2018/12/18 ピストンズvsバックス

前回の対戦でアンテトクンポに対して素晴らしいディフェンスをしたグリフィンの真偽を確かめたい。

◉グリフィンの気合い

前回の対戦で素晴らしいディフェンスをしたグリフィンですが、他のチーム(ホーネッツ)相手になると酷いディフェンスを披露しました。アンテトクンポキラーか集中力が足りないのか。始まって3分でそのアンテトクンポからテイクチャージで2つ目のファールを引き出し、早々にベンチに下がらせます。どうみても気合いが入っているグリフィン。相手が違ってもそれくらいやれよ。

そんなピストンズのスターターにはブルロックとケナードが並びます。戻ってきたシューティングデュオ。アウトサイドから積極的に打っていき、3連続シュート成功で8点を奪うブルロックに引っ張られ、ドラモンドのダンクも出てバックスはタイムアウト。普段は自分達がやる3P→インサイドみたいな流れをしてやられるのでした。

バックスのディフェンスはインサイド収縮になっているので効果的だったシューティング。ピストンズはアウトサイド止めてインサイドはグリフィンとドラモンド任せなので、全て上手く行った立ち上がりのピストンズ

ピストンズはさらにドラモンドのナイスパスからゴール下のブルロックが決めるも、グリフィンがイマイチすぎます。アンテトクンポを追い出すことに成功し、もう気合いが乗らないみたいな。

そしてプレッシャーを受けているのに関係なかったミドルトンが連続3P。vsドラモンドになったブレッドソーがスピードでイージーレイアップ。スネルも3Pで続いて簡単に逆転します。アンテトクンポがいた方が都合が良かったピストンズ。
なお、アンテトクンポの代役はDJウィルソン。なかなかの強気な采配にして、ファールトラブル時にくらいそういう選手を活用しないとね。

DJウィルソンは何もしていないけど、バックスのオフェンスはそこそこ機能します。ピストンズがアウトサイドをしっかり守るってことは、ヘルプが少ないと言うこと。バックスがそういうオフェンスでもあるけど、ウィルソンを空けてヘルプに備えるような形を取らないため、ブレッドソーとミドルトンで得点が出来るのでした。
アンテトクンポを追い出した意味が殆どないピストンズ。追い出されても大丈夫だったバックス。どちらの事情でもある感じだね。

ピストンズはケナード、レジーも3Pを決めていき、でも相変わらずドラモンドはオフェンスリバウンドを拾いまくりながら、イージーシュートをミスしまくって、ダンクすらも戻ってきたアンテトクンポにブロックされて。
1Qはアンテトクンポのレイアップで27-25と2点差になって終わります。折角ファールトラブルにしたのに4点のアンテトクンポに対して、2点のグリフィン。相手が弱いと気合いが乗らないのか、それよりもヘルプに弱いって感じかな。

◉どうしたDJ

2Qのバックスはアンテトクンポとメイカーが出ていますが、何故かピストンズのビッグマンはルアーのみ。スタンリーが止める役割ですが、それをみてメイカー→DJウィルソンでストレッチさせてvsルアーでのアンテトクンポを積極的に使っていきます。機能しているDJウィルソン。

スタンリーやルアーで得点することが出来、何とか互角で進むと再びグリフィンが登場で気合いのディフェンスもファールが増えていきます。ちなみにブルース・ブラウンはファールして早々にベンチに引っ込んだ。エースを止めないと存在感が足りない。

しかし、グリフィンが出てくると今度はアンテトクンポはローテの時間がベンチに。気合いが乗らないグリフィンはシュートが決まらないしやることが中途半端。ウソみたいだけどDJウィルソンは完璧に止めています。止めているのかな。止まっているのかな。カルデロンにミスが多いこともあって、若干のバックスペース。

スネルが3P、フローター、レイアップと決めていくのでピストンズがタイムアウト。ディフェンスの連動が良くなりミドルトンを追い込むし、ローテでドラモンドも次の次にパスが出る相手を追いかけ回します。シュートを決められては行くけど良いディフェンスをしています。でもバンク3Pなんて決めるブレッドソー。

そして、やっぱりDJウィルソン相手に決められないグリフィン。パスアウトはしっかり出来ているよ。だから離されそうで、離されはしない。
ただ2Q終盤になるとバックスのトランジションが目立ち始めます。ミドルトンにスティールされ、ロペスにブロックされ、走る形を作れ始めるとブラウンの速攻ダンクにミドルトンの3Pで遂に流れが決定ついていき、11点差になります。

シュートを決められるシーンはあっても、しっかりと追いかけ回していたのでバックスがラッシュする形には持って行かれなかったけど、走られると一気って感じ。グリフィンはポストアップについては、しっかりとパスアウト出来るけどペリメーターの1on1を選択すると、ヘルプへの対応が悪いよね。簡単にボールを奪われてブレッドソーの速攻

残り20秒で遂にDJウィルソンに得点まで奪われて55-43で前半が終わります。
点数をみても分かるとおり、バックスのオフェンスは大爆発したわけではなく、守り切ったことがもたらしたリードです。スターターで最も短い12分しかプレーしなかったアンテトクンポでしたが、15分プレーしたDJウィルソンが見事に代役を果たしました。
おそらくディフェンス面を強く指導されているのだろうと思わせる内容で、リムプロテクト力はないけど、グリフィンへのしつこいマークだけでなくローテーションしてのアウトサイドもしっかりと追いかけたことで、穴を作らせませんでした。

3つのオフェンスリバウンドを奪ったのにFG2/8で4点のドラモンドとFG1/6、5ターンオーバーで6点のグリフィン。これで勝てるわけはないよね。

◉働き過ぎのエース

後半になるとミドルトンを中心としたバックスのアタックに対してピストンズは抗うことが難しくなります。アンテトクンポにも走られてしまい、手も足も出なくなる形で、FG7/8と全く止める事が出来なかったグリフィン。その一方でアンテトクンポはグリフィンを止めていきます。止めていくのだけど、最後にボールを奪うのはヘルプに来たスネルになるなど、どうしてもヘルプに無力なグリフィン。

試合は一方的なバックスペースになるのですが、その割には10点リードは変わりなく、最大でも15点までしか開きませんでした。理由としては3Q0/5だったバックスの3P。インサイドへのアタックが効果的に決まりまくるのに、アウトサイドが全く決まらないので苦労します。

一応、その点ではピストンズの狙いはハマっています。インサイドはグリフィンとドラモンドがしっかりと止め、アウトサイドを追いかけるのがピストンズのディフェンス。とはいえタフ3Pを決めるのがミドルトンだっただけに、もしも3Pが決まったらゲームオーバーでしたが、インサイドをやられてもプレッシャーをかけたことで、何とか耐える形になりました。

一方でバックスのディフェンスはインサイドへの収縮型。グリフィンに自由を与えません。となれば、もうひとりのビッグマンであるドラモンドに期待したいわけですが、こちらはロペスに封じ込まれます。ロペスはグリフィンもブロックし、3Qだけで4ブロック!

今シーズンのバックスは好調のオフェンスの影でディフェンスの向上が目立ち、キーになるのがロペスや欠場のイリャソバの存在。ブロックやリバウンド力に欠けていても、しっかりとコースを切ってくれるディフェンスが頼もしいわけですが、さらに完璧に封じてくれたおかげで楽勝ペースに。

こうみるとバックスとピストンズはちょっと似ていて、アンテトクンポのインサイドの脅威を使うのが持ち味のバックスと、グリフィン&ドラモンドのピストンズ。3Q前半はバックスコンビが圧倒したことになりました。その代わり他の所ではそんなにやられていないよ。

流れが変わったのはフランストレーションをため込んでいたグリフィンが速攻ダンクを決めた当たりから。ヘルプのいない場面でやっと気持ちよくアンテトクンポ相手にぶち込んだことでスッキリしたのか、パスモードになります。

引きつけてのドラモンドへのアシストも決めると、残り4分13点差からベンチメンバーが増えた時間にスクリーンやハンドオフの形で何度も周囲に打たせていくことに。得点が止まったバックスを尻目に、ベンチから登場した4人が1本ずつシュートを決める仲の良さでラッシュし、4点差まで縮めて3Qが終わるのでした。

3Qは殆どがバックスの時間だったし、残り2分では12点のリードがあったのに、ほんの少しの時間で試合を分からなくしたピストンズ。オフェンスが良かったのは確かですが、それ以上にディフェンスが機能したことで追いついた感じ。その理由はバックスのベンチがアンテトクンポ頼みになりすぎたこと。

グリフィンが強気で失敗したピストンズと、アンテトクンポ頼みで失敗したバックス。

◉スタンリーショー

完全にピストンズの流れになっている4Q。ここで更にスタンリー・ジョンソンがステップアップします。積極的な3Pを放っていき、なんと4本全てを決めます。3Qのグリフィン推しがウソのようにアウトサイドから打っていくピストンズは、まるでアンテトクンポのいないバックスのよう。

ギャロウェイとブルロックも決めて、4Qだけで13本のアテンプトから6本の成功で逆転に成功します。この試合のバックスはディヴィチェンゾの出番が短く、カナートンはDNPでした。これまではアンテトクンポがいないときに強気のオフェンスを作るために起用されていた選手達ではなかったことを考えると、自分達がやっていたことをやられたような形でした。

ただ、その分アンテトクンポやブレッドソーのドライブ、そしてDJウィルソンも決めて地道に繋ぐことで大きなリードを許さなかったバックス。スターリン・ブラウンの3Pも決まって、ピストンズ一辺倒だった流れは変化してきます。

残り3分半1点リードのバックスはブレッドソーが3Pファールでフリースローを打ちますが、全て外します。しかし、ピストンズはグリフィンが連続ターンオーバーで逆転のチャンスを失うと、タイムアウトからアンテトクンポが5点を連取し、試合を決めに行きます。

残り1分50秒でアンテトクンポが決めて107-100になるとディフェンスの戦いに。苦しい中でもスタンリーとブルロックが決めて行くも、グリフィンはまたもターンオーバー。

残り30秒からバックスのラストオフェンスはミドルトンがミス。3点差で3Pを選択したいピストンズは、簡単には打たず、何度もドライブ&キックアウトでチャンスを求めていくと、ボールムーブした結果、フリーのグリフィンに。

ディフェンスが必死で追いかけてきたのをワンフェイクでしっかりと振り切って打った3Pでしたが、これが決まらず。107-104でバックスが制したのでした。

◉エースの次

ディフェンスが機能した方が優勢になっていったこの試合。何度か止めはしものの、アンテトクンポはFG15/21で32点と強気にゴール下を制していきました。しかし、個人の得失点差は△8点。ベンチメンバーと共に出ていた時間に苦しんだのですが、エース中心になりすぎるとディフェンスに追い込まれると言うことです。6ターンオーバー。

しかし、それ以上にバックスのディフェンスにハマったのがグリフィン

19点 FG4/13
11リバウンド 10アシスト
10ターンオーバー

ウエストブルックに次いで4つの部門で二桁という成績は、内容的に言えば個人アタックが全く通用しなかったことを示しています。打たせて貰うことすら出来なかったグリフィン。

しかし10アシストが示しているのは、グリフィンが強く攻めるから周囲が決めていくことが出来るチーム状況でもあります。ブルロック、ケナード、スタンリー、ギャロウェイと揃えているアウトサイドはスターターでもベンチでもアウトサイドから決めていくことが出来るメンバーです。

当たりすぎていたスタンリーではあるけれど、ここに積極的に打たせる方が効率が良さそうだったことは否めません。グリフィンが個人で止められたとか、単にシュートが決まらなかったのであれば致し方ないのですが、ヘルプに苦戦していた以上は、パスの判断をもっと早くすべきだったし、パスしていれば決めてくれる味方がいました。

どちらのチームもエースが活躍しすぎない方が適正という形です。

それにしても難しいバックスの選択。オフェンスよりもディフェンスの方が大切という考え方がありそうです。突然のDJウィルソンもありましたが、ジョージ・ヒルを獲得したのもそんな所か。ただ本日はブログトンがいなかった割にはプレータイムが短かったね。サラリー高いのに。

サディアス・ヤングとMKGに苦労しまくっているアンテトクンポですが、グリフィンを乗り越えることには成功しました。ただ、そこにはチームとしてディフェンスを優先することで、アンテトクンポが多少失敗しても問題ないという構図を作りたかった気も。

攻略されてきているバックスですが、そう簡単には引き下がらないために次なる変化を求めて成功したような試合でした。


2018/12/18 ピストンズvsバックス” への5件のフィードバック

  1. 前回の対戦で、ガーベジタイムではありましたが活躍したのウィルソン。ミシガン大出身、ピストンズホームでまた起用してくるブーデンホルツァー。憎たらしかったです。

    1. 今シーズン3試合45分しかプレーしていないのに、そのうち2試合32分がピストンズ戦のDJウィルソン
      今すぐトレードで獲得した方が良いのでは!?

  2. この試合に全く関係なくてすみません。先日のキングス対ウルブズ戦でフォックス、ビエリッツァ、コーリーステインがほとんど出てないのですが何かあったんですか?NBA友達のなかでも話題になっていて気になります。ESPNとかにもかかれてない上、退場とかでもないっぽくてまたイェイガーの迷采配なのかと思いまして

    1. 本当だ。スゴイですね。ヒールドとボグダノビッチも短い。前半から大差でオカンムリだったのかもしれませんが、幾ら何でもってプレータイムですね。
      フォックスの平均スタッツが!

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