ウインドウ6 日本vsカタール

ベンドラメがベンチ入り

管理人はベンドラメが好きでして。好きっていうか、思い入れがあるというか。
当時バスケなんて殆ど見ていなかったのですが、友人が高校バスケについて熱く語ってきたので観たのが延岡学園のベンドラメ世代による3冠でした。史上最強かもしれない高校。なお当時のウィンターカップだと渡邊雄太とか鵤とか田渡とかもね。

そこで興味を持って「このレベルの高校生が大学でどうなるんだろうか」ということで大学バスケを観るようになりました。当時の大学は青学全盛期にして、挑むのが東海大。
比江島vs田中という構図もまた熱いものがありました。で、ベンドラメが入学して東海大がインカレで勝利を手にしました。田中が4年生の時の東海大は強かった。
結局そうしてベンドラメの4年間の大学バスケをみていました。

ベンドラメ最大の特徴はディフェンス力。読みと反応力の高さでスティールから速攻を生み出すのは、ハードなディフェンスってだけでなく流れを変えてしまうプレーを生み出してくれます。加えてリバウンドが強いPGってのも日本じゃ珍しいでしょ。
別にベンドラメについて語りたいのではなく、イラン戦を思い出してみましょう。リードされたイランはディフェンスを強めたがりますが、追いかけすぎてのファールが増えていきました。プランBが足りなかったイラン。

日本のPGは富樫と篠山。どちらもハードに守ろうと頑張っていますが流れを変えるようなスティールを生み出すタイプじゃないし、リバウンドからボールプッシュも出来ないよね。
だからここにベンドラメがいることで、新しい要素が加わりそうなのが面白そうなのでした。ということでプレビュー終了です。

一応、書いたけどカタール戦がそんな内容になるとは思えません。追い込まれるほどカタールは強くないよ。
ただカタールはトランジション弱いチームで、イランは「自分たちからトランジションを仕掛けられない」チームでしたが、カタールは全く走れないので日本が走れば全くついてこないと思います。

もちろんベンドラメはベンチです。出番はないだろうね。
カタールのオフェンスはめちゃくちゃで個人で何とかすることを求められるけど、そのスペースを味方が潰しに来てしまいます。しかし、日本はシュート決めるとゾーンなので、むしろカタール的には自然とボールが回るので助かっています。

なんで日本はゾーンかといえば、ファジーカスってのがあるからね。だけどもちろん、それを上回るオフェンスでのメリットを生み出してくれるファジーカス。イラン戦と違って決まらないシュートの中で、1人だけタフショットを決めるしオフェンスリバウンドも奪います。
これでリズムをつかんだ日本は田中の速攻も決まります。解説が「早い展開をしていけば日本のペース」って言ってますが、イラン戦の時そんなこと言ってったっけ?

ただそれは正しい評価だと思います。とにかく走ればカタールはついてこれません。だから富樫にも期待したくなりますが、早々にベンチへ。ベンドラメを出せ。
篠山から比江島に速攻のパスが出ますが、明らかに抜けていた比江島に対してパスの判断が遅いので長すぎてトラベリング。田中がボールを奪っての速攻は竹内とのアルバルクコンビで繋がります。

まぁ予想通りですが、カタールはトランジションに激弱です。日本のハーフコートオフェンスはアウトサイドの思い切りが悪すぎて話にならないのですが、イラン戦の内容を考えると特定の選手(ファジーカス)以外は強気にやり過ぎないってのがルールっぽいです。暗黙の了解ってやつだ。
だからそんなに上手くいかなくっても、カタールペースに持ち込まれることはないし、速攻が出ればリードを得るし、あとはファジーカスで何となく得点しておけば良いし。

非常にロースコアの展開ですが、ほぼカタールは何もできていないので、ラマスの手のひらの上って感じです。でも、リードも得ていないからイラン戦のような積極的な交代策をとらず、竹内・田中・ファジーカスを引っ張った1Qでした。
そして最後にまたも竹内が3Pっていうラマスの作戦があたりすぎ。

◉ファジーカス不要

そんな竹内の3Pで楽になったので、強気に打っていくようになった2Q。辻と富樫が3Pで一気に行きます。これでカタールはタイムアウト。もう見る気が失せてきた管理人。

ところが思ったよりも日本の得点が伸びません。理由の一つはカタールのゾーン。解説は「ゾーンには3P」なわけですが、カタールの狙いはおそらくインサイドのディフェンスをわかりやすくしたこと。
どうしてもマンツーだと収縮するのに選手の配置がバラバラです。それを補うほどのローテーション力がないカタールなので、苦肉の策なわけだ。
しかし、日本はファジーカスを狙う気持ちが強いので、カタールにハマってしまいます。ゾーンには3Pなはずが、ファジーカス優先。

するとファジーカスを下げるラマス。で、3Pばかりになる日本。ラマスが上手いのか、選手がわかりやすいのか。
しかも、この3Pが決まりまくります。これはすごいね。よくこんなに決まるね。速攻のフローター外す比江島なのに3Pは決めるのかよ。ディアンジェロ・ラッセルか。

そんなわけでファジーカスがいなくなってラッシュした日本。ファジーカスに許されていた積極性と、いなくなったから全員が積極的になる。っていうのはラマスの采配が何かを考えてみたい個人的感情から生まれる思いです。

うーん、何だろうね。この状況は。
ただ、ファジーカスがいない意味がもうひとつあって、竹内のワンセンターにしました。要するに「カタールならビッグマン1人で十分じゃん」という判断です。
ファジーカスがいないというよりも、走れるメンバーばかりになって、ハーフコートでもコートを横断する選手が増え、田中は空いたインサイドにドライブします。外したけど。

ファジーカスが戻ってきても、ほぼストレッチ役になり、コーナーミドルを決めれば、ファジーカスがいないサイドで比江島がドライブを決めるのでした。
イラン戦の序盤もこの形でしたが、日本がラッシュする時はむしろファジーカスをインサイドに置かないことが多くなってきました。そして苦しいときはインサイドでターンシュートを打たせていました。

45-25で終わった前半。太田って出てこなかったよね?
出てきても張本なので、明らかにトランジション優先にしているラマスです。
ベンドラメをベンチ入りさせたのは、13人目ではないという温情かと思いましたが、やっぱり狙っているのだと思います。カタールは機動力についてこないだろうという読み。
まぁ前回の対戦を考えれば当然と言えば当然ですが。

◉もう竹内も不要

心なしかラマスの顔が「してやったり」に思えてくるハーフタイム。
何故か後半は張本がスターターですが、見事にトランジションからコーナーで待って3Pです。もう完全に狙ってやっています。比江島もコーナーから3P。これは狙っているかどうかはわからん。

ディフェンスは張本なのでペリメーターも守れるし。ってことでスティール速攻も生まれます。うん、ベンドラメ出そうぜ。
カタールはある意味偉いのは全くあきらめず、追い掛け回すのですが、ファールばかりになります。もう足が追いつかない。張本の3Pが決まりまくるなんて考え難いのですが、追いかけてファールしてくれます。

心なしかもう余裕しゃくしゃくな顔にみえるラマス

イランもそうでしたが国際試合でビハインドを背負ってしまうとメンタルが苦しくなるってことを強く感じさせてくれます。もともと大したことなかったカタールですが、それ以上に1つ1つのプレーに焦りが出てきているのでした。
焦りがあるってことは、それだけ何とか勝ちたいわけで、もう少し余裕を持たないと苦しいよね。

さて、もう日本のトランジションばかりになります。
「切り替えが早い」というよりは、もうカタールがついてこれないだけです。イラン戦の竹内の3Qとはちょっと違うよね。あの時はイランは追いかけてきたけど、走り出しで上回った竹内でした。
でも、今回は4人くらい走っているのでカタールが戻れないだけです。走っていないのはファジーカスね。

遂にはショットクロックなくなって放り投げた篠山の3Pが決まり30点離れたのでした。もういいや。ベンドラメ出せ。出せっていうか、出さなくてもいいか。

さぁまとめますか。カタールが弱いのは予想通りだったわけだし、まとめ考えておけばよかったなぁ。

◉日本は強くなったってこと

カタールが弱いから何とも言えませんが、ラマスは相手に応じた対策をしているのでしょうか。それを強く感じる内容でした。とはいえファジーカスは長く使っているし、竹内と並べたし、一概には言えないか。

イラン戦で書いた通り、ラマスの試合運びの上手さは光りました。それはイラン戦だけでなく、その前からずっと続く内容です。八村&渡邊の時だけは、それすら必要なかったけどさ。
大きな部分では、ファジーカスと比江島の使い方で、この2人だけは自由を与えているというか、積極的なシュートの権利があって、他の選手には自重させている雰囲気でした。例外は辻。

富樫がスピードのミスマッチになっても、攻める気配がなかったシーンがイラン戦にありました。パスを繋いでいるといえば聞こえが良いですが、そこまでシュート力のある日本じゃなかったよね。
ウインドウ6最大の謎は、あまりにもシュートが決まることです。なんだろうね。こればかりは日々の選手の努力としかいえないのですが、ラマスに出来ることといえば「迷わず打たせる」ってことだけです。

例えばセルティックスなら「誰もが積極的に打て」という共通ルールの中でみんなが決めているイメージですが、日本の場合は積極的なのは限られているのに、迷わず打つわけですから、チームの約束事の徹底が進化してきたってことなのかな。
ウインドウ6はちょっと馬場が目立たなかったのも逆に印象的でした。なんか、割と困ったら馬場が行く事って多かったよね。初めのオーストラリア戦とか。
それが必要なくなってきたってことなのかな。

総合的に思っているのは前回の提示した「日本は強くなった」ってことをいうときに「日本」っていう表記もまた難しさがあります。国名だからね。
「このチームは強くなった」ってのは、これらのチームとしての約束事と、それぞれの役割分担の明確さから強く感じます。あくまでもチームとしての強さだ。

だからラマスは長くチームにいる選手をとことん優先しています。竹内公輔ではなく、張本と太田の方が遥かに重要とされているし、ガード陣は富樫と篠山で不動でした。代役すらやめてしまったラマス。
その意味では主力を外したアジア大会ってのも重要だったのかもね。違う意味で目立ってしまった大会になっちゃったけど。

「4連敗したときはどうなるかと思った」と実況が言っていますが、むしろ4連敗している時からラマスの継続性は光っていましたよ。オーストラリアに勝ったのはマグレだけど。
ちなみに実況さんはやんわりと否定して強くなったのは「長くやってきた成果」って言っています。

しかし、ラマスにも困った部分はあって、40点も差があるのにファジーカスを出しています。この厳しい姿勢がチームを強くしたのでしょうが、次の選手を生み出すことにはつながらないってのもあります。
ちょっと今の日本は特別な状況にあって、八村の次にはテーブス海がいるしで、若手が育ちそうなので良いのですが、その状況がなかったら結構不安だったりします。

だから「日本が強くなった」というのは、この次の課題な気がしています。ラマスでやり切ることではないってことね。
U19で世界大会を勝ち抜いたメンバーからは八村以外は代表に上がってきていません。このギャップをどうするのか。八村の次にエースだった西田はどうしたんだ。

っていうようなことを延々と書く時間がある4Qでした。ベンドラメは出てきて3Pを決めたけど、観たいのはそういうのではなくディフェンスとかだしな。
ちなみに篠山はディフェンス頑張っているという事実はあったとしても、ファールコールされまくっているように、あのディフェンスはダメだよ。変に体を当てている。

だからW杯はベンドラメにしようぜ。
ていうかテーブス海にしようぜ。

というところでタイムアップでした。まさかテーブス海で締めることになるとは、書きだしたときには想像つかないところに辿り着きました。それくらい適当に書いているってことです。さようなら。

ウインドウ6 日本vsカタール” への4件のフィードバック

  1. 馬場はこれだけ3ptが決まると出番無しですね。プレー見ても安定感の無い田中でしかない気がしてきてます。

  2. オーストラリアと中国を除けばアジア地区は世界レベルではないでしょうから、この次の世代が世界レベルに進化してくれる様な気がします。今回はその布石かと。本戦では積極的な若手の起用を望みます。

  3. 点差が開いているにも関わらずファジーカスを出し続けるラマスHCは「ん?シボドーかな?」と思いましたね。
    でも今の日本の状況的にまず目先の勝利が絶対条件だと思うので、次の選手を生み出す&若手育成は次の段階の課題でしょうね。

  4. 西田はいずれ代表に絡んでくるとは思うんですけどねー…
    ピック使えるしディフェンスできるし
    ただ若い選手をあまり召集したがらないですよね
    ベンドラメとかせっかく呼んでるんだし、点差もあるんだから流石にもっと使ってみるべきでした

    篠山はディフェンス頑張りますけど上手くないですよね
    たびたび流れを切るファールを犯しますし、個人的には正直評価してません
    ベンドラメとか、呼べるのならテーブスに早く切り替えてほしいものです

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