モーラントvsコンリー

コンリーisバック

帰ってきたメンフィスの顔。メンフィスにはコンリーが必要で、コンリーにはメンフィスが必要だ。

さて、そんなコンリーを加えたジャズですが、そもそもがルビオだったしゲームメイク的にはコンリーになったからってそんなにね。そもそもFGについてはルビオよりも悪いくらいだから、オフェンス面で期待しすぎてもね。クラッチでの強さとか、ルビオよりも自分で突破できるとかくらいかな。

そのコンリーの後釜にジャ・モーラントを加えたグリズリーズ。よくもまぁこの手のタイプのPGを連れてくるよね。ブルズのコビー・ホワイトが活躍していますが、そもそもそんなプレーしないぜ、って感じのモーラント。2Qには速攻で体の後ろにボールを回してのレイアップとか、豪快なアリウープを決めるのですが、そういうことが出来るからってやりまくるわけじゃないぜ。

極めた落ち着いたプレーメイクをしていくモーラント。コンリーみたいな落ち着き。HCも変わってプレースタイルが全く違うグリズリーズなのですが、メンフィスという土地柄に付き合ってくれる性格の選手を探しているのかね。JJJもそんな感じだしね。

グリズリーズは両ウイングをワイドに保ち、パスアウトを積極的に打ちはするけど、乱れ打ちは好まず、苦しそうなら立て直していきます。そしてインサイドにはバランチューナスがいるので、最後は強引に押し込んでくれる。ゴベアーに苦労しているけど、JJJがいるから何とかしてくれる。

というわけでジャズっぽいです。ドノバン君がいないことくらいの違い。だからコンリーを選んだジャズだし、クラウダーがそのまま起用されているグリズリーズだし。そこまで良くはないけど、慌てることなくくみ上げていくので、ハリーバック出来ているのが強み。大崩れしないことを強みにしています。

◉力感のないジャズ

そのジャズは全く力感のないオフェンスを展開します。力感ってのは、例えばドライブするときって全速力で突っ込むわけですが、ジャズの選手は殆どそういうことを望まず、一歩目でかわしたら2歩目は少し落としてリングに一気に突っ込まずにヘジテーションします。

残り3分ちょっとでムディエイがジャンプシュートを決めた勢いで倒れこみましたが、そういえばそんなシュートが全くなかったなとね。無理のないシュートを打てる状況を常に作り出していきます。

が、決まらない3P。ジャズあるある。良い形にしても3Pが決まらないときがあるんだー。

それでも無理がないってことは、攻守の切り替えもスムーズだよね。こちらもまた大崩れしない形でオフェンスを展開していきます。たまにドノバン君がハンドリングシェイクで能力差をみせつけますが、それも続けることはない。戦術ドンチッチの後にみると新鮮なジャズのプレーシェア。

そんなジャズですが、3P決まらないので互角の展開。決まらなくて互角くらいね。しかし、ベンチメンバーになると優位になります。ムディエイ、イングルス、ジェフ・グリーンってのはなかなか。ムディエイとイングルスが連続3P決めたので、決まれば強いさ。

ところが、そこから逆襲を食らうのでした。理由はトニー・ブラッドリーのレベルが低すぎた事。あまりにもお粗末だったゴベアーの控えセンターは、ポジショニングが悪ければ、パスを貰っても決めきれません。

力感がないジャズですが、それって言い換えれば適切な距離感とスムーズな連携がないと誰も点が取れないわけです。しかもビッグマン1名体制だから、そこが狂ったらおしまい。おしまいだったぜベンチメンバー。

ニックスについて書いているのですが、連携オフェンスって判断力不足が1名はいっているだけで崩壊しがちだよね。ニックスは判断力ない選手をどうするのかっていう設計なんだよね。ジャズは判断力を伴わせることに費やしている。ラプターズも。

ということで、力感のなさ過ぎたジャズはキレイに回してもシュートが決まらなかったり、決まったけど1人が足を引っ張ったりなのでした。

◉カイル・アンダーソンって誰?

逆転に成功したグリズリーズの立役者はカイル・アンダーソン。同姓同名で昔スパーズにいた選手は知っているけど、こちらのカイル・アンダーソンはミドルに3Pを連発していきます。決まるぜ3P。燃え上がるぜディフェンス。

これもまた新HCの影響ですね。ウイングはしっかりと打つように指示されているので、迷いなく放っていくカイル・アンダーソン。通常通り、インサイドでの粘りもあってグリズリーズオフェンスをけん引します。

さらに対角からはディロン・ブルックスも強気なオフェンス。力感のある突破で加点します。前述のモーラントのスーパープレーもあって、ワイドに開いた選手が得点しながら、中心となるセンターラインも加点して良い感じになったグリズリーズが点差を二桁にします。

それは悪い流れだね。ってことで動き出すドノバン君。たらったら~とファンファーレがなるように、ドライブで切り崩し、怪しいレイアップを決めていきます。イージー。抜くととこまではあまりにもイージー。ヘルプで潰しに来るグリズリーズはチームディフェンスになっているのに、ちょっとだけ早いんだ。

このままワンマンショーのスーパーエースかと思いきや、さらっと決めたドノバン君はコーナー待機組に変貌します。本日ドノバン君のユニフォームを買った管理人としては超不満なわけですが、ジャズの新たな強みは前半のこんな段階でエースに頼り切る必要がなくなり、コンリー&ボグダノビッチがいること。

2人のプレーメイクを進めていくジャズ。それはそこそこなんだけど、とにかく突破しきれていないコンリーだと時間がかかって仕方がない。一気呵成に追い上げる雰囲気だったのに、自分たちからスローダウンしてしまったジャズ。コンリー問題か。

ということで前半をリードして終わることに成功したグリズリーズ。ラストは業を煮やしたようにドノバン君がスピードでディフェンスをフリフリして、ミドルを決めたけど、なーんか力感がなさすぎたジャズ。両ウイングの強気なシュートが53-48と5点のリードをもたらしたグリズリーズでした。

◉トニー・アレンのディフェンス

コンリーのために駆け付けたトニー・アレンが、険しい顔で見つめる後半。それ観客の顔じゃないぞ。そのコンリーがドフリーの3Pを外しまくるジャズです。ルビオがサンズで決めているから後悔後悔。3連発で決まらないからエクストラパスでオニールに渡したけど、やっぱり決まらないし。頼りはゴベアーのリバウンドさ。

速攻でドフリーのドノバン君へのアリウープパスをブルックスにカットされるコンリー。4本目の3Pも外してどうにもなっていないPG。お前は見えないトニー・アレンにディフェンスされているのか?

それでもJJJがオニールに完膚なきまでに止められたりしてグリズリーズも苦しみます。そしてドノバン君のフローターで逆転。こんな時に働くスコアラーをどうするのかがグリズリーズの課題なわけで、願わくばモーラントにやってほしいわけですが、じっくりと作りながら個人技突破を強気にやるってのは難しいんだよね。

それでも3P外すわレイアップ外すわのコンリーに対して自分が突破してからのバランチューナスやクラウダーを使う事で何とかしてしまったモーラント。面白いぜモーラント。ダメダメだぜコンリー。

そんなわけでリードを保つことに成功したグリズリーズ。粘り強いディフェンスがもたらしたのか、シュート外し過ぎのコンリーが味方してくれたのかは微妙ですが、ベテランチームみたいな戦い方だよね。そしてついにオニール相手にタフショットを決めたJJJ。エースとして働かないと!

残り4分半。JJJが4つ目のファールでベンチに下がり、コンリーが7本目の3Pでやっと決めると1点差に。先にベンチメンバーを増やしたグリズリーズが少しずつ苦労し始めます。

残り2分。お互いにQ中盤をベンチで過ごしていたドノバン君とモーラントが戻ってきてのせめぎあい。ここでファールしまくってしまったグリズリーズ。守ってもフリースローを打たれちゃうと、ファールするほど詰めなかったらドノバン君のフローター。連発。本日2回目のまとめて得点する時間。

モーラントもドライブから見事なクラークへのアシストパスに、トニー・ブラッドリーにコンタクトしながらのゴール下を決めて反撃した素晴らしい個人技。ただチームとして守れなかったので82-77とジャズがリードを奪い返して3Qが終わるのでした。

◉良いカルチャーが育ちそう

ところがなんと驚くことに3Q途中で決めたジェフ・グリーンの3Pがラインを踏んでいたってことで取り消されます。3Pが2Pになるのは聞いたことあるけど、サイドラインを踏んでいたから後でノーバスケットってアリなのか!?試合展開無視じゃん。試合後のリプレイで得点消されて負けるなんてないわけだしさ。

ここで素晴らしいプレーを披露したのがモーラント。連続でインサイドに飛び込んでファールドローすれば、コンタクトしながらの豪快なダンク。ブルックスもミドルで続いて逆転します。この時、リムプロテクト出来ずに再び足を引っ張っていたのがトニー・ブラッドリー。ジャズはビッグマン1名体制だから、ここの能力が低いのはヤバいね。ウドーってどうしたんだっけ?

さらにモーラントがムディエイとコンタクトしながらもねじ込んで盛り上がる会場。いいね。モーラント。コンリーよりも確率良いじゃん。完全に新旧PG対決が響いている結果です。

ドノバン君を下げて他のスターターを出してきたジャズ。レベルが違うゴベアーを使ってコンリーが反撃します。バランチューナスも取り返しますが、ピック&ロールでズラされてしまうと止めきれません。でも、フリースローを外すコンリー先輩。頼むぜ先輩。

それでも4Qは違うとばかりにコーナー3Pも決めるコンリー。ところが今度はゴベアーがJJJにブロックされます。素晴らしいぜ若き2人のエース。それもつかの間リバウンド争いで5つ目のファールをコールされたJJJ。

それでも交代しなかったJJJはコンリーのパスをカットすると、その速攻に後ろから参加してプットバック。ブルックスの強気なドライブやクラークのフローターもあって若手が躍動しているグリズリーズ。粘り強く、しっかりと戦えています。良いカルチャーだ。

◉モーラントの時間

最も勝てそうなマッチアップがモーラントvsコンリーになっているグリズリーズ。しかも、そのマッチアップにJJJがピックに来ると抜けそう+JJJのミスマッチも発生みたいな。そして、2人で決めていった先にギャップになって空いたクラウダーをしっかりと使い3Pを決めさせます。お見事モーラント。

ドノバン君で行き過ぎても仕方がないジャズは、コンリーvsクラークなんかを狙うけど、タフショット打っちゃったりしてさ。それでもドノバン君がフローターの後で、ギャップになったボグダノビッチが3P。クラウダーと同じパターンだな。でもクラウダーが頻繁に外すからボグダノビッチを求めたんだよね。

残り1分半。またもモーラントについていけないジャズ。フローターを決めるモーラントで2点リード。さらにモーラントからJJJにパスが出るも、何故かタフショット3PのJJJがエアボール。ここにきて何故だ? ドノバン君のドライブから合わせたゴベアーにファールして退場のJJJ。

モーラントのドライブから2つのパスを繋いでブルックスがドライブを選択するも止めたドノバン君。これ自体は大したことないのに、何故かモーラントをほっといてダブルチーム気味に来ていたコンリー。ドフリーになったモーラントが打つも決められず。助かったコンリー。

残り35秒。2for1をしたければコンリーだと時間がかかっちゃうジャズ。ドノバン君がミドルを打つも決まらず。

今度はグリズリーズ。残り19秒でタイムアウト。ショットクロックは15秒なので打たないという選択肢もあります。24秒ギリギリで放り投げてリングにさえ当たれば勝利だよね。やらないだろうけどさ。

モーラントに狙わせたのは、vsボグダノビッチ。しかし、これは突破を許さずゴベアーにブロックされます。うーんHCの失敗か、モーラントの失敗か。時間を使っての3Pで良かったと思うけど、決めれば3点差だから難しい選択でした。

さて、普通ならドノバン君だけど、バックス戦がボグダノビッチの3Pで勝利しているし、コンリーさんの凱旋だし。イングルスにスロワーをさせて、ジャズがねらったプレーはほぼ完全にグリズリーズに読まれてしまいました。

どうしようもない状況に追い込まれたドノバン君のボールをソロモン・ヒルが叩いてファールっぽかったけど、ノーコールで助かったのでした。その前にクラークがノーファールの選択したのに、ギャンブルする意味あったのかソロモン・ヒルさんよ?

さて、誉めてきたから、最後に触れなおす必要ないよね。

〇モーラント
25点 FG9/22
8アシスト

〇コンリー
15点 FG5/19
3アシスト

完敗のコンリーでした。グリズリーズは非常に良い試合をしたのでした。

〇ディロン・ブルックス
20点 3P3/6

あと意外と印象に残ったよブルックス。強気なオフェンスがしっかりと通用していたし、ディフェンスもハードにファイトする姿勢がありました。ドノバン君をしっかりと苦しめたことで勝利を掴んだ気がします。

ちなみにコンリーが決まらないといったけど、最終的にはドノバン君が3P1/8と足を引っ張りましたとさ。グリズリーズも外しているのですが、フリーで打っている印象はなかったのでそんなもんでしょ。

モーラントvsコンリー” への4件のフィードバック

  1. いや〜コンリーは中々苦しいですね。
    バックス戦こそめちゃくちゃシュート入ってましたけど、基本ショート…。
    しかもドライブからの選択肢が概ねシュートだから決まらない内は繋がりませんよね…2年前くらいのドライブ繋げまくり時代が懐かしいです。

    そして何よりトニブラ君は実に微妙ですね…Gリーグやサマーリーグでは十分脅威なようですが…OFDFどっちも微妙…何よりフリースローが酷いですね…ゴベアのタッチがものすごく良くなってるだけに…これからに期待しなければということですが…エドデイビスが怪我してる以上そんなことは言ってられませんね…。

    センターの層が薄いことは分かっていましたが実に由々しき問題…

    管理人さんは今のジャズがやってる、トップのハンドラーから始める形管理人さんはどう思われますか?
    自分は昔みたいなドライブが多い形で本数を増やす時間があってもいいのにと思うのですが…

    1. 基本的にはコンリー問題ですね。ルビオはコーナーに移動する形も多いのですが、コンリーはキックアウトパスが上手くないので、トップでごちゃごちゃしちゃう。それでも崩せればよいのですが、今のところ「崩しても追いつかれる」ような感じが多いです。
      ボグダノビッチとドノバンが両ウイングにいるので、ルビオの方が良かった感じは否めません。最終的にコンリーが機能しないならばイングルスPGの方がシュート力が上がって良いのではないかなーと思いながら見ていました。

  2. 今シーズンのMEMはモラントで土台を作って、来オフの70m近くのキャップでウィングを補強したら完璧ですね。FAならヘイワード、トレードならイグダラ+ジョシュの交換でデローザン。ビッグディールの匂いがします。

    1. 来年は気が早いというか、有望なウイングはトレードじゃないと獲得出来ないでしょうから、まずはキャップスペース商売をしたいですね。でも商売下手なんだよなー

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