2019/01/09 サンダーvsウルブズ

ウィギンズの中の人って入れ替わった?

レイカーズに大勝したことでHCをクビにしたウルブズ。新たにフィリップ・サンダースの息子がHCになりました。若い。サンダースじゃなくてソーンダースなのか。
しかし、HCが交代したからといってプレーが簡単に変わるなら苦労しないし。ウルブズのオフェンスはやっぱりイマイチなんだよね。全然良くない。面白みもない。

しかし、前半はタウンズがファールトラブルで8分しかプレーしなかったにもかかわらず64点も奪います。なんせアンドリュー・ウィギンズとかいう選手が高確率の3Pに見事なドライブフィニッシュを繰り返しました。
僕らが知っているウィギンズはこんな選手ではなかったよ。気持ちよくアウトサイドから決めて、強気にドライブしていく。チームを引っ張るその姿勢はオレ様な雰囲気が出ているよ。

別人みたいなのだけど、これがHC交代効果なのか!?
ちょこちょこ活躍する試合はあったから、シボドー時代から変化してきていただろうけどね。これが続くならHC交代が大正解なわけだ。そこまで期待しちゃだめよ。
前半だけで24点のウィギンズ様。オフェンスだけならポール・ジョージより上だぜ。中の人が入れ替わったとしか思えないぞ。

◉シュートが決まるサンダー

そんなウルブズと比べるとはるかに良いオフェンスをしているサンダー。しかし、このチームは良いオフェンスをしたところで3Pが決まらないから意味がない。
そのはずが、決まるわ決まるわファーガソン。前半は3/3で、ポール・ジョージの3/5と合わせてこちらもハイスコアゲームに対抗していきます。みんなが決めてくれるから前半だけで9アシストのウエストブルック。

サンダーのオフェンスが良いってのは、主にアダムスのポストアップの強力さが重要です。強いし上手いし粘るし。いまリーグ全体でここまでインサイドのポストアップが強い選手ってだれだろうと悩んでしまうレベル。
しかもアダムスの場合は武骨にインサイドでファイトし続けてくれます。ポストアップの得点力やパターンの豊富さではアダムス以上の選手はいるでしょうが、彼らの殆どはこんなに武骨に戦ってくれないよね。ヨキッチくらいじゃないか。
前半だけでFG4/5、11点、10リバウンドのアダムス。インサイドの強さと、3Pが高確率なのということなしのサンダーオフェンスでした。

でも前半は同点です。それだけ良かったはずのサンダーなのに、ウィギンズの大活躍だけでなく、ウエストブルックのミス連発で得点も減らせば、速攻も食らいました。
ターンオーバーは4つだけですが、周囲がルーズボールへの反応の速さで助けてくれているだけで、体感は10個くらいミスしていた。もちろん3Pは3本打って全て外した。

チームとしてはサンダーの方が1枚も2枚も上。違ったのはエースのプレーぶり。それも大エースのタウンズはアダムスによりベンチに追い出されていたのにだぜ。本日のオールスターにはウィギンズを選ばなきゃウソだ。

後半になってもハイスコアは継続します。3Q終了時点で96-93でした。しかもまたタウンズはファールトラブルです。ちなみにアダムスもファールトラブル。
アダムスと交代でノエルが出てくるので強そうだったサンダーですが、ウィギンズのダンクに対してブロックに飛ぶと、思いっきり肘を食らって、床にたたきつけられて脳震盪のようになって担架に固定されて退場します。一気にビッグマン不足のサンダー。

ところが今度はウルブズにもアクシデント。ウエストブルックが豪快に決めてファンを煽っている間に、シュルーダーと揉めたティーグが退場します。リプレーみても、そこまでキレるシーンには見えないから、ティーグは気が短すぎる。

ビッグマンがいなくなったこともあり、インサイドを攻略するのはPGになる変なチームのサンダー。そのウエストブルックに対して無力なウルブズ。次々に切り裂かれレイアップを決められれば、思いっきり引き付けられてキックアウト3Pを決められます。3Qだけで4アシストの理由はそんなところだ。

ところがだ。そんなサンダーに対して、またもウィギンズ。特に後半になると意図的なアイソレーションや、パスを4回繋いでウィギンズにドライブさせるプレーコールを混ぜていきます。
さらにベンチメンバーが次々に3Pを決めていき、ティーグもコビントンもローズもいないとは思えないオフェンスに。リードするのはウルブズなのでした。

◉理不尽なエース

4Qになるとさすがにタウンズとアダムスが戻ってきます。休みまくっていたタウンズはさすがにここでは負けていられないよね。負けていられないはずなんだけどな。勝ってもいないね。
今度はお互いにオフェンスが成功しなくなっていきます。シュートの決まらないウルブズとミスの多いサンダー。

リードを奪ったのはウルブズでしたが、ホームの声援を受けるサンダーがルーズボールからの速攻をウエストブルックとアダムスのコンビでフィニッシュし、タウンズに3Pを返されてもすぐにポール・ジョージが3Pでアンサーしてチームとして、個人としての強さの違いをみせていきます。
そして全然3Pが決まらないウエストブルックが、残り4分でタウンズvsシュルーダーなんて差があるジャンプボールを運動能力で奪い取り、この試合初めて決めた3Pで逆転します。理不尽野郎め。

しかし、もっと注目すべきはウルブズのオフェンスが殆どウィギンズ&タウンズで構成していく事。いやー、信じられないけど、2シーズン前なら誰もが思い描いていた形なわけだ。1年遅いんだよ。多くのものを失った代わりにプレーオフに出場した昨シーズン。その経験が生きているとは言い難いけどね。
そしてよくわかんないけど、ファールをもらっていけます。ポール・ジョージのディフェンスにかなり悩まされるのだけど、何度もやり直していくウィギンズ&タウンズ。

ちなみにウルブズのちょっとした工夫はギブソンじゃなくてサリッチなことです。ドライブのウィギンズとセンターのタウンズに決めさせるならストレッチするサリッチだよね。論理的。
でも決まらなかったはずのミドルだって、勝負所なら決める理不尽さんで残り1分サンダーが1点リード。

ウルブズは当然のようにウィギンズのアイソレーション。ドライブは外れるけど、ウィギンズとタウンズがリバウンドをもぎとってサリッチに3Pを打たせ、それも外れるけどウィギンズがリバウンドをとってファールをもぎ取って逆転します。
ウエストブルックはドライブから当然のようにドフリーにしたポール・ジョージにパスを出しますが決められず。逆にウルブズはウィギンズ&タウンズから、コーナーにキックアウトしオコギーが3Pで4点リードに。

サンダーもポール・ジョージの外したシュートをウエストブルックがリバウンドをもぎ取ってフリースローを得て2点差。
そこからフルコートディフェンスでタイアスにトラベリングをさせます。あとは決めるだけでしたが、ウエストブルックにしては珍しく3Pを連続で外してタイムアップとなりました。
3Pを決めたオコギーと外したポール・ジョージという勝負どころの意外な結果で逃げ切ったウルブズでした。

◉論理的なHC

HCが交代したからって、簡単に変化できるならスパーズがシーズン序盤に苦労するはずがありません。チームを作っていくには時間がかかる。

しかし、ウィギンズとタウンズを信じていたウルブズファンからすると夢みたいな試合でした。若いHCがやったのは、若いエースコンビを信じること。こんなに徹底してウィギンズ&タウンズにやらせるなんてシボドーへの反抗・・・ではなく、本来ウルブズがたどるべき道でした。
とはいえ、ウィギンズはパスがまだまだ下手くそ。「下手だからやらせない」のか、「上手くなるためにやらせる」のか。前者がシボドー。後者がソーンダースってことかな。

また、そこにはシューター役を両コーナーに配置するような細かい部分の論理性もありました。オコギーがシューターかというとアレですが、現時点ではほかにいないからね。でも、そのオコギーが決めて勝ったのだから、「持っている」よソーンダース。
他にも前半から目立ったのがギブソンvsウエストブルックのポストアップの形。サンダーはミスマッチをきにしないでスイッチしてくれるチームなのを、逆手に取ろうとしていきました。あんまり成功していなかったけど。

つまり、今できることを、相手がサンダーであることを考慮して出来る限りの努力をした感じがします。シボドーは相手を考えないプレーが多かったので、かなり違うのね。

というわけで、若きHCの船出を40点10リバウンドで勝利に導いたアンドリュー・ウィギンズ。生まれ変わったかもしれません。
25点16アシストのウエストブルックでしたが、7ターンオーバーは体感15ターンオーバー。だけど、それよりも最後の3Pを決めてくれないとね。

試合の中でどんなにシュートを外してもゲームウィナーだけは決める理不尽さんは、どうにもウィギンズに負けるクセがあるんだよね。

2019/01/09 サンダーvsウルブズ” への10件のフィードバック

  1. 本来ウルブズが辿るべき道
    ほんとですよ、昨シーズンも俺様が来ても序盤はその形だったんですけど
    結局はシボドー&俺様が耐えられませんでしたね
    個人的にサリッチがよく働いてくれていい感じに見えます
    シボドーの時は20分以下でしたが今後は30分近くプレイして欲しいです

    1. シクサーズの方も耐えられなくなったりして

      サリッチはディフェンス面がね。ギブソンとの使い分けが目立ったので、そこはシボドーと大きく違いました。プレータイムよりも質の高さが欲しいです。

  2. 負け惜しみですが、
    今日は審判が理不尽でした(泣)

    ウィギンスの肘がノエルの顔に入ったやつは、
    フレグラント2で退場じゃなかったのが納得いきません。

    というのも、去年にカーメロがヌルキッチに似たようなプレイをしたところ、
    最初はヌルキッチファウルの判定でしたが、
    その後、判定が覆り、カーメロが退場になったからです。

    また、タウンズが明らかなファールを少なくとも3つはしてたのに、全部見逃されました…。

    ノエルの頭に肘入ったり、
    グラントの腕引っ張ったり、
    ディアロをリバウンド争いで押したり。

    自分がサンダーファンだから、
    ウルブズ寄りに見えただけかもしれませんが、
    かなりモヤモヤしてます(苦笑)

    第三者の意見を聞いてみたいのですが、
    管理人さん視点では、どうでした?

    ただ、今日の負け以上に、
    ノエル離脱が痛いです。

    かなりヤバそうだったので、ノエルが大事に至らないことを祈るばかりです。

    1. サンダー戦になるとスーパースターになるウィギンズと、レフリーのミスコールは定番になってきましたね。
      おそらく両チームがフィジカルな戦いをするシーンが多いので、レフリーがミスを増やしていく感じです。

      ノエルの件を除けば、全体的にミスコールが多いけど、若干ウルブズが得したかなくらいです。ティーグの退場とかもありましたし。

  3. Ryan,ATやサリッチを効果的に使おうとする戦略を持っているところに好感が持てます.勝負所でのHCとしての采配が今後鍵になると思いますが (まだ1試合なのに話が飛躍し過ぎているかもしれませんが),百戦錬磨の他HCと渡り合う度胸と戦略を持っていてくれることを祈っています.

    やっぱりFlipはミネソタファンにとっては特別な人ですからね.
    ついでに経営陣に嫌われているKGも戻ってきて欲しい….

    WigsとNoelについての見解は色々あると思いますが,個人的にはMeloとNurkicのものと同じとは見ていません.

    Meloのはゴールに向かってファイトしたのではなく,Meloとゴールの間にいないNurkicに身体を当てにいっており,明らかなバスケットカウント狙いです.

    それに対してWigsのはゴールに正対した状態でフライトし,果敢にブロックに来たNoelの腕をブロックするときに肘が入っているので,バスケットカウント狙いだったり,Noelを壊しに行くプレーではないように見えます.

    フライトした選手に対してブロックにいくなら,ある程度起こりうる事故ではないでしょうか.もちろん,Noelが無事にコートに戻ってきてくれることを祈っています.

    Wigsのプレイについては嬉しい変化です.
    Jimmyがトレードされてから,TajiやD-ROSE,ATなんかがエースとしての自覚を持つことを促したり (もちろんKATにも言っています),もっとWigsにボールを持たせてゴールに向かわせるべきだとミーティングで話していたようなので,チームとしても考えるものがあったのかもしれません.

    ロールプレイヤになりたくなくてミネソタを選んだWigsです.
    下手なパスやディフェンスのカバーもできないからさせないThibsよりも,成長するためにチャレンジさせてくれるRyanが彼をステップアップさせてくれることを期待しています.

    やっぱり,Why notさんの記事は的確ですね.
    感服いたします.

    1. ウィギンズとノエルの件は意図的なものとはサンダーファンも捉えていないでしょうが、あんなに腕を振り回すなって事かと。しかも反省がないようなところが不評です。

      そもそもウィギンズがあんなダンクに行くシーンは少なかったのが、この試合は恐れずに飛び込むようになりました。フリースローも決まるし。
      一時的なものなのか、継続するのか、もともとは割と継続性ある選手だったのでメンタルコントロールをして欲しいです。

  4. この対戦って結構色々と盛り上がりますよね。僕もメロはヌルキッチの方に肘を出していったイメージなので同じかと言われるとうーん、と思います。もちろん、皆様と同じくノエルの早い復帰を祈っております。言いたいことが色々ある試合だけど、改めて思ったのはアダムスの貢献度。whynotさんの指摘通りで、且つ必要以上に熱くならずに冷静なところが好きです!昨今闘志がキーワードですが、出しすぎてテクニカルを取られる輩が多いので…。

    1. ちょっとウエストブルックは闘志出し過ぎです。ターンオーバーが増えてきました。そんなのもアダムスとロバーソンがフォローしていたような。
      まだ戻ってこれないのかなぁ。

  5. 遅まきながらレビューありがとうございます。
    この試合はノエルの負傷退場もあり、本当にたまたま勝っただけって感じでした。ただウィギンズがドライブやディフェンスリバウンドに積極性を出してきたことは大きな好材料で、このまま続けばいいと思ってます。
    またライアンは論理的というか、若手とかベテランとか関係なく、選手の長所を分かりやすくプッシュしようとしてる印象でした。それは経験もないのに急にHCになってしまって複雑なことも出来ないからそうなってるんでしょうが、試合を積み重ねて、チームの役割分担をより明確にしていってくれれば良いと思います。ローズ、トリバー、ジェンのベンチ陣の使い方がもっと良くなれば、まだプレイオフ狙えると思うので。

    1. 確かに戦術的改善なんか出来ないから、選手のケアに勤めていそうですね。特にシボドーに欠けていた部分なので。
      良いブレーンをACに連れてこれれば、バランスのとれたHCになるかもしれません。オフェンス担当ホイバーグ、ディフェンス担当シボドーかな

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