2019/01/02 ナゲッツvsニックス

ナゲッツが新年を首位で迎えたことはあるのだろうか。ケガ人だらけなのにしっかりと戦えているのは称賛に値するのでした。

◉狙いの違う両チーム

ニックスは、というかフィッツデイルはまたカンターと揉めているとか。ベテランとの付き合い方が下手なんだよね。昨シーズンだって試合終盤にプレーできなくてもそこまでもめなかったのに、コーネットがスターターと言われたらさすがに納得できないだろうな。
その一方で完全にスターターの座を手に入れたムディエイ。ナゲッツではマレーにポジションを奪われ、ヨキッチシステムの中でシュート力のなさがネックになったわけですが、ニックスではそのシュート力が改善傾向にあり、何よりもシュート以外の部分で特徴を出せるようになりました。

コーネットのスターターはさすがにやりすぎだと思いますが、3Pを打つビッグマンはインサイドを攻略するムディエイとスペーシングしたいフィッツデイルには合致するタイプ。5人が広がった形でオフェンスを構成し、ノックスも3Pを仕留めていく1Qになります。
ただ、アウトサイドはよく決まっているけど、インサイドは攻め切れないので大爆発とはいかない。

一方のナゲッツはミルサップとゲーリー・ハリスが戻ってきましたが、スターターを変更せずに臨みます。クレイグとエルナンゴメスはオフボールで動きながらインサイドでフィニッシュすれば3Pも決めてヨキッチのパスをフィニッシュしていきます。イージーシュートしか打っていないけど、しっかりと動いてフリーになっているし、それを決めるかどうかがヨキッチには大切。
マレーのことを知っているムディエイがあまり自由にしないのですが、ボールを長く持たずに捌いてしまい、こちらもオフボールで合わせてダンク。そしてマークが変わるとピックアップミスをついてドライブダンク

どちらもテンポの良いオフェンスですが、パスゲームでインサイドを攻略できているナゲッツに比べると、個人のドライブで攻略できていないニックス。首位のチームらしさを示しているというかね。

ミルサップとゲーリー・ハリスの登場に沸く会場ですが、2人のシュートは決まらず爆発できないファン。逆にカンターで少し安定してインサイドを使えるようになるニックス。ならばとパス交換でプラムリーをフリーにしてダンクさせるハリス。
残り1分からニリキナがボール運びに対して1人でプレッシャーをかけてスティールし、ノックスの&ワンにつなげ、さらに自分でも3Pをヒットして32-28とニックスリードで1Qは終わります。
全体的にはナゲッツペースだったけど、ラスト1分で一気に持って行った感じです。

◉ケガ人が戻ってきたことで

ニックスはバーンレイがヨキッチをよく守っていて、体格差があるのに押し込まれず、苦しいターンシュートを打たせていきます。そしてカンターが走るのでとらえきれないヨキッチで8点リードするニックス。さらに走ってチャンスを作るアロンゾ・トリアーに、ダンクを叩き込むバーンレイ。
ナゲッツはヨキッチ単独が苦しくなってきたので、懐かしのヨキッチ&ゲーリー・ハリスのコンビプレーでシンプルにレイアップを作っていきますが、ちょっと決めきれないハリス。代わりにファールをもらっていいますが。

ニックスはインサイドのカンターをうまく利用し、さらにトリアーが3Pも決めるので完全にディフェンスを攻略してリズムをつかんでいるのですが、なんだかんだで8点差以上にはしないナゲッツがライルズとビーズリーの3Pで反撃しています。ベンチも活躍するのよね。
相手に流れがあるのに首位っぽく離されないでついていけるナゲッツ。しっかりとスペースが広がったら連続でゴール下を決めるライルズ。互角じゃないのだけど、点数的には互角な雰囲気が続きます。

2Q残り5分からナゲッツはマレー、クレイグ、エルナンゴメス、ライルズ、ミルサップという面白いユニットに。スモールって感じじゃなく、でもマレーのワンガード。全員がオールラウンダーで3Pからドライブゴール下までやるタイプに。
面白いトライアルですがこれが失敗に。3Pを打っては外れます。コーネットがバカみたいにミルサップのフェイクに騙されてくれるから助かったけど危険なユニットでした。10点差にされたので早々に辞めてヨキッチとビーズリーを戻しています。

ビーズリーがタフミドルを決め、ヨキッチもフローター。さらにクレイグのオフェンスリバウンドからヨキッチが押し込むと、ムディエイのドライブをヨキッチがブロックし、ミルサップとクレイグのパス交換からダンク。後退から9-0のランで一気に追いついたナゲッツ
前半は56-55とニックス1点リードで終わります。得点は同じだけど、ナゲッツの強さとうまさが目立ちました。ただ、ケガから戻ってきた2人と実験を混ぜた部分でうまくいかなかったね。

◉運動量のミルサップ

オフボールムーブから押し込むマレーとドライブからねじ込むムディエイで始まる3Q。本当にタイプが違う2人。クレイグのハンマーダンクも出ますが、ノックスが3Pで決め返します。
ヨキッチのパスからテンポよく打っていくけど、ディフェンスが抜かれまくる昨シーズンみたいなナゲッツ。それとも今シーズンのナゲッツディフェンスを個人でシンプルに切り刻めているニックスの成長と捉えるべきなのか。

ムディエイのアタックをヨキッチが連続で止めていき、ビーズリーの3Pでナゲッツが逆転しますが、ハーダウェイのドライブとムディエイが3人に囲まれながらの速攻で再度逆転します。さらにムディエイからカンターのミドル。ハーダウェイもドライブから&ワンで続きます。
一応、今のエースはハーダウェイとムディエイなので、苦しくなりそうな時間にしっかりと働いてリズムを渡さず、5点リードにします。

ミルサップとゲーリー・ハリスが再び出てきてベンチメンバーの時間になると、3Pの決まらないミルサップがリバウンドを拾っては押し込んでいきます。動きまくって奮闘しまくるミルサップ。迷いはもうないって感じ。
一方でスコアリングリーダーのはずのハリスの方はビーズリー&モリスと同時期用だとちょっとパスのテンポがあっていない感じです。

ニックスはカンターがゴール下で奮闘するけど、しつこいミルサップについていけず結局2点差に戻されて3Qが終わるのでした。今度はベンチメンバでやられなかったナゲッツ。それはシュートが決まるとかではなく、ただただ運動量で圧倒したミルサップなのでした。

◉マリック・ビーズリー

そのミルサップがターンシュートを決め逆転するナゲッツ。ビーズリーがまた3Pで5点リードにします。こんなに決まるならハリスは大人しくてよいね。ディフェンスを頑張ろう。
タイムアウトのニックスはニリキナが3Pで取り返すも、またビーズリーが3P。決めないと出番がなくなる危機感が集中力を高めているのか。ハリスとミルサップのコンビでさらに加点します。ミルサップはくるくる回ってバーンレイを翻弄するし、シュート以外は好調そう。ちなみに管理人はバーンレイとドットソンの背番号を見間違えていた。やられたのがバーンレイだった自信がない。

遂にハリスのサーカスレイアップも決まるとビーズリーは5本目の3Pで存在感を出していきます。でもムディエイが3Pでまだまだ7点差。簡単には試合を終わらせなくなってきているニックス。ちなみにミッチェル・ロビンソンがいなくてファールが少ないのは良い方向に傾いている気がします。
プラムリーがヨキッチもびっくりのファンタスティックなパスでビーズリーに3Pを打たせますが、今度は決められず、逆にプラムリーをフェイクでだましたムディエイがレイアップで残り5分5点差。

勝負所になってきますが、ナゲッツはマレー、モリス、ビーズリーを並べディフェンスではなくオフェンスを優先したメンバーにします。対してニックスはやっぱりカンターは使わず。そんなにコーネットが良いのかな。
ビッグマンはコーネットがアウトサイドに引き出してくれるので、ハーダウェイがパワーでゴール下をねじ込みます。裏目に出ている3ガード。
残り3分で3Pを決めたのはヨキッチ。この試合初めてのペイント外のシュートで7点差にします。

タイムアウトのニックスですがムディエイがドライブを連続ミス。しかしナゲッツもマレーがミスを続けます。本当はマレーじゃなくてハリスにしたそうなマイク・マローン。
ヨキッチがゴール下でねじ込むも、コーナー3Pのコーネット。ムディエイがインサイドで決めてくれれば意味があるのだけどね。

残り1分半6点差になったのでタイムアウトのニックスですが、またもインサイドアタックに失敗し、逆にヨキッチがキックアウトと見せかけてカットしてきたビーズリーに合わせてイージーシュートになり8点差で勝負を決めたのでした。

◉役割を限定すべきかどうか

19点15アシスト14リバウンドとMVP候補にふさわしい大活躍のヨキッチを中心に、なんと36アシストを記録したナゲッツ。それだけでなく16本のオフェンスリバウンドを奪いました。
アシストもリバウンドも特定の選手が奪うのではなく、満遍なく飛び込んでいくのでバランスをとるのが難しいのですが、好調なチーム状況が示しているように、誰かがリバウンドに飛び込めばしっかりとトランジションディフェンスに備えている選手もいます。

23点3P5/9のビーズリーを除けば、チームで3P7/25とそんなに決まらなかったのですが、鮮やかすぎる連携はディフェンスを崩してしまい、オフボールの動きを止めることを許してくれません。ヨキッチのパス能力が光りますが、「そのタイミングで走りこむのか」という受け手の方のうまさも光ります。なお、ミルサップはここはいまいちなのですが、運動量でカバーしている。
オフボールといえばゲーリー・ハリスなのですが、代役みたいなビーズリーが上回っているのでうれしい悲鳴を上げていそうなマイク・マローン。

そんなナゲッツですが、しっかりとついていけたニックス。こちらは役割がはっきりしていて、カンターが7つ、バーンレイが6つのオフェンスリバウンドをとりました。他にオフェンスリバウンドをとったのがムディエイの2本のみとかなり偏っています。
チームで41%の3Pで対抗していきましたが、やっぱりうまくインサイドを攻めたいなーと。カンターが強いのだけど、それはベンチポイントにしてスターターはムディエイとハーダウェイのドライブを活かしたいのでしょうが、ビッグマンのあわせがなくて苦しそうでもありました。

そろそろチームの方向性が定まってきたころですが、煮え切らない部分も多くてトレードなり何なりで、将来をどうするのか示してほしい気も。ニリキナのプレッシャーディフェンスが良かっただけに、もう少しディフェンスに手を付けてほしいですね。
再建は良いのだけど、ハードワークの部分は薄れてきているような。このままだと3Pを打つセンターってのが中核になってしまいそうで、ファイトしきれないような。さて、シーズン後半にどんな方向に進むのか。



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