2019/03/17 スパーズvsブレイザーズ

10日ぶりのマイPCとアップルTVは視聴もしやすければ、書くのも楽だ。

スパーズはガソル兄を手放しました。割と不思議な選択であり、お互いの狙いが不明だったりします。ガソルはスパーズで勝てないと踏んだのか。すでにリングを持つ男が何を考えたのかって気になるところ。
とはいえ、スパーズはパートルがスターターになってからディフェンスもオフェンスも好調を維持しているとか。そもそもパートルでよさそうなところをガソル起用していたわけだし、なかなかわからないね。

そんなパートルは全く目立たず、オルドリッジのミドルが決まりまくるゲームスタート。そういえばオルドリッジとリラードの関係が修復されたみたいな話があったね。オールスターでのコンビは明らかに一番機能していたので、なっとくだったりします。
そもそも別に仲が悪いのではなく、大人しい二人ってのがね。リラードはエースやリーダーの座を奪うつもりがなかったけど、試合を決めるシュートは自分で打つ気満々で、オルドリッジはリラードのチームであるべきと身を引いた的な。

ニュースの内容とは裏腹に(?)何の気兼ねもなく決め過ぎなオルドリッジ。まずはその理由を考えてみましょう。
オルドリッジは良いシューターPFです。でも現代的にはセンターになりました。それは良いことだ。どっちでも対応可能なビッグマン。
スターターにパートルが加わったことで、オルドリッジが得られたメリットは「相手が小さい」ことと「フィジカルな戦いが減る」ってこと。

アミヌは素晴らしいディフェンダーですが、それはマークする能力の高さだよね。単純なターンシュートのオルドリッジは高さで簡単に上回れるから苦にならない様子。インサイドは目立たない。
加えてディフェンスでもアミヌなら楽。スタミナが削られる要素はゼロに近い。だからオフェンスでも正確なシュートが打てる。
実際にパートルが下がってヌルキッチとのマッチアップになると、オルドリッジはターンシュートを落としました。プレッシャーはあるけどノンコンタクトだったアミヌよりも体をぶつけてくるヌルキッチの方が嫌そう。スピードで抜くタイプじゃないし。

そんなオルドリッジが蹂躙したのちにデローザンもミドルを決めていきます。タジタジのブレイザーズ。
でもこの2人に「決め続けられる」ってのはスパーズの特徴でもあります。ヘルプに行かなかったし、キックアウトの3Pの方が嫌いなのがブレイザーズの守り方。

スパーズはシューターを揃えてきたわけですが、デローザン&オルドリッジにマークが集中してこそ働く3Pシューター達でもあります。集中させるほど決めまくったデローザン&オルドリッジだったけど、集中しなかったブレイザーズという1Qでした。
なお2Qになったら、デローザンもオルドリッジもコートにいなかったけど、ヘルプとローテーションで動かされベリネリをドフリーにしてしまうなど困ったセカンドユニット。相変わらず苦しいメンバーだ。スパーズがリードを広げたのでした。

一方でブレイザーズはセカンドユニットがやられすぎなので、珍しくハークレスをリラードと共に早めに戻すなど対応していきます。
カリーとのピック&ロールなのに、スクリーン後の反応が悪かったり、いつもどおりディフェンスが青かったりのカンター。似たような選手なのにヌルキッチとカンターに大きな差があるのは、この2シーズンで過ごした環境と責任の重さの違いかな。

ただ、スターターは慌てない。地道にディフェンスを頑張り、どこかでリラードが取り返す形を待ち、実際に4点プレーで切り返すリラード。
大爆発した感じはないのに、気が付いたら逆転しています。粘り強く守ってシュートが少しでも落ちるように頑張り、自分たちが落としたシュートはくらいついて押し込んでいく。

それは少しばかりスパーズが苦しい部分でもあって、エースキラーがいないのでポイントを押さえたくても手段が足りない。ホワイトはそういうタイプではないし。
リラードが優れているところは、ホワイトみたいにチェイスとヘルプポジションで勝負してくるディフェンダーに対して、時に味方の調子が良いと踏んだら、プレーを任せてコーナーで待っていたりすること。
抜き差しするリラードの嫌らしさに困らされてスパーズが2点ビハインドになって前半が終わります。

後半になると、そんなリラードが任せたプレーを見方が決められず、あっさりとスパーズが逆転します。こっちはホワイトとフォーブスが決めていくから、守るほうはつらい。
またブレイザーズはゴール下でのミスが目立ちます。それはパートルとオルドリッジを揃えたことで得られるメリット。最近はアウトサイドから得点するパターンが破壊力を増しているからこそ、むしろビッグマンで1試合にゴール下を2,3本でも止めたほうが得という判断もあるよね。

そんな中でドライブをパートルにブロックされると着地時に交錯したマカラムがロッカーに引き上げ、そのまま戻ってこないことになりました。
これでもう働かないわけにはいかなくなったリラード。ミドル、ドライブレイアップ、もう1本レイアップで簡単に取り返します。やべー。

止まらないリラードは自分にマークを寄せてキックアウトするのですが、全然決めてもらえないので、リードを得ることが出来ないブレイザーズ。
また先日はウエストブルックを止めていたリラードですが、能力系を守るのは良くても、駆け引き系のホワイトは嫌いらしく、しかもチームとしても判断に迷ってしまいホワイトにやられます。

リラード劇場になってきた3Q。サーカスショットも&ワンで決めるリラードに手を焼き続けるスパーズ。
ただし、ってのがあってセカンドユニット大問題があるブレイザーズなのでスパーズはリラードがいる時間には離されず、耐えておけばOKです。
ベリネリとゲイが3Pを決めたことで、十分に対抗できたスパーズ。スーパーなリラードを全く止められなかったけど、4点差に留めた3Qでした。

ゲイを中心としたオフェンスで、ミルズやベリネリ、バータンズの3Pを取り込んでいるスパーズのセカンドユニット。これなら逆転できそうなのですが、気を付けないといけないのがロドニー・フッドの爆発。見事に決められていきますが、フリースローを外してしまうフッド。
さらにベリネリのパスに触れたフッドでしたが、触れたことでフリーでボールを貰うことになったフォーブスの3Pが決まってスパーズが逆転し、リラードが帰ってきます。

帰ってくると即ミドルで逆転するリラード。とりかえすオルドリッジ。デローザンはまだベンチ。
ハークレスのポストアップ、ヌルキッチのゴール下とインサイドを押していくブレイザーズのオフェンスに、収縮していくスパーズのディフェンス。対してミルズとバータンズがアウトサイドで空いて3Pを沈めたスパーズのオフェンス。
ちょっとずつスパーズが上回るのですが、ちょっとの差はリラードが埋めてしまいます。

しかし、しつこくインサイドを固めるスパーズに耐え切れなくなったようなヌルキッチがミルズにプレゼントパス。そこからフォーブスが速攻&ワンで残り5分切ってスパーズが4点リードになります。
久しぶりの2ポゼッションリード。あと、気が付いたらデローザンも帰ってきていた。

マカラム不在をフッド、レイマン、ハークレスで補う作戦か、アミヌを戻さないブレイザーズ。それが頻繁にバータンズのフリーを生み出しています。いや、アミヌがいたからってフリーにならないとは限らないけどね。ローテーションとスクリーンへの対応が変。
フォーブスにも3Pが生まれ、アウトサイドから好き勝手なスパーズ。おかしいぞ、1Qと違うじゃないか。

困ったのでリラード。だったのですが、ドライブを叩き落したオルドリッジ。そしてホワイトがvsヌルキッチで勝負を決めるプルアップ3Pを沈め、4Qに3Pラッシュのスパーズが見事に勝利を掴んだのでした。デローザンはいたっけ?

34点だったリラードですがアシストが5つのみ。これがリラードが、ではなく周囲が決めてくれなかった要素が大きかったのでした。マカラムがいなくなったことで、それは大きく響いたよね。
スターターはリラードしか3P決めていないぞ!

スパーズのリーディングスコアラーは、あれ!デローザン21点だよ。全く目立った記憶がないエースが、いつの間にか得点したというよりも、全体がバランスよく決めただけです。目立つ必要性がなかったデローザン。
強引なところがないのが良いのか、ってのは勝ちゲームだと良い方向に見えて、負けゲームだと悪い方向にみえるものかな。

スパーズの勝因はシンプルでパートル&オルドリッジで8ブロックだったことです。効いたよね。インサイド封じ込め作戦。

実はファーストラウンドでの対戦も十分に考えられる両チーム。これまでフロントコートはブレイザーズが上だったのに、その構図を変えられてしまいました。
これってアンソニー・デイビスにやられた昨シーズンと似ている部分もあります。概ね勝てるのに、個人能力で逆転されるブレイザーズ。リラードは勝ったのにね。

思えばシューターを揃えたのは両チーム同じなわけで、より3Pを決めたほうが有利に立つようです。しかし、どうにもベンチメンバーの融合性が段違いにスパーズが良かった対戦カード。
このままベンチの不安を抱えたままプレーオフに突入してしまうブレイザーズなのか。

スパーズはゲイがベンチになってさらに安定感が出てきたわけですが、果たしてデローザンはプレーオフで結果を残せるのか。もうレブロンはいないぞ。
そのデローザンが目立たない展開に持ち込むのが、スパーズの狙いなのかどうか。


2019/03/17 スパーズvsブレイザーズ” への6件のフィードバック

  1. バックコートコンビを止められる選手がいないのでスパーズにとってブレイザーズは相性悪いと思ってましたが今日の試合を見る限りはそうでもないかもと思いました。ホームでは妙に強いスパーズだし、マカラムが途中で抜けたのでわかりませんが。

    オルドリッジが4番でプレイできるようになり、ベンチメンバーのみの時間帯をゲイが引っ張るようになったのが思ったより上手くいっていて嬉しい限りです。この布陣は今シーズン開幕前に予想された形で、それがなぜ今になって上手くいき始めたのかが不思議な所です。シーズン前半はホワイトが不在がちだったし、お互いのプレイも理解不足だったためでしょうか。何はともあれスターター同士の時間帯は引き分け、ベンチが混ざってる時間帯でリードするというスパーズらしい形になってきました。

    ホームではバックスやナゲッツにも勝利しているスパーズなのですがアウェイでは激弱です。その要因は何なのかずっと考えているんですが難しいですね。私の考える要因は、エース2人が割と笛に左右されるプレイをしがちということや相手がホームで勢いに乗った時に耐えるディフェンス力がないことなのですが、管理人さんはどう思われますか?

    1. 開幕時はこの形でしたが、パートルが思ったより信用されずに崩壊した印象です。それが今になって戻ったのが何故かは気になります。カニンガムは完全に出番を失ったのかな。ポンデクスターとか試されたのにね。

      アウェーで弱い、というかホームで強いケースだと有利なコールをされていることで勝っているチームが多いです。スパーズの場合はポポビッチがアウェーの方がいろいろ試したがるんじゃないですか。勘ですが。

  2. 今日の試合に限っては勝ち負けよりも、CJの膝の怪我が一番心配です。とりあえず大怪我ではなさそうですが、1週間後の再検査の結果待ちです。もし、彼が居なくなれば今年のPOもお終いですね。
    心配のセカンドユニットですが、兎に角守れません。ターナーは怪我さえ完治すればそこそこなのでしょうが、残りが酷いです。今更守備の改善は期待できないので、その分得点するしか方法はなさそうです。カリーも最近は3Pが入らないし、フッドも好不調の波が激しすぎる。レイマンは3Pが入らないと無理なペネトレートになるし、カンターは普通。怪我人やファールトラブルだと、コリンズが出てきてインサイドは競り負け、外もスピードで付いていけず、相手に狙われてボロボロにやられます。怪我を直して万全な体調で、レイマンを外して9人ローテで回せれば一番良いのですが、高さがなくなります。
    残り13試合ですが、Home7のAway6です。得意のイーストは6試合残っており5勝1敗位で行けそうです。苦手のウエストもDENの2試合以外は勝てそうなので、10勝3敗の52勝でHCAを取れることを期待します。DENの順位が決まってしまえば楽に達成出来ると思いますが、CJ不在でどこまで持ちこたえられるでしょう?

    1. リラードが何とかするから大丈夫でしょうね。

      プレーオフになったときに、どんなローテにするかは注目です。カンター、フッド、カリーの3人のみを加えたセカンドユニット構成にするか、むしろターナーをPG役にしてのリラード&マカラム重視で行くか。ターナー次第では後者を採用するのではないでしょうか。
      ただ、それを試すほどの時間もないので、フッドあたりが活躍するのを祈る試合も出てくる気がします。

  3. 最近のPFは中間管理職なみの器用さが必要ですね
    ベテランの立場になってきてプレイスタイル変更するオルドリッジは大変でしょうね

    たぶんガソルにあるのは
    これからNBAに入ってくるヨーロッパ系選手の
    風通しをよくしようと考えてると思います
    ジノビリの後継者のアルゼンチン選手とか現れないんでしょうかね

    1. 田臥の後継者となる日本人ですら登場しないので、ジノビリの後継者ってのはハードルが高いような。

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