ここ数週間トレード話に賑わっていたトレバー・アリーザは古巣のウィザーズに戻ることになりました。サンズ加入時に「LAに近いから」みたいな発言もしたらしいのに、遠きワシントンへ送り込まれることに。アリーザ関連をちょっと時系列でまとめましょう。なお、全部Wikipediaさんに書いてある内容です。
➀2004年ドラフト43位でニックス入団
ニックス史上最年少らしいアリーザですが、デビッド・リーにプレータイムを奪われたんだって。ポジション違うじゃん。で、マジックにトレード、さらにレイカーズにトレード
➁レイカーズで優勝
ルーク・ウォルトンからプレータイム奪ったんだって。ポジション違うじゃん。
レイカーズ2シーズン目では見事なディフェンス力を発揮してチームの優勝に大いに貢献します。コービー、フィッシャー、ガソル、バイナム、そしてオドムといるチームの中で早くもロールプレイヤーとしての才能を発揮しまくったことに。ある意味、この優勝への貢献がアリーザのNBAでの立ち位置を決めたのかもしれません。
この時のアリーザは23歳。まだまだ伸びるお年頃。そういえば昨年くらいだったかジェリー・ウエストが実は「(まだデビュー前の)マグレディを獲得してコービーと組ませようとしたけど反対された」みたいな発言があったような。
コービーの相棒のウイングとして長くレイカーズはキープすべきだったかもしれませんが、優勝したチームにも変化が必要で、上記の主要メンバーは動かしたくなかったからか、世界平和のロン・アーティストをFAで獲得し、そのアーティストが抜けたロケッツにアリーザはFAで加入します。
➂ジャーニーマン
ある意味、実力は評価されているけど主役ではないキャラが定着したことで、アリーザは各チームに求められては移籍していきます。2009年にロケッツとの契約は5年33Mらしく、今なら安いですが当時なら結構高いんじゃないかな。
当時のロケッツはそのマグレディがエースで、コービーの次はマグレディと組んだわけだ。エースと共にプレー出来ることがアリーザのオフボールの優秀性を生み出したのかもしれないし、ディフェンス面で力を発揮しないとプレータイムを得られないことを強く理解していたのかもしれません。
ロケッツではキャリアハイの14.9点をとっています。でも当時からFG40%程度なんだよね。期待しすぎてはいけないということも示しているのかも。
なこともあって、クリス・ポールで勝ちたいホーネッツ(ペリカンズ)に移籍します。面白いよね。いろんなチーム、選手達と出会い、別れ、再会しているアリーザ
でもホーネッツ(ペリカンズ)自体も解体するわけで、アリーザはウィザーズにトレードされます。これが2012年。Wikipediaの中の人はウィザーズに興味がなかったのか、何も書いていない。
ウォールとビールを中心に再建モードだったウィザーズは20勝レベルのチームでしたが、アリーザ加入の2シーズン目はケガ人が少なかったこともあり、44勝と遂にプレーオフチームにレベルアップします。アリーザも平均14.4点でウォールに次いで長くプレーし、勝たせる選手っぷりを発揮します。
④ロケッツ移籍
FAになったアリーザはロケッツに加入します。当時のことはよく知らないけど、この翌年にサラリーキャップが高騰するのに、わりとお買い得な契約になってしまったアリーザ。でも4年契約らしいから、そんなものだったのだろうね。
ハーデンとハワードのチームだったロケッツは56勝します。すげー。いわゆるGMの手腕がもたらした好成績なわけで、アリーザはGMの計算に合致したわけだ。でも翌年は5割になってしまい、ダントーニがやってきました。
3ポイント多投チームに仕立て上げたダントーニの元でアリーザのスタッツは殆ど変化しませんでした。ウィザーズ2シーズン目からずっと3P多投型になっていたアリーザ。既に3&Dの代名詞的存在になっているのでした。
そして迎えた昨シーズンのプレーオフでは自身の代役だったはずのバーアムーテが不調に陥る中で、デュラントとの密着デートを繰り広げ、「やっぱりディフェンスって大切だな」というのをロケッツというチームで示したのでした。
⑤サンズ加入
オフにアリーザはサンズに加入します。1年契約ですが給料はほぼ3倍。ロケッツが再契約を目指したのはもちろん、ウォーリアーズなんかの噂もありましたが、何処のチームも15Mは渋っています。そりゃそうだ。
12点 FG40%、3P36%、5リバウンド
アリーザの成績は平均すれば大体こんなもの。長くこの役割をやっているだけに、そんなに大きくぶれません。これに15M支払うわけにはいかない。
ということでサラリーキャップに余裕があり、若手達の指南役にしたかったサンズに対抗するのは何処のチームも困難でした。同時に1年15Mなんていう大金を断る理由はアリーザにはなかっただろうし、「サンズは2月にバイアウトしそう」とも感じました。長くキープする意向がなく、高いサラリーのアリーザに教えを請いつつも、2Mくらい減額させ他のチームと契約して貰うストーリーだった気が。
そんなわけで大切なのは
・3&Dとしての高い信頼度
・サラリーが高い
この2つの事情でした。どこのチームも欲しい能力と、どこのチームも欲しくないサラリーになっていたのがアリーザ。
◉ロケッツとサンズの不調
状況を変えたのはサンズが悪すぎたこと。そしてロケッツも悪すぎたこと。
サンズはアリーザ云々ではなく、とにかくチーム全体が酷すぎた。だからアリーザをキープする意味がなくなってきました。ただ、これって変な話で、もともと勝てるわけないのだから成長させることに注力するならアリーザから学ばせることは多かったはずです。
しかし、チャンドラーをバイアウトするわ、ジャマール・クロフォードが加入するわで、ひっちゃかめっちゃかわっちゃか。多分、そんな指導をするようなチーム環境になっていないんだと思うよ。何よりアリーザ自身が活躍していない。主役がいないとダメだからね。
そしてそれ以上にアリーザを失ったロケッツの惨状がアリーザの価値を大きく引き上げていきました。なんせ最近のロケッツはスターターがアリーザ→ゴードン程度の違いしかないのに、やっぱり崩壊しています。
管理人は「クリス・ポールが悪い」と断言していますが、日本語のブログなんか絶対に読まれない安心感みたいなところもありますね。そう簡単に口にしてはいけない言葉。アリーザがいなくなって守れないと言われるのでした。
サンズでアリーザは活躍していないけど、アリーザの価値は高まった
カオスな状況になりましたが、これで「15M支払っても良い」と考えるチームが登場し始めました。最終的にウィザーズに加入したわけですが、噂になっていたレイカーズとロケッツ以外からも提案があったと思われます。バックスとかジョージ・ヒルよりも「デラベドバ+1巡目」でアリーザだった気がするけど。
正直言って、シーズン前には予想もしなかった状況です。「売れるはずがないし、バイアウトだろう」予想の選手が突然の大人気。サンズがガードを欲しがったのもあるし、1年契約だから来オフのFAとは関係してこないのも良かったけど、まさかアリーザでわらしべ長者をやるとはね。
◉ドタバタトレード
アリーザに関しては三角トレードが成立しました。グリズリーズにウーブレイがいって、サンズにはリバースが行く。あとグリズリーズが絡む。
これが試合中に決まったらしく、ロッカールームへ行って本人達に伝えた後で「ブルックス間違い」が発生し、帰りのバスでトレードがなくなったと伝えたそうです。凄い話だ。ネット上では「スコット・ブルックスHCもトレードしろ」と大盛り上がり。それがトレードに含まれたら破談になるだろ。
ところが一転して翌日には
サンズにリバース&ウーブレイ
ウィザーズにアリーザ
これでトレードが成立してしまいました。サンズは結局、何を求めていたんだって話ですが、内容的に言えば「リバース+ウイング」で成立したことになります。欲しかったのがリバースという事になりますが、リバースなんて無料でもらえると思うんだよね。
このトレードはそこが難しくて、一般的な評価だと
ウーブレイ>アリーザ>リバース
です。若いしRFAのウーブレイは手元に残したければ残せるのに比べると、2人はオフにFAで出て行けます。加えてウーブレイは数字的にはアリーザを超えるかもしれない3&Dで、高いディフェンス力とそこそこ決まる3Pとエネルギッシュなドライブがあります。未完成のアリーザって感じ。完成する可能性は20%くらいだけど。
ただ、サンズがそこまでウーブレイが欲しいかというと、そんなことはないよね。じゃあやっぱりリバースが欲しかったのか。本当によくわかんないトレードでした。
一方で一般的には損をしたと考えられるウィザーズについては、理解出来る面があります。
・今シーズンのプレーオフを諦めない
・成長が微妙なウーブレイは諦める
この2つが成立するわけで、後者を勿体ないとは考える一方でRFAとはいってもサラリーキャップがギリギリのウィザーズからするとオフに残せる可能性が低いというか、「ウーブレイが成長したら残せない」という難しい判断もあるので、現状で上回るアリーザに賭けたってことになります。
加えてリバースが放出できるのでサラリー的にはアリーザを受け入れることが可能です。ウィザーズはリバースかマヒンミを放出しないとアリーザをとれなかったので、これは戦力関係なく必要だったのです。
要するに不平等なトレードに思えますが、ウィザーズの決断には理解出来る面がある。リバースを評価しているサンズは1番良い提案にのっかった。というのが想像できるトレードでした。
確かにKCPもらっても意味ないし、ロケッツの指名権もらっても使い切れないし。リバースが最も良い案件だったのかもしれません。タイアス+トリバーとかダメだったのかな。ウルブズがダメだったんだろうね。
ウィザーズの決断はもうひとつ邪推したくなる面が。
ウィザーズは既にアリーザを手元に2シーズン置いたことがあり、ウォール&ビールともプレーしているのだからリスペクトされるだろうし、ロッカールームの雰囲気を改善してくれる良い選手と判断したのかもってことです。サンズでの評判は余り良くないけど、実際に知っているわけだし。
そしてこれまたトラブルメイカー的に扱われるリバースを放出することになるのは都合も良く、よくわかんないけど頭に血がのぼるウーブレイもなんか一癖あったのかもね。
こうしてウィザーズはトラブルメイカーっぽい選手は大本のウォールとケガで離脱中のハワードを除いて処理できたと言えば、処理できた。多くのチームで脇役をやってきたアリーザを加えることは、戦力的な側面以上に重要だったのかもしれません。
◉トレード後の予想
サンズはよくわかんない。まぁ好き勝手やっているようだけど、リバースがいることでジャマール・クロフォードとのコンビがわかりやすくなって良いのではないかな。リバースは尊敬しているって話があったよね。「なんでクリス・ポールに対しては尊敬話が出てこないのか」という疑問があったので覚えています。
ウーブレイについてはジョシュ・ジャクソンがいるのに、って感じです。ミカル・ブリッジスもいるし、確かに有望な若手だったとしても機能しないだろうなと。個人的にはキングスにお願いしてフランク・メイソン譲って貰えば良かったような。キングスにとってもSF補強になるし。まぁキングスはポーター欲しいんだよね。
ウィザーズは現在はサトランスキーがスターターですが、ここにアリーザが加わるのは好印象です。サトランスキーのプレータイムはメチャクチャで、スターターPFとして出場し、そのままセカンドユニットPGになり、試合の終盤はベンチっていう変な役割。
ポーターが復帰してきたときに、どんなユニットにするのかわかりませんが、便利屋なアリーザなので、なんとかするのでしょう。ポーターがベンチから得点取った方が良い気がする。戦力の充実ぶりだけは凄いチームだけに、ウイングの強化とベンチの安定は良い傾向です。
プレー的には実は既にディフェンス面は頑張れているウィザーズ。ただ、ここも凡ミスをやらかすからイージーショートを決められてしまいます。それをアリーザが塞いでくれることに期待したい。エースキラーよりもチームディフェンスなので「バトラーよりもコビントン」みたいな感じ。
オフェンスの方はネッツ戦は驚くほどに良くなっていました。負けたけど、それはネッツの作戦にはまった感もあったし。何が良いかというと「プレーの再現度」が高まっていること。狙いを共有できているから、ディフェンスの反応に合わせて逆を取ることも出来るようになっていました。
あとはそれにオフボールでプレーメイクするのが上手いアリーザの味付けに期待したいところ。3Pが決まりまくるとかではなく、地味な動きでディフェンスを引きつけてくれたり、混乱させてくれるのがアリーザの良さです。
ディフェンスが戻っていないと判断すれば前を走り、死角に回り込んではフリーで待ち、勝負所でスティールからの速攻を生み出す。そんなアリーザの良さが出てくれば、個人能力はあるけどチーム能力の低いウィザーズを助けてくれるかもしれません。「アリーザが20点取ると負ける」なんていう確率が高かったりするのだけど、それだけチームがディフェンスの狙いにハマり、困った時にこそ働いてくれる選手です。
少なくともこれ以上悪くなることはないだろうね。当たり前か。あと純粋にポーターがアリーザをみて成長すると良いね。
アリーザがとれなかったチームの方はデマーレイ・キャロルをオススメします。伸び悩んでいる若手と2巡目指名権で交換できますよ。
ウーブレイ出してまでアリーザをとる必要あるのかなーと思いましたがロッカルーム状況などの+αを考えると納得です。
あっちではクリスポールが悪いって言っちゃいけないんですか?
トレード対価的にはあれですけど、自分でも書いている間に「アリーザならリスペクトされている」という気がしてきたので、ウィザーズの狙いはそっちだったんじゃないかと。
クリス・ポールが悪いって言って良いのかどうかは知りませんが、そういう表現されないですよね。カーメロと違って。
それこそわらしべ長者なんだよなぁ
アリーザと高額契約してウーブレイがとれるとか普通じゃない。
あキャロルの話です。わかりにくくてすいません
TORのダンプのために2018の1st+2nd指名権もゲットしてキャロルも若手に変えたらそれこそわらしべと
長者になる日もそう遠くないと思わせるから怖いチームです
キャロルは昨シーズンにその話がありましたが、今だと1stはムリですね。残り1年しかないので。
ネッツ的には2NDもらえるなら、クルックスとグラハムで補うから売ると思います。デッドライン近くなって困っているチームなら指名権2つ出してくれるかも。
サラリーも高いので、相手の不良債権を引き取るかどうかという点でも活用しそうです。
でもネッツもプレーオフ争いしている可能性が。そこはウィザーズ次第かな。
ちょっとサンズのお笑いも笑えない領域にきていますね。G居ない居ないと嘆いて行き着いた先がリバースなんて、何の冗談かなと。
リバースなんて無料で貰えるは笑いました。
ウーブレはWASの悪い雰囲気を作った一人な気がします。試合中必要以上に相手を煽る行為をするし、乱闘に紛れてウォール殴っちゃうし。結構見た目通りな奴だなと。プレーぶりは期待出来るんですけどね。
アリーザの思惑はバイアウト後にどこへ移籍するつもりだったのか気になりますね。個人的にLALではないのではと思ってます。たぶんWASではないでしょうけど。
リバースが無料の価値というか、ウィザーズはキャップスペース空けておけば動きやすくなりますからね。マヒンミも無料。
ウーブレがどうかはべつにして、チーム全体にガマンが足りないのは確かなので、それをもたらしてくれるかどうか。
昨シーズンにシクサーズやロケッツがバイアウト補強をしており、ウォーリアーズはロスター枠空けておく等、ケガ人も発生する中でロスター枠を空けておくことで柔軟性をもちたいチームは増えましたね。
おっしゃる通りバックスにアリーザ来たら面白かったんですけどね。
ブレッドソーとブログドンがいる中でヒルを取るよりも、ミドルトンが不調な時や守備固めのためアリーザの方が断然使い勝手が良いのに。
サンズはネットで「三途の川」なんて秀逸なギャグも揶揄されてとんでもない珍走っぷりを発揮してますね。
PG収集癖時代の次は微妙なインサイド過多、そして今度は有望そうな若手ウイング過多時代に突入しそうです。
ブレッドソーをSG的に考えていそうなので、PG補強したいのはわかるのですが、1巡目放出するなら他にも狙える選手がいたような。
サンズはGM大問題だと誰もが思っていたけど、GM交代しても迷走するだけという渡ってはいけない川になりましたね。給料だけは支払ってくれるのかな。
古巣に戻るという題を見てロケッツかと思ってしまいました。ウィザーズ も古巣なんですね。
アリーザはジャーニーマンなので古巣が多いですが、ロケッツもレイカーズも含めて、古巣から求められる選手って、やっぱりロッカールームでの良い影響があるのかなと思いました。
え?リバースをバイアウト??
サンズは何をしたいんですかね??
管理人さんがいうようにキングスからフェレルやメイソン3世もらえたのに・・・
キングスって相変わらずディバッツが動かないのか
売れそうだし、人気ありそうな選手が浮いてますよね。
そしてリバースを取る可能性がありそうで。
ウーブレイのトレードはもちろんサラリーの問題でもありますが本当に必要なら残したはずですよね
やはりチームはポーターにはスコアラーの役割を期待しているのかな。
ウーブレイは良いプレイヤーだけど、シュートセレクションが悪いのか入らない時はまったく入らなくなり無理なプレーが多くなるのがありましたね。
とにかくこのトレードで連勝を増やしてイースト上位を目指して欲しい。
ウーブレイは良い選手ですが、3&D的なのに安定しないという微妙さを嫌がったんですかね。ポーターの方が安定しているのは事実ですし。
これで今シーズンはアリーザで頑張るとして、来年オフにFAを探す余裕くらいは出て来たかな。
アリーザスターターで頑張りましたが
ホークスに負けてしまいました。
シーズン開始からすでに4人も放出したのに相変わらず勝ちきれない。
このままの感じだと2月には別のチームになってるような気がしますね。
ホークスが大分良くなってきている事情にハマりましたね。コリンズ!!
アリーザ さんは低いFG、そこそこの3P、リバウンドに6スティールなど、流石のご活躍だったようで。ウォール・・・
さん付けシリーズ、次回は誰になるのでしょうか・・・。楽しみにしています。
リバースさん、「グリズリーズに加入したい」報道されるけど、グリズリーズ側からは「契約する気はない」と一蹴される。
いいですね!じゃあリバースさんつながりで、「浪人中のルーさん、師匠に呼ばれて夢の師弟コンビが復活する。」みたいな。