大なのか。

◉データは嘘をつく

後半もマカラム、リラード、カーメロとなかなかタフなシュートを決めていき、キックアウトからフッドのコーナー3P。ピックからのホワイトサイドのフローターと5人がそれぞれ決めていき、そしてマカラムが問答無用の3Pと快調なオフェンスのブレイザーズ。

キングスもそこに対抗していく。のですが、ビエリッツァとホルムズばかり。どうしたんだキングス。それはそれでポジティブなんだけど、突如としての変化に戸惑ってしまいます。

ネガティブに捉えれば、「ホワイトサイド+カーメロってねらい目じゃね?」みたいな形です。スモールラインナップの時はインサイド側を手厚くし、カバー&カバーだったのが、インサイドにあまり収縮せず、アウトサイドを止めているブレイザーズ。理解するのが簡単そうで、両面を観てしまうと超むずいな。戦略的なのか、その場しのぎなのか。

いずれにしてもお互いのオフェンスが決めていく中で、差をつけていったのは「守れらていても決める」リラード、マカラム、そしてカーメロの3P。これがヒットしたことでリードを得ます。

対してキングスはヒールドが3Pファールドロー、ドライブファールドローで対抗するも、ちょっとタレントが足りなかったね。フォックスかボグダノビッチがいてくれればね。

次第にファールが増えてきた両チーム。前半やられすぎを反省したのか、ギリギリまで手を伸ばしてファールコールされてフリースロー。その結果、前半よりもペースが上がって103に。超ウケる。実際には遅くなって、データでは早くなった。

いずれにしてもハイスコアリングゲームは変わらず。3Q終盤に連続でシュートを落としたキングスによって、100-95でブレイザーズリードなのでした。

◉真打登場

カーメロさんが3P。4Qになっても決まっているから本当にコンディションアップなのか。ちなみにサンダー時代は4Qが26%とグーンと下がっていました。ベイズモアも3P、ラビシエリがファレルをブロックしてと流れが出てきたようなブレイザーズ。でも、ここにきてマカラムから当たりが消えます。

キングスの方はドフリーを作っても決まらない。それでもチームUSAで最もディフェンスの良い(流行語)バーンズがカーメロのポストアップを止め、マカラムからミスを誘ってスティール速攻。ホルムズは自分のシュートミスをオフェンスリバウンド。ここにきてディフェンスやハードワークで粘りを見せ始めます。

ということで真打登場。ここまで大人しかったリラードが時計を見て働き始めます。問答無用のロング3P、ホワイトサイドとのパス交換からステップバック3Pで、この試合初めて二桁リードとします。

そして自分にマークが寄ってくると、直前にフッドと交代でコートに戻ってきたベイズモアが3P。お見事すぎるリラード&テリー・ストッツ。その交代の意味はいまいちわかんなかったのに結果になってしまった。

キングスはヒールドアタックで取り返そうとしますが、3Pは決まらず。いや、決めてくれないとダメなんだけど、じゃあこのやりあいでリラードをヒールドが上回れるかっていうと、それも苦しいからね。

「オレ、決まんなけど、リラード決めてるよな」と思ったのか何なのか、ホワイトサイドのリバウンド→リラードにパスというボール運びなんだけど、リラードにパスを要求し、自分がPG役に移動し、SG役をリラードにやらせるマカラム。賢くプレーしているんだけど、そこからリラードがミス連発したから、それはそれでウケるけどね。

カーメロも決まらなくなって、マカラムはアリーザをシールドしようとしたら肘がアリーザの股間にあたってオフェンスファールという悲劇。マジでお互いにとって悲劇。

ところでアリーザ先生ですが、マカラムに抜かれまくっていました。なんででしょうか。アリーザも休養したほうが良いのか、それともある程度抜かれることは大前提でカバー要求なのにチームディフェンスが出来ていないのか。

チャンスを得たキングスですがヒールドのハンドルからドライブを選択するも、周囲はオフボールでは特に動かず。キックアウトパスをリラードに読まれてスティールされます。すると前に走り出していたのはベイズモア。すかさずロングパスのリラード。マジか、フッドなら走っていなかっただろうからまたもリラード&テリー・ストッツの戦略勝ちなのか。

ということで、マカラム2/7、カーメロ1/5とストップした4Qは真打登場のリラードが3/3で見事にチームを勝利に導きました。キングスはヒールドがもうワンステップレベルをあげなければいけないのか、でもそれはハンドラーとしてなんだよね。カリーみたいなプレーをしてはいけないのかっていうね。

◉楽しそうなリラード

結局、ポストアップは1本しか決まらなかった気がするカーメロ。それもジョセフ相手のミスマッチね。ビッグマンとのスピードのミスマッチじゃないのもミソ。確かに体が軽くなって躍動していました。気になるシーンを集めておきます。ゆーつーばー的な形への編集はめんどくさいからなしです。

最終的に抱いた印象はカーメロが好調って事でも、FG14/22で33点のマカラムでもなく

リラードが楽しくPGしている

ということ。本当に楽しいかは知りませんが予想です。

もともと自分でガンガン行くよりも、周囲の状況を見てパスを出していくのが好きなタイプ。ウエストブルックやレブロンみたいに自分がアタックしてフリーを生み出すプレーはそんなに上手くないけど、ゲームをコントロールし、チームオフェンスをコーディネイトする能力の高さがあります。

そこにマカラムと共にカーメロという選択肢が出来たことが、「あっちを使うか、こっちを使うか、自分で行くか」みたいなリラードの判断ポイントを生み出していて、それが楽しそうにも見えました。昨シーズンはヌルキッチを使う選択肢はあったけど、それは自分が貰いなおすような形がメイン。カーメロにやらせるってのは違うパターンだよね。

10アシストってのもダイレクトアシストパスが少ないリラードにしては多く、それだけパスを回したって事でした。自分が50点とることに楽しみを覚えるようなタイプではなく、戦略的にチームを動かすPGの醍醐味、みたいな部分を楽しんでいるじゃないかっていう。

カーメロが好調ならカーメロを使い、マカラムが好調ならマカラムに任せる。システム的に空くであろうフッドやベイズモアを有効に使い、ホワイトサイドにはフィニッシュだけさせる。全部うまくいかないなら自分がタフな3P決めるよリラード様。

さて、こう書くと「ブレイザーズは上がってくる」みたいな雰囲気ですが、相手がキングスってこともありディフェンス力で封じられるシーンが少なかったので、よくわかりません。

4勝1敗と上がってきたようで、勝った相手はブルズ、サンダー、ブルズ、キングス。シカゴの4日後にポートランドで戦う意味の分からないスケジュールでしたが、相手に恵まれたね。

ところが実はブレイザーズは12月がとっても楽なスケジュールです。ここまでが苦しかったスケジュールだったともいえます。ホーム7試合、アウェイ13試合。12月はホーム10試合、アウェイ3試合。年内でバランスが取れるスケジュールって事です。

相手も5割以下のチームが多く、ここで修正しておきたいわけです。正直、守れていないから不安要素は大きいのですが、勝利に勝る薬はなく、立て直しの12月です。立て直さないとシーズンエンドです。

題名を「カーメロと立て直しの12月」にしようと思いましたが、それは結果が出てからにしましょう。いずれにしてもカーメロにもチャンスだし、ブレイザーズとしても取り戻しが効きそうな1か月になるのでした。

ブレイザーズvsキングス” への6件のフィードバック

  1. 話が変わっちゃうんですが、ホワイトサイド+コリンズ+指名権でオルドリッジPOR帰還説っていうのが最近のトレンドみたいです。カーメロ合流後の様子を見てると、ホワイトサイドでしばらく我慢して、ヌルキッチの復帰を待つっていうのでいいんじゃないかと思ってたんですけど、どう思いますか?

  2. ディフェンス力のチームでエース2人とインサイドフィニッシュ
    だけではリングは取れないと判断し
    ディフェンスの要であった2人を放出からの
    もう一枚のオフェンスのカードとしてカーメロ

    なんだか昨年のロケッツと状況は似ていますが

    ハーデン&CP3&ダントーニ
    リラード&マッカラム&ストッツ

    メロ含め
    ここまで真逆の雰囲気なのはウケますが
    初めて買ったバスケゲームがNBALIVEでカバーだったメロファンの私としては
    ロケッツが求めた形の答えとしても
    今シーズンのブレイザーズに期待せずにはいられません笑笑

  3. カーメロ、ニュースを見た当初はヘゾニヤよりましだったくらいに思っていましたがいい意味で裏切られました、本人も楽しそうで何より。
    あとドライブから中を荒らしてキックアウトしたほうが何かにつけいいだろうと漠然と思ってましたが確かにカーメロみたいなプレイスタイルはある程度本人の裁量に任せたほうがいいですよね、盲点でした。

    謎なのはキングス、フォックス離脱でのヒールドやボグダノビッチのエースムーブ、苦肉の策と思いきやそこそこ勝ててる見てる分にはそこまで脅威を感じないのに。
    そもそもウォルトン監督なので走りまくるチームを志向するかと思いきやそうでもないし強いて言えばディフェンスがいいのかな?
    開幕5連敗のころと何が違うのか、うーん分からん

  4. ブレイザーズはリラードが楽しそうというか楽そうでした。絞めるとこ絞めるぜみたいな。
    キングスは超スローペースチーム。でも遅いコネコネオフェンスに覚醒したねばねばディフェンスのボギーがいなかったのがツラい。スローペースで勝ってきた最大の功労者がいませんでした。
    ヒールドはブレイク後の今シーズン、マークもキツくなり更にフォックスもバグリーもいないなか早々にエース失格なんです。クランチタイムはボギーとバーンズのお仕事です。アリーザ、デドモンに関しては既に現地ファンからもヘイト買いまくりです。ジャイルズ使えって声多数。

  5. やっとスターターは揃ったというところです。
    怪我人があまりにも多過ぎました。コリンズはオールスター明けには復帰するのでしょうが、それまで今の控えで同やりくりするか課題です。
    機体のサイモンズはあまりにもディフェンスが酷過ぎで、ラビシエリと同時起用すると崩壊です。せめてトリバーを使えばバランスが良くなるはずなのですが、ベンズモアはこの試合はたまたま良かったですが、それ以外はね?ディフェンスは普通なのですが、オフェンスがね。リトルは頑張ってますが、得点は出来ませんからね。もう少し控えが頑張らないと、強いチームには勝てません。

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