MVPはヴォーゲルかドンチッチか
負けないねレイカーズ。レブロンのチームが安定して勝っているってのは意外と新鮮です。今のレイカーズで驚くべきは「強い」ではなく「安定」ってことです。ベテランを並べながら、失速してしまう試合に乏しいってのは注目すべき事項です。
MVPクラスのスタッツを残すドンチッチ。やっていることがまるっきりレブロン。PGだけどディフェンス時はSFかPFで、基本はインサイドに強く、だけどアウトサイドとパスでオフェンスを構築するからスタミナコントロールも出来る。
しかし、ここで1つの問題が。レイカーズのPFはADなので、マッチアップはまずい。かといってレブロンじゃあ疲れちゃう。ということでKCPをマークします。途中でダニー・グリーンに変わってた。ただちょこちょこADとマッチアップしているからゴール下待ちってのも多いわけだ。
レブロンにはお馴染みフィニー・スミス。インサイドはパウエルとポルジンギスのコンビなわけで、マブスもまたビッグランナップが可能になっています。ヴォ―ゲルはレブロンのポジション適性を「便利に」使っていますが、マブスもドンチッチのポジション適性によってビッグラインナップに出来ています。
◉堅守速攻
しかし、一気に走ったレイカーズ。KCPがドンチッチを抑えるのですが、もちろん単体で対抗できるわけじゃない。でもインサイドをレブロン、AD、マギーで固めているのでドライブされた時の脅威は少ない。
ここで不思議なことにドライブでシュートを許さないだけでなく、ドンチッチから出てくるパスを読んでカットするシーンも出ている事。インサイドを塞ぎつつパスアウトまで防いでしまっているのは、KCP、ダニー、レブロンの読みと運動量が上回っているからか。
そして速攻へ。堅守速攻。ハーフコートオフェンスはたまにADとドンチッチのミスマッチを有効に利用したくらいで、しっかりと5人がコートを広く保ち、楽に攻めれそうなポイントをついているって感じ。点差を生み出すのはディフェンスからの速攻。ハーフコートは現状維持しとけばOKみたいなさ。
しかしカルーソやクズマへのメンバーチェンジと共にディフェンスが少しずれるとドンチッチからコーナーへキックアウト3P。レイカーズディフェンスは間に合わなくなって、というかドンチッチのパスを読めないとあっさりと追いつかれます。
そこからレブロンがドンチッチからテイクチャージ。さらにウイングを走っての速攻で再びリードを得る。守れれば走れてリードを持て、守れなければハーフコートのやりあいなので普通。ちなみに、これって普通のチームは大体そうだし、ディフェンスが強いチームが勝っている理由でもあります。
1Qは30-25で終わります。レイカーズが自分たちの流れに持ち込みましたが、マブスは食らいついたと言えます。面白かったのは終盤になってレブロンがベンチに下がると速攻がなくなってリードを得られなかったこと。
これがレブロン→ロンドというレイカーズの理由なのか、それともドンチッチがベンチに下がったことで、マブスのオフェンスは強力ではなくなった代わりに、どこから攻めてくるかわからなくなったのでカウンターに持っていけなくなったディフェンス的な理由だったのか。
◉ノー・ドンチッチ
この流れはレブロンが戻ってきた2Q序盤も続きます。ボールの奪いどころがわからないレイカーズディフェンスはレブロンとハワードでインサイドの強さはあるものの、アウトサイドへのピックアップは遅く3Pを連発されてしまいます。これが決まったこともあり、カウンターが発動できなかったレイカーズなので同点に追いつかれます。
マブスからするとドンチッチ抜きの方がオフェンスが上手くいっているし、ていうかドンチッチ抜きでプレーメイカー不足のわりにしっかりとオフェンスになっている不思議さも。
そんなマブスのベンチ陣で中心的な役割をしているのがデロン・ライト。開幕当初は全くかみ合っていませんでしたが、ここにきてとても効果的に3Pとドライブを使い分けています。またジャスティン・ジャクソンが同時起用されていますが、どうも相性が良いのか2人がパス交換しているシーンが目立ちます。
カリーとブロンソンという分類するならPGの2人がいながら、センターラインは基本的にライトとジャスティンで構築しているマブスの不思議なオフェンス。しかもスターターと違ってスモールラインナップ。マルヤノビッチこそいるけど超小さいチームになりました。
しかし、これがまた守れてもいます。動けないマルヤノビッチを真ん中に置いて全体が動き回るゾーンみたいなディフェンスはレイカーズに自由を与えず、マブスは逆転に成功します。ドンチッチ抜きの方が良いじゃないか。ってね。
それはADが戻ってくることでミスマッチが苦しくなりそうだったので、マブスもスターターにスイッチします。しかもレブロンがベンチに下がるのでカウンターのリスクも減少することに。お互いのユニットかみ合わせみたいな前半。
ドンチッチがいる→プレーが読みやすい
ここが問題だったのを把握しているかのように、戻ってきたドンチッチをウイングに置くプレーコールも多く、ライト中心のプレーメイクからポルジンギスの連続3P、インサイドのパウエルの合わせなんかでオフェンスしていくマブス。1Qのようなマズいボールの失い方がなく、レイカーズにラッシュさせません。
ところが、ラッシュはされないけどADとハワードのインサイドコンビにタジタジ。そもそもADが止められないのに、シュートが外れたらハワードにリバウンドを取られるっていうね。こうしてお互いの速攻が消える中で、レイカーズが不利になるかと思いきやハーフコートの高さで対抗していきました。
残り3分で戻ってきたレブロン。ADへのアリウープパス、パウエルを吹っ飛ばしながらのレイアップとハーフコートでも躍動
それでもマブスもキックアウトからライトが3P、速攻にいこうとしたレブロンに対してクリバーがテイクチャージで対抗します。ドンチッチは決まらず。
ラストはレブロンがハッスルプレーでドンチッチからスティールし、倒れこみながらアシストパスを出すもしっかりと戻ってくるマブスディフェンスが奪い取ってカウンター。1点差とするも、ロンドからレブロンへブザービーター気味のアリウープが通ってレイカーズが3点リードで終わります。
前半のドンチッチはFG2/9、5アシストも4ターンオーバー。存分に研究してきたレイカーズが、ドンチッチを守ってのカウンターによってリードした感じでした。
◉失敗のオフェンス
後半もドンチッチを手厚くカバーするレイカーズ。パスフェイクや早めのパスアウトで対抗するドンチッチ。ただ前半でわかっているからか、ウイングに回ることが増えたドンチッチ案件でスイッチが発生するとポルジンギスのミスマッチが発生します。なんとなく得点できるマブス。あとマギーだけ理解しきれていない雰囲気。
問題だったのはレイカーズのオフェンス。以前に観たようにそんな魅力がない形です。基本的にはポストアップ利用でのADかレブロン勝負。ビッグラインナップのマブスが、多少のマッチアップ変更ではヘルプに行かないこともあって、パスを出す先がなく、自分で勝負していきます。残念ながら、そこまで確率良くは決まらない。
しかもビッグラインナップの弊害でADが3Pを打つシーンが増えます。決めはしたけど好ましいオフェンスではなく、レブロンも外すし、KCPも外すし。
一方でドンチッチ対策が機能しなくなります。何故か。前半にインサイドを固められていたことで困ったので、積極的にアウトサイドから仕掛けることに変更していきます。加えてKCPにべたつきされているので、ハーフライン近くまで引いて4人にオフェンスを任せるシーンも。ドンチッチへの警戒がマブスのストレッチオフェンスに繋がります。
するとぶち抜かれると誰もヘルプがいなくてドンチッチのダンクも。3Qだけで16点のドンチッチ。極めて目立ったとは思えないのですが、レイカーズディフェンスのズレと、オフェンスミスから始まるパターンで得点とアシストを伸ばしました。
あとKCPがスクリーンに引っかかってファールコール→レフリーにクレームでテクニカル。ベンチへ下がるとカルーソがドンチッチのマークというシーンも増えちゃって、そこはもう対応できないんだよね。前半からカルーソだけは全くダメだったのに選んだ理由がわからん。わからんけど連続3Pでオフェンスは救いました。
3Qのマブスは35点。ドンチッチを囲んでくるのはわかっていたので、早めにパスを出すこととコーナーにいるフィニースミスが3Pとカッティングを使い分けるので、レイカーズは次第にカバーディフェンスが機能しなくなりました。
それ以上に問題だったのは17点に終わったオフェンス。レブロンとADでFG2/11とブレーキに。だけどね。なんかわかるんだ。もともとオフェンスはイマイチで、ディフェンスからのカウンターが得点を伸ばしていた気がするから。
試合は前半の反省に成功したドンチッチとマブスが、レイカーズの作戦を崩壊させるとともに、自分たちの狙い(?)であったビッグラインナップによるインサイドディフェンスに成功しました。
3Qのレイカーズはゴール下が2/6と大ブレーキ。まだオフェンスには課題が残っていることを示したし、よくぞここまで問題視させたマブスディフェンスでした。
◉決まらなかった3P
ドンチッチのいない4Q序盤もアウトサイドをチェイスしてくるレイカーズを逆手に取るボールムーブで見事なイージーシュートを生み出すマブス。
本当にびっくりするくらいデロン・ライトが改善している。シックスマンあるんじゃないかってくらい素晴らしい。ベンチのガード不足のラプターズに欲しいくらい。そしてパスを受けるのが半分くらいジャスティン。素晴らしいオフボールムーブだ。キングスに欲しいくらい。
レイカーズオフェンスはハワード先輩が助けていきます。3Qにも出しておくべきだったと後悔するくらいリバウンドに絡んでくれるし、スピードで合わせてのダンクだからスペースを保てています。まぁフリースローは決まらない。
そう思ったら早々に交代したハワード。15点以上離れているのでハードワークだけじゃ追いつけないし、そこはADがいるのだからダニー・グリーン、クズマ、カルーソを優先します。カルーソ?
しかし、ダニーが4本の3P全て外してしまい、この目論見は何一つ上手くいかず、マブスが見事なボールムーブでディフェンスを避けるとともに、危なげなく逃げ切ったのでした。
結局ドンチッチ対策が成功したはずなのに、27点も奪われてしまったレイカーズ。どうやって攻略されたかといえば的確なボールムーブとアウトサイドシュートでした。対してレイカーズはレブロンとクズマが5本ずつ打って全て外した3P。この試合は厳しすぎたね。
マブスの勝因はレイカーズの対策を後半に無効化したことと、それ以上にベンチ陣。マジでビックリしたぜ。デロン・ライトとジャスティン・ジャクソンは仲良しなのか!?ってくらい2人の相性が素晴らしい。
ライトはわかるけど、ジャスティンがこんなプレーを連発するようになるとはね。マブスに来てイマイチかと思っていたら、首位を倒すのに多大なる貢献をしたのでした。
今季レイカースは優勝水準でしょうか。ここまでは日程に恵まれており、強豪相手には苦しんでいるようです。
うーん、まぁ今の段階ではなんとも。
オフェンスも時々、爆発力を秘めてきたので、伸びしろは結構ありますし。
去年(DJ,DSJ,バーンズ等トレード前)からマブスはベンチメンバーの時間帯はバレアの活躍もあり数字的にも良かったんですよね。
今季もその傾向はそのままにベンチの得失点差はクリッパーズを抑えて1位につけていて、逆にドンチッチの成長で相手スターターにも離されなくなったことが好調の理由なのかな、と。
昨季ジャスティンはあまり出場機会はなかったし、ライト、カリーもいなかったのにいい部分をそのまま受け継げて1ファンとしては嬉しい限りです。
バレアの謎時代ね。観ていても謎でした。
今はデロン・ライト頼みかーと思っていましたが、ジャスティンが加わったことで一気に納得性ある形で優位になっています。
カリーとブロンソンもシューターなわけで、サイズ問題はあれどハンドラーを並べる意味があるので。
ドンチッチ、良い意味でブチ抜けすぎて浮いてますよね
本当に若い頃のレブロンみたいです
デロン・ライトみたいなハンドラーはLALこそ欲しそうな感じがしました
肝心のロンドがAD以外と相性最悪なので…忖度人事の弊害がここに
ADとロンドって相性良かったはずが、ロンドの不安定さ爆発ですね。
これがあるから各チームがサラリー払ってまでは欲しがらなかったわけで。
ビッグ3に囲まれているころがちょうどよかった。
MVPはリックカーライルってことですか?
えぐざくとりー!
ジャスティンジャクソンのあの3年目とは思えない落ち着きっぷりは一体なんなんでしょうか。
気になる選手の一人です。
苦労したほうが落ち着くのかもしれません。
お疲れ様です。
超個人的かつ自業自得なコメントで申し訳ないのですが、試合を見る前にyoutubeで管理人さんの動画のサムネを見てしまい、ドンチッチが守られて負けたのかと凹んで試合見てました。
まさか、前半だけでまとめられた動画とは思うまい…。
試合鑑賞後、動画見ましたがとてもわかりやすくてよかったです。
ジャスティンは元々はローテーション外だったのですが、ガベージタイムやインサイドのファールトラブルなどの少ないチャンスでスリーを高確率で決めたことで信頼を勝ち取り、ミニッツ増やしてきた中で迎えた試合での活躍だったので嬉しいサプライズでした。
ウイングは少ないし、スモールラインナップの4番をできるのは彼しかいないと思うので、今後伸びてくれることを願っています。
ライトも今季ベストに近いの活躍だったと思いますが、ライトはフリーでもスリーを打たないことがままあるので、この試合くらい積極的に打っていってほしいですね。
ドンチッチやハーダウェイなどと組み合わせるとシュートに行かなくなってしまうので、ノードンチッチの時間にメインハンドラーとして据えるのがベストな気がします。
そして、この試合のような活躍ができるかが勝敗に直結する気もします。
デロン・ライトはラプターズ的というかニック・ナース的なので、3P打つのですが積極的に打ちまくってカウンター食らうくらいなら、ある程度はコントロールしてきますね。悪い時は歯止めが効かないので、悩ましい。
オフボールでも動けるので、ハリスのようなイメージでカーライルが捉えているのかもしれません。