馬場雄大はアメリカに残るべきか

サマーリーグから始まるアメリカストーリー

サマーリーグの日本人の感想です。もちろん八村と渡邊のことでして、八村はある程度の期待値があったけど、渡邊が予想以上に良いプレーをしましたね。ただ、その全てをブランドン・クラークに食われてしまった感じでした。本契約あるかと思ったけど、まだ2ウェイは続くでしょう。

そんな2人に関してはショートにまとめたよ。無理矢理感もあったけど、大体こんな感じでしょ。グリズリーズが戦術的になって、ウィザーズは相変わらずだった。

渡邊の件は別の形で触れるのですが、3人目のサマーリーガーである馬場雄大について触れましょう。比江島については触れるほどの内容がない。

とはいえ、馬場も同じです。プレータイムが短くて評価することは出来ませんでした。ケガがあったとはいえ、それもまた重要なファクターなので、アピールできなかったサマーリーグでした。

あっ!もしも「馬場雄大」という題名に寄って読みに来た新規の方がいらっしゃるかもしれませんが、このブログは辛口っていうか、「プレーしていない以上は評価なし」って普通に言うので、気を付けてください。

馬場のハイライトは適当に検索してください。管理人的に載せたい動画がなかったので割愛です。「デビュー戦でアピール」とか「結果を残す」とか歯が浮くというか、視聴者を増やしたいだけのキャッチコピーじゃないかという評価です。別に辛口じゃないぞ。 だって「短時間で良いプレーをした」っていうなら次の試合からプレータイム増えるはずだし。1年前の渡邊は最後はエース的なプレーを試されたし。

◉アメリカに残るべきか

八村と渡邊の記事にも関係してきますが、もしも「八村になりたい=主役になりたい」ならば日本に戻るべきです。そうではなくて「渡邊になりたい=質の高い選手になりたい」ならばアメリカに残るべきです。

質の高い、と書きましたが「限定された役割の中で1つひとつのプレーレベルを上げたい」ということです。アメリカに残れば自分中心のチームにならないことは間違いないですし、ひとつの歯車として、それもベンチから登場する歯車として機能する選手になる覚悟が必要です。

それこそ「チームが速攻を必要としている」時には出番があっても、「ペースを落として戦いたい」時にはベンチに座り続けることも受け入れる必要があります。逆に言えば自分が起用された時には、とにかく自分の武器を徹底的にアピールするべきってことです。試合の流れとか無視してでも。

ただし、馬場はアルバルクにいるので、実は今でも割と限定された役割をこなしているタイプです。その中でBリーグとしては異常に質の高いプレーをしている。それに比べると宇都は自分が主役のチームで多くの事をしているわけで、2人にはいろんな差があります。

余談:日本代表に呼ばれないけど、Bリーグで活躍している有名選手ってこのパターンが多いって事だと思うよ。

馬場については、ある意味「アルバルク以外のBリーグでプレーするか」「アメリカでプレーするか」くらいの選択しな気がしており、だったら当然のように後者を選ぶだろうね。

◉馬場について知っている事

こんなことを書きながら、そもそもBリーグはあまり見ない管理人。馬場については筑波の時によく見ていました。当時はとんでもない身体能力の選手が出てきたと驚いたし、ウイングからドライブして、とんでもない位置から踏み切ってダンクしていたので驚いたものです。

当時は確かHCが「将来的にはPGにしたい」って発言していた気がしますが、それが不思議だったし、結局は今でも不思議だし。

大学ではシュートが上手くないこともあってドライブ力をどうやって活かすのかが重視されていた気がします。当時よりシュート力自体は向上していると思いますが、3Pに対して消極的なスタイルは変わっていないかな。

逆に思い切ってチームが負けてでもPGやらせていれば違うスキルも身についたでしょうが、勝つための範囲でプレーを変えていた程度の話です。なお杉浦はSFやるのが失敗かな。

いずれにしても馬場は当時からプレー範囲があまり変わっていません。役割を大きく広げることを期待されていたわけですが、途中で大学を脱出したこともあって、馬場流プレースタイルを曲げずに成長できているのは、アメリカでやりたいならばプラスに働きます。本当は3年生からアメリカ行きたかったんじゃなかったっけ。

そんなわけで1つひとつの質は上がっているでしょうが、馬場については大学時代から現在に至っても同じプレースタイルだと認識しています。だから馬場流の中でアメリカに行って上達する事が求められるし、それはそこそこ実現できる気もしています。

・速攻のランニング
・ウイングからのドライブ
・ディフェンスでの伸びのあるスティール

欲を言えばSFとしてはリバウンドが強い点も発揮したいですが、フィジカルなインサイドに太刀打ちできるかは不明です。もっとも最近のサマーリーグを観ているとフィジカル系のビッグマンは少数派なので、反応力があればリバウンドはそれなりにはとれそうです。

◉何が伸びるのか

BリーグとGリーグで違いそうなことはヘルプが遅いことです。遅いのはGリーグの方。ディフェンス3秒があるからね。ということは、馬場がゴール下にドライブ出来ればチャンスが広がるし、

実はアメリカの方が向いている

って気もしています。加えてサマーリーグでもリバースでフィニッシュしていましたが、ヘルプが遅い代わりにスピードがあるので、ブロックが高かったり、予想外のところからでも飛んでくるので、正攻法でも得点が取れた日本とは違い様々なフィニッシュパターンが求められ、そしておそらく馬場は対応できると思います。

ドライブ機会の増加
フィニッシュの多様性
インサイドへの合わせ

ここら辺の能力が伸びるイメージです。最後の合わせってのはアルバルクにはカークがいるので近しいものがありますが、ドライブに合わせればダンクしてくるビッグマンがいっぱいいるし、アリウープパスで良いのでスキルとして向上しやすいと思います。

もちろん、欠点もあってガードなのにシュート力がないことは致命的だし、展開力も足りません。でもそれはBリーグにいたからといって伸びるわけじゃないし、アメリカに来たら役割の違いから伸ばさぜる得ないかもしれません。だから悪く考えても仕方がないわけです。

要するに現状の馬場の立場を考えると、Bリーグで他のチームにいって様々な役割を引き受けるオールラウンドキャラになるか、Gリーグで自分のプレースタイルの中でさらに専門的な能力を磨くか、どちらを選択するかって事だと思います。Bリーグでミニ・ウエストブルックになるか、Gリーグでクルッツになるか。ちょっと違うか。

◉NBAに上がれるのか

いろんなところを伸ばして、やっとスタートラインに立つくらいです。最近、元ドラフト1位のアンソニー・ベネットがロケッツと契約しましたが、この人のGリーグスタッツはなかなかのものでした。

〇アンソニー・ベネット
20.9分 12.2点 
FG54% 3P45%
4.6リバウンド

https://stats.gleague.nba.com/player/203461/

これくらい出来てスタートラインってことです。ちなみにベネットの場合はハーデンとウエストブルックのいるチームなので、シュートの上手いインサイドプレイヤーという限定された役割が与えられるわけです。キーになるのは「センターを守れるかどうか」これが出来れば使い道はあるし、出来なければ中途半端になるかもしれません。まだ26歳なので頑張ってください。馬場と2歳違い。

さて、馬場については、まだまだそこまで考えても仕方ありません。まずは自分の武器を磨くことが優先です。じゃあその武器って何なのか。

それはおそらく「スティールからの速攻」になるはず。ディフェンス力が高いとは言えないけど、奪うためのポジションは結構うまい。

とにかくオフボールでも何でも速攻に参加することが第一であり、でも参加するだけじゃ何もならないので、自らスティールして勝機を見出さないといけないということです。このボール奪取能力がGリーグで通じるのかわかりませんが、「通じるくらいまでレベルアップしないと特徴を出せない」ってことです。

スティール能力を伸ばせるのか

どんな能力だって伸ばさないといけないのは同じですが、「馬場ってこんな選手だぜ」と売り込むためにはここだろう!ってことです。

イメージとしてはエイブリー・ブラッドリー。実はシュートを止める能力は高くないブラッドリーだけどボール奪取能力の高さでプレッシャーをかけることが出来ます。そこにあるのはオフボールでのチェイスの上手さだったり、コースを読む上手さだったりと馬場とは違うかもしれないけどね。

「1on1が多くてボールが回ってこない」みたいな記事がありましたが、それはどうだろうかって気もしています。みんな役割がそれぞれある中で勝負すべきシーンを逃すとプレータイムは伸びません。あとボールムーブのチーム行ったら、今度はパス能力不足で出番がないでしょ。

いずれにしてもボールがこようがこなかろうが、自分の武器を徹底する必要があるわけで、ただひたすらにオフボールでの速攻に参加し、自分でもスティールして速攻を生み出し、ボールを持ったら強気に飛び込む。そこでパスしているってのは「質が低い」ってことになるわけです。自分の武器なのに質が低いとか話にならない。

◉まとめ

サマーリーグでプレータイムを掴めないくらいの選手が生き残るってのはほぼムリだぜ。だけど、そういう部分を差し引いてもGリーグでプレーするのは馬場にとってメリットがあると思うよ。

その理由としては、得意の能力を生かしやすい環境だし、質を上げるための環境でもあるから。

だけど、上を観たいなら伸ばさないといけない能力だらけ。それらを伸ばしたうえで自分の武器を示さないといけないんだ。プレータイム10分でも仕事のできる特徴を持たないとね。

NBAのロスターは10人+アルファみたいなもので、このアルファの部分には期待したい若手か安心できるベテランみたいな構成です。食い込むのは簡単ではないだけに、ちゃんと自分の武器を磨こうね。

そしてちゃんと磨けば、Bリーグに戻ってもその能力はちゃんと発揮できると思うんだ。でも、何でも出来るオールマイティーの道とは違う道だからね。そっちを望むならBリーグに残ろう。

馬場雄大はアメリカに残るべきか” への3件のフィードバック

  1. 馬場の持っている能力や求められる能力はこの内容通りだと思いますが、何より大事なのは本人のモチベーションだと思います。
    サマーリーグを見ていても、ちゃんと自分をアピールしようというモチベーションの高さがプレーから感じられました。(逆に比江島からはそれが感じられないのが残念だったのですが、、)
    本人のモチベーションがあるのであれば、成功できそうかどうかは二の次で挑戦して欲しいです。

  2. 初戦とハイライトしか見ていませんが、
    スティール能力は十分通用しているように感じました。一方で対面でのディフェンスには苦戦しているように見えました。ファールを吹かれる部部が多く、1on1のディフェンスの強化も必要だと思いました。スティール能力高いけど、ファールが多いじゃ話にならないと思うので。
    でも昨シーズン渡邊が2-wayでNBAにいたとはいえ、サマーリーグでは去年と見違えるような成長を見せてくれたので、馬場もアメリカで挑戦を続けた方が良いと思いました。

  3. 馬場君には、ジャーニーマンのコーリー・ブリューワーみたいにスリーは無いですが(ブリューワーのスリーも怪しいですが)、速攻&スティーラーとしてはなれなくはないと期待してます。

    サンダーのロバーソンぐらいアウトサイドシュート力が無くてもポジション取れる可能性ありますし(ロバーソンはサイズ不足でも、元々PFを学生時代やってたらしく、インサイドも守れる)

    馬場君をロバーソンにってのはサイズ的に難しいでしょーが…元ウォリアーズで現ラプターズのマコーだって、サイズ無いけど、スリーピートしましたし(笑)

    『慣れ』って大事です。RUI君もワタナビーだって、少しずつ慣れてやっとです。

    良いバスケをしよーとし過ぎないってのが、日本人の課題なのかもしれないですね。『自分を証明する』って観点に慣れてないはず。

    勝手にだけど、馬場君にはそーゆー事を海外で感じて、がむしゃらにもがいて欲しいっす。

    ワタナビーやRUI君のようにアメリカの大学経験が無いのは、ちょっとコネ不足で厳しいでしょーが、RUI君のドラフト上位?中位の注目度を利用しない手はないっす。

    トニー・アレンのよーな執拗な嫌がらせディフェンダー(超絶シュート力は無い)タイプに今、どれ程、選手価値があるかないかわかんないですが、皆が皆、アリーザさんやイグダラさん、タッカーには慣れないので、アウトサイドシュート力が乏しいけど、それを補えるトランジションフィニッシュ能力とスティール力を伸ばして欲しいっす。

    元ドラ1さん懐かしいですね(笑)キャブスがBigスリー揃える時のゴタゴタに巻き込まれた人だったよーな。フルツもあの人は今にならなければいいけど…ドラ1さんも大変だなぁ

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