2019/01/04 スパーズvsラプターズ

帰ってきたレナードとグリーン。試合前にトリビュートフィルムが流れ、選手紹介はグリーンに歓声、レナードには歓声とブーイングと。

スパーズの調子が上がってきたこともあって、そんなにブーイングに包まれているわけではありません。あるいはトニー・パーカーにジノビリもいなくなったことで、ひとつの時代が完全に終わって切り替えやすかったのかも。何よりも得点力ではデローザンも存在感を示しているので。

しかし、試合はそのレナードがブーイングの中でホワイト相手の&ワンで始まります。フリースローが外れると大歓声。このホワイトのディフェンスでの役割はチームを助けるようになっているよね。足りなかったエースキラー役をホワイトにしたわけで、サイズもフィジカルもあるレナードに対してもホワイトってのがポイントです。
ラプターズはレナードに頼る形が増えてきて、それはあまり良い形になっていません。レナードは決めるけど、周囲の動きが止まりがち。ラウリーがいるとパスも出せれば動き回ってくれるのだけど、ケガで欠場が続いています。

遠距離恋愛中のラウリーがサンアントニオに来てくれることになったのに、あいにくの欠場になったデローザン。スパーズのオフェンスもまたデローザンに頼る形が多いのですが、こちらはその前提でオフェンスが構築されているので、ドライブしてはパスアウトを繰り返し、フォーブスの3Pやオルドリッジのミドルで得点すると、ヘルプがあいまいになったラプターズのビッグマンが誰も来ないのでデローザンがダンクを決めてタイムアウトに。

調子を落としているラプターズですが、大きな影響を及ぼしていそうなのがディフェンスで強みを発揮できていないこと。いや、相変わらずレナードは強力ですし、1人ひとりのディフェンス力はあるよね。だけど、チームとしてはどうなのかってことです。
テイクチャージングの達人であるラウリーは言い換えれば相手のプレーを読むことが出来る選手なわけで、シアカムやイバカの対応をカバーしてくれていました。そこから走るパターンも得意技だったのだから、少しずつ攻守にラウリー不在が出てきます。

デローザンと直接マッチアップになったレナードは抜かれないのですが、イバカがヘルプに寄ってきてしまい、簡単にキックアウトするデローザン。そこを任せきるのか、チーム全体が連動していくのかってのは大切な差が出てくるよ。
しかもたびたびピックアップミスが出てきて、ホワイトからゲイのアリウープで10点差になります。ヴァンフリートはホワイトに翻弄されているし。
ちょっとラプターズらしくないチームディフェンスの崩壊は次々とイージーシュートに繋げられています。5人全員が収縮しすぎというか。ヘルプ→マークに戻るという動きをするには1歩くらい収縮しすぎ。逆にスパーズのディフェンスは戻るのが早くなっていて、ショーディフェンス気味のヘルプをうまく使い分けています。

レナードがドライブで抜け出そうとしたところにオルドリッジがショーディフェンスをすると、後ろからスティールするホワイト。この関係性が上手くいっているし、ボールを拾ったフォーブスからすかさずホワイトに速攻パス。スパーズのディフェンスが良くなっている理由がここにあります。
さらにホワイトが抜かれるとヘルプに来たデローザンと勝負を選んだレナードはトラベリングに。逆サイドのコーナーにはパウエルがフリーで待っていたよ。デローザンならパスを出すよ。

というわけで圧倒されるラプターズ。レナードのミスにデローザンの大活躍で大盛り上がりさ!
30-11になってベンチに下がるレナード。要するに1人でやっているから守りやすいんだよね。するとパスを回していくラプターズ。わかりやすいのだけど、もうインサイドを固めていればOKみたいな守り方をしているスパーズの前に躊躇ってしまい、ドライブすると奪われてワンパス速攻に。

注目の1戦は1Qの時点で試合終了なんじゃないかというくらいスパーズディフェンスが圧倒するのでした。得点も取れているけど、実質は守れるから速攻になっているだけです。
守れている理由はもちろんディフェンスが良くなっていることですが、そこにあるのはヘルプに行くタイミングが合ってきていること。それ以上にラプターズがパスを出す判断が遅いからヘルプにいっても何も困らないってことね。

1Q38-19とダブルスコアで終わります。攻守に判断が悪かったラプターズ。5つのターンオーバーで速攻から10点を取られました。もう巻き返せる気がしないぜ!

◉愛しのラウリー

レナードのいないラプターズはドライブとパスアウトをしながらインサイドでモンローが奮闘し、しっかりとオフェンスを組み立てるのですが3Pが決まりません。しかもトランジションディフェンスがめちゃくちゃで、2on5なのにガソルにルーズボールを制され、フォーブスがフリーになって3Pを打たれます。
ちょっと両チームの間にフィジカルコンディションの差を感じてしまうのは、ラプターズが本当に落ちているのと、スパーズが気合入っているからかな。

25点差まで広がったあたりから、ラプターズのディフェンスが少し改善します。ライトやアヌノビーがボールマンにプレッシャーをかけて自由を奪うので、ヘルプのところまでボールを運ばれないように。
すると今度はラプターズが走り出しライトのコーナー3Pもでて18点差まで縮めます。ただ、あくまでも守ってからの速攻が出せるようになったくらいの話で、オフェンスそのものは突貫しすぎるレナードでスパーズは的を絞りやすくなっていて複数人で囲みます。まぁ3人に囲まれてもゴール下を決めるし、2人がついてきてもフェイダウェイで決めるんだけど。

1人よがりでオフェンスの爆発には期待できそうにない中で、今度はスパーズのオフェンスもシュートが決まらなくなりますが、そんな時はデローザンがユーロステップで決めてくれてさ。
どっちが良いってことはないのですが、デローザンの方が上手くアシストをしています。ただし個人で決めきるのはレナードの方が上。でもさ、両者を比較するときにこんな構図になるってのは、2年前では想像もつかなかったと思うので、それはチームオフェンスの差なのだと思います。
「スパーズの方が優れている」のではなく、パサーメインのラウリーが不在のラプターズとフィニッシャー役のオルドリッジと組んでいるデローザンって意味ね。

20点前後の攻防が続きますが、ヴァンフリートがやっと働きだすと点差は縮まっていったので、やっぱりラウリーの不在ってのは大きい模様。一方でイバカがオルドリッジを全く止められないのも気になるところ。サイズのないタイプに強いオルドリッジ。
結局前半は67-51とスパーズが大量リードで終わります。ラウリーが恋しいであろうデローザン。もっとラウリーが恋しいであろうニック・ナース。非常によく働くヴァンフリートですが、やっぱりラウリーに劣るだけでなく、スターターPGとしては力不足なんだね。

◉もう飽きてきた

後半もボールを持つとブーイングされるレナードはホワイトのディフェンスに苦労します。デローザンはツーメンゲームでオルドリッジにアシストして早くも10アシストに。フリーで打っても決まらないラプターズの3Pに対して、簡単に決めるフォーブスで再び25点差に。

12月が8勝7敗と苦しんだラプターズ。その理由の一つが3P32%だったこと。決まらないのはイバカやシアカムなので、そもそも打たなければよいのですが、相手からすると「打たせる」選択をしやすいオフェンスです。まぁ勝率が振るわなかったのはラウリーまでもが決まらなかったのが大きいけどね。
デローザンがレナードを守り切り、またもフォーブスの3Pに繋げます。アシストが光るデローザンと相性の良いフォーブス。

全然盛り返しそうにないから飽きてきた。
スパーズのディフェンスに話を戻すと、「不安定」とは書いたけど「いろいろ試しているから、心配するほどでもない」ともしました。守れないというよりも不安定なのが問題であったので、良いディフェンスを出来る時間が長くなってきた、つまりは安定してきたわけです。
ユニットの組み方ってのは大切で、ホワイト、フォーブス、デローザンの3人を同時起用するのは当初はリスキーでした。一回は失敗に終わってホワイトをベンチにしたけど、現在ではすっかり安定感のある3ガードになっています。
この試合はゲイが復帰し、ビッグマンがオルドリッジのみになったけど安定しているので、3ガードが守れるようになったのが大きい。前述のとおり、ホワイトがエースキラー的になったのが大きいわけですが、デローザンの個人ディフェンスも向上しています。これが何なのかはちょっと気になるところ。スピード系の相手と対面しないことは大きな要因なのかなとは思います。

試合の方はやっぱり退屈で、シアカムが有利だと踏んだのでボールプッシュからドライブさせていきますが、そのシュートは確かに決まるけど継続はしないので、25点差を追いかけるには苦しいし、そこからパスが出てこない。
ラプターズが点差を詰めることが出来るのはディフェンスが成功して速攻になる時なので、オフェンスよりもディフェンスだし、それ以上に攻守の切り替えって感じです。しっかり戻っているのに、ミルズに速攻を決められてしまうヴァンフリートとか。

ホワイトのディフェンスに対して、もうアイデアが足りなくなったようなレナード。ジャンプシュートを決めるし、速攻も決めるけど抜ききるようなプレーを出せません。
結局は何のきっかけも作れないまま3Qが終わるのでした。96-75です。エネルギーが足りなすぎるラプターズ。

◉大逆転のデローザン

4Qは何事もなければスターターもほとんど登場しないでしょうし、まとめながら動きが合ったら触れましょう。でも何とかしてやるぜ感がないからな。

ラプターズの問題は個人攻撃が増えてしまって、チームの連動性がないことと、それが生み出したのはオフボールの動きの質が低いことです。レナードがパスを出さないことが大きな問題ですが、相手がスパーズなのでなおさら出さなかったのかもしれないし、ピックにいってからの動きが単調かつスポット待ちで動かないイバカの問題かもしれません。
ベンチメンバーの方が全員のポジショニングとモンローの奮闘が目立つので、チームとしては上回っていました。バランチューナスは不在だけど、そこはモンローで穴を埋めてインサイドとアウトサイドのバランスが良かった。

一方でスパーズのオフェンスは前回も感じたようにパスのタイミングが合ってきたので、非常にスムーズになっています。特に右コーナーが大好きなのは、デローザンのドライブとのかみ合わせでした。
オルドリッジとデローザンの連携攻撃については、あまり目立たせない方向性にした雰囲気で、2人の関係性で崩すようなプレーが少なめなのは意外。デローザンはミドルの選択を減らしているようにも感じます。つまりストップジャンプシュートを選ぶよりは、自分に引き付けてパスするのが受け手との呼吸があうようになったのでスムーズになった。

なお、試合はフォーブスが活躍しているので、追いつく要素がありません。

気になるのは両チームの状態以上にデローザンとレナードですが、戦い方的にはパーカーとジノビリがいなくなったことを考えると、レナードよりもデローザンの方がスパーズには効果的に思えます。つまりフィニッシュ能力の高さよりもアシストしてくれるハンドラーとしての能力で上回るデローザンが機能する。
一方でラプターズが困っていたのは試合終盤の得点能力と個人のディフェンス力なので、密集されても決めていくレナードの存在はデローザンよりも大切です。それはあくまでもアシスト役がいる前提の話なので、ラウリーがいないとダメね。

プラスして言うと例えば戦術レブロンみたいに、レブロンの突破力を助けるシューターみたいな選手はラプターズにはいません。もっといろんなことができる選手を揃えているわけです。
だからここまで個人で得点を取りに行くのはラプターズのオフェンスとしてはまずい。もっとチームでしっかりとオフェンスを構成して、フィニッシュ役としてレナードを使うべきでしょう。それはシーズン序盤は出来ていただけに、次第にできなくなっていった理由はわかりません。
「レナードが活躍すると負ける」なんて試合が結構ありましたが、それを示すような典型的な内容になった古巣との対決でした。

試合はまぁやっぱりレナードがボールを持ちまくっているよ。それに対してデローザンはトリプルダブルを達成しました。

〇デマー・デローザン
21点 11アシスト 14リバウンド

シーズン前に「大逆転のデローザン」と書きましたが、予想とは違う形ではありますがシューターを揃えてエースを助ける形が機能してきました。ディフェンス面でホワイトが助けてくれる代わりに、リバウンドはデローザンの重要な仕事になってきています。
チーム全体のバランスをどうやって構築するのか、不安定だったスパーズは攻守に整ってきたといえます。

古巣相手に得点を取りに行ってチームの停滞を生み出したレナード
古巣相手に進化した能力をみせて大勝を生み出したデローザン

物議を醸し出したフランチャイズプレイヤーのトレードは、見事にチームに組み込んでいるスパーズの軍配が上がっています。

2019/01/04 スパーズvsラプターズ” への10件のフィードバック

  1. スパーズファンとしてはまさに感無量の試合でした!デローザンはもちろんのこと、全プレイヤーがファイナルかというくらい気合い入りまくりで間違いなく今シーズンのベストゲームでした。きっと、いつも以上に一人でやろうとしてるように見えたレナードも気合い入ってたんだろうと思います。気合いが空回りしたのかダニーグリーンも0点でした。グリーンは悪いことしてないのに…。

    シーズン序盤に苦しんだのはデローザンをチームに組み込むための産みの苦しみだったんだと思えるようになって嬉しい限りです。今日の試合でウォーカーがデビューして今シーズンの戦力は出揃ったので、ここからさらに上を目指すために今後は選手個々のステップアップに期待したいところです。特にホワイト、フォーブス、ポートル!

    1. ファンからみてベストゲームなら納得かな。この内容を続けての10連勝ならデローザンMVPですが、相手が相手だったので気合い入ったのか。むしろレナードが気負ったのか。

      デローザンを組み込むというか、デローザンの周囲を誰にするか苦しみましたね。マレーの離脱もありながらフォーブスがマッチしたからこそ、その他に困ってしまった。

  2. 1Qから大差ついて”裏切者”コールも起こったりしてちょっと見てられなかったですね…。
    モンローは意外といっちゃ失礼ですが結構健闘してます。バランチュナスの抜けた穴を頑張って埋めてくれてますね。彼が戻ってきてベンチ座らせたままになるのは勿体ない。
    ヴァンブリートは…スターターならシューター的な使い方のほうがいいと思うんですが、そこはグリーンがいるしなぁ。ラウリーがよくやってたシアカムへのロングパス速攻が見られなくなりましたし、PGとしてはうーん。
    前年からの財産を引き継いでここまで調子がよかったので、これからはニックナースの手腕が試されそうです。このまま修正できずレナード頼りのオフェンスしかできないならプレーオフは厳しい。

    1. ニック・ナースになってオフェンスがかなり良くなったのに、何故か個人技頼みになってきました。やっぱりPGがね。デロン・ライトをスターターにした方が良いと思うのですが。
      ちょっと何でこうなってしまったのか理解に苦しみます。モンローもスターターにして変化を促した方が良さそうです。

  3. スパーズファンからしたら感情的にならずにはいられない試合でした。ポポビッチはブーイングするなっていったらしいですが、まあ無理でしたね。
    昨シーズンからそうですが、スパーズはアウェイで勝てないのでこのままの流れで勝っていってほしいです。

    1. まだアウェイで勝ててないのか!?
      昨シーズンもこの時期にすごく良くて、その後に停滞しましたから、それに比べたら期待出来そうです。

  4. 開幕戦のラプターズはアイソレーションに対してカッティングや、
    フレアなどの動きで、かなりそこから連動してオフェンスを使っていたんですが、最近ではただのエースの1on1チームになってしまっていて試合展開がたまらないです。
    これは相手に対策を打たれているのかラウリー離脱など、チームの影響なのか管理人さんはどうお考えですか?

    1. ほんとね。どこに消えたのか。しかもニック・ナースが導入したのに。

      ひとつにはレナードが強力すぎて、そこに頼りすぎ。頼るのに慣れすぎた。
      ラウリーがいなくなったことで全体の流動性が一気に落ちました。ラウリーが動くから空いたスペースを次々に埋めていく感じですね。
      ヴァンフリートはパスを出した後にシューター的に待ってしまいますし、イバカはそもそも動かない。全体の流動性がなさすぎです。

      ベンチメンバーはバランチューナスを経由できなくなったことでバックドアが減りました。
      それぞれに理由はありますが、そんなことでよいのかって疑問が非常に大きいラプターズです。

  5. デジョンテ・マレーの復帰は早くてもシーズン終盤あたりだと思いますがもしこの中に組み込むとしたらどういう組み合わせが理想ですか?デローザンとは別で組んだ方がやっぱりいいんですかね。
    あと、ロニー・ウォーカーが早くデローザンに次ぐ二番手のSGとして成長して欲しいです。

    1. シーズン終盤にわざわざ復帰はさせないと思います。来シーズンに向けて調整するのだと。
      ルーキーに過剰な期待はしないほうが。特にスパーズのシステムはベテラン向きなので。ベリネリいるし。

      今はチームがうまく回っているので、変化をつける役割を担えるとよいですね。
      そして何よりディフェンダーになってくれるのが一番かと。そこはホワイトしかいないので。
      チームシステムになれるためにディフェンスから。

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