ホークスのここだけの話

恥ずかしいからほかの人に伝えちゃダメだよ

本当にここだけの話にしてほしいのですが、ホークスのオフェンスは結構よい感じなんだ。弱小チームとは思えないくらいにね。
だからといって、もしも「ホークスのオフェンスはかなり良いよな」と知り合いのNBAファンに話しかけたらバカにされるから絶対に言っちゃダメだからね。数字をみればぐうの音も出なくなってしまうからさ。

〇オフェンスレーティング 103.5(29位)

そんな数字を無視したら。そしてホークスの戦力を考慮したら非常に良いオフェンスになってきているんだ。実際、12月に限ればレーティングも108.6まで上昇しているし。
注目ルーキーのトレ・ヤングはカリーには程遠いプレーをしているけど、そのゲームメイク能力の高さは素晴らしく、戦術を構成する大切な要素になっています。そりゃあドンチッチの個人能力には劣るけど、再建したいホークスがチームの基盤を作るには良い選択だったと思うよ。それもここだけの話にしておかないと既にドンチッチマニアが結構いそうだから「ホークスはトレ・ヤングで正しかった」なんて言ったらクレームされちゃうだろうし。

実際には数字がとっても悪いのだから、素晴らしいオフェンスってことはないわけで、ホークスのオフェンスの何が良いかを語る前に、レーティングが悪いのだから、何が悪いかをランキング形式でお伝えすると

1位 ターンオーバーが多い

ターンオーバー率17.5%はリーグ最低で、ミスのオンパレードになっています。それはもうどうしようもないくらいに。だけど、個人で見ると一番多くてもトレ・ヤングの4.0回で、次点のプリンスでも2.6回しかありません。
全員が満遍なくミスをしているのは戦術熟成度が足りないから、意思疎通が合わないことが結構あります。そもそも若手だらけで新加入の選手が多い上に、1人のプレータイムを短くしているチームなので連携強化はまだまだこれから。チャージングと狭いところのパスミスが多いよね。

2位 3Pが決まらない

33.4%は27位とリーグ最低クラス。3Pを多投する目的は2点よりも3点の方が効率が良いからですが、それに加えて広いスペースで勝負するからミスが起きにくい一面もあります。でもホークスはミスが多いのに3Pを打っては決まらない。苦しいね。
ただし、この3Pがチーム平均以下で足を引っ張っているのはトレ・ヤング、スペルマン、コリンズといった若手たちなので、まだまだ改善の余地があるのでした。ベイズモアも決まらないか。
プリンス、ビンスおじさん、リン、そしてルーキーだけどハーターなんかはしっかりと決めているのでした。チームとしてはこの形で成長を促し、シューター役のハーターが45%くらい決め、そのほかの若手たちが37%くらい決めてくれるようになれば解決する悩みです。本当に成長するかはわからないけど、その前提でドラフト指名した選手たちさ。ヤングとスペルマンはもう少し決まると思っていたけどね。

第3位 ドライブが決まらない

5-9フィート33.8%(26位)
10-14フィート36.0%(28位)
15-19フィート36.9%(27位)
どの距離をとっても決まらないホークス。といってもノーミドルシュートのチームなので、ミドルが決まらないのは特に問題ないんだ。アテンプトが少ないから。ただ、ハンドラーが自分でドライブしたときにショートレンジのフローターを決める能力が低いから、苦しんでしまうことが多いんだ。
よく言えば戦術に忠実なのだけど、悪く言えば変化をつける能力に乏しい。誰かしらが決めてくれると大きいよね。

ドライブからの得点率 47.5%(27位)

まぁ要するにエースがいないってことです。常に誰かしらがケガで離脱しているような事情もあって、いろんなことに苦しんでいるよ。苦しんでいるわりには内容が良いと思っているんだ。でも、ここだけの話にしておかないとね。「シュートが決まらないのは成長待ち」とか言っていたらきりがないし。
シュートが決まらないようなオフェンスしてどうする、というのも事実だしね。ただこのチームは乱打しているわけではなく、しっかりとプレーメイクしているので決めるだけなのです。

再建段階のチームなので若手にプレータイムを与えているから、ミスは多く、シュートは安定せず、エースとして君臨する選手はいない。それは初めからわかっている話なので気にすることはない。
一方で若手たちが多い割には戦術が浸透してきており、非常にスムーズなチームオフェンスを構築しています。個人能力が足りないだけで、戦術的には既にベテランたちのチームに負けないくらいになっています。
ある意味、ガンガン自分でやりたそうな若手は手元に置かず、チームオフェンスを徹底できる選手を揃え、「個人の強さではなくチームとしての強さ」を目指しています。まぁ最近の若手はこういうタイプが多いけどね。

◉コートを広く使う

実際にどんなチームオフェンスになっているかというと、ドライブとキックアウトを繰り返し、コートを隅々まで使って3Pとゴール下シュートで構成しています。ただし基本はパッシング。

〇パス数 308.5(9位)
〇アシスト数 25.7(6位)

チームオフェンスとしてパッシングゲームを展開し、高いアシスト力があります。インサイドまで攻め込んでもしっかりとアウトサイドの状況がわかっていて、ビッグマンもキックアウトを繰り返します。

〇ワイドオープン3P 20.6本(2位)

そしてしっかりとワイドオープンのシュートを作り上げています。これがオフェンスが良いと評する最大の理由。キックアウトからの3Pを打つオフェンスの構築力はリーグ最高クラスなのです。でも、決まらないけどね。頑張れ若手たち。

〇左コーナー3P 4.8本(1位)
〇右コーナー3P 5.5本(2位)


その3Pは単に多く打っているのではなく、コート全体を広く使えておりフリーの選手を的確に探せていることがわかります。乱れ打つような感じではないし、個人が打開して打つわけでもない。パスの連続でフリーを作り、しっかりと3Pに繋げています。
個人のアテンプト数はプリンスが6.6本とちょっと多いけど、その他は1人ひとりが多いわけでもないし。みんな基本はドライブかパスを選択し、フリーでもらったら打ちます。ヤングはプルアップが多いから、もっと決めないとね。

〇ペイント内得点 51.2(9位)

一方でスペーシングをしっかりしているのでインサイドでも稼げています。「ゴール下か3Pか」という現代的な戦略を明確に打ち出しているのがホークス。それを実現できているのも素晴らしい。
前述のとおり、ドライブからのシュートが決まらないチームなのですが、その割にはしっかりとインサイドで得点できているわけです。この戦略で優位性を持っているのはアンテトクンポの強さでインサイドを制するバックスとハーデンのドライブを使うロケッツですが、ホークスの場合はそういう個人の特異な能力がない、要するにモンスタークラスのタレントがいない割には、ペイント内を攻めることが出来ているわけです。

〇ペイントタッチ 27.3(4位)

大切なのはバックスやロケッツと違い、3Pを打ちまくってスペーシングするのではなく、ペイント内を攻めていく事が前提にあっての3Pチームになっていること。強力にインサイドを攻めこむタレント力がないのに、ペイント内に侵入できています。
ホークスはシクサーズのACだったロイド・ピアーズが率いているので、シクサーズのイメージに近いオフェンスですが、シモンズもエンビートもいないなかで、そのシクサーズよりもペイント内に侵入しているのでした。

コートを広く使い、ドライブと3Pを組み合わせたパッシングゲームで展開するホークスのオフェンスは、そのドライブと3Pの確率がそこまで高くないのでレーティングとしては高くないですが、戦術的にはなかなかよいオフェンスになっています。
だけど「決まらないシュートを打つオフェンスをしてどうするのか」と言われそうだから、やっぱりここだけの話にしておこう。

◉タレントたちの魅力

シュートが決まらないけどゲームメイク力のあるヤング
ドライブで切り崩しながらパスゲームの起点になれるリン

ルーキーながら3P40%で貢献するハーター
ペネトレイトと3Pでスコアラーの役割を担うベイズモア
エネルギッシュに攻めていくベンブリー

3年目の飛躍を目指しオールラウンドに活躍するプリンス
堅実なシュートと柔軟な役割変化のヴィンス・カーター

高確率なシュートを身に着けているデッドモン
移籍してゴール下の強さを発揮し3Pも決めるレン

どこのポジションを見ても1段階も2段階も足りないタレント力ながら、セルフィッシュな選手がおらず、チームオフェンスを突き詰めていっています。特に3Pチームなのだけどスペーシング出来ているし、良いパスを通すからインサイド陣が高確率でフィニッシュしていることは、チーム全体が機能性を備えていることを示しています。

しかし、やっぱりこのチームで面白いのはジョン・コリンズ。魔力としか評せなかったチームオフェンスを円滑にする存在はガードみたいなビッグマン。組み立てに参加し、ドライブからのキックアウトやインサイドでボールを持って逆サイドへのパスアウトも自在にこなします。

スペースを作るのがうまく、自分で作ったスペースに誰よりも早く飛び込めるからパサーが思わずパスを出したくなるようにみえます。今シーズンはノーチャージエリアのFG71%と高確率で決めています。
また昨シーズンよりも両コーナーにパスをするチームオフェンスが高まったことで、視野の広さも感じさせてくれるようになりました。つまりフロアビジョンが優れたインサイドプレイヤーです。パスのうまいヨキッチとスペースを利用するのが上手いサボニスの中間みたいな選手です。

11勝25敗のホークスですが、ケガで出遅れたコリンズが出場した試合は7勝13敗
コリンズ自身も18.4点、10.3リバウンドと大活躍中。実は2年目たちの中でドノバン・ミッチェルに次いで得点を取っています。プレータイムも30分に満たないので、非常に高い得点効率を誇っています。

「テイタムやクズマよりもジョン・コリンズの方が活躍しているぜ」
なんて言っても、ホークスをみない多くのNBAファンから顰蹙を買いそうだから、やっぱりここだけの話にしておこうね。でも、3Pがあまり決まらないし、個人技突破だって少ないのに得点しまくっている上に、戦術を構成する重要な存在になっているから、コリンズの活躍度はすごいよ。

結局、ホークスを誉めたいのか、コリンズを誉めたいのか。ってくらい見れば見るほどハマってしまう魔力は健在です。またそのうち特集するのだろうな。

「弱いからって面白くないとは限らない」

それはホイバーグのブルズやアトキンソンのネッツが教えてくれたことですが、ホークスもまたそのゾーンに入ろうとしています。ただ、この両チームに比べると、あくまでもパスゲームをしっかりとこなしているという点が大きいので、ちょっと面白さは落ちます。
一方でヤングとコリンズの存在は面白さを増してくれます。でも、ディフェンス力ないからね。それはブルズも同じか。

このオフェンスの形は理想を追い求めているもので、理想は理想に過ぎず、選手の特徴に応じて変化させないと勝利を追い求めるのは難しくなります。タレント力が足りないチームですが、タレントの特性という視点も不足しているのは事実。
もちろん、現段階ではこの形を追い求めていけばよく、チームとして成長していった先に、もうひと工夫が必要になってきます。まだまだ先の話。

3か月が経過して戦術が浸透し、オフェンス力が向上してきたホークスは、勝つことも増えてきました。大きく再建に舵を切った中で順調にきているといえます。今シーズンにやるべきことは、この戦術の中で若手たちが成長すること。
まだまだ全体のミスが多く、3Pは決まらないし、ドライブもいまいち。それでも魅力が出てきたホークスのオフェンス。

でも、まだまだ裏切られる試合もあるから、ここだけの話にしておこう。

ホークスのここだけの話” への8件のフィードバック

  1. ハーターいいですよね。
    3Pだけじゃないのも好き。

    ドンチはもうお腹いっぱいなので、最近はトレイ・ヤングとセクストンの試合を見てます。

    どちらも事前の期待値を超えて活躍してて嬉しいです。セクストンはこんなに出来るとは思わなかった。

    今年の新人は粒ぞろいで、名前の覚えがいがあるのですが、whynotさんのお気に入りは誰ですか?
    やっぱりKURUCSですか?w

    1. クルッツは唯一のウイング系なので、かなり良い感じですが役割が限定されまくっての活躍ですからね。
      二巡目だとブルース・ブラウンもいいしな。トリアーもいるし。

      しかしドラフト上位陣だと、ジェイレン・ジャクソンとトレ・ヤングがお気に入りです。かなり対照的な活躍の仕方ですが、どちらも戦術上の重要性が光ります。

  2. 明日の目玉試合であるウォーリーズとロケッツのwest頂上決戦をレポートしてくれませんか?

  3. 今日のBOSvsMINの試合でヘイワードがまた爆発してたんですけど、マッチアップ相手との相性がよかったんですかね?

    1. 試合観てますが書くのがめんどくさくて、1Qしか書いてない・・・

      ウルブズのディフェンスがセルツのスペーシングに連れ出されすぎです。インサイドがスッカスカ。スモールラインナップが大成功って感じでした。
      チームディフェンスが悪いのでした。

  4. 2年前からドアマットだけどドアマットのするバスケットじゃないと言われてたのを覚えています。
    これは今についてですが理由を見ることができてよかったです。

    1. 元々スマートなオフェンスしてますからね。2シーズン前はドアマットではなかったですが。昨シーズンは選手を試している割には、ちゃんとしていて変なチームでした。

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