ロケッツはプレーオフで勝てるのか 2019/04/10 vsサンダー

テーマはプレーオフ

試合開始からサンダーの方がよく見えるけど、ロケッツの方がリードして行く流れになります。理由はなんでしょうか?
ってことで、今回のテーマは「ロケッツはプレーオフで勝てるのか」になります。内容が良いなら勝てますが、悪いならどうなのか?

まず前提として昨シーズンのロケッツは優勝出来ませんでしたが、プレーオフでも勝てるチームでした。大きな問題もなくウエストファイナルまで進んだし、ウォーリアーズにすら3勝しています。
優勝出来るか、と言われれば結果的にノーでしたが、ウォーリアーズが強すぎたんだ、って事で良い感じでした。

しかし、今シーズンはハーデンが平均36点も取って勝利をもたらしているわけで、それもハーデンがスーパーに決めているのではなく、スーパーに打ちまくっています。
そのスタミナを褒めてはいるけど、ワンマンチームっぷりが加速したわけで、チームとして良い話ではありません。

さて、試合は何故かvsウエストブルックやグラントを混ぜるロケッツ。この2人はある程度ハーデンに自由にやらせつつ、後ろからブロックで解決します。ブレッドソーがロペスありきでやっていたのを単独でやっているようなラス君。理不尽。

概ねハーデンへの対処がよく、しかもリバウンドからワンパスが早いラス君によりトランジションに移行できているので内容はサンダー。
ただし、ミスが多くて荒いのと、戻りが遅いラス君ってのが大いに気になります。お前はどこのキングだよ。そういうの大嫌いな管理人。これを続けるなら来年はディアンジェロ君に抜かれるよ。

でもロケッツがリードしている理由はゴードンの単発3Pが見事にヒットし、止められていたハーデンもトランジションでフリーになると3Pを決めたから。
トランジションで有利になれそうだったサンダーがミスして、確実にものにしたロケッツがリードするというのは論理的

ポイントは内容が悪くても戦う術があるロケッツということ。それはプレーオフで勝つために、というか負けないために大切な事です。

◉変化とハーデンと

ところでサンダーはこの時期の大切な試合でも平然と10人ローテをします。アダムスまで酷使するようにプレータイム長くする割には起用する人数は多い。
ロケッツはシャンパートがケガですが、このウイング不足にハウスで対応しています。でもダブルPGにジェラルド、リバース、ゴードンとガードを中心にし過ぎている傾向があります。

クリス・ポールの時間になるとカペラとの見事な連携が増えますが、逆に言えば連携はこれくらい。昨シーズンみたいに見事なチームオフェンスは鳴りを潜めています。
そのカペラは今シーズンの出来はイマイチというか、相変わらずなんだけどFGのエゲツない確率が落ちています。理由はちょっと難しいシュートを増やされたから。そしてワンパターンだから読まれがち。

時間が経つにつれてプレーを読まれるロケッツ。ハーデンからCP3になった変化に初めは戸惑うけど、慣れれば対応出来るかな。
オフボールのアリーザ不足を感じまくったカーメロ時代ですが、それは今でも一緒です。試合の中でディフェンスに応じた変化をもたらしてくれる存在がいないのはロケッツの不安要素。ここもポイントね。

それでもリードを保っていくロケッツ。まぁサンダーのオフェンス成功率も問題。ラス君はシュートタッチがない日(ある日の方が珍しいよ)なのでイージーをミスしてはリバウンドとってる。

そしてハーデンが戻ってくると、アダムスを狙い始めて、オフェンスで単調だけど同じことを繰り返せる強みを発揮します。こちらも成功率は高くないけど、ミスは少ない。意識を徹底しやすい事がロケッツの強み。
変化に乏しいロケッツが変化しなくてもプレーを構築できる強みで勝負出来ちゃうのはスゴイ。でも、果たして7戦シリーズでそれが出来るのか?

ウイングとしてのプレー能力って、ボール持っていない時の怖さってのもあると思うんだ。ポール・ジョージが動くだけで警戒しないといけないよね。デュラントならインサイドの怖さもあるよね。
そんな要素抜きでハンドラーの偉大さだけってのは危険なんだよな。カーメロ居ても何も解決しない部分だけど。

試合はラス君がとんでもないプレーで抜きまくるけどミスするので追いつけないサンダーでした。サンダーはサンダーで、プレーオフをどう捉えるのだろうか。カーメロのディフェンスという明確な弱点が消えたけど、暴走が増えたというか、負担の重さに耐えきれなくなってきたようにみえる。

◉頭に血は上らない

後半開始からタッカーとやりあうラス君。頭に血が上っておりダメダメ。プレーオフではコンタクトプレーが増え、消耗戦とメンタル対決も増えます。
そこに強みのあるタッカー。でも結局はタッカーの代役を探さなかったロケッツ。ハンドラーばかりってのはフィジカルな部分でも不安要素です。あとハンドラーだけどMCWがマジックで働きまくっているオフボールの部分をどう捉えているのか?

なお、ハーデンの良さはこういう所で熱くならない事だよね。変わらぬメンタリティで淡々と3P打ってる。決まるかどうかは時の運。
頭に血が上っているラス君はバカみたいにファールするし、ハーデンに抜かれる形もわざとじゃなく完全に抜き切られてしまい、カバー出ざる得なくなったアダムスの裏をとり、カペラのアリウープにも繋がります。

ポール・ジョージが右肩を痛めている中で暴走野郎中心で苦し過ぎるサンダー。ダメそうな今シーズン。なのに、暴走するとシュートが決まり出す理不尽野郎。1人で試合をめちゃくちゃにしてる。
そしてシュートが決まるのでチームとしてキックアウトの有効性が高まり連続3Pでサンダーが追い上げます。

ダントーニ不在でビズデリックが指揮するロケッツは、なんだか以前よりもディフェンスの収縮の良さがあり、アダムスのインサイドは許さず、リバウンドへの反応も良くなっている気がします。
その分だけアウトサイドへのチェイスが足りないのですが、そこを補うのはハンドチェックによってパスすらを防ぐことと、サイズある選手が追いかける事で3P成功率を少しでも落とす事です。ウォーリアーズ理論。イグダラ理論。アリーザ不足、バーアムーテ不足。

本日はハーデンとハウスがポール・ジョージのドライブからテイクチャージし、個人を困らせる事で対処出来ています。これがちゃんとパスするチームならどうなのか?
ロケッツが4位になるとvsジャズです。ここは大きな不安要素です。ゴベアーを狙うハーデンというのはポジティブ過ぎる要素の反面だし、ボール回ると3P決まらないジャズなのもポジティブですが、ディフェンス的にはどうかな。他にはスパーズがイヤかな。

ジェラルドがこの試合初めてオフボールムーブから3Pを成功させ、ラス君のキックアウトを読みきったハーデンが速攻に行きますが、グラントがスティールで取り返してファーガソンの3Pに。
それでも変わらぬメンタリティでタフにプルアップ3Pで返したハーデンと、熱くなってめちゃくちゃなラス君で徐々にリードを得ていくロケッツ。

さらにジェラルドが3Pを決めまくり。3P5/7がもたらすリードは3Q終わって13点まで広がりました。
やっぱりオフボールムーブからもたらされる得点力ってのはディフェンスを大いに困らせるし、止めきれない要素にもなると思うのです。

プレーオフのキーマンはジェラルド・グリーンなのかな。

◉ルーズボールとタッカー

最近はフェルトンが加わるようになったセカンドユニットが広くスペーシングすると、インサイドでヘルプが間に合わずモリスがイージーに決め、ノエルも続き、ロケッツディフェンスは少しずつ怪しくなります。
ただ、またも悪い内容でもCP3が連続3Pでリードは保ちます。タフショット頼みだけど、決めるダブルPG。ムリが続いてケガしないと良いね。

で、戻ってきたラス君もプルアップ3Pで返します。そしてCP3相手でもハーデンと同じ様に抜かせて追いかける守り方。誰もカバーに来ないけど、シュートに行けないCP3。
ここも相手の出方次第なのです。CP3を自由にするってのはロケッツ対策として有効。パスアウトされる方がイヤなんだ。

停滞したロケッツに対してポール・ジョージとラス君の3Pで逆転に成功するサンダー。3Pまで追いかけきれていないのは3Qから変わらずなので、決められただけなんだよね。

ハーデンのドライブからカペラへのアリウープが決まると、ルーズボールを取ったポール・ジョージに対してタッカーの脚が引っかかるけどノーコールでCP3のフリーシュートで再逆転。
その次のプレーでもルーズボールをポール・ジョージとタッカーが競り合って揉めます。ルーズボールの重要性だし、運動量の重要性だし。タッカーが残り3分でリバウンドをタップしてロケッツが4点リードに。

昨シーズンのロケッツはルーズボール系強かったけど、今シーズンはどうなんだろうね。オフシーズンに振り返ろう。最近はオフシーズンネタを集めておくのが大切です。
昨シーズンのプレーオフで強烈な存在感を示したPJタッカー。その重要性は際立ちました。だからこそトリバーでも補強するべきだったのだけど(ちゃんと狙ったよ)、真逆みたいなリバースを起用している現状はプレーオフでどうなんだろうね?

◉クラッチタイム

タッカー相手にドライブからゴール下をねじ込んだラス君で残り1分半2点差。ハーデンがドライブからブロックにきたグラントの腕に当たりに行ってフリースローを貰い4点リードに。
その前にシュルーダーの頭を肘で挟み込んだら、シュルーダーのファールになりました。これはハーデンの巧さなんだけど、プレーオフの緊迫したシリーズになると試合毎にレフリーコールのチェックが行われ、次の試合に反省が活かされるというか、反動がやってくることがあるよね。

ラス君がバカプレーをしてロケッツボールで残り46秒。コントロールするCP3がショットクロック残り6秒という微妙なシュートを打ち、サンダーボールに。
4点リードだったから24秒オーバーでも良かったし、何なら逆ファールゲームってのも得意技だったロケッツだけど、サンダーに2ポゼッションを与えます。

急いだラス君が残り20秒で3Pを決め1点差に。なんで難しい3Pが決まるのか意味わかんないけどさ。
ノーファールで守るサンダーでしたが、ハーデンのドリブルに対してコールされたポール・ジョージ。しっかりフリースロー決めるハーデンで3点差。

残り15.5秒のサンダーはポール・ジョージがスリップしたので最後のタイムアウト。やり直しはラス君がドライブダンクで1点差にし、残り9秒でハーデンにファールゲーム。
これを1本ミスしたハーデン。ノータイムアウトのサンダーはボールプッシュするラス君にディフェンスが複数寄ってきたので、アダムスとのパス交換で突破し、フリーになったポール・ジョージへ。

ローテで追ってきたタッカーがいたものの見事に3Pを決めたポール・ジョージでサンダーが残り1秒で逆転したのでした。

この時、逆サイドはドフリーだったのですが、そこまで勝負をかけたディフェンスそのものは悪くない。でも、何でポール・ジョージが空いてるんだ?
これがファーガソンかグラントなら許せたけど、ポール・ジョージってのはないだろ!?

ハーデンのフリースローの間に十分に対応する事が出来たはずのロケッツ。時間の使い方が曖昧かつ瞬間的な判断の悪さも目立ったディフェンスでした。

最後はハーデンが振り切っての3Pを打つも決まらずサンダーに屈したロケッツでした。今シーズンはまさかの53勝止まり。他チームの結果次第では4位になるのでした。

◉プレーオフで勝てるのか

FG11/28
3P5/15
で39点のハーデン。ハイスコア連発だけど、今シーズンはこんな感じ。こうして打ち続けないと、変化に乏しいオフェンスでは攻略出来ません。
同じことしていて得点してしまう個人能力は言うことないけど、それでは優勝出来そうにないからカーメロを求めたオフだったのにね。

53本打った3Pというのは難しいもので、サンダーのディフェンスを攻略しきれないから苦しくてもアウトサイドから打ったという雰囲気。それはミスを減らすロケッツコンセプトだから悪くはない。サンダーなんかわけわかんないミス多かったし。

ただ僅かな差ではあるけど、オフボールムーブから打っていたジェラルド以外は苦し紛れだったのは事実で、悪夢の23連続ミスが頭をよぎります。
苦しいところでルーズボールを確保してくれたタッカー。でもタッカーだけなんだ。

いろいろあるけど、やっぱり開幕当初と同じ問題が思い起こされてくるもので、アリーザとバーアムーテがいない苦しみが沸き立ちます。

エースキラー
ハンドチェックディフェンス
ルーズボール
オフボールムーブ
ディフェンスの動きに対応したオフェンスパターン

そしてクラッチタイムで最悪なポール・ジョージをフリーにしてしまった瞬間の判断力

それぞれボールがない部分での要素ですが、細かく勝敗を分けていくポイントであり、接戦が増えるプレーオフでは重要視されるポイントです。
ハーデンに目が行くけど、エースが決めるかどうかだけで決まるわけではない。その部分の強さを大きく打ち出さないといけない今のロケッツ

これらがプレーオフで、どこまで表面化されるのか?
補強に失敗したロケッツがプレーオフで結果を残せるのか?

論理的には難しいけど、可能性ってのは人間がやっている限り良くも悪くも無限大という事を示すウエストブルックのヘンテコな試合となっただけに、それでも勝ってしまう可能性も否定は出来ないんだけどね。

ロケッツはプレーオフで勝てるのか 2019/04/10 vsサンダー” への6件のフィードバック

  1. ミッチェルの大活躍やヨキッチの退場なんかもあってジャズが勝ってくれたので喜んでたんですが、まさか負けるとは…。
    おっしゃる通り、最後のプレーでポール・ジョージが空いてしまうのなんかを見ると、今年のプレーオフは厳しいなぁと思ってしまいますね。

    1. ディテールが詰められていない感じなのですか、基本メンバーもHCも同じだけに、やっぱり選手個人の判断力の大切さと、ウィナーズマインドの重要性を感じました。

  2. 自分もグリーンの様に自ら動いてもらったら勢いよく打ってくれる選手は良いですよね。
    グリーンは下手したらPOではローテーション入らない可能性がありますが…。何がしたいんだか…
    基本的にスモールなのでリバウンドを取れないのはわかるんですけどFでリバウンドに行ってくれて3が打てる身長のある選手(ファリードの3はないと考えてます)を取りに行って少しは補強すると思ったんですけど結局しなかったですし…
    ハーデン頼りなのでPOでそれが通用するかわからないですのでPOもかなり危ういとは思ってます。

    1. 狙うべき選手がいて、何人かにはオファーもしたけど、最終的にはカーメロを優先したみたいになり、色々と失敗したような。
      それを補っているハーデンは凄いですが、個人の重要性と同時に個人の限界みたいなものが出るのもプレーオフです。さて、どうでるか?

  3. サンダーの方からだと、ラストプレーはアダムスかポール・ジョージにしかパスを出さないウエストブルックというシーンでしたね。
    アダムスはパスを返してくれるしからで信頼しているのはポール・ジョージだけって感じです。
    その前の適当に打つ感じの3Pもなんですが、もうちょっとチームメイトにパスを出してほしい。
    ウエストブルックがシュートが上手な選手ならまだいいんですけどね。
    今回は決まったんですが、基本入らないですから。

    1. ただあれは時間がなかった上に複数人に囲まれたので、逆サイドにパスするのはギャンブルでしたね。またウエストブルックから逆サイドのコースはロケッツは意識して守っていたと思います。ライン際に追い込む。
      褒めるべきはアダムスで、よくぞあのタイミングであそこに現れたなと。ワンツーがなければ、そこで試合終了になり、ロケッツが褒められたシーンかもしれません。

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