カワイ・レナードの243点

トロント・レナーズ

マカラムについて書いたわけで、だったらラプターズも誰かしら。となれば当然レナードについて考えないといけません中身を考えず、テーマからデータを調べていくスタイルです。

まずは初めに確認したいことがあります。それはこれ。

レナードはラウリーが嫌いなのか

ここではファーストラウンドでレナードがラウリーにパスを出さず、グリーンにはパスを出すってのが気になったわけです。しかし、セカンドラウンドでは誰にも出さないじゃないかっていう空気でした。まずはパスデータを観てみましょう。

〇レナードからのパス
31.9本
アシスト4.0
2P2.4/5.6 44%
3P2.0/6.9 29%

散々な結果です。32本のパスから12.5本のシュートが生まれていますが、4.4本しか決まっていません。そりゃあパスを出したくなくなるってもんです。

じゃあレナードのパスが良かったかというと、その印象もゼロです。ドライブして苦しくなってパスアウトするというパス。そこでミスショットを選ばないのはレナードらしいのか、それともスパーズらしいのか。

〇レナードからのパス
ラウリー 8.1本 FG23%
ガソル 8.0本 FG40%
シアカム 5.4本 FG46%
グリーン 4.7本 FG40%

こんな結果となっております。ただし、グリーンは本数少なく、FGも悪いけど多くが3Pであり、しかも45%も決めています。だから実は最も効率が良かったのがグリーンです。相変わらずなコンビ。

ラウリーへのパスはファーストラウンドよりもシュートに結びつきましたが、あまりにも酷いFG%です。これがわき役ならともかくラウリーがってのは酷すぎます。

正直言って、ラプターズがセカンドラウンドを勝ち取ったのは奇妙とすら思える数字です。レナードのパスがしっかりと得点になっていれば楽勝だったはずですし、そこまでシクサーズはレナードを止められなかったのかと。

実際に試合を見ているとシクサーズはかなりのシーンでレナードを止めています。

ただし、それは個人突破の部分であり、しっかりとパスを貰って仕掛けるときはレナードは高確率でシュートまで辿り着いています。

極端に言えば「個人で決める」能力は高いけど「個人能力をチーム力に還元する」部分では弱かったレナード。

というか、例の「レナードが持つと足が止まるラプターズ」というのがあるので、レナード以上にチームの問題点でした。

しかもセカンドラウンドになると、「フリーでもシュートを打たない」事件が多発しました。主にガソル。正直、全く意味が分からないし、それがレナードを苦しめていたので、レナードを批判する気にはなれないのです。

〇ラプターズのFGと3P
レナード FG53% 3P33%
レナード以外 FG40% 3P29%

レナード以外が悪すぎたわけですが、特に目立つのはインサイド陣がFG50%を下回っている事。エンビードにビビりすぎです。ビビりすぎっていうか、このレベルで勝ちたいなら乗り越えなければいけません。

〇ゴール下
レナード 71%
レナード以外 62%

あれっ、そこまででもないのか。60%は低いけど、どうしようもなくって程ではありません。つまり、ラプターズのビッグマン達はゴール下以外のシュートが多すぎたわけです。

ラプターズは580本のFGのうち228本が3Pでした。しかし37%のグリーンの次によかったのが33%のレナードとなっており、あまりにも全体の効率が悪かったことがわかります。

ひとつの結論的に言うと

レナードのパスからゴール下が少なく、3Pも決まらない

となるわけですが、ここでレナードのショットバランスを確認してみます。

ミドルレンジとショートレンジが多いのが特徴になりますが、確かにこのパターンだとそれぞれにスペースが足りず、効果的なシュートにならないことが多くあります。

ワイドオープンの3Pを平均19.7本も打ちながら、6.3本しか決められなかったのが苦しんだ最大の要因ですが、それにはレナードのためにインサイドを空けていた理由もあるわけです。

前回はCJマカラムの多彩なスキルがナゲッツを攻略したというテーマでしたが、このレナードについてはエンビードのルーズさを狙ってはいたものの決める方が変であり、あくまでもレナードの個人能力です。

そこにチームとしてストレッチさせる形が機能すれば「ラプターズ強し」となったわけですが、オープンの3Pを決められませんでしたし、インサイドの効果的な合わせっていうのも少なかったです。

お互いにディフェンス力があるチーム同士ですが、「それでも攻略したナゲッツvsブレイザーズ」に比べるとチームとして攻略したとは言い難いシリーズでした。

〇オフェンスレーティング
ラプターズ 106.3
シクサーズ 103.6

まぁこれでもかつてのNBAを考えたら、極めて高いレーティングなんですけどね。

◉レナードの得点

そんなわけでレナードvsシクサーズに見えたのは、「レナードから始まるチームオフェンス」には見えなかったからです。

しかし、そのレナードがあまりにも圧倒的でした。

〇レナードの合計
243点
FG53%
2P33%
9.9リバウンド
4.0リバウンド
3.3ターンオーバー

243点はジャバー、ジョーダンに次ぎ、1つのシリーズで3番目の得点数だとか。ただし平均得点はハーデンがわずかに上回っており、ケガがなければデュラントも上回った可能性があります。

なのですが、レナードの圧巻なのはFG%の高さ。3Pの本数が少なめだということもあって、ハーデンとデュラントよりも高確率で決めきりました。

またリバウンドが少なくなったデュラントに比べて攻守に1人で働きすぎています。これがプレーオフに照準を合わせてきた効果なのか、それとも自分を証明するレナードの気迫なのか。

約半分の127点をドライブで奪いましたが、キャッチ&シュートが僅か15点しかありません。「パスを貰って打つ」パターンの少なさが際立ちます。それでこのFG%って、どこのアンテトクンポだよ。

ボールタッチ数は予想外に少なく、平均66.7回。これは68回のバトラーと同程度で、133回のヨキッチ、91回のハーデン、87回のリラードとラウリーを大きく下回ります。ウイングだからね。

エンビードも72回タッチ数があるなど、シクサーズの豪華メンバーと比較しても1人で攻めていたような雰囲気なのにとっても少ないレナード。

FGアテンプト23.4本、フリースロー9.0本なので、ほぼ2回に1回はシュートまで辿り着いていることになります。キャッチ&シュートがないのにシュートまでいきすぎじゃない。

そこまで個人技で攻め込みながら、ターンオーバーが3.3回というのも驚異的です。殆ど止められていないじゃないか。

〇マッチアップと得点
シモンズ 253回 113点
バトラー 101回 36点
エニス 78回 31点
トバイアス 55回 30点

もっともボコボコにされたのはトバイアスです。これはもうマッチアップミスでしかありません。もっとも上手く守ったのはバトラーです。かなりきれいに止めていたよね。

バトラーのディフェンスが効いたなんて!!

なんてことは誰も驚きません。むしろ不思議なのは「バトラーが止めているのに、なんでシモンズがマッチアップしているんだ」という事です。もちろん、オフェンスで役に立っていないシモンズにマークさせ、バトラーを疲れさせない理論もありますが、それを考えるHCならスターター酷使しないだろうし。

何故、シモンズとのマッチアップが多かったのか

これはブレッド・ブラウンに聞かないとわかりませんが、1つの見解としてあるのはブロック数です。マーク本人とヘルプのブロック数

〇ブロック数 マーク+ヘルプ
シモンズ 4+3
バトラー 0+0
エニス 0+3
トバイアス 1+1

マッチアップ数が多かったとはいえ、シモンズは合計7つになっているので、高確率のレナードに対して高さとフィジカルで対抗することを狙ったと思われます。エニスはなんだろうね。ヘルプブロック多すぎ。

これらの印象は試合を観ていた時のイメージとぴったり当てはまります。

・レナードは結構止められていた
・シクサーズはぴょんぴょん飛びすぎ

あまりにも高確率でシュートを決めたレナードですが、その割にはコースを防がれるとシュートまでも行けませんでした。つまり「打てば決まるが、打つ体勢になれなければ止まる」ということです。

普通といえば普通ですが、強引にでも打ちに行ける選手たちが多いので、ちょっとした違和感がありました。

大切なのはもう1つです。シクサーズがぴょんぴょん飛びすぎ問題。そして止めていたバトラーは飛ばない問題。もとい、飛ばないで成功。

イバカも似たようなことをしていましたが、止められないシュートに対して必要以上にブロックを狙うよりはドライブコースを塞ぐ方が有効です。これがマカラムならまた違うけどさ。

そしてレナードのシュートフェイクに引っかかりまくっていたシクサーズ。もちろん時にはブロックに成功していますが、ワンフェイクからステップインというプレーが多かったです。

〇フェイダウェイ 6/15

〇ドリブル数別 2Pの確率
0ドリブル 50%
1ドリブル 78%
2ドリブル 62%
3~6ドリブル 53% 
7ドリブル以上 71%

サンプルが少ないので偶然でもありますが、レナードが苦労したのがドリブルが少ない形でのシュートとフェイダウェイです。

つまり「自分でリズムを作り」「ディフェンスを動かしながら打つシュート」は確率が高く、ちょっとだけ困って打つフェイダウェイや間合いを図ってのジャンプシュートは少しだけ苦労しました。

総じてブロックを狙いに来るシクサーズディフェンスと、レナードは相性が良かった感があります。ディフェンスの良いチームがラプターズというチームを抑えつつも、スーパースターにコテンパンにされたシリーズでしたが、予想もしなかった相性問題があったのかもしれません。

◉バックスってどうなのさ

真偽はともかく見事なブザービーターでカンファレンスファイナルに駒を進めたレナードと仲間たち。ではバックスのディフェンスを考えた時にどうなるのか。

上手いキックアウトが出来ず、また決められなかった周囲の問題は、やっぱりアヌノビーの不在とシューター達を放出した問題が響いており、改善する余地は少ないのが現状です。

それでもレナードが決めてくれることを願うわけですが、バックスは(不調の)ロペスとイリャソバのカバーディフェンスが特徴的で、ブロックよりもコースを的確に塞いで選択肢を減らしてきます。

そこに身体能力あるアンテトクンポが絡んでくるので、インサイド側の強さを誇っています。

フェイクに引っかかってくれるのか

シクサーズと違うのは、ここにあまり期待できないことです。バックスの傾向としては、「レナードを止めきる」ことよりも「苦しいシュートに追い込んでリバウンド勝負」です。

それでも決めてしまうレナードの部分は諦めて、外したシュートを堅実にリバウンドでマイボールにするマネジメントを好みます。

あるいは本当に苦しいなら、アンテトクンポとの直接マッチアップになるでしょう。規格外のサイズは腕の長さと手の大きさでタイミングをずらしているようなレナードにとって、「タイミングを外したはずが」と成り兼ねません。

つまり管理人は結構な確率でラプターズ不利と読んでいます。

ラプターズがバックスディフェンスを攻略するには
・それでもレナードが決める
・3Pをしっかりと決める

このどちらかが必要になります。ファイナルで勝ちたいなら、特に後者が必要になります。これを決めればレナードはかなり楽になるはず。そして面白いと思うのは、これらの事は状況は大きく違うのに

なんか、vsキャブスと同じじゃないか

と思えてくることです。キャブスのディフェンスはかなりルーズでアウトサイドを打たせるような選択を頻繁にしていました。レイカーズでレブロンがクズマに押されたシーンは象徴的で、キャブスはあれを追いかけません。

そしてラプターズは「フリーで打てるのに3Pが決まらない」なんてシーンが頻繁に出てくるのがプレーオフです。

そしてキャブスはまた「デローザンのフェイクにひっかかったら罰金」なんてことを毎シーズンのようにやり、それでも毎シーズンのように重要な局面でフェイクして失敗するデローザンでした。

ちょっとそんなことを思い出したシクサーズとの7試合に渡る戦いは、「それでも決めてしまうレナード」によって勝利を得ることになりました。

このスーパースターの異常な得点能力は、ラプターズがプレーオフのために求めた能力でもあります。

バックス相手には苦しく思える内容のラプターズですが、それもまたレナードが乗り越えてしまうのか。そんなことを考えながら、明日のゲーム1になります。

◉追伸

ヴァンフリートが機能していない。

というのは強く感じている部分です。その理由はやっぱりレナードが「ボールを1回止めて」からスタートしたがるため、ヴァンフリートのゲームメイクがあまり意味をなさないのだと思います。

少しずつディフェンスのギャップを生み出して、周囲に勝負させるようなプレーが持ち味のヴァンフリートですが、一方でそこまで得点力はないし、視野の広さとパス速度などによるアシスト力をもつわけでもありません。

あくまでも全体のプレーを構築する上手さと、体を張ったプレーが持ち味。後者は今でも変わらないだろうけど、前者はあまりにも圧倒的なレナードにより、

「それヴァンフリート関係なくないか」

という状況にされている気がします。ラウリーの3Pが決まらないわけですが、これだけ優秀なエースがいるならば、ミスなくレナードにボールを運び、そしてパスアウトを決めきるPGが重要になってくるのでしょう。

コービーの相棒がフィッシャーだったような感じです。コービーはFG悪いけどさ。

カワイ・レナードの243点” への3件のフィードバック

  1. KDがボールを持ってる間のウォリアーズの良くないチームオフェンスと同じ問題ですね。
    そう考えるとPOにおけるスーパーエース問題としてこれはもう往々にしてついて回る話なんでしょうね。
    それをひとつのユニットとしての飛び道具的に使い、相互干渉を出来るだけ避けたドックリバースは凄い訳ですが。
    まぁわかった上でレナードを選んだ訳ですから今のところは正解だったんでしょうがこの先厳しい見通しですね。
    バックスはスーパーエースの働きがモロに周りに影響する事を前提に組み上げているのでそれぞれのパフォーマンスが疎外されにくいという1歩先をいったチームですし。まぁヤニスがスーパーエースとしてまだKDやレナードの域と言える答えは出してないのでそこがポイントでもあるでしょうが。

  2. レナード以外の選手たちの3が決まらないのは確かに深刻すぎる問題ですね。

    レナード1人がステップアップすると言っても限界があるので、周りがきっちり決めるほうがオフェンスが良くなると思いますが…

    オフェンスはともかく、ラプターズはディフェンスではバックスのオフェンスをどう守るのが有効と思いますか?

  3. ツイッターでもおっしゃってたようにぜひkdとレナードのオフェンスの違いというものを記事にしてほしいです‼️

    できたらそこにレブロンも入れてリーグ三傑スターの比較を是非…!!

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