2019/03/18 ピストンズvsラプターズ

起きたらほとんどの試合が終わっていた。

ピストンズは注目なわけですが、大勝したり大敗したり。ヒート戦で3Q8点とか何なのだろうか。信用しにくいチーム。
前日はブレイザーズがオルドリッジに決められまくっても、ダブルチームに行かない選択肢で、ある程度成功し、4Qはサポートメンバーの3Pに沈んでいました。そういう守り方。
グリフィンがポストでボールを持つと迷わずダブルチームにやってくるラプターズ。そういう守り方。

基本的にピストンズなんて、こんな形で対応しておけばOKでした。グリフィンはパスを出すようになりましたが、それはタイミングの遅さと独りよがりな部分があって、ラプターズクラスのローテなら止まるスピード感
ところが、ここがピストンズの良くなった部分で、グリフィンで攻めることを志向していないので、パスの判断が早いし、周囲のあわせも早くなりました。カッティングしてくるブルース・ブラウンやレジー・ジャクソンで得点していくピストンズ。

もうひとつ理由があってガソルとリンがスターターに加わっているラプターズのローテは遅い。走力と判断力と戦術理解がちょっとずつ加わった問題。グリーンがヘルプに行くとボール奪ったし。

これらのことはオフェンスが深刻で、悪い時のラプターズに。5人が広がるけど、動きが乏しくて個人アタックになっています。しかも、ブルースの徹底マークされているレナードに渡すよりも自分で行きたい選手たちが失敗を繰り返す。
大きくリードを奪うピストンズというスタート。

ただ、1Qの中で早々に修正してきます。ヴァン・フリートが登場すると、ボールを動かすタメを作って、動きを求め、さらに走って速攻に。ルーズボールをとったのはモアランド!
7-0のランで取り返し、4点差まで縮めたのでした。トレードデッドラインで獲得する怖さが詰まっていた連携面。昨シーズンのシクサーズってよくやったよね。

◉セカンドユニットの差

このままラプターズのペースになるかと思われた2Qでしたが、ピストンズが好調な理由はセカンドユニットにもありました。
管理人は「メイカーとパチュリアなんて・・・」と思っているタイプですが、ところがこの2人がインサイドでフタをし続けます。スパーズみたいな理由だし、ていうかラプターズみたいな理由だね。
ドライブに対してビッグマン2人で潰しに行き、イージーシュートを減らしていきます。その意味でメイカーが加わったのは大きく、リムプロテクターが増えたね。

とはいえ、ここはラプターズのダメな部分でもあって、まずアヌノビーが「それは決めようぜ」というショートレンジを外してしまいます。決めていればビッグマン2人なんて意味がないわけだ。外しすぎたラプターズ。
これが決まらなかったことで、全員の足が止まってしまう問題が再発してしまいます。加えて新加入のモアランドが何してよいのかわかっていない。

モアランド好きな管理人ですが、良い部分なんて「走る」一点のみ。ゴール下を押し込む強さもないし、戦術的頭脳もないし、シュート力もない。あ、でもみんなが外したのに、何故かモアランドが3P決めちゃった。キャリア成功率100%だってさ。
そんなモアランドが走るシーンを作ってもらえず、ヴァンフリートと2人でプレーメイクに参加しているのは滑稽ですらあります。

まぁ結局はアヌノビーが決めないと構築できないし、アヌノビーが決めるまでアヌノビーにやらせるべきだったラプターズのセカンドユニット。中途半端に全員アタックを志して大失敗してしまった2Q前半でした。

一方のピストンズはイシュのコントロールからケナード&ギャロウェイというわかりやすいシューティングオプションを使っていきます。2人が怖いから、自然とインサイドも空いてしまう構図。それを塞げる強さはモアランドにはありません。走るだけさ。走ってなかったけど。
どっちがラプターズかわからないくらいピストンズが上回ったセカンドユニット。ニック・ナースが目指したのはスターターとの融合型かと思っていましたが、そうでもないんだよね。

これで大量リードを得たピストンズでしたが、レナードにより前半のうちに取り返されてしまいます。つまりは「アヌノビーが外したのをレナードは決めた」っていう構図。プレーそのものに大きな違いはありませんが、確率が段違いだった。
レナードが口火を切ったことで、3Pも空き始め、ガソルがパスを供給する形も出始めます。1Qはリンがやり過ぎたけど、ガソルの方が良いPGだ。

ということで、セカンドユニットの強さで上回ったピストンズがスターターで取り返された前半でした。

◉レナードとアヌノビー

後半になるとリンではなくヴァンフリートにしたラプターズ。プレータイム制限があるはずですが、どうするのか。
そんなPGの違いは関係なく、やっぱりレナードが決めていきます。レナードにおんぶにだっこ状態のラプターズ。シアカムもいるんだけどね。

それに対してバランスアタックというか、エリントン優先のピストンズ。グリフィンはあくまでも起点に過ぎず、オフボールのエリントンをまず狙う。狙うからズレた所を周囲が使っていく流れです。
レナードの個人技vsチーム力のピストンズという構図。

ラプターズのこの問題は、もう解決しないでしょう。ラウリーがいれば全く違うのですが、健康でプレーオフに臨んでくれるかが勝負だし、そこまでに戦い方をまとめるってことはないと思います。
シアカムはラウリーがいてこそ輝くし、モアランドだって走力を活かせそう。そうなるとレナードの個人技も一層生きてくるんだけどさ。

それでもレナードの個人技だけでピストンズを上回ったラプターズ。そして、ディフェンスが集中したところでガソルのパスからヴァンフリートとグリーンに3Pが飛び出してリードを奪ったのでした。
うーん、ガソルは自分で打っていないけど役に立っているのかいないのか。これだけボールを回すのは普通のセンターには出来ないわけですが、普通のセンターはもっとリバウンドとってくれるしなぁ。

そして今度はセカンドユニットがダメなラプターズがあっさりとピストンズに取り返されます。やられまくるモアランド。モアランドを吹っ飛ばしてダンクのドラモンド。なお、やられまくっている理由は、そこに追いついているからってのも忘れてはいけません。追いつけるけど止める能力が高いわけではない。

またも素晴らしいスピンムーブからレイアップを外すアヌノビー。勝負はプレーオフなので、何とも言えないのですが、少なくともガソルのトレードによって層が薄くなったデメリットが強すぎるラプターズ。
デロン・ライトがいればPG不足は問題にならなかったし、バランチューナスがいればインサイドは強かったし、モンローを放出する必要もなかった。得点力が足りないときはCJマイルズに打たせればよかった。

3Qは最後にアヌノビーがドライブ&ワンと3Pを決めたことで、6点リードで終わります。層は薄くなったけど、アヌノビーがその分全てを補えや!

◉良い時のドラモンド

アヌノビーよりドラフト順位が上のケナードがスティールから速攻にして逆転します。お互いにルーキー時代がスターターで今はベンチのエース的扱いになりそうで、なり切れていない状態です。
結局、そうそうにレナードを戻すことになったラプターズ。本当にチーム状況が上手くいっていないことを示しています。ラプターズの下部組織にチームオフェンスを仕込み、そこで成長した選手で強化したのがニック・ナースだったのに、変な構図だ。

ピストンズはイシュが見事なプレーメイクにオフェンスリバウンドで得点を生み出していきます。よく走るし、パス能力高いし冷静だし。モアランドとのコンビ復活希望。
イシュはレナードをかわしてドラモンドのアリウープも生み出していきます。動き回るイシュに悩まされる構図はラウリーがいるラプターズみたいだ。

一方のラプターズは常にレナードから。それでもレナードを警戒しすぎのピストンズディフェンスの死角をつくヴァンフリートによって互角の戦いになります。プレータイム制限はどこに行った?
ピストンズホームなのにレナードにMVPコールがあるなかで、グリフィンがサーカスショットで残り4分98-98同点です。

お互いに重たい雰囲気になる中でインサイドまで侵入してのフィジカルシュートが目立ちます。ここでレナードに外させたエリントン。3Pだけじゃないよ。
一方でインサイドで奮闘するドラモンドがファールを貰い、フリースローもしっかり決めます。コールにクレームするガソルだけど、ファールだろうね。

更にドラモンドはレナード一辺倒で来ることを読んでレナードへのパスに猛ダッシュでスティールします。おぉ!ものすごくよかった時のドラモンドだ!
これで残り1分4点リードに。ドラモンドのディフェンスというか、走力が目立ち、グリフィンが目立たないと良い雰囲気になりがちなピストンズ

急ぐレナードがフリースローを貰い決めますが、今度はグリフィンがゴール下をねじ込み、再び4点差に。ここでなんか無意味に急いだ気がするヴァンフリートの3Pが外れ、プレッシャーディフェンスに移行するラプターズでしたが、ボールを失わないレジーによって、逃げ切ったピストンズでした。

勝負所でドラモンドとグリフィンが決めたピストンズ
勝負所もレナードでドラモンドに読まれたラプターズ

ある意味、順当なクラッチの結果でもありました。レナードはMVP級の活躍をしている今シーズンですが、それが結果に結びついていないラプターズ。シーズン通してだけでなく、レナードが大活躍するほどに負けている気がするのでした。

◉続・ピストンズを考えよう

ピストンズの強い部分は言うまでもなくグリフィンとドラモンドというリーグ1のビッグマンコンビです。
しかし、2人はインサイドで最強っぽいけど、今のNBAでインサイド最強のビッグマンコンビなんて大した意味がありません。スプラッシュブラザーズみたいに最強3Pコンビの方が意味がある。

だから上手くいっていなかったわけですが、2人がより地味な役回りで強さを使うことで上手くいっている印象です。ビッグマンがインサイドでシュートを決める強さではなく、外れたシュートを拾ってくれる方が強いわけだ。

それを生み出してくれているのは新たに加わったエリントンとベンチから登場するケナードとギャロウェイが揃ったこと。まぁブルロックじゃ何でダメなのかってのは奥があるけどさ。
加えてレジー・ジャクソンがやけに落ち着いてきました。コンボガード的だったのに、PGとしてコントロールに徹しているので、ケーシーと話し合いでもしたのだと思います。イシュの方が良いPGだけど、能力で上回るわけで我慢してプレーできているよ。

前回は「ネッツが封じ込んだ」という記事でしたが、ネッツはインサイドの人数が少ないので、ビッグマンコンビの良さを使わせなかったよね。ドライブしても塞ぎに来たら即キックアウトのチームだし。
また3Pシューターから塞いでいく守り方に対して、残されたビッグマンが有効な活躍を出来ませんでした。主にクルッツがグリフィンへのパスを狙いまくったことで。クルッツはグリフィンがリムプロテクターになることも拒否する3P&オフボールのバックドアでぶっちぎっていたけどさ。

思えばシアカムが同じこと出来ないのか、って話ですが、シアカムがクルッツに劣るっていうよりも、そこにパスを出す選手が不足していました。ラウリーって事だ。
だからピストンズはラウリーがいたら、かなり苦労すると思います。プレーオフでの対戦もあり得るわけですが、本日は勝利したとはいえ、弱点をどうやって埋めていくかの問題は残った気がします。

ピストンズがこの状態を維持できるかはエリントン、ケナード、ギャロウェイが信頼にこたえることが出来るかどうか。再びグリフィンが独りよがりになったら元に戻るだろうしね。レジーも。ドラモンドは大丈夫だと思う。

このまま行くとvsシクサーズになるわけですが、ラプターズの方がマシだと思っているだろうな。そしてシクサーズファンはネッツの方が嫌だよね。

2019/03/18 ピストンズvsラプターズ” への4件のフィードバック

  1. そうなんですよね。
    セルツとネッツは相性悪い。
    でも逆にPOではこの2チームを乗り越えてほしい気もします。って、記事と関係ない話ですみません

  2. レナードが活躍してる試合って結構接戦か結局負けちゃうみたいなイメージあります
    なんなのでしょうかね、レナード好きなだけに不安です

    1. いや、ほんとソレです。
      やっぱり個人技推しは終盤だけで良いのかな。でもレナードの確率はとっても高いわけで。うーん。

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