開幕1カ月の八村

ナゲッツvsウィザーズ

本日は2試合しかありませんが、クリッパーズとナゲッツは共に良く見ているので、主題を八村に持って行きましょう。だけど、八村のプレーは管理人よりも読者の方が知っているんじゃないかっていうね。そんなに観てないし。

なのでナゲッツ戦でのプレーを追いかけながら、頭の中にある八村との違いを触れていきましょう。

◉ミドル決めるよね

本日もミドルから始めたオフェンス。このミドルを良く決めているよね。じゃあ調べてみよう。

ゴール下 64% 47/73
ペイント内 44% 10/23
ミドル 40% 19/47
3P 23% 6/26

ごめんなさい。嘘つきました。大して決めていません。良く打っているだけです。

NBAウォッチャーが不思議に思うのは「確率」ではなくて「アテンプト数」です。3P26本しか打っていないのにミドルが47本ってナンセンス。そのシュートを選ぶ理由は何だい?

ミドルをフリーで打てるならば3Pをフリーで打てってね。ミドルの全てを否定することはありませんが、バランスとして3Pと逆転してしまうのはちょっとね。あるいはこれがペイント内ならば話も変わってきて、グッド・ショートレンジフィニッシャーになれるわけです。

いずれにしても「八村が打ちすぎ」というよりは、「ウィザーズってなんでそのシュートOKなの?」という疑問です。

しかし、このナゲッツ戦はファーストシュートはミドルでしたが、そこからの八村はエンドライン際に構えることが増えました。トーマス・ブライアントはピック役、トレイル役でトップからのオフェンス構築に絡みますが、飛び込むためのスペースは確保しながらもインサイドへの合わせ役となるシーンが増えました。

面白いことにマークマンはヨキッチになることもしばしば。特に相方がワグナーになると3Pも守るためにミルサップがワグナーとマッチアップし、ヨキッチはヘルプ役で一応八村の事も観ているって感じ。

この試合で八村は前半に2つのダンクを決めますが、1本目はハイポストのトーマス・ブライアントからのアシスト(うっかりマレーが八村を見逃す)2本目はアイザイアとのピック&ロールでのダイブ(ヨキッチが大きく離して守っていた)という形です。共に動きながらインサイドへ詰めるプレーで得点したわけです。

これらのことから管理人の頭の中にあった八村の役割は、開幕から1か月が経過したことで少し変わってきているように思えました。

3Pやミドルを打つプレーコールよりもスピードでインサイドへ飛び込んで合わせるプレーコールが多い

要するにスポットシューター的な役割から位置づけが変わってきました。大きくストレッチしていたウィザーズのオフェンスの中でもう少しショートレンジ担当に移されています。八村→バータンズによって役割変化も出来るし、八村+ワグナーでも成立する形です。

言葉を選ばずに言えば「アウトサイドシュートに課題があるから、その役割から外す」ということ。ここら辺は決まり始めればすぐに変わるでしょうが、ナゲッツのゾーン気味のディフェンスを相手にしたことでインサイドフィニッシュ役のイメージが膨らんだわけです。

エンドライン担当になったことで違う変化もありました。前半に2つのアシストを決めますが、ボールを貰った時にチームメイトがカッティングしてくるのをよく見ていました。それはエンドライン担当に慣れてきているという事。

チーム戦術を理解し、アジャストし始めた

よくわからんミドルを打っていた頃は、かなり自由なシュートを打っているイメージでしたが、この試合では自分の役割に徹するとともに、いつどこでチームメイトが動いてくるのかを理解し始めている感じ。

個人技突破は控え気味に

ただエンドライン担当であって、ポストアップ要員ではなかったので個人突破ってのはそんなに求められていません。

今はとにかくオフボールで合わせろよ!
その次はキャッチ&シュート決めろよ!

という段階なのだと勝手に想像しています。オフェンスはNBAに慣れ始めたという意味でのポジティブさと、シューティングへの信頼が薄らいできたというネガティブさと。

◉ノン・プロテクト

ディフェンス面は思ったよりも守れていた良かったねと。正直、もっと後手後手になると思っていましたが、1on1はそこそこ守れています。なお「そこそこ」ってのが、そもそもウィザーズがチームとして守れないので、リーグ平均なんかを考えたらネガティブかもしれません。

今シーズンの特徴として「ディフェンスの良いチームが勝利している」なわけですが、ナゲッツは失点がリーグ最少。まさに守って勝っているわけですが、その要点にはPFを分厚くそろえてカバーディフェンスを機能させている事情があります。

八村のダンクの時、ヨキッチは八村を殆ど見ていなかったのですが、他にもコーナー3Pで待つ八村を無視してリムプロテクトに行ったミルサップや、早めのヘルプで飛んでくるグラント&その次に待ち構えたプラムリーなんていうリムプロテクターの活躍がありました。

ここまで八村のブロック数は僅かに1。チームとして3P優先で守っている事情もあるのでしょうが、PFタイプとしては寂しい数字であり、この試合でも「そもそもブロックに飛べていない」シーンが多くあります。要するに

自分のマークをしっかり守り、ヘルプへの意識が低い

という傾向があります。でも今は3P時代なのでチーム方針って可能性もあるのですが、ベンチから出てくるバータンズは割とヘルプへ行く決断が早いタイプなので、何が優先なのかは決まっていないんじゃないかな。

八村は守れている。が、高速ヘルプ力に欠けている

それがこの試合で強く感じた事です。ナゲッツのグラント、ミルサップが高速ヘルプで画面に顔を出すシーンが多いのに対して、苦しいんだよね八村は。

ということでウィザーズは次第にディフェンスの悪さが目立っていきます。マレーがドライブダンクしたり、バートンやモリスがドライブからステップワークだけでイージーレイアップに行ったり、同じようなシーンでファールで止められたり。

それぞれリムプロテクターに誘い込んで止めていくのが最近の傾向ですが、八村、バータンズ、ワグナーとブロック力に乏しいビッグマンが多い。しかもアイザイアとのミスマッチを狙いまくるマレー。

トーマス・ブライアントがヨキッチのマークなので、ペリメーターに引っ張り出されており、そこで抜かれると誰もいないんだよね。オフに高速ヘルプの代表格ドワイト・ハワード連れてくるべきだったね! えっ?ウィザーズにいたって?

それに対してグラント+プラムリー、さらにフアンチョがいるナゲッツのベンチ陣はカバーが的確なうえに高速で飛んできてくれるわけだ。特にベンチ陣で大きく差がついていった前半でした。

八村は守れない。っていうかウィザーズが守れないから評価しにくい。

これについては今シーズンずっと続くだろうね。ただ、八村自身は動ける選手なわけだから、ハードワーカーとしてブロックして欲しいものでしょうね。

◉雑感です

後半になっても圧倒するナゲッツ。が、例によって突き放しません。オフェンスが爆発しないんだ。レフリーコールにも悩まされながら、だけど3Pも決まらないし。だけど守れるからウィザーズにもチャンスが全く来ない。

八村は次第にスポットシューターに移行していきます。理由は良くわかりません。そもそもボールをもらえるシーンが以前より減った感じ。アイザイアがいるからなのか、ポジション的にコーナーやエンドラインだから仕方がないのか。

そして5分で2つのファールをすると、そこから出番がありませんでした。本日の主題をどうしてくれるんだスコット・ブルックス!

試合はペイント内で70点を奪ったナゲッツが、最大20点リードを得ると、特にこれと言って反撃を許すことなく、3Pもインサイドも封じて逃げ切りました。どちらもスターターが出る時間が限られ、両HCが見切ったような展開になりました。

なんだろう。うん。なんだろう。特に触れたくなる事項がなかったよ。ナゲッツはスターターがディフェンス力を発揮したわけですが、ここまでオフェンス面は良かったウィザーズを封じ込めたのでした。何で封じ込められたのか。うーん、単純にアイザイアとビールに殆ど自由を与えなかったこと。

マレー&ハリスが止めきったのですが、昨シーズンは同じチームで過ごしたからかマレーがアイザイアにやられなかったよ。そしてヨキッチも含めてスクリーンへの対応がハッキリしていたし、ダブルチームに行くとローテが早い。この守り方にウィザーズは対応できませんでした。

チームとして、こういう守り方を志向するかは選手が身に着けるべきスキルを変化させます。マイケル・ポーターに出番がありませんでしたが、こういう守り方出来ないんだよね。強豪チームにいるから仕方ないのでしょうが、チーム戦術が出来るもの大切。

八村にも役割が定義されてきたウィザーズ。そこで高い業務遂行能力を示すことが出来るかどうか。

ちょうどナゲッツにはジェレミ・グラントがいまして、SFみたいなPFながら、センターまでスピードでこなしていくビッグマン役です。3Pも身に着けていき、万能系になってきましたが、八村がお手本にできるようなプレーだったと思います。

定義された役割の中で、どんな成長を見せるのか。開幕当初とはちょっと違うルートに進み始めています。この試合がたまたまかもしれませんが。

開幕1カ月の八村” への11件のフィードバック

  1. 初めてコメントさせていただきます。
    いつも楽しくブログ見ています^^

    八村選手、スクリーンをかけるところで、しっかりとかけないまま流れていくような場面が多く見られるのですが、意図的なものなのでしょうか?
    また、リバウンド(特にオフェンス)にも、もっと積極的に体を張って参加した方が良いんじゃないかと素人目に思ってしまうのですが、
    八村選手の
    ・スクリーン
    ・リバウンド
    の観点に関しても
    Whynotさんの意見も聞いてみたいなと思っております。

    1. スクリーンは割と問題外に苦しくて、それがエンドライン担当に移動した一因でもあるかと。
      リバウンドについてはヘルプディフェンスと同じですね。競り合いに弱いのではなく、そもそも参加に戸惑っている。

  2. 八村、リバウンドがあまり取れていない試合が多いのが気になっています。
    チームの問題?個人の問題?その両方?
    ディフェンス崩壊で負ける試合が多いというのもあり、個人的にはリムプロテクトなどのディフェンス面やリバウンド面でも活躍する姿を見たいなー。

    1. ワンセンターに任せておき、周囲はその時々ってカタチですね。リバウンドについてはチームがこれを望んでいるので、ヘルプ役にならない限りは仕方ないかと。

  3. いつも楽しく拝見させて頂いてます。
    八村所感ということで私もはじめてコメントさせて頂きます

    whynotさんのイメージ「ミドル決める」は私も開幕から中盤まではそう思ってました。ただ最近数試合はミドルの確率が悪くなってる印象で、そのせいかペイント付近でボールを受けようとする傾向が強くなってる気が・・・
    勇気をもって3PTを狙うプレーを増やしてほしいなぁと思います。

    あとディフェンスですがゾーンのほうが活躍できている気がしますがいかがでしょう?
    マンツーだとチームでのリムプロテクトのルールの実効性が低いように見えます。そもそもブルックスのチームがディフェンスで優れていたことありましたっけ?

    オフェンスは開幕1ヶ月でちょっと疲れも出てきてるのかな?という印象ですが能力的に見て他のルーキー達と比較しても充分やれている印象なので頑張ってほしいものです。

    ジェレミグラントお手本は私もこの試合見てそう思ってしまったwww

    1. ゾーンの方がポジショニングに困らないので活躍している印象ですが、それがチームとしてどうなのかは難しいですね。アイザイアがいるので、どうしてもミスマッチ生まれちゃいますし。

      ウォールとビールでそこそこ守れる時期もありましたが、トランジションが最悪なので数字的には酷いシーズンばかりですね。

  4. スモールサンプルゆえの誤差と言ってしまえばそれまでですが、開幕直後の数試合はミドル45%以上決めてましたね。
    さすがにNBAレベルのディフェンスに対しても45%の実力があるとは考えにくいので、今の数字が実力相応なんでしょうけれど。

    いずれにせよミドル多めは現代の流行に反しているので、ゴール下~ショートレンジに偏って来ているのは肯定的に見ています。
    これに加えてたまに撃つ3Pが33%入れば、ひとまず3~4番手スコアラーとしては及第点であり、そこを安定させるのが今シーズンのオフェンス面での目標かなという印象。

    1. ミドルを武器に出来ればワンランク上に、そうでなければ3Pとショートレンジを!
      これはこれで分岐点ですね。

  5. リバウンド力の無さはシーズン前予想どおり いや 予想以上なとこですかねー。

    まだシーズンひと段落したとこですし、ルーキーですし、長い目で見守りたい。でも、わかりやすく課題があるのは良いことであり、怖いとこ。得意のミドルで色々誤魔化してきただろーからなぁー

    色々と怪しはずのモリス兄弟に負けてる感じなんだよねー RUI君。当たり前か。ルーキーだもん。

    でもジェレミー・グラントは高い目標かもしれないけど、やって欲しい。ただただ、日本人としての願望です。

  6. 八村は相手チームの研究が進むシーズン後半には丸裸にされてそうですね
    (すでにちょっとされかかってる)

    器用で多彩な攻めができる方でもないし、リカバーできる規律があるチームでもない
    幸い根気強くPT保証してくれるチームだし、育成力が死んでる体制でもないので、乗り越えて1ランク上の選手になれるのか…
    レイカーズ期のイングラムもそうですけど、「とにかく経験!」は素材型の選育て方としては荒いですよね

    1. 八村を素材と見るか、完成度と見るか次第ですね、
      ウォールとビールがあるチームなので、自分が出来るプレーの精度を上げることに注力させないとダメですね。

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