2019/02/14 ナゲッツvsキングス

ウエストを盛り上げた両チームの対戦

前半戦のウエストの主役はウォーリアーズと共に抜け出したナゲッツと、まさかの大躍進でプレーオフ争いを混とんとさせているキングス。
そしてバーンズを補強し、本気でプレーオフに向かうキングスとウエスト1位の座を最後まで争って欲しいナゲッツはアイザイア・トーマスが登場します。まじで不安しかない。

試合はお互いの良さが存分に発揮されます。
ヨキッチを中心にしてオフボールカットの連続で鮮やかなプレーをするナゲッツと、フォックス&ヒールドを中心にして鮮やかにインサイドへ合わせるキングス。そしてとにかくシュートが決まる。
バックコートからボールを運んできてミドルレンジで一回転してシュートが決まるヒールドって何なんだ。後ろに下がりながらのフローターが決まるマレーって何なんだ。

見とれてしまう両チームのオフェンスですが、ナゲッツが良くなったのはディフェンスの向上なわけで、止められていない状況はキングスに有利に働き、フォックスがパスを出しそうな感じで気が付いたらスピードで振り切ってのダンクで二桁リードを奪います。
登場してきたアイザイア・トーマスはモンテ・モリスと同時起用なので、SG扱いです。周囲にいるのはミルサップ、クレイグ、プラムリーなのでオフェンスに振り切る気持ちがゼロなナゲッツ。シュートが落ちてもミルサップとプラムリーが拾っていき、ハードワークで上回ります。

そんなわけでオフェンス快調だったキングスと、オフェンスじゃなくてハードワーク中心にしたら巻き返したナゲッツ。アイザイア・トーマスからプラムリーへのアリウープが決まったものの、バグリーのレイアップで1Qとしては今シーズン最多の41点を奪ったキングスがリードします。

◉好調な理由

2Qになるとお互いにシュートへのファールが目立ち始めます。特に何とかキングスの勢いを止めたいナゲッツの事情が生み出した悪い状況です。これで17点まで点差が広がります。
ヨキッチを戻したナゲッツはリズムは生み出すもののシュートが決まりません。それもまたナゲッツ。さらにアイザイア・トーマスをベンチに下げると、攻守に安定感が増してきます。

シュートが決まるわけではなく、スローダウンして組み立てなおせるから攻守に安定しただけで、しばらくは最大17点差までで推移します。「反撃した」のではなく「流れを止めた」くらいの状況。
そしてマレーの3Pが決まったあたりから反撃状態に。逆にキングスはちょっとファレル&ボグダノビッチを引き延ばしすぎ、強気に打ったシュートが決まらなくなります。10点差。

こんな時に働くエースがいるからプレーオフ争いに残っているキングスですが、フォックスのパスをスティール速攻したミルサップ。ヨキッチはコーリーステインのプレーを完璧に読んでおり、ラッシュした感じではないナゲッツでしたが、徐々に、確実に追い上げて前半がクローズしそうです。
ヨキッチ体制になって2年間はプレーオフまであと一歩届かず。それでも若手たちを信じて試合運びを学んできたナゲッツ。3シーズン目になり、ガマン強く、そして堅実に爆発力ではない部分で強みが発揮できるようになっているのでした。

珍しくフォックスもヒールドも決まらなかったキングスでしたが、それをバーンズが押し込んだよ。3人目のエースの獲得で救われたキングス。簡単には引き下がらない。
そして何故か異常にブチ切れたマイク・マローンは退場します。なんでそこまで切れたんだかわからないけど、オールスターのHCです。
前半はキングスが11点リードで終わります。ナゲッツが逆転しそうだったけど救ったバーンズに、最後に3Pを決めたバグリーでした。コーリーステインはヨキッチに読まれまくっているけど、バグリーだと読んでも止めきれなかったりするね。

◉元エース達

後半開始早々にカウンターを食らってしまうキングス。ミルサップのディフェンスとワンパス速攻にしてしまうヨキッチと。
ナゲッツが追いつきそうなところをまたもバーンズがドライブで勢いを止めると、フォックスの速攻も続いて二桁リードを守ります。

ところがそのバーンズからマレーがスティールしビーズリーの速攻に繋げると、そのビーズリーが連続得点で3Pを決め今度はラッシュが成功します。耐えて反撃していた前半と違い、シュートが決まって一気にラッシュした形。

ところでナゲッツは面白いマッチアップにしていて、ビエリッツァをバートンが守り、バーンズにミルサップにしています。まぁスイッチしまくるから、そこまで意味はないのだけど。
本当はビエリッツァのインサイドを使うべきだったかもしれませんが、細かくポジションを変えるミルサップとヨキッチがいるのでパスが出しにくいっぽい。
ビーズリーはフォックスを止めると、コーストtoコーストで&ワンを決めナゲッツが追いつくのでした。

コーリーステインとの交代でキングスはバグリーではなくジャイルズを先に出します。これはなかなか論理的で、ヨキッチに苦労しているからスピードで振り回しに行きます。
作戦成功で再び点差を広げていったのですが、本日はどうしようもないヒールドが3Pを外しまくり、フォックスもターンオーバーです。

勢いで飛ばすだけでなく、エースが重要な局面で得点するから今のキングスがあると思っていますが、その段階を超え「エースがダメでも耐えている」ともいえるキングス。
なんとかかんとかギリギリでリードを保っていきますが、打ち破ったのはアイザイア・トーマスの2本の3P。盛り上がるさ会場。ナゲッツのホームといえば相手チームを応援する会場だったのに、人気者は違うぜ。

そんなアイザイアのドライブで2点リードしたナゲッツでした。かつてのセルティックスのエースが、こないだまでのマブスのエースに対抗した3Qでした。

◉スモール慣れ

そんなアイザイア相手にポストアップしディフェンスが寄ってきたのでバーンズへのキックアウト3Pを成功させたボグダノビッチでキングスが再逆転します。
しかし、わきを固めるナゲッツのハードワーカーたちに対抗できなくなります。しつこくボールに絡む上に、ヨキッチばりとはいわないまでもボールを運んでプレーメイクすればワンパス速攻にするミルサップ。リバウンドにノールックパスのプラムリー。

同点にしてアイザイアが交代すると、ヨキッチとプラムリーでリードを奪ったナゲッツ。やっぱりミルサップよりも一枚上手なヨキッチは首振りのパスフェイクからフローターだぜ。
ここでキングスは何故かクーファスが登場します。最近の話だとバグリー&ジャイルズとボグダノビッチは相性悪いよね。自分で打ちたいボグダノビッチ。で、クーファスだと3Pを決めます。ウケる。
さらに全く働いていなかったヒールドもゆーっくり狙って3Pを決め逆転します。そう簡単に譲っていたら、ウエストでは戦えない。

速攻を決めたビーズリーがボグダノビッチを睨みつけ、バートンがなだめに行っても怒りが収まらず退場します。そしてボグダノビッチは珍しくドライブからダンクに行きますがミスになり、リバウンドからヨキッチがワンパス速攻をモリスに通します。トリプルダブル。

キングスはさらにクーファスを残して3ガード+バーンズのスモールラインナップに。なんでクーファスなのかはさっぱりわかりませんが、プラムリーとヨキッチがいるのでスモールの選択は理解できる。
でももうそんなのには慣れっこのナゲッツ。上手いことチームで守り切れるんだ。そして守り切ると逆に速攻にしてしまい、残り4分で4点リードします。
機動力勝負に出たはずのキングス。機動力で押し切ったビッグラインナップのナゲッツ。

タイムアウトのキングスはやっとフォックスがレイアップを決めます。フォックスはさらにドライブからフローターを決めますが、どうにも続いてくれないヒールド。
ナゲッツのオフェンスはあまり上手くいきませんが、そんな時はミルサップが救ってくれ、リードを保ったまま残り時間が減っていきます。残り1分6点リードに。

ボグダノビッチから交代で出てきたコーリーステインにパスが渡りファールで止めるモリス。動きは悪くなかったけどクーファスだった意味は全く分からなかったな。ヨキッチとの相性が良いと考えたのだろうけど、じゃあ前半から出せよと。
そのヨキッチからボールを奪ったコーリーステインでボグダノビッチの速攻が決まり、残り40秒2点差に。

さらにヨキッチのアタックを止めたコーリーステイン。ボールをもったヒールドはコーストtoコーストでレイアップを決め同点にします。やっとのことで働いたぜエース。これを外していたらブーイングだったな。

残り15秒のナゲッツ。同点なので時間を使いたいのですが、キングスのチームファールが残っているので、使いすぎてもダメです。
コントロールはモリス。残り6秒からヨキッチとのピック&ロールに行くと、フローターを外したヨキッチですが、リバウンドを押し込みます。残り時間は0.8秒。見事に時間を使い切ったオフェンスでした。
ていうかフォックスはモリスにファールすべきだったけど。

〇バディ・ヒールド
25点 FG9/25

記憶にないのだけど25点もとっていたっけ?良くなかったヒールドでしたが、チームとしてはカバーしました。15点10アシストのフォックスも含めて、もうこの程度の活躍では許せなくなっている管理人です。

逆にバーンズはシュートは決まらなかったけど、41分プレーして常にディフェンスに力をさき、11リバウンドでチームを助けもしています。シャンパートのところに収まったのではなく、ビエリッツァの役割もこなせるのでありがたいし、フィジカルにアタックできるので、チームになじめばキングスはさらに強くなれそう。
ただ、やっぱり3ガードはよくない。ボグダノビッチがいる意味はほとんど感じませんでした。イェーガーのこだわりを久しぶりに感じたのでした。

ビーズリーの退場はよくわかんなかったですが、アウトサイドに得点を取らせるオフェンスパターンを構築しながら、キーになるのはヨキッチ、ミルサップ、プラムリーなナゲッツ。
役割分担というかプレーの負荷をシェア出来ているのは強みです。そして最後に決めたヨキッチね。エースの良さでは評価できなくなっている現代NBAですが、やっぱり最後に働いてくれる選手がいるって大切。

キングスもそんなエースが成長していって今があるけど、3年前から取り組んでいたナゲッツは一枚上手だったという試合でした。


2019/02/14 ナゲッツvsキングス” への10件のフィードバック

  1. 相変わらず噛み合わないボギーととれないディフェンスリバウンド。そして今回はとことん何も出来なかったWCS。走れることだけしか強みにしかなってませんね。それもほぼなかったですが。リバウンド意識もピエリツァやハリバンの方が上ですし高さのアドバンテージも感じません。もはや私のなかではセンターとしてもバグリー、ジャイルズに次ぐ3番手であります。特にハーフコートでWCSがハイポストで受けて4人がエンド側に下がってからスクリーンで出てきてシュートにいくセットの時にパスの選択しかないのでスペースが消されて受けた側もタフショットになりやすいですね。これがジャイルズ、バグリーなら打つ選択肢もあるのでよりスムーズだと思います。特にジャイルズはやたらとローポストで受けさそうとしてますが、実際無理矢理なパスでもジャンプ力とフィニッシュ力で何とかしてますがアシストさせるハイポストの形にもっと参加させるべきだと思います。POに向けてバグリーをスタメンでジャイルズを2番手にしてほしいですね。WCSだと格上のどこにたいしてもアドバンテージが無いシーンが殆どだと思います。せめてディフェンスとリバウンドでタフさを見せてくれるなら兎も角もそれもないなら厳しいと思いましたがどうでしょうか?クーファスは本当に意図は不明でしたね。謎にバグリーのプレータイムを制限するの辞めて欲しいです年寄りじゃないんだから。ヒールドは異常なくらい高次元で安定しているので3本くらい連続で外せばずっと全然駄目に感じてしまいますよね。それこそ成長の証だと思います。フォックスもパス第一にやってるなか良くやってると思います。もう少し3pを狙っても良いとは思いますが。むしろ二人がこのアンセルフィッシュなバランスだからこそもう一人オールスタークラスがいたら有機的に作用しそうなんですが果たしてハリバンにその役割が勤まるのか否か。まぁまだぎりぎりヒールドがレジーミラーの様な大エースになる可能性もあると思いますが。ハリバンは今キングスが得られる最善の駒ではあったと思うのでそこは不満はないですがセンターがいかんともドアマット感を脱していない。WCSとクーファスを処分して新たなリバウンドとディフェンス型のセンターを所望する私です。あとこの試合は特にスタメンとセカンドユニットの落差を感じましたね。と言うかフォックス、ヒールドの有り無しか。特に酷い形はボギー、ヨギ、WCS、ハリバンと後誰かだった時ですね。3Qでこの形の時ありましたが何も生まれない感の凄さときたら。つかボギーにハンドラーさせるのマジで辞めさせて欲しいです…彼が端でもたついて何も出来なかったオフェンスの後でしたか今度はヨギが素早く運んでジャイルズ、バグリーとの3人で攻めたときはとても速くてダイナミックでした。ボギーと組ますことはフロントコートだけでなく本来気持ち良く打っていくヨギのリズムも殺してしまってます。仰るようにナゲッツにはボールをどこで持ってもスペースを作る活かせる魔法のヨキッチが居るのがキングスとの差なんですがそんなの他のチームにも殆ど居ないわけでPOに向けてなんとかせにゃならんと感じました。

  2. 最近出てきたポルジンスキやWCSの不成立トレードの噂を聞くとディバッツちゃんと考えてたんだなと見直しました。
    ポルジンスキは確かに魅力ですがフォックスやバグリーを差し出すほどでもないですもんね。
    逆にWCSやボギーには良いトレード相手が見つからなかったみたいなんで、プレーオフまでなんとか辿り着いて評価を上げてほしいところです。
    ハリバンはエースの役割じゃなくてもいいのかな?もともと守備の人ですか?
    ちゃんと見たことない選手だったんですが思ってた以上に万能で特に守備で頑張るのでハマればSASとLACと本気でプレーオフ争えそうですね。

    1. ディバッツは考えているのか、贅沢なのか。
      とりあえずバーンズだけに絞れたことは評価できますね。問題はヒールドの残留。

      バーンズは守備の人ってわけじゃないですが、ルーキー契約時代がGSWだったのでディフェンス中心に走ることを求められ、しかもエースから遠かったのがバランスのとれた成長を促してくれた感じです。
      上手くハマるとGSW感が増してきますね。

  3. 最近マジックがやたら強いのですが良かったらレビューお願いします。

  4. マローンHCは、週末に向けて早引きする必要があったのかもしれませんね。ヨキッチはちゃんと仕事を終わらせてからの週末です。
    年明けからナゲッツはDFが悪化しているそうです。クレイグやエルナンゴメスのPT減少が関係しているのでしょうか。
    モリス、ビーズリーの台頭、バートン、ITの復帰でバックコートはダブついてる印象。マレーも今日はおとなしかった。嬉しい悲鳴なんですけどね。
    あまり言われませんが、ヨキッチはDFもかなり良いです。スティールはチーム1位で、当たりにも強くリバウンドもとります。スピード的には現代センターではないですが、旧来センター相手なら有能なディフェンダーです。

    1. バートンはねぇ。非常に印象的な活躍をしてくれますが、マレーと並んじゃうと苦しくて。

      ヨキッチは良いディフェンスしますし、やっぱりフィジカルの強さがあるのでポジション取りでアドバンテージをもたらしてくれます。とはいえ、チームとしては走れない部分をフォローしないといけなのでユニットの組み合わせは悩みますね。エルナンゴメスがはまっていた理由って、フォローできるからだと思いますし。

  5. ここにハリスが戻ると、本当にバックコートがたぶつきますね。

    仕方ない、バートンさんにPT少なくしてもらいましょう!

  6. ナゲッツは今年はかなりの確率で、プレーオフに出ると思うんでそこでどれだけやれるかで、残す選手を決めればいいと思いますね。プレーオフで活躍してこそ本物だと思うんで。ほとんどの選手がプレーオフ未経験なんで、そこが怖さであり、楽しみでもあります。個人的にはマレーとモリスどっちがプレーオフで活躍するか注目しています。ファンとしては両方…いや全員に活躍してほしいですけど。最悪全員だめってことも……。その時は実績のあるアイザイア様にお願いします。

    1. まぁこのチームはプレーオフでも同じプレーをすると思いますよ。
      ただ爆発力系の選手が多いので、そんなに爆発しないことで批判される可能性もあります。
      ハリスとビーズリーがどれだけ働くかでトレード含めて考えるのかも。

      なんせオーナーがタックス出してくれそうにないので。

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