トロントの暑い熱い7ゲームが始まった
試合開始からウォリアーズディフェンスは緩々に3Pを打たれていきました。レナード担当はイグダラ。スターターで出てくるのは予想外でしたが、レナードは殆ど仕掛けず。
シアカムにミスマッチを作らせてポストからパスアウトが連発されており、ウォリアーズの優先順位自体は理解出来るものの、それでもわざわざジョーダン・ベルをスタートにしているのに、ガソルが空きまくるのは戦略ミスか。
スーパーローテーションディフェンスのイグダラですが、全くチェイス出来ておらず、インサイド重視のドレインドのカバーディフェンスからフリーが増えました。
ラプターズ的にはアンテトクンポ対策に比べればウォリアーズはイージーです。先にバックスと対戦していなければ、こんなに上手くボールは回らなかったでしょうが、見事なボールムーブとなりました。
イグダラ、ドレインド、ベルと並べたディフェンスの強みを殆ど活用出来なかった1Qでした。
その中でも1本しか決まらなかったダニー・グリーンはオフボールムーブからフリーになっており、ウォリアーズ側の警戒の薄さがありました。
もっともそこにはカリーがオフェンスの主役である事情も。
開始から積極的なシューティングでスコアしていったカリーですが、マークはラウリーであり、両コーナーまで動き回った後でディフェンスに回るとマークのピックアップは遅くなります。
チームとして止めたい順位はレナード、シアカム、ラウリーなので、ダニーについてはマークの受け渡し順位が低くなりました。
そうして蹂躙されたウォリアーズでしたが、ゴール下優先はイージーシュートを許さず、リードされたとはいえ25点しか取られませんでした。これを失敗と位置するのは難しいかな。
つまりウォリアーズはオフェンスの方がより問題でした。
スプラッシュブラザーズが積極的なシューティングでペースを上げる動きをしていきましたし、イグダラもトランジションへ持っていきました。
しかし、思ったよりもペースが上がりません。その理由はドレインドとベルの役割が浮いてしまったから。インサイドフィニッシャーがコートにおらず、そしてスクリナーにも慣れていなかったベル。浮いた選手が増えれば役割を探せなかったドレインド。
攻守にベル起用の失敗がありました。あるいはイグダラではなくマッキーニーならば、ドレインドがボールプッシュで、マッキーニーは走ったかもしれません。レナードどうするんだとはなりますが。
ブレイザーズとの流れからベルのスターターでしたが、ゲーム2からはボーガットに戻るか、カズンズが復帰するか。
曖昧な役割分担ながら、カリーが決めて行くことで何とかついていったウォリアーズ。タネを蒔いたのはガソルがダブルチームに来る前に打ってしまうカリーのプレーくらいかな。
リビングストン、マッキーニー、ルーニーが出てくると奪えないまでもオフェンスリバウンドへの参加とルーズボールが増えて、ちょっとだけ良くなります。
でも、そんな時には主役不足。デュラントがいないので1名足りないスコアラーって事で、19点に留まったウォリアーズでした。
◉予想通りの展開から
予想通り、ベンチメンバーが多く出てくるウォリアーズにして、「場合によっては」のカズンズも登場です。カズンズ、ジェレブコ、クックが並ぶ2Q。やはりスティーブ・カーの方が多くの選手を使ってきます。これがデュラントがいないメリット。
ラプターズの方はヴァンフリート、イバカ、そしてパウエルしかベンチから登場しないので8人ローテです。そしてやっぱりウォリアーズの方が元気そうで、足が良く動いています。そういうチームだしね。
特にカズンズとジェレブコの組み合わせが良く、インサイドアウトする上に、リビングストンのポストアップ、トンプソンのカッティングで良いないように。さらにヴェンフリートからボールを奪ったトンプソンの速攻。
ラプターズはこれまでにない動きに。パトリック・マッカウが登場します。アウェーでは大ブーイングが予想されるだけに、ホームで起用しておきたいし、これでウイング不足が少し解消されます。
しかし、次第にトランジションで上回っていくウォリアーズ。予想とメンバーは違うけど、大体予定通りに追い上げていくと、レナードの特攻がはじまります。
この特攻はファールドロー以外では失敗します。囲まれて潰されるレナード。でも潰される前にパスアウトしていたのがバックス戦じゃないか。
2Q中盤でトンプソンの3Pで逆転するウォリアーズ。大体予想通りの展開に笑えてくる管理人。
予想と違ったのはガソルを狙うカリーが、むしろガソルのダブルチームにハマっていること。ルーニーも並べて仮デスラインナップにした割にはスピード差が出てきません。
ラプターズはレナードの特攻を辞めます。パスすら貰えなくなるレナードとゲームメイクするヴァンフリート&ラウリー。そして期待に応えてフィニッシュ役を果たすシアカム。
十分にフリが効いたところでレナードのドライブはカリーのファールを貰って&ワン。これでラプターズが7点リードにします。
ウォリアーズが追いつくところまでは予想通り。そこから再びリードを得るならレナードが働くのだと思っていましたが、実際には全員オフェンスで見事にリードを奪い返したのでした。
とはいえ、点数は5点程度の話。ところが残り2分でチャージングのドレイモンドがベンチに下がると一気にラッシュになったラプターズ。ダニー・グリーンがタフ3Pを決めたことで59-49と一気に差がついたのでした。
追いつくまでは予想通りだったのにさ。
さて、キーになったのは何か。それはもちろんプレーシェアされているオフェンスなわけですが、むしろここはウォリアーズ側の問題です。
トランジションに持ち込み、明確な突破口がなくても次第に自分達のペースに持ち込むことに成功しました。ところが「明確な」がない辛さが出てきました。
カリーとガソルのマッチアップを攻略できず、チームオフェンスをする中でスローダウンして得点する方法を欠いてしまったのです。デュラント不在ってことです。
苦しい時間帯に少しペースを落とし、爆発しないまでも高確率のデュラントに頼っておくことで、微妙な展開にしていった、要するに「負けにくい形」が採用されていたわけですが、デュラント不在ではそこに苦しみました。
レナードが止められ、周囲に任せることで良くなったラプターズと、デュラントがいなくてチームで走るウォリアーズだったけど、違いが作れなかった。働きが悪くてもエースがいる良さってのも感じるわけでした。
◉質vs量
やるべきエースは誰なのか。ってことでカリーが連発する3Qのスタートですが、主役の座はシアカムとドレイモンドのマッチアップに移ります。
普通のPFっぽいシアカムに対して、誰でも守れるドレイモンドが苦戦し始めます。ヘルプで力を発揮するドレイモンドですが、それは少しずつ自分のマークを離すわけで、有利な状況でボールを持ったシアカムが見事なスピンで決めていきます。
ドレイモンドが速攻で決めると、そのカウンターもまたもシアカムが走り、タップパスでレナードがフィニッシュ。何だか予想外の押し切られ方であり、あまり経験がない形になっているウォリアーズ。
そして次第に一方的にラプターズが走るように。ウォリアーズにとっては恐れていた事態です。自分達が有利になれるはずのトランジションにおいて、レナードとシアカムのフィニッシュ力に押されてしまいます。
ラプターズの質vsウォリアーズの量
というのがトランジションにおける予想でしたが、走る回数的には上回っているのに、その確率で負けてしまいました。3Q序盤のシューティング分を早々に取りかえされます。
それでもマッキーニー、リビングストン、ルーニーをいれて更にトランジション色を強めていくウォリアーズ。結局はここでは数で押し切って、元気な方が勝つ理論に持ち込むのが適切なわけです。続けないと行けない強さ。
この3人は働きます。それも攻守にレナードにイージーシュートを許さず、しっかり走ってコーナーからの3Pになっていきます。ひょっとすると、今、最もウォリアーズらしいプレーを出来る選手達かもしれません。
ルーズボールにくらいつくマッキーニーと、レナードとの1on1になっても食い下がるルーニー。再び点差を詰めたウォリアーズでしたが、最後は元同じ役割を担っていたマッカウが3Pを決め返し、ラプターズはなんとか7点リードを保って3Qが終わります。
ラプターズが保ったのか
ウォリアーズが追い詰められなかったのか
いずれにしてもレナードは未だにハーフコートオフェンスではアタック出来ずに苦しみ、それでもラプターズはチームオフェンスとトランジションでリードを得ています。様々な局面で対抗出来るチームだからこそ、ファイナルに上がってきたことを示しました。
◉基本にして究極
意外にも2Q同様にカズンズ、クック、ジェレブコできたウォリアーズ。手応えがあったのは事実ですが、負けている中でどこまで信じられるのか。
これは見事に成功します。インサイドプレーをするカズンズに、アウトサイドから決めるジェレブコの動きはこれまでとプレーの核が違うので止めにくく。一気に3点差に。
勢いづいてきたウォリアーズですが、再びトランジションの連続からラウリー&シアカムでフィニッシュ力の差が出始めます。折角取り戻した点差でしたが、10点差に戻されます。
スティーブ・カーがハッキリしていたのは、カズンズを下げてルーニーを出してきたことからわかります。「走り勝つ」というのがテーマ。とにかく試合トータルで走り勝つことで、どこかでラッシュを生み出したい。「かつての」戦い方。
そして残り7分半。限界の点差なので仮デスラインナップにするウォリアーズ。イグダラとルーニーでレナードからスティールして速攻で取りかえすも、ドレイモンドのレイアップはシアカムがブロック。
さらにトンプソンがプレッシャーをかけてくるダニー・グリーンに対してオフェンスファールをコールされると、加えてテクニカルをコールされます。後日取り消されそうな奴。
手詰まりってほどではないですが、スプラッシュ中心のパターンに対応されているのは確かで、バックドアカットなどが出てこないウォリアーズ。
それでも打ちやすそうなトンプソンが決め返していきますが、ラプターズはしっかりと時間を使ってのオフェンスを繰り返し、徐々に、本当に徐々に時間だけが減っていく感じに。
レナードはそんなに破壊力溢れるわけではなく、ルーニーに苦労し、それでも時にファールドローで得点を繋ぐ。でも大切なのはミスからカウンターをされないこと。ショットクロックがなくなって苦し紛れのシュートが多いラプターズですが、時間を使って、トランジションを許さないのはリードしているチームの基本にして究極
カリーのワナにハマりすぎのガソルがファールアウトしたり、ラウリーの個人ファールが多かったりと、諸所の問題こそあれど、残り3分をリードして迎えたラプターズが本当に危なげなく逃げ切ったゲーム1となりました。
◉ポイントをまとめておこう
さて、まずは気になったポイントをまとめておきましょう。
➀トランジションで上回ったラプターズ
ウォリアーズ 17-24 ラプターズ
この構図は意外ではなく、予想された範囲でした。トランジションの回数そのものはウォリアーズの方が多かったでしょうが、ラプターズの堅実性が大きく上回りました。
その中でもシアカムが9点を奪っており、ウォリアーズの狙いはラプターズのストロングポイントを呼び起こしたと言えます。
②レナードの個人突破が機能していない
FG5/14とストップされたレナード。特にルーニーを褒めましょう。ファールドローが主な得点パターンになっていたレナードに対してはウォリアーズの対策が十分に機能しました。
FG14/17とモンスターナイトになったシアカムの事情は、ウォリアーズのレナード対策からうまれたものでした。超高確率でしたが、シアカムは難しいシュートを打っていません。ほぼほぼイージー。
トランジションと合わせて、シアカムへの対応策がゲーム2の課題になるウォリアーズです。
③スプラッシュは止めがたいのか
34点のカリーがファールで稼ぎ、21点のトンプソンはFG8/17で3P4/8と及第点の出来でした。ラプターズが止めた、とはいえないでしょうが、そこにドレイモンドのFG2/9が加わることで話は変わってきます。
2人のシューターを追い回すことで、空いたスペースを周囲が高確率で決めていくのがウォリアーズの得意技ですが、結果的に追いかけ回されたけど周囲はスペースを有効活用できなかったわけです。
ラプターズのインサイドディフェンスがドレイモンドを封じる予想の通りとなりましたが、ガソルからファールをとっていくカリーなど、ウォリアーズのパターンが止めきられたわけでもありません。
レナードを止めたウォリアーズに比べるとエース対策よりも、周囲を止める事に成功したラプターズでした。ウォリアーズはマッキーニーを8分しか起用しなかった意図は何だったのか。
④勝負をわけたターンオーバー
ウォリアーズ 16-10 ラプターズ
「ターンオーバーは絶対にしてはいけない」なんていう話は聞き飽きたわけで、ミスがあっても高確率のシュートでフォローするのがウォリアーズ流です。しかし、残念ながらイージーシュートが少なかったことで、ターンオーバーの数が響いてしまいました。
これはむしろラプターズ側がミスを減らすことに成功し、そこからカウンター速攻の機会を制限したことを評価すべきです。
そしてこれが②にも繋がるわけですが、イージーに決めていったシアカム。ミスと引き替えのイージーシュートを増やせなかったウォリアーズ。ベンチメンバーはそれなりに活躍しており、デュラント不在でスコアラー不足な感は否めませんでした。
そんなゲーム1でしたが、リアルタイム所か夜にしか観れなかったのは後悔です。続きをどう書くのか、悩みながら明日を迎えます。
カズンズはこの先プレータイムを伸ばしますかね?
今の状態ではこのプレータイム以上はディフェンスが厳しい気がしますが
使いにくいと思いますが、トランジションでやられる時間が長いなら、スローダウンでガマンって時間を作るかもしれません。
ルーニーが良かっただけに、スローダウンしないなら起用したくないでしょうね。
意外とあっさりウォリアーズがやられてKDが帰ってくるまでにシリーズが終わりそうな気がしています
まだまだ伸びしろがありそうなラプターズ、KD抜きではこれ以上の伸びしろがなさそうなウォリアーズ
そんな感じですね
イグダラさんの復調次第でしょうね。伸び代は。
ドラマなデュラントを期待です。
1戦目からカズンズが出てきたのは意外でした。ポストからカッティングに合わせるパスにヒヤヒヤしてたんですが、そのメリット以上にトランジションディフェンスが弱くなりすぎるリスクが高いのかなと思いました。
何回かは決められましたがカッティングにボロボロにされることがなくてよかった。そしてカッティングができないときのKD頼みができなかったのは大きかったですね。ラプターズとしては助かりました。復帰が4戦目?らしいのでそれまでに2-1、できれば3-0にしておきたいところです。
カズンズはハーフコートでは動けないなりの良さがありましたが、ならばもう1人ガードが欲しかったような。こっちにイグダラで、スターターにマッキーニーの方が合うかもしれません。
GSWは暖気状態のままエンジンがかかりませんでしたね。こういうところがらしいといえばらしい。自分はどちらかと言えばディフェンスに問題を感じました。技術云々よりやる気の問題。シアカムのカリーに対するディフェンスなんて、あの時のラブ位気合いが入ってました。
後はレナードが明らかに球離れを良くしてきましたね。前まで通りごり押せば35点位は取れるんでしょうが、ゴール下まで持ち込んで狭いとき、前ならシュートの所をパスしていたと思います。
その分バランスがいいオフェンスになったんですかね。
もっとラウリーを潰しに来ると思ったし、実際にトンプソンを当てたのですが、その割にはパッシングを許してしまいました。ここもゲーム2で頑張らないと。
ラプターズはそのラウリーが3Pとドライブ決めたいなぁ