ハーデンがもたらす勝ちパターン

ハーデン、ハーデン、カペラ、ハーデンくらいがロケッツのベストバランスなのか。出遅れまくった昨シーズンの最強チームは9勝1敗と絶好調!!

得点 33.0(1位)
アシスト 8.2(5位)
スティール 2.1(4位)

FGアテンプト 21.9(1位)
3Pアテンプト 11,9(1位)
FTアテンプト 10.1(1位) 

今シーズンもリーグ最高の得点力をいかんなく発揮するジェームス・ハーデン。ひどい内容のチームにおいて、別格の働きでオフェンスを構築してきましたが、更にギアをあげてきています。その働きに引っ張られ、ここ10試合を9勝1敗で抜けてきたロケッツはプレーオフ圏内に登場してきました。

〇この10試合のロケッツ
オフェンス 116.3
ディフェンス 108.5

昨シーズン並みのオフェンス力を取り戻しています。ディフェンスはまぁ。クリス・ポールがケガで離脱しても関係なし。というか、頼りにならないクリス・ポールに任せず、ハーデン、ハーデン、ハーデンと打ちまくることにしてロケッツは復調しています。
そもそも昨シーズンからダブルPGは二人の連携はそこまで脅威ではなく、それぞれがアタックしていく事で「負担を分け合う」のが特徴でした。FGだけでなくフリースローまで、全てのシュートアテンプトがリーグの誰よりも多いように、1人でやりまくっているのが今のハーデン。それはプレーオフのレブロンのように一切の批判を黙らせる圧倒的なパフォーマンスです。

実際に10試合単位での得点がコービー・ブライアントの396点に次ぐ、388点だとか。得点系の記録はほとんどをウォルト・チェンバレンが占めている中で、驚異的なスコアリングをしています。

〇この10試合のハーデン
得点 39.4
アシスト 8.0
スティール 2.1

FGアテンプト 25.3
3Pアテンプト 13.5
FTアテンプト 12.9 

40点近い平均得点を筆頭に、なんとも恐ろしき数字が並びます。マジックはフリースローアテンプトがチームで18.4しかないのに、ハーデンはひとりで13本も打っています。3P40%決めていますがFG44%と確率はそこまで高いわけではないので、

「シュートを決めまくって得点量産」ではなく、「シュートを打ちまくって得点量産」

というワンマンっぷりを示していますが、ちゃんとチームとしての結果がついてきているのだから文句は言えません。ハーデンのプレーそのものには大きな変化があるわけでなく、いつも通りステップバック3Pを打ち、いつも通りドライブし、いつも通りファールをもらっているだけです。
しかし、その機会が圧倒的に多い。ある意味、この成績のすごいところはスタミナだったりします。同じ水準のプレーを延々と繰り返すことが出来るのは驚異的です。

〇この10試合のQ別FG/3P
1Q 48%/49%
2Q 46%/37%
3Q 43%/38%
4Q 40%/37%

とはいえさすがのハーデンも終盤になるとドライブからの確率は落ちています。ただし、ドライブの確率が落ちてくるとフリースローの本数がグッと増やして補います。

〇この10試合のQ別フリースロー
1Q 2.6本
2Q 1.9本
3Q 4.1本
4Q 4.3本

シュートが決まらなくても、むしろ決まらないとき程にフリースローを稼げてしまうのがハーデンの脅威を増しています。見方を変えると、序盤に決めていく事でディフェンスが厳しくなり、その結果としてファールを引き出せています。
今シーズンは「ハーデンの守り方」がいくつか登場してきて、特にファールさせない(変な表現だ)守り方を各チームが試すようになりました。しかし、3か月たった現在では普通にファールを稼いでいることに。

スパーズはシーズン初めの試合で両手を前に出さず、距離を詰める守り方を徹底していましたが、先日の試合ではステップバックを止めることを諦め、抜かれないことを前提とした守り方にしていました。工夫が必要だし、ハーデンの対応も変化してきているということです。
ちなみにスパーズは13本打たれた試合のみで勝利し、2本しか打たせなかった試合で敗北しています。こうなってくると、どちらが良いのか難しいわけで、ファールを辞さないことを目指すチームが増えたのかもしれません。ロケッツの勝率自体は落ちていた序盤戦の守り方をし難くなっている変な状態なのか。たまたまだろうな。

◉勝ちパターンを作る

1Qで得点を稼いでいることはロケッツの勝ちパターンにも影響しています。この10試合で1Qビハインドは1試合のみ。先行逃げ切り型のパターンを実行に移しています。

〇1Qリードの試合 15勝5敗
〇ビハインドの試合 4勝9敗

ロケッツは非常にわかりやすい結果が出ていて、先にリードすることで自分たちの勝ちパターンにハメることが出来ます。それはファールを引き出していくハーデンの得意パターンだからか、ディフェンスに不安が大きすぎるチーム状況だからか。おそらく両方です。
ちなみに昨シーズンはビハインドでも19勝7敗です。リードしたら勝利する可能性が高いのはもちろんですが、逆転勝利も日常茶飯事だったのにね。というか1Qでビハインドの試合が26試合しかなかったのか・・・。

今シーズン20試合が1Qをリードしていたわけですが、そのうち9試合がここ10試合に集中しています。それはハーデンのもたらす得点力が実現してくれました。1Qはチームで29.9点のうちハーデンが12.4点。ほかの選手は多くてもゴードンの3.9点なので如何にハーデンが重要かを示しています。

ハーデンによって1Qに作ったリードで勝利を近づける

ロケッツが勝率を上げてきたのはハーデンのスーパーすぎる大活躍としか言いようがないわけですが、単に得点しまくっているのではなく、それがロケッツの勝ちパターンになっているのでした。
アリーザを再獲得できず、ディフェンスの問題はこれまで通り。クリス・ポールも離脱した。だけどロケッツにはハーデンがいるじゃないか。圧巻のMVPパフォーマンスのハーデンです。

◉ハーデンがいないと

しかし、この10試合におけるチームの数字を見ると違う面白さもあります。

〇ハーデンのオン/オフコート
オフェンスレーティング 114/117
ディフェンスレーティング 110/96
ターンオーバー率 14.4%/9.1%


つまり攻守に「ハーデンがいないほうが効率が良い」のが今のロケッツ。むしろいない時は超強豪チーム。
まぁサンプルが10試合しかないので偶然の要素が強いわけですが、ハーデンがいる時間のレーティング差が「4」しかなく、3.4点のリードしか得ていません。ハーデンがコートにいる時間で二桁リードしたのは3試合のみです。9勝1敗の好成績を生み出しているのは、むしろ「ハーデンがいない時間に攻守に機能していたから」ということになります。

ハーデンのスーパーな活躍で勝利がもたらされているのは試合を見ているファン全員が感じていることですが、スタッツをみると「アレっ!?」となるわけです。
もうひとりのハンドラーであるゴードンは好調というわけでもなく、タッカー、ジェラルド・グリーン、ダニエル・ハウスは40%近く3Pを決めていますが得点は10点に満たないレベルです。特別に誰かが助けているわけでもないのに、ハーデンのいない時間にリードを得ているロケッツ。

逆に言えば、誰もが活躍してるノーハーデンの時間帯。ハーデンがひとりでプレーしているような時間帯と、誰もが活躍している時間帯。このギャップに各チームのディフェンスは苦しんでいるのかもしれません。
そして誰もが活躍しやすいのは、1Qをリードした状態で終えているから、と考えることも出来ます。そんな僅かな違いが響くようならばNBAとはいいがたいわけですが、その違いが大きいとしか言いようのないくらいのスタッツになっています。

ハーデンで勝っているロケッツは、ハーデンのいない時間にリードを得ている

そんなウソみたいな数字が並んでいるってのも面白い。いずれにしても、成績が伸びてきたことで、やっとほんの少しだけ余裕が出来てきたはず。未だに使える選手が限られており、アリーザの代役たちは誰も貢献できていません。クリス・ポール問題も継続中。これらを改善させることに手を付けられるのかどうか。

平均得点が40点近い最近のハーデンの恐ろしさ。
スーパーすぎる活躍がこのまま続くならば2年連続MVPも現実的です。しかし、それは「大活躍しないとチームが勝てない」という追い込まれたチーム状況でもあります。

勝ちパターンを作っているハーデンに引っ張られている今のロケッツ。これをきっかけに勝率を上げてくるのか。さすがに出来すぎなので、そんなに簡単ではないと思うのでした。

ハーデンがもたらす勝ちパターン” への10件のフィードバック

  1. ハーデンのことだけ書いている前半部分を読んで「厄介なのはハーデンのいない時間帯なんだよ。」と思っていたら、後半にまさにその事が書かれていて驚きました。
    ハーデンが異常な活躍をしているわけですが、ここ10試合に関してはそれ以外のメンバーも想像を超える活躍をして困ったものです。我がスパーズもハーデンのいない時間帯に追いつくつもりが全然追いつけませんでした。
    意地の悪い考えですが、相手チームのファンとしてはクリスポールが戻ってきてくれた方が弱くなるんではないかと期待して復帰を待ち望んでいます。

    1. ハーデンのいない時間のプレーがそこまで継続するとも思えませんが、一方でアイソレーションばかりのオフェンスからの変化は対応しにくいでしょうね。ジェラルドの成功率がキーかな。
      逆にクリス・ポールがいる分にはアイソレーションには変わりないので対応しやすいのかも。

  2. エリックゴードンが怪我したのでハーデンの負担が今後さらに増えます
    ハーデンも怪我しなければ良いですが

    1. ディフェンスをさぼらせるのがベストですが、さぼらせるための人材不足なのがまた。

  3. あけましておめでとうございます。
    ふと、ゲームの時間がたとえば半分だったらどこが強いのかと思いました。
    たとえばエンビードが最後まで頑張れそうだからシクサーズが強いのかなとか。

    まあ仮定の話はあまりそそられないですかね 笑

    1. 半分だと交代の必要性が低くなり、7人目くらいまでが充実しているチームが有利ですね。
      となると・・・ウォーリアーズかな。結局同じじゃないか。
      あとはベンチが弱いサンダーも、ウエストブルックが暴れまわれるし強そう。

  4. ロケッツはあんまり観てないのでハーデンのオンファイヤーで連勝かと思ってましたがコートにいないときの数字は頼もしいですね。かみ合い方1つでぐっと強くなる可能性を秘めている訳ですし。

    1. ロケッツが勝てなかったのでアイソレーションをバカにしている人が結構いましたが、そのアイソレーションを強めてリーグ最高クラスのオフェンスに戻ってきたのだから、ハーデンはすごいです。
      そしてそれにより、やることが分かりやすくなってチームとしての機能性も増してきましたね。

  5. 自分はロケッツファンですが見ているとハーデンいない時間帯の方が調子が良いのは見ててもわかります。最近だとグリーンハウスエフェクトなどというものがあってよく説明はうまくできないですけどそれらも関係あるのかなと思います。ハーデンは居たら居たらで強いんですけどそれ以外の選手も心強いですね。しかし今はエリックゴードンが抜けてしまいハーデンいない時間帯のハンドラーがいなくなってしまうのでハーデンいない時間帯は少し厳しくなる話じゃないかなと思います。

    1. 昨シーズンもハーデンがベンチでクリス・ポールの時間にバランスよく3P打ちまくる形が最も良いオフェンスでした。それがクリス・ポール抜きでも問題なくできるってのは、にわかに信じられないのですが。いっそのことハーデンも休ませてもいいのかもしれません。頑張りすぎです。

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