サンズvsヒート

反動のヒート

ナゲッツ戦のヒートはホワイトサイドよりも動いてくれるレナードへの合わせが目立ったことと、ハーフコートになると足が止まりがちなバトラーとナンだけど、これまで動きすぎだったオフェンスからポジションをしっかりと取る形になったことでボール回しがスムーズになっていました。

それが運動量で上回るナゲッツに粉砕されての次の試合。見事に全く違う顔を見せます。ウィンスローがいないこともあって、もう初めからハンドラーがバトラー固定みたいな。なので、ナゲッツ戦のようなボール回しはなく個人での仕掛けが増えていきます。

これをバトラーが決めて飛び出すことに成功したのですが、ちょっとこれまでのバトラーと違ったのは、ピック役がレナードやダンカン・ロビンソンというシューター系にしているので、ピックすると大きく広がろうとします。これがインサイドへのダイブだとパスが出てこないのですが、広がってくれる選手なので、利用してもしなくてもバトラーにはやりやすそう。

ということで良い感じのヒートでしたが、何度もやられれば慣れてくるし、それじゃあ存在価値がないぜウーブレイ。次第に止めるシーンが増えていきます。要するに面食らった感じのサンズ。理解していれば連動性が高くないオフェンスだからバトラーさえ止めれば!という空気です。

でも、それってヒートも同じ。好調サンズのオフェンスでキーになるのがブッカーがオフボールでインサイドに侵入してくる事。とにかくこのプレーを許さなかったヒート。バトラーやナンはフィジカルの優位性があるので、侵入される前にコンタクトして止めていきます。消されたブッカー。

サンズはヒートの弱点であるレナードのディフェンスを狙えるのでマークされたべインズやサリッチが3Pを決めていきますが、まぁそれくらい。なので得点が取れずに困ります。両チームが「対策すれば違うんだ」という空気を出した試合序盤。

だけど、それで止められるならエース失格なわけで、マークがミカルになってからしぶとく決めていくバトラー。そして速攻とアデバヨ相手に軽やかなステップバック3Pを決めたブッカー。そこから得点が伸びて、1Qは31-30と1点リードのヒートです。だけど、初めに苦しんだサンズの方が修正してきた感じなので、流れはサンズです。

◉デジャブとエース

ところがそんな上手くは進まない2Q。バトラーがベンチに下がったヒートはナゲッツ戦のような距離感を保ってのパス回しから3Pを決めていきます。1Qがハンドラー全開だったのに、2Qになってパスを振られたら守るの大変だよね。

これで一気に二桁リードに。あっという間の3分間でした。そしてサンズのベンチは火力不足。これで勝ってきたのだから批判するほどじゃないのですが、1on1ベースのヒートを考えると、ルビオくらいしか突破口がない感じ。追い掛け回すヒートディフェンスに手を焼きます。

スターターにウィンスローがいないことでより鮮明になったヒートの2プラトン的なオフェンス。ドラギッチがプレーメイクするベンチメンバーはシュート力ある選手を多めにして、大きくストレッチさせてパスで攻略していく形。ハンドラーが多かったスターターとの対比は効きます。

サンズはローテがちょっと変わってて、2Q中盤にスターターが揃います。その後で再びベンチメンバーが登場するんだよね。

ということでヒートのベンチメンバーvsサンズのスターター。ブッカーが密着マークされますが、それでも関係ないとばかりにドライブで飛び込み得点すれば、アウトサイドに広がると3Pラインの3mくらい後ろにいるからストレッチされて残りの4人が攻めやすくなります。

ヒートのスターターが戻ってきても大体同じ。そこに狙い所のレナードが加わったことでサンズが徐々に点差を詰めていきます。早々にベンチに戻されるレナード。

ウーブレイの3Pとブッカーのレイアップでまたも追いつくサンズ。1Qも開始早々に二桁離されて追いつき、2Qも同じように離されて追いつく。そんなのサンズじゃないし。

ヒートはデリック・ジョーンズがイージーを決めきれないシーンが目立ち、オフェンスが停滞するとやっぱりバトラー。オフェンスリバウンドを拾って、靴が脱げても粘り強く&ワン。アデバヨのパスを受けてゴール下も押し込むバトラー。力強い。

これに対して予定通りベンチメンバー+ブッカーになり、ブッカーのアイソレーションを選択するも失敗のサンズ。3Pもレイアップもミスしてしまったブッカーと決めきったバトラーの差でせっかく追いついた点差が64-57と7点差になって前半が終わります。

〇前半のバトラー
30点 FG9/10

なんだそれ。反則みたいなスタッツを残したバトラー。ブッカーが悪かったことよりも決めまくったバトラー。ウーブレイはシュート前に止めるシーンも多かったですが、スイッチされると苦しかったサンズ。エイトンのリムプロテクトがあればリードしていたかもね。

◉2度あることは・・・

アデバヨのリバウンドとスティールにやられ、バトラーのアシストからナンの3Pで開始2分で再び12点差になる後半開始。3度も同じことをしている立ち上がりが悪いサンズ。ということはまたも追いつくのか。

サンズはまたもレナードを狙っていき、サリッチのシュートはミスになるもルーズボールファールも出てきたので、早々に諦めるスポルストラ。ちなみにここのレナードが機能しなくなるとビッグマンがアデバヨとオリニク、それにデリック・ジョーンズを加えるくらいなので、急激に層が薄くなるヒート。ジェームズ・ジョンソンはたまに出てくるくらい。アデバヨ以外はオフェンスで取り返さないと意味がない選手になってしまいます。

でも守れたヒート。サンズにもまたインサイドを押し込む人材が足りません。

風穴をあけたのはブッカーのロング3P。これで警戒を強めたヒートがブッカーに対しては早めに仕掛ると、サンズがボールを回しルビオも3Pで続き、ウーブレイは3Pにファールを貰います。そして2つとも遅れたのがバトラー。個人を守る能力は高いんだけどね。

ナンの酷いパスからジャボン・カーターが速攻に持ち込むも、ハンドリングミスしてムリヤリパスを出すと、戻ってきたバトラーがファールします。自分はファールしていないとチャレンジを要求するも判定は変わらずファール。どうにも流れを失ったヒート。

2度あることは3度ある。またも追いつくサンズ。何だこれ。二桁リードを繰り返しては追いつかれるヒート。

そこから2Qのデジャブ。追いつかれたけど、ドラギッチがアリウープパスをアデバヨに通し、フローターを決め、3Pは&ワン。そしてブザービーターのロング3Pを決めて7点差に戻して3Qが終わります。追いつかれてからの7点差。なお、サンズはタイラー・ジョンソンが連続得点で救ってくれていましたよ。元ガードコンビ。

◉4度目の・・・

4Qもドラギッチの3Pで10点リードにするヒート。4度目の二桁リード。ミカルが3Pを返しても、あっさりと決め返すドラギッチ。いい加減勝負を決めたいところです。

ヒートはオリニクとジェームズ・ジョンソンを並べる形に。ここで不貞腐れていたようなジェームズがディフェンスで働きます。見事なローテとチェイスでブッカーに打たせず、次第に調子が出てきます。

サンズはウーブレイ以外をスターターにする2Q同様の展開ですが、インサイドにブッカーのみにしても、これを早いヘルプとローテで守り切るジェームズがいて初めて反撃を止めきり、残り6分で逆にリードを17点差まで広げていきます。4度目の逆襲に失敗したサンズ。

ここで長い休憩からバトラーが戻ってきます。あとは最後の仕上げです。なお、バトラーは前半30点差けど後半は4点のみでした。FG2/6なので、上手く周囲が攻めていったね。

〇ドラギッチ
25点 3P5/7

リードしては追いつかれていた展開を断ち切ったのはドラギッチの個人技でした。決まりまくった3Pで4度目を許さなかったわけです。その一方でレナードを諦めてジェームズをいれたことでディフェンスの弱点が減ったことも大きく関係しています。攻め所を失ったサンズ。

〇ブッカー
22点 FG6/13
5アシスト 6ターンオーバー

ブッカーが調子悪かったかといえば、そんなことはなく、本日もスーパーな活躍をしていました。ただ、さすがにもう読まれているって事でチームオフェンスの中で輝くよりも個人技主体の輝き方でした。それが個人スタッツ的には響いたと言えます。

サンズはミカルの得失点差が△28なのですが、総じてベンチメンバーの時間にやられました。これをサンズのベンチメンバー問題と捉えるか、ヒートのベンチが良かったと捉えるかで変わってきますが、オフェンスパターンが変化してくるヒートに対応しきれなかったといえます。

ドラギッチの3Pを含めて決められまくったのでサンズとしてはディフェンスが問題だったと思います。オフェンスは読まれながらも、それに慣れて経験を積んでいくしかないかな。

ということで勢いのあったサンズ。だけど、さすがに2週間が経過したから、最低限の対策は練られていた感じです。ただそこはサンズも同じでレナードを狙って攻略していきました。スポルストラが隠したように、弱点をどうするか、はシーズンが進むにつれて課題になりがちですね。まだ早いけどさ。

タフショットが減ったブッカー。だけどイージーをチームオフェンスで生み出せなかったこの試合。バトラーとドラギッチの個人技オフェンスでリードを生み出し、チームディフェンスで引き締めたようなヒートでした。

サンズvsヒート” への2件のフィードバック

  1. MIAはハンドラーが多いのは強みですねー。
    ドラギッチのDALのトレードが頓挫したのは結果オーライ。
    インサイドはどうにかしたいところ。
    暇してるウェイターズを放出してリムプロテクターを入れたい。

    1. ウェイターズはプレーよりもその他の面がね。あまり欲しがるチームは無いと思うのですが、ロケッツあたりならビッグマンと交換出来るかも

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