サマーリーグ初日
なんかサマーリーグ始まるの早くないか。まだFAまっただ中じゃないか。GM達はサマーリーグなんて観ている時間ないだろうに。
1年前はネッツにいた渡邊雄太。ほら。残っていれば楽しいことになっていたでしょ。ネッツだよネッツ。カイリーとデュラントがいるチームだよ。
当時はサマーリーグでもベンチスタートだった渡邊ですが、次第にチャンスを掴んでいき、ネッツシステムの中で様々な役割を担当させられました。これは非常に面白い実験であり、実力を試されたといえ大成功のサマーリーグでした。
基本的に4番ポジションを任されながら、次第にシューター的な役割とプレーメイクも少しだけ経験したわけですが、これはネッツらしさでもあります。
ところが契約したのはグリズリーズ。役割が定義され、その中でオールラウンドにプレー出来ることが重要なチームから、定義が少し曖昧というか、個々のポジションが定義されているし、その中で個の戦いを制することを求められるチームに来ました。
ちょっとわかりにくいね。要するに「シューター」だとしたらネッツだとスクリナーを用意してくれるし、パスも渡邊に合わせて出てくるのですが、グリズリーズだと目の前のマッチアップに勝利してシュートを打たないと行けません。それはNBAレベルの前提だと渡邊にはちょっと難しい。
◉グリズリーズの変化
さて、なんで1年前のことをこんなに書くのか。それはHC交代で新しくなったグリズリーズのプレーが全く違ったから。
相変わらず4番起用の渡邊でしたが、オフボールでスクリーンをつかい、オープンコートを走り、空いたコーナーを見逃さない。そこにスクリナーとして、シューターとして、目の前の相手を制するのではなく、運度量とシュート力を使おうとする渡邊がいました。
もっとゴリゴリな感じだったグリズリーズは、軽いオフェンスと動き回るオールラウンドなディフェンスを志向している様子。時間が経つと、ちょっと元に戻り始めましたが、それはグリズリーズというよりもサマーリーグだから。
渡邊はトランジションディフェンスを1人で対応するシーンが多くあり、4番とは言え、これまでよりもガードとして起用されていた大学時代に近づいているし、そういうオールラウンドさをHCは求めている様子です。
◉足りないモノ
「オールラウンド」は渡邊のもつ特徴なので、ルーキーシーズンよりもポジティブに捉えて貰って良いです。自信もついたのか積極的な3Pを打っていましたが、プルアップではなくスクリナーになってから開いてのシューティングが多かったです。
4番ポジションだけど、トップの位置でプレーするビッグマンとして重宝されるかもしれません。サマーリーグレベルだけど。
つまり、自身に適したプレーエリアと役割が与えられている2年目のシーズン。逆に言えば「足りないモノ」もハッキリと出てしまいました。
➀3Pシュート力
先日、体育会TVでパーフェクトを達成していた渡邊のシュート力自体が低いわけではなく、だからこそシュートを打つシチュエーションが用意されていました。
足りなかったのは「スクリナーになってからの3P」頑強な男達がぶち当たるスクリナーになってから打つとどうしてもシュートはぶれてしまいます。つまりはフィジカル不足。
②リバウンド力
高さ的にはそんなに差はないのだけど、スクリーンアウトをきっちりしないと取れず、きっちりするとジャンプしきれず。片手で押さえ込まれて後ろから取られるシーンもありました。つまりはフィジカル不足
③ディフェンス力不足
ここは不足というか、良いディフェンスをしたのにタフショットをねじ込まれるシーンがありました。サマーリーグでそれはマズいです。ここは「守れているのに」シュートを阻害できていないわけで相手のバランスを崩せていませんでした。要するにフィジカル不足で、身体を張って守ったのに打たれてしまった。
フィジカル不足
身体が一回り大きくなった渡邊ですが、そもそも4番じゃなくてガードだったわけで、NBAのビッグマンとしてはフィジカルがまだまだ足りないのでした。そこを除けば及第点の初戦だったといえます。
◉展望
ざっくりいうと、ハンドラー+ビッグ(渡邊)でトップのプレーを構築し、両ウイングにシューターをセットしていたグリズリーズ。そのシューター達にもスクリーンを使うので、インサイドを空けた状態にして、フリーランニングとドライブを活用したそうです。
これをグリズリーズのメインに当てはめると、モーラント&JJJでプレーを構築することとなります。うん。わかりやすいね。そしてJJJの代役みたいなポジションを任されたわけです。
20点 9リバウンド FG7/12
両チームを通じてベストパフォーマンスを見せた渡邊。自分の良さをしっかりと発揮出来るようになった個人としての成長と、自分らしさを表現させて貰える役割を与えられていました。
加えて後半になるとボールプッシュの役割もこなしていました。相手を抜くようなスピードとスキルはないけれど、4番として安定してボールが運べてオフェンスエントリーが出来るわけです。
変化しているグリズリーズの中で、ひょっとするとチャンスが広がりそうな渡邊ですが、2Way契約じゃなければ他のチームとも交渉できたわけで、ウイング不足のウォリアーズとか適しているんじゃないか疑惑。
グリズリーズはトレード後に層が厚くなっているので、プレータイムを得るには先が長いのでした。ただし、サマーリーグで実力を試すレベルからは抜け出そうなので、ひょっとするとグリズリーズが勝ち進むと出番が減るかもしれません。
なんとなく1試合だけで、トレーニングキャンプの切符は確実にしたような活躍であり、それでは満足できない課題が残っているのでした。
雑感ですが、カバー能力を含めディフェンスは間違いなく良い選手と思うのですが、ワタナベがヘルプディフェンスを重んじているあまり、カバーしすぎてキックアウトパスでの外を決められることが毎試合あるのが気になります。
本来ならカバーのカバーがいるはずなのですがね。
フィジカルの面も加味すると、そうみられるか、人によって評価わかれるなと。
そこは気になりましたね。ちょっとマークマンを離すタイミングが早いか、距離を離しすぎか。もう少しタメてヘルプに行かないと、ブロックにもならないですしね。
早いヘルプではなく、高速ヘルプが大事
たしかに。
チームのルールがあれで正しいかもありますしね。
といっても、ザイオンなら間に合うので、何だかんだフィジカル強化なのかもしれません。
オールラウンダーなんですが悪く言えば器用貧乏な感じを受けました。やっぱり4番として使われるとう~んとなります。
1本コーナーへのパスは素晴らしいものがあったので、ああいうのがどんどん出来るのならバランサーとしていいなと思ってもらえたらなと。
あまりプルアップミドルに価値は感じなくて、それよりゲームを動かせる様な活躍を出来たらグリズリーズに限らず他でも使って貰えるかなって思うんですが。
インサイドは実質無理な訳で。体を大きくすると跳べなくなるし、アジリティも落ちる。そもそも筋力が違いますよね。
去年よりはハンドルさせて貰えると思いますが、個人的にはもっともっとガード的な動きをさせて欲しいです。
そこはもう割り切るしかないですね。4番としてなら貴重なので、生き残る方法として目指すべきかと。
スピードを殺さずに上半身を鍛えるしかない!
ハンドラーとしては抜けないので、スピードよりもシュートかな。
3Pが35%あれば引く手数多なはず。やはり伸び代も含めてシューティングが生きる道かと自分は思います。
私もウォリアーズとかロケッツとか武器が揃ってるチームの潤滑油的な役割が一番映えそうな気がします。