ハーデンの歴史的なトリプルダブルを振り返る

いつか書いたような題名だな。

日本には野球に例えたがる族がいますが、何故それが理解しやすいのかが理解出来ないわけですが、今回のハーデンを例えれば7打数7安打5ホームラン13打点3盗塁って感じかな。

「そんな記録出るわけないだろ」

といわれそうですが、ていうかNBAファンからしても「あり得ないだろ」って内容なわけです。わけですが、もう最近はウエストブルックのせいで普通になってきました。ハーデンも普通になってきました。クレイジースタッツが日常感を増してきたってね。これで4回目らしい。

◉種を蒔く1Q

50点を奪った上にトリプルダブルは、実はリバウンドの10本と50点は比較的リンクしやすくて、それだけハイテンポな試合であるということ。相手がレイカーズなので試合を観ていなくてもナルホド!となりますね。

プラスして試合を観ると意外と序盤は種まきみたいなことが多いです。この試合もロケッツのオフェンスはハーデンではない所から攻めていきます。インサイドを何度も攻めていき、オフェンスリバウンドをカペラが拾ってを繰り返すので、レイカーズのディフェンスはかなりインサイドに収縮していました。

例外ポイントがあってタッカーがコーナーでドフリーになりまくっています。「インサイドに収縮」ではなく、「アウトサイドを追いかけない」レブロンによって出てくるパターンです。若手達はアウトサイドを守りながらリバウンドにも参加し、そしてタッカーはフリーになる。

しかし、その分リバウンドを取るレブロンはトランジションを繰り返します。これはテンポアップに繋がるので結果的には歴史的な記録をアシストしています。別に悪い意味ではないよ。最近はレイカーズをよく見ていますが、後半にバテるレブロンパターンの兆しはある互角のスタートです。

ハートが3P&ワンを決められたことで、マークがクズマになります。サイズのあるクズマはハンズアップしなくても打ちにくいこともあって、ハーデンの3Pは決まりません。しかし、サイズがあるので少し離したところをハーデンに狙われて、足がひっかかるようにドライブされてしまいます。

2回目のファールをコールされたクズマはレフリーにクレームしてテクニカル。ベンチに下がるのでした。ここからレイカーズのディフェンスは崩壊します。インサイドのディフェンスローテがメチャクチャな上に、ロケッツがネネイを出してきたことで混乱です。

ゴール下にロケッツの選手は誰もいない。だけどレイカーズの選手達はゴール下を気にしている。ドライブするハーデンと少しアウトサイド側から合わせてくるネネイのコンビに全く対応出来ないチャンドラーという構図で1Qは13点1アシスト5リバウンドのハーデンでした。
なお、アシストに関してはカペラとネネイが外してくれたので稼げなかっただけで、内容としては3,4つあっておかしくなかった。ポイントはリバウンドが多いこと、そして3P1/5と決まっていなかったこと。

・試合のペースが早い
・3Pは決まっていない
・レイカーズのインサイドディフェンスは怪しい

特にこれといって珍しい要素はありません。レイカーズとロケッツの試合ならあり得そうなことが多い。唯一の例外はロケッツはペースが遅いチームだということ。

◉アシストする2Q

ハーデンがベンチにいる時間ですが、前述の事情は加速します。カペラがやっとシュートを決め、さらにクリス・ポールのポストアップからゴール下にポジションをとったゴードンへのアシスト。なぜか小さい2人でポストtoポストを決めてしまうロケッツ。
ダニエル・ハウスもドライブからゴール下をねじ込むし。収縮していたはずのレイカーズディフェンスはベンチメンバーになると途端に苦しみます。クリス・ポールは2本の3Pを決めて8点リードに。

ハーデンが戻ってくるとピック&ロールに対して何もしないマギーでイージーレイアップを決めます。マギーはハーデンを止める事もカペラを止める事も、どちらも選択出来ていない。とはいえ、またもレブロンがトランジションオフェンスを連続します。ペースアップで2点差に追い上げてタイムアウトのロケッツ。

ゴードンも1人抜いたらイージーレイアップ。それをレブロンが取りかえすの繰り返し。しかし、ハーデンはハート相手にミスを連発。リバースレイアップも外し、全く得点が取れません。効いていたハートのディフェンス。ただし、マギーはテンディングで助けてくれる。

しかし、ハートはオフボールでレブロンとのマーク受け渡しからタッカーにファールしてしまいます。オフボールでそんなに激しく守る必要があるのかって感じですが、それがハーデン番のお仕事でもあるか。でも、クズマはハーデンの顔面に肩タックルしますが、お咎めなし。

速攻のハーデンに肩であたったロンゾでフリースローを2本決めこのQ6点になりますが、得点はこれで打ち止め。前半19点は日常なら多いけどってくらいか。

レイカーズはセンターがチャンドラーになったので、裏のスペースにアリウープを通したハーデン。さらにフリーになったクリス・ポールの3Pをアシスト。チャンドラーは頻繁にカペラを空けてくれるので、アシストを連発したハーデン。

ここでちょっと変なプレーが。クリス・ポールvsロンゾになり、そこにカペラとチャンドラーが絡む構図なのですが、リバウンドをクリス・ポールが取ったところで後ろから飛びこんできたハートのファールになります。3Pラインの外にいたハーデン番が何故かリバウンドでファールしベンチに下がります。

さらにロンゾもクリス・ポールに対して前に出すぎてファールコールされベンチに下がります。レイカーズのディフェンスはボールマンにプレッシャーをかけるという良い意味と、そこを止めないとヘルプが機能しない悪い意味の両方からやっているので、アタックするけど止める事も多いPGコンビに何度もついていこうとしてファールが増えていった感じ。

前半はロケッツが8点リードで終わるのですが、ファールが多いレイカーズと、それ以上に守れないチャンドラーと。6点4アシスト0リバウンドのハーデン。

◉苛立ちの両チーム

まだまだ元気なレブロンによってあっさり追いつくレイカーズ。カペラがぶち抜かれたの久しぶりに観たな。さらにロング3Pのレブロン。わお!ハーデンよりも凄いプレーしているレブロンは、さらにハーデンからテイクチャージ。

しかし、またもハーデンの3Pに対してハートがファール。ダメだよ足下にはいっちゃ。これでハートはベンチに下がります。唯一効いていたハートがいなくなると、ハーデン番はKCPに。ウェイドに抜かれまくっていたKCPは怪しいぞ。

ただ、今度はロケッツのファールが増えていきます。レブロンに崩されまくっていたせいで、警戒を強めた結果、ディフェンスローテーションがメチャクチャに。すると最終的にゴール下で乱れているので、押したのか押してないのかわからないけど、マギーが一杯コールして貰える。カペラも頭を抱えるファールコールされて登場したのはネネイ。うん、ハーデン&ネネイね。これは前半の形が思い起こされます。さらにマギーもローテでベンチへ。

予想通りぶち抜かれるKCPと、オフボールでネネイに全くついていかないから、スクリーン1つでフリーになるジェラルドの3P。
クリス・ポールがいなくなったこともあってKCPからクズマに変更されたのですが、ゴール下に行くとチャンドラーのファールを貰うハーデン。クズマも前半と同じ形のファールをしていきます。ちなみにネネイもバカみたいにファールコールされている。

ちなみにレブロンがクリス・ポールにつくシーンがあって、両手を後ろに回して手を引っかけられないようにしている。加えて抜かれるのだけど、半身でも頑張ろうとしていたクズマと違って、完全に前に行かせて追いかける形をとってシュートは打てないように追い込んでいます。打たれたけど。
このレブロンの守り方を考えると甘かったクズマと、それ以上に抜かれたときに一瞬でもよいから遅らせて欲しいチャンドラーって感じです。

残り3分をきってベンチに下がったハーデンは1分休んだだけで戻ってきます。するとステップバックミドルを決め、ネネイのゴール下にもアシストし、最後はステップバック3Pで締めくくります。連続で稼いだ。
3Qは14点4アシスト4リバウンドでしたが、内容的には全く目立っていない。レブロンやオフバランスの3Pをねじ込んだクズマの方が目立っていたくらい。その理由は得点の半分がフリースローだったこと。そしてアシストは突破してのパスじゃなくて、フリーになった選手に渡しただけだったから。

そしてネネイはレフリーにクレームばかりして2回のテクニカルで退場。そしてオフバランスになったクリス・ポールへのファールコールに怒るルーク・ウォルトンもテクニカル。本日のレフリーコールに苛立ちを募らせる両チーム。ダントーニが「それもバスケさ」みたいなことを言っているけど、カットされているインタビューで聞き取れなかった。

試合は2点差と接戦です。接戦にならないと50点ってなかなか出ないんだよね。70点とったけど負けるブッカーみたいにさ。

◉圧巻の1分46秒

カペラへのアシストで始まる4Q。またもハーデン番がKCPまたはロンゾ。

なんかロンゾは意図的に抵抗を止めたのかな。ポストアップからのターンシュートに無力です。無力を否定できないのは、やりすぎていたハートがいたから。落ちるのを信じるしかない。レブロンのターンシュートと同じだ。

今度はスヴィにマークを変更して簡単に抜ききってカペラにアシスト。スヴィ君も守れないね。ここでハーデンはベンチに下がります。マギーのフックなんかで逆転するレイカーズ。
シュートチャンスを作れるようになったロンゾは本当に良くなったよ。毎回褒めているから、そのうち褒めないくらいになるとレベルアップなんだけど。同じ事をシモンズがやっても褒めないし。しかし、そのロンゾのプレゼントパスから速攻でジェラルドの3Pになってロケッツ4点リードでレブロンが戻ります。

ハーデンが戻ってくる残り5分まで3分くらいありましたが、この時間にレブロンあるある。「前半に速攻とか走って頑張りまくると、4Qにはパスを回して3Pばかり」になる。ロンゾは良かったのに、レブロンになるとオフェンスが単調になってしまったレイカーズ。抜いたと思ったら、サッとファールするタッカーにも困らされている。

ハーデンを抜いてハンマーダンクのクズマで109-106とロケッツのリードは3点だけで残り4分。スクリーンを交わさずについていこうとしたハートがファールになって3ショットのハーデン。ファールはあれでも、それが3ショットになるのがね。

ハーデンはさらにランス相手にトップからロング3P。レブロンがハーデンにつくけど、またもステップバックロング3Pのハーデン。昨日のアーヴィングが可愛く見えてきてしまう。3本目のロング3Pはクズマが外させたけど、リバウンドを押し込んだカペラ。サーカスリバウンドシュート。

今度はドライブを選択し、クズマを吹っ飛ばしてレイアップ。「吹っ飛ばして」と言うか、耐えるとファールなんだよね。落ちるのを祈るしかない。これで気がついたら122-108になっています。

残り4分05秒 109-106

残り2分18秒 122-108

僅か1分46秒の間に3点差が14点差になってしまいました。クラッチタイムに来ての驚異的なラッシュ。これで実質は勝負ありなのですが、そんな気分にはならないから、普通に続きます。

ハーデンの3Pは決まらず、クズマの3Pも決まらず。ハーデンは何故か、わざとマークをクズマに変えてまで勝負し、ステップバックミドルにファールさせます。ここでレブロンを下げたルーク・ウォルトン。残り1分で知らない選手が出てくると、そこから抜いてレイアップで得点するハーデン。50点目はイージーだったのでした。

4Qは17点2アシスト1リバウンド。17点の内、11点が試合を決める1分46秒の間の出来事でした。ちょっと恐ろしき集中力。50点取ったとか信じられないくらいのパフォーマンスでした。3Pは4/12だけど、2本がこの時間。そして19本のフリースローにはテクニカルも混ざっているので、何ともね。

なお、4Qのレブロンは2点のみ。終盤のレイカーズはノールールだったけど、それ以上に序盤に働きまくるレブロンが、異様に失速してしまうのでバランスを欠いてしまうんだよね。何に似ているかというと、頼りにならないクリス・ポール。ボールを長く持ってはパスアウトされて、困ってしまう周囲って感じ。

◉60点トリプルダブルの時のハーデン

ちょっと昔の記事を読んでみました。この時は60点だったのね。

◯1Qのハーデン
12分 FG5/7 3P0/2
16点 4アシスト

クリス・ポールがいなかった事もあり、ほぼハーデン起点のロケッツでした。しかし、1人で攻めてたわかではなく、むしろパスを出していたハーデン。決められなかった味方。3Pは大きく空けられた時しか打っていないので、無理なくとった16点でした。

◯2Qのハーデン
10.5分 FG3/8 3P0/5
8点 3アシスト

低調だった2Q。結局前半は3Pなし。アシストが多くなりました。本当にムリのないプレーをしています。周囲の決定率は1Qよりも上がりました。

◯3Qのハーデン
12分 FG5/6 3P2/3
18点 3アシスト

遂に3Pが決まります。そして変わらず2Pはドライブからレイアップばかりのパーフェクト。アシストはコーナーが空くのでキックアウトも増えました。

〇4Qのハーデン
12分FG6/10 3P3/5
18点1アシスト

この時はクリス・ポールとアリーザが不在で、ゴードンも途中でリタイア。マジックのオフェンスが好調で最後まで接戦になったことで、休みなくプレーしていたハーデン。
満遍なく得点していたので、60点だし、今回は集中的に得点したから50点って感じかな。

今回のトリプルダブルはキックアウト3Pが殆どなく、ある意味ハーデンらしくなかったです。これはロケッツにとっては悪い話で、「ハーデンが50点取ってくれたから良かったけど」に近い内容でした。シュートが少し不調だったら、結構苦しかったし、まぁ決めるからこそのハーデンでもあります。

得点は2P10/14とインサイドアタックを殆ど止められなかったレイカーズに由来しています。センターの連携が良くないので、ドライブしてくるハーデンの動きを一瞬でも止めることが出来ませんでした。そして、それが出来ないからクズマは半身でも身体が当たるところで追いかけてしまうファールが増えた。

ハーデンはお見事でしたが、それを除くとお互いになんともいえない50点トリプルダブルでした。お互いって言うか、レフリーっていうか。


ハーデンの歴史的なトリプルダブルを振り返る” への6件のフィードバック

  1. やはり動けるビッグマンは補強した方が良いと思います、管理人さんが仰っていたモアランドなどが候補になるでしょうか。

    1. でもハーデンステインもいるし。クリスを完全戦力外にするダントーニなのでモアランドがいてもねぇ。
      それよりもアリーザの役割とタッカーの控えを探すべきかと?

      1. あーすいませんレイカーズの話です、この試合もかなりやられていたので。
        ロケッツはその通りですよね、KCPとかJRを狙ってるそうですがどうするんでしょうかね。

        1. レイカーズはチャンドラー獲得しちゃったからセンターは人数的には要らないですよね。どんなディフェンスにしたいか次第ですが、どうしても止めてくれない感じは気になってしまう。ロケッツは迷走。

  2. クラッチハーデン恐ろしき
    ダントーニは勝負所で甘い笛をもらうためにネネイを二度目のテクニカルで捧げたんじゃないかと邪推してしまう笑

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