2019/02/22 バックスvsセルティックス

後半戦のはじめはリーグトップのバックスから

後半戦っていうけど、もう30試合を切っているから、なんかここからは怒涛ですよね。スーパーボウルと日程を重ねるわけにいかないのだから、オールスターを早くするべきかもしれません。
バックスはどこかで下降というか、停滞すると思っていたのですが、延々と同じように戦っていてHCの凄みを感じずにはいられません。

HCといえばフリオ・ラマスですが、日本代表とNBAって何が違うんだ。っていうくらいの感覚で観ていきたいと思います。戦術的にはるか上を行き、「バスケはリバウンド」とはかけ離れたプレーをしているバックス。というかNBAか。
日本vsイランを観た後だと、コートの広さが際立ちます。コートが広いのか、選手が小さいのか。確実なのは3Pラインが遠いってことなわけで、明らかにスペーシングが違います。

しかし、意外とバックスのオフェンスは人とボールが止まることがあります。ロペスとブレッドソーがコーナーに突っ立って、「あとは3人にお任せします」みたいな形なので、一見すると個人の突破力が優れているだけなのですが、警戒しているはずのヤニスがフリーでダンクになってしまうなど、広いスペースを効率よく使っていきます。

セルティックスの方は、なんというか、カイリーが動かしているようで、その割には全体の足が止まるパターンです。いや、でもさ、バックスだって足が止まっているから、同じような条件のはず。
しかし、このスペースをヤニスが1人で埋めてしまいます。ここは日本とは大きく違うよね。ヘルプなんて1人で十分だし、かなり遠くからヘルプにやってきます。

ただし先にリードを得たのはセルティックス。カイリーが変態シュート力でミドルを決めると、スマートとモリスが3Pを決めてリードします。
それをロペスの3Pで追い上げ、イリャソバがプットバックにテイクチャージで攻守に貢献し、ヤニスのチェイスダウンブロックからカウンターを決め、2点差になって1Qが終わります。

◉偏見に満ちた管理人

偏見ってのは怖いもので、ファールコールしてもらえないカイリーがふてくされている間にカウンターをくらい、ディフェンスでファールを取られたときに「床が滑る」とクレームしているのをみると「リーダーとして・・・」って思いたくなってしまうのです。単なる偏見。
この話でいうと「ルー・ウイリアムスみたいに」ってのは、非常に納得のいく話だと思っています。チームオフェンスを組み立てるリーダーではなく、純粋にスコアラーとして利用したいタイプ。
ところが前半のカイリーはFG1/10に1アシストと、純粋に全く機能しませんでした。警戒されているところを突破できなかったし、バックスはヘルプは速いけど2人で囲むようなことは少なく、パスを出すこともできませんでした。そして、やっぱり足が止まる周囲の面々。

カイリーがいないとジェイレン・ブラウンのフライングダンクに、ホーフォードの3Pも決まります。とはいえ爆発するわけでもなく、バックスに逆転されてしまいます。
バックスも絶好調ってこともなく、ただセルティックスよりも速攻を繰り出せたってくらいの前半は6点リードで折り返します。

両チームに共通しているのは、トランジションディフェンスの意識で、特にバックスはそれで勝ち残ってきたわけです。ものすごく基本的なことですが、それを戦術的にこなしているわけだ。スペーシングして3Pを打ち、打った瞬間にリバウンドに参加する判断をしないならハリーバック。
とにかく淡々とやり続けることを徹底しているのは、点差関係なく自分たちのプレーを突き詰める強さだったりします。イランにはなかったね。日本が強くなったのもそんなことなのか。

セルティックスは自分たちのプレーがあり、そこにカイリーの個人技を組み合わせたいのか、それともカイリーの個人技を自分たちのプレーとして構成したいのか。
あまりに決まらなかった前半は、それでも6点ビハインドにとどめたとも言えます。勝負強さこそブラッド・スティーブンスであり、チームを引っ張るエースの役割。
苦しかった前半から、どんな修正をしてくるのか。

◉決まらない3Q

ヤニスへの裏パスを読んだスマートが止めるも、強引にねじ込んだヤニス。スマートからホーフォードへの完璧なパスが通るも驚異的な反応でブロックに飛んだヤニスがファールコールされてしまう後半のスタート。
カイリーはトランジションからスピードで振り切りますがレイアップを落とします。そしてお互いに全くシュートが決まらなくなります。

ディフェンスが相手のやりたいことを、しっかりと読み切って展開を許さず、それでいてフリーになった選手が全く決められない。お互いにだよ。延々と落ち続けるシュートに笑ってしまう解説。
ドライブすれば手をひっかけられるし、パスアウトしてもローテーションで追いついてしまうディフェンス。そんな中でバックスは次第に動きのないオフェンスになっていくのですが、ボールは回し、人は動かないっていう。

ならば打開するのはヤニス。よくわからないユーロステップを決めれば、ゴール下で2人を吹っ飛ばしてダンク。
それに対してカイリーもロングシュートで対抗しますが、ヤニスがドライブからキックアウトでバックスに来て初めての3Pを決めたミロティッチでタイムアウトのセルティックス。

コーナーにカイリーを置いて、他の4人でプレー構築するとモリスの3Pが決まるのですが、すぐにミロティッチが3Pを返し、それにカイリーが3Pで答えます。
全く決まらなかった3Q中盤までから、後半になって両チームが決まるってなんだろうね。仲良しだね。

12分フルにプレーしたカイリーが10点を奪い反撃するも、スネルの3Pで4点リードを保ったバックス。ヤニスさんはベンチでしっかり休んだので、そのメリットを使って勝てるのかどうか。
ラマスはベンチメンバーを長く使っている間に追いつかれても、しっかりとメリットを活かせたのかどうか。

◉舞台は整った

テイタムのドライブキックアウトでブラウン3P。しかし、ブログトンがパスフェイクからドライブを決めれば、トランジションから3Pで8点リードにします。カイリーがいない間にっていう。
ドライブするときに靴が脱げたブログトン。すぐにザイオンの映像が流れます。

溜まらずカイリーを戻すセルティックス。いや早すぎないか。満を持してヤニスを戻したバックスは、ドライブからダンクに3Pで9点リードにします。
どうにもオフェンスが構築できないセルティックス。抜けないし、パスもつながらない。せっかくの速攻もヤニスにチェイスダウンブロックを食らいます。
なので、カイリーの単独3Pくらいで何とか得点します。

ただし、守れているセルティックス。ヤニスのアタック以外は。だからわかりやすくエース同士の戦いみたいになっています。
カイリーのパスからホーフォードがミドルを決めると、トランジションから3Pのカイリー。残り2分半で逆転したセルティックス。まぁあれだな。機能したというよりは、お互いに守り切っている中で得点がつながったって感じ。

ヤニスを使ってブログトンとブレッドソーが得点したバックスに対して、ペイントの外からダブルクラッチという変態シュートテクで決めるカイリー。
ヤニスのフリースローで3点リードにしたバックスですが、カイリーのパスからホーフォードの3Pで同点の残り50秒。バックスはヤニスのアタックからパスを回して回して、最後はミドルトンが3P。

残り33秒のセルティックス。理想はすぐに3Pだな。ボールを貰ったカイリーはドライブを選択し、残り27秒1点リードのバックスボール。ファールの選択はしないセルティックス。
時間を使い切りたいバックスでしたが、ヤニスが1on1を仕掛けようとした瞬間にボールを掴んだスマートでジャンプボールに。残りは3.7秒でショットクロックは0.2秒。あれっどっちに優位なの。

敢えて飛ばなかったスマート。ヤニスのタップにタップしたロペス。ボールはリングに当たりますが、レフリーコールはショットクロックオーバー。ヤニスがタップした瞬間にショットクロックも動くはずってコールでした。
って、ジャンプボールする意味がなかったんじゃないの?

これで残り3.5秒セルティックスボール。1点差なのでどんなシュートでもOKさ。でも、ここで誰を選ぶかわからないのがブラッド・スティーブンス。自分を選ばなくって怒ったのがカイリー・アーヴィング。そういえばヘイワードいないじゃん。

ボールを受けたのはカイリー。ドライブからめちゃくちゃなフローターを打って決まらず試合は終わったのでした。ブレッドソーがかなり当たっていたけどさ。
舞台は整ったけど、決めきれなかったのでした。「そんなこともあるさ」ってだけなのですが、相手がバックスでプレーオフを考えると、「それを決めてこそ」ってのもありますね。

結局、41分もプレーしたカイリー。プレータイムシェアしていたはずのセルティックスが選んだのはチームリーダーを信じるって事なのか。
オールスター明け初戦、リーグ最高勝率のバックス相手にみせた戦い方は、内容以上にその選択がもたらす意味を悩んでしまうのでした。

粘り強く勝利したバックス。シーズン当初は3P爆発でこそ勝てるチームだったのにね。気が付いたら、粘り強い勝ち方だってさ。要所で働くロペスとイリャソバ。そしてブログトンってのが印象的でしたが、それもこれもヤニスがいるからか。
ミロティッチがペリカンズ時代よりも、物凄く仕事量が少ないのですが、それに耐えられるのかってのがケガも癒えたころに疑問もありますが、別にDJウィルソンでいいじゃないか。

順当にいけばプレーオフのセカンドラウンドで当たりそうなわけですが、両チームともにペイサーズの恐怖ってのもあります。シクサーズが落ちてくるなら、それもあるのか。
そろそろそんなことも考え始める時期になりまして、イーストはとにもかくにもストップ・ヤニスです。ならば相性の良いチームと当たりたいでしょうが、昨シーズンのプレーオフもオジェレイくらいしか有効な手段がなかったセルティックスはバックスがやりたい相手かもね。


2019/02/22 バックスvsセルティックス” への8件のフィードバック

  1. 新加入ののミロティッチに注目してみると
    ブレッドソーやミドルトンなどスターターのシュートタッチが悉く不振な時に
    ベンチからシュート力のある選手が出てくるのは効果的なのかなと思いました。

    割を食ったのはDJウィルソンですけど
    彼にはミロティッチにはない良い部分もあるので
    ブーデンホルザーがうまい共存法を見つけてくれるでしょう。

    1. そんなところだと思います。手厚く、手厚くした補強。それにしては随分とサービスしたトレードでしたが。

      ミロティッチが働くことを求められた時点で、エマージェンシーなので、悪くない選択なのでしょう。

  2. 偏見に満ちていたので、ラストプレーはファウルだろと思ってました笑
    この試合はカイリー以上にブラウン、ホーフォードが攻守ともによくつないだ試合だったと感じました。それ故に、カイリー中心なら最後はモリスじゃなくてブラウンの方が良いのかなと。。
    クラッチタイムのラインナップはこれでいいのかなと思ってしまいました。

    1. 最後を左手じゃなくて右手ならファールコールされた気がします。ちょっと自分から流れ過ぎてしまった。コンタクトは間違いなくあったかと。

      オフェンスはカイリーにお任せなので、ならばディフェンス面と、そこから速攻になる可能性を考えるとブラウンだと思いますけどね・・・。

  3. クラッチタイムも強いヤニスと、クラッチタイムだけ強いカイリーの差が出た
    エースとスコアラーの差というか
    試合を支えた者と、最後だけ帳尻を合わせただけの者

    クラッチタイムにスタッツを稼げるカイリーは必要なのかもしれないけど
    クラッチタイムまでのラインナップにカイリーは必要ないというか
    (実際クラッチタイム作ったのはカイリー以外のメンツですし)
    (レブロンやヤニスのような孤軍奮闘でも試合を作る力はないと思うし)
    やっぱりBOSにとって一番いいのは便利な点取り屋でいてくれることかと

    BOSで平均29点(FG46%、3P38%)、6AしていたITとカイリーの差は
    それほどないと思います

    1. みんながアイザイア・トーマスのために働いていたのと、それぞれを活かそうとしている今と、かなりチームとしても違いますね。
      カイリーに自由を与えたいなら、メンバーが間違っているのかも。

  4. 前回のルーウィリアムスの話が出て嬉しかったです笑
    やはり彼にリーダー的なことを求めるのは違うのでしょうね。
    リーダーとエースを兼任させるには荷が重いかと。ホーフォードやヘイワードがチームリーダーで良いかと。カイリーはリーダーとか考えず自由にスコアリングすることで真価を発揮する気がしますね。

    1. コーナーにカイリーで、最後にボール回してスペース与えるのが効果的な気もするのですが。ロジアーはそんな役回り多いですし。
      でもブラッド・スティーブンスの意思は違うようです。

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