ホーネッツ戦がよくわからなかったので追試みたいなスパーズ戦です。でもスパーズって3試合目だから、なんか飽き気味。
いきなり7-0のランを食らい、それをブラウンがとりかえし、そこからケンバのドライブやらヘイワードの速攻やらでポンポンと得点を奪い、さらにベンチから出てきたスマートが連続3Pで15点リードになるセルティックス。
さて、前回はハーフコートでのボールシェアがきになりましたが、本日はそれよりも積極的なトランジションが目立ちます。テイタムよりもブラウン派な理由がそんな速攻への参加率が大きく異なることもあるのですが、スパーズ相手でもガンガン得点を狙って行けた理由は、攻守の切り替えの早さにあります。
ハーフコートをヘイワードがリードしたプレーコールでも2つのパスで簡単に3Pを打っており、どうやら従来の時間を使うオフェンスから少しペースアップすることを意識している様子。ペースアップっていうか、シュートチャンスをどんどん打っていく。
セルティックスをどの程度の巨大戦力と言って良いのか微妙でしたが、得点をとる個人技を備えた選手を多く抱えながら、オフェンス力では並みだったのは、全員の能力を使い切れていなかったから。それに比べると積極的なトランジションとシューティングは多くの選手が絡んで良い感じです。
なんでそうなったのか。ってことですが、トランジションで目立つのがヘイワードとブラウンの攻守の切り替えとアンストラクチャーを利用する上手さです。テイタムみたいな1on1好きとはちょっと違う能力なんだよね。
共に昨シーズンはプレータイムが限られていたのが、今はスターターなのでわかりやすい変化です。特にヘイワードはリバウンドからのボールプッシュが秀逸。ここの走り出しの速さがセルティックスのトランジションを支えています。
アービングとケンバの違いというよりも、スマート&アービングのコンビにモリスだった昨シーズンとの違いはヘイワード&ブラウンの走る選手が加わってのトランジション。それれを存分に感じさせる前半はとにかく走るセルティックスになっています。
◉遅れているスパーズ
スパーズは見慣れてきたから書くことがね。本日気になるのはマレーのスピード&ディフェンスがセルティックスのガード陣に脅威を与えるかどうか。
そして速攻こそ決めたものの特に脅威にならない前半です。複数で対応されるとパスを選択するマレーですが、それが有効なパスになっておらず、動ける選手が多いディフェンスに手を焼きます。
ビハインドがある中でトランジションも多いのでベンチメンバーを活用していくポポビッチですが、珍しくゲイがミスを連発するし、ベリネリは決まらないし、あまり面白くない状況とみたのか、2Q残り6分半ではキャロルも登場します。インサイドまで対応できるウイングがいないと苦しい戦い。
デローザンとホワイトの2人はトランジションの中で明確にアドバンテージを得ていますが、そのほかの選手がプレーの連続についていけていない様子のスパーズ。例えば「オフェンスリバウンドを取る」ことは出来ても、取られた後にボールに絡んだりパスコースを塞ぐのが早いセルティックスに対して、ミスになってしまう感じ。
ロバートとグラントの2人のウィリアムスを好んで使っているブラッド・スティーブンスですが、その理由は早い展開の中で運動量でディフェンスしてくれるからなわけで、ガード陣以外が苦しそうなスパーズとの差になっています。なお、キャロルは良い感じだよ。
それでも慌てず状況に応じているようなポポビッチは、ビハインドは全く縮まらないけど、選手交代を活発にしています。どこかでペースダウンするはずなセルティックスと読んでいるわけだ。でも全然落ちないんだけどね。
しかし、どうにも守り切れません。ブラウンのポストアップに連続でやられ、ロングリバウンドへの反応速度でも完敗しているスパーズ。
〇前半のセルティックス
FG48%
3P41%
決して決めまくったわけではないセルティックスでしたが、絶えずどこかで負けてしまった感じのスパーズ。そして疲弊したのかオルドリッジはオフェンスでも存在感がなく。2Qラストプレーもデローザンのパスからキャロルが3Pを決めたのに、その後に残り5.5秒なのに中途半端なフルコートプレスをかけて、ゴール下でケンバが空く始末。何がしたかったんだ?
前半は72-54。72点だぞ。セルティックスだぞ。FG48%程度なのに72点っていうのは、トランジションしまくったし、振り回されまくったスパーズという構図でした。
14.5分プレーしたオルドリッジが2リバウンドで8.5分のゲイ、9分のパートル、6.5分のキャロルが4リバウンドずつです。早い展開の中でハードにプレーできる選手がいないと対抗しきれないようなスパーズ。
だったらもっとスローダウンすればよいんだけど、ベンチにはシューター揃えてそうもいかないんだよね。曖昧な選択をしてしまったような感じでセルティックスの流れにのっかってミスしたポポビッチでした。
◉トランジションは減ったけど
前半にオルドリッジのショルダー(イリーガルスクリーン)を食らったヘイワードが出てこない後半開始は、マレーがチャージング、ライルズがオフェンスファールとハーフコートでも攻められないスパーズで始まります。なのでデローザン頼み。
ヘイワードがいなくなり、トランジションも減ったセルティックス。それでもブラウンがスピードで振り切ってのレイアップを決めれば、マレーをクイックネスで圧倒するケンバで問題ない立ち上がりに。
フォーブズの3Pもあって点差を縮めたスパーズでしたが、タイムアウトから3連続得点したセルティックスが20点差にします。どうにもブラウンを止められないスパーズ。細かい選手交代でテンションを落とさないブラッド・スティーブンス。
そこでオルドリッジを諦めたポポビッチ。フォーブスとライルズのアウトサイドで再び点差を縮めると、トランジションからケンバのアタックをパートルがブロック。怒ったケンバがテクニカル。あっという間に12点差になります。
表現が難しいのですが、ヘイワードのいないセルティックスは良いプレーがしっかりと出ているけど、一本調子は否めない。それでもケンバが個人技で決めてくれるし、ベンチメンバーがハードワークを欠かさないので、次第に走力で上回っていきます。今度はトランジションは少ないけど運動量で負けない。
ちなみにスパーズはオルドリッジを戻してきました。出続けているライルズの足も止まりがちになって、展開が早いのでリバウンドに参加する人数が再び減ってしまいます。そしてディフェンスのローテも遅くなってしまい、ケンバに対して後手後手に。
ということで、セルティックスがヘイワード不在で切り替えの速度が遅くなった3Qでしたが、結局は走り切れないスパーズのインサイドで常に運動量の優位性を保ったようなセルティックス。104-91とハイスコアは続きます。ちなみに最後にリバウンドを押し込んだオルドリッジは初FGです。
◉ペイント内の差
守れないとこのまま終わりそうなスパーズは、さっそくブラウンのバックドアを食らいます。怒っているゲイ。さらにロバートにアリウープを食らうと、ポストアップで完全に止められたオルドリッジのパスをカットされカウンター。
もうここで勝負あり。ってことで残り9分くらいからガベージな時間に突入しました。おしまい。
両チームに明確な差があったのがドライブ力。ペイント内得点が段違いでした。
〇ペイント内得点
セルティックス 60
スパーズ 30
ここで明確に勝つ必要はないとはいえ、あまりにも差があった両チーム。アウトサイドから打ちまくることのデメリットも感じさせる試合となりましたが、それくらいセルティックスは自由にドライブ出来ていたわけで。
ただシーズンスタッツを見るとセルティックスはそこまで走っているわけじゃないし、ペイント内得点は増やしたけど、そこで圧倒しているわけでもなく、今日の試合限定の出来事って感じです。それってブラウンが戻ってきた形で生まれた現象か、それともスパーズ相手の事情かはわかりませんが、ポジティブな現象だったことは事実です。
30点のブラウン、26点のケンバが切り刻みまくった試合でしたが、これまでと違ってハードワークで支える系のロールプレイヤーが揃っているため、全く崩壊することはありませんでした。昨シーズンはここが苦しかったよね。
テイタム、ヘイワードと合わせて止めるべきドライブしてくる選手が多く、常にコートに2人以上がいるのでディフェンスが追いつかなかった感じ。これまでは相手に恵まれてきた印象もありましたが、スパーズ相手の完勝は楽しみなチームになってきたと言えます。
一方のスパーズはペイント内で完敗したとはいえ、11本のフリースローを得たデローザンと3本の3Pを決めたフォーブス、ミルズ、ライルズは及第点。14/29と48%を記録した3Pは優秀でした。
ところがあまりにも脆弱だったインサイド。本来ならば小さいセルティックス相手だから、オルドリッジが活躍しないといけないのにわずかに3点。そしてドライブ役のマレーもFG2/8、4ターンオーバーと機能しませんでした。この2人が消えていたことが響いた試合に。
特にマレーはディフェンスでキラーにならないといけないのが、テイタム番になってあまり意味がなく、ケンバ担当になったら振り回されました。1ON1担当が多いセルティックス相手に、マレーがどうなるかを楽しみにした試合で落胆させられる内容となったのでした。
ひとまず思うのはスパーズの3ガードはいまいち。マレーとデローザンの相性が不安だからフォーブズを加えたわけですが、それがスモールだけど平均的には大きめのセルティックス相手に大失敗でした。自分たちの戦い方が「ハーフコートをきちんと」ならば、やっぱりSFいれて落ち着ける必要があったような。
インサイドの不安があってSFが足りない。要するに戦略の柔軟性問題が発生したようなスパーズ。アウトサイドからの得点自体は機能しただけに、ウイングを止める能力を補わないといけません。とはいえ、全てのチーム相手に問題になるわけでもなく、対戦カードによっては忘れられてしまいそうだけど。
ひとまず中位に落ち着きそうなスパーズ
イーストを引っ張りそうなセルティックス
試合内容に大きな差があっただけに、両チームの開幕1カ月の姿が見えてきたような感じでした。セルティックスはもう少し観察したいね。
今年のスパーズの課題はハーフコートにおけるオルドリッジ、デローザンの1on1、アイソからのどん詰まり感の解消なのかなと思いました。デローザン、オルドリッジの契約も含めて考えていかないといけないと思います。自分としてはマレー、ホワイトのP&Rなどの攻めを2ndオプションもしくは1stオプションまで上げて点数を増やしていくのが未来があって面白いのかなって思っています。セルティックスはイーストの中で注目していたのでヘイワードの怪我が残念です。スマートがいるのでたぶん大きく崩れないと思うのですが、ヘイワードが今年調子を上げていたので残念です。
ホワイトスタートのオフェンスは進めるべきでしょうね。オルドリッチが死んじゃう事がよくあるので、ホワイトと組ませればと思います。
問題はマレーとデローザンをウイングにすると突破力ゃ得点力はあるけどシュートがね。2人並べるの簡単ではないかな。