2018/12/13 ホーネッツvsピストンズ

まじかよ、ブルース・ブラウンがスターターかよ!?

◉プレーメイクの差

6連敗中のピストンズ。好調と不調と絶不調のチームですが、このままだと絶不調ゾーンに突入してしまいます。それはマズいってケーシーさん。それを改善するためにやってきたんだから。

選ばれたブルース・ブラウンはディフェンスを何とかするという気合いの現れ。のはず。そこに28点とったケナードが加わるスターターはチームがまだまだ未完成ってことを示しています。まぁブルロック、イシュ、グレン・ロビンソンが欠場という事情なのですが。

ケンバのパスから得点していくホーネッツで始まった試合は、プレーチョイスに迷いのないホーネッツと迷いのあるピストンズという感じ。ドラモンドとゼラーだとドラモンドの方がかなり上だけど、しっかりとパスが来るのは圧倒的にゼラー。

レジー・ジャクソンは万全じゃないのか、スクリーンをかけられるとダウンしてしまうシーンが多く出てきます。オフェンスでもケンバとのプレーメイク力の差を見せつけられている感じ。全般的にシステムよりも個人の判断力に差がある。

例えばトランジションでグリフィンがボールを持ったので、ゼラーは瞬時に自分が行くと指示してマークします。しっかりと走ってきたドラモンドはvsケンバになったので、そこを使うべきなのに自分で打ってしまったグリフィン。でも&ワンってのは褒めて良いのかどうか。

ホーネッツ7点リードで、ブリッジスとエルナンゴメスが登場します。ラムからのアリウープを決めるエルナンゴメス。さらにケンバのパスからイージーレイアップと上手く合わせていきます。ブリッジスはドラモンドに豪快にブロックされた。
しかし、エルナンゴメスはグリフィンのターンに全くついて行けず、ドラモンドにプットバックも許します。そうかディフェンス面の理解が足りないので出番が少ないのか。

ピストンズもカルデロンやギャロウェイ、パチュリアが出てきます。カルデロンが良いシュートセレクションを作っていくのですが、暴走気味なグリフィンに困っている様子。パスを戻して欲しそうな顔をしながらスペーシングポジションに移動してイマイチな雰囲気。
そしてパチュリアはケンバ&エルナンゴメスに翻弄されて、ホーネッツが12点リードで1Qが終わるのでした。ブルース・ブラウンいたっけ?エースキラーじゃなきゃ存在感ないな。

◉慣れてなかった

パーカーとモンクのガードコンビで得点し、必ず合わせるエルナンゴメスが見事な3Pフェイクからダンクとまたもパチュリアを翻弄して素晴らしい形のホーネッツ。ビッグマンが良く動くのだけど、ボールと違うところで動くから捉えにくいね。

ピストンズはギャロウェイが難しい3Pを決め、さらに4点プレーを成立させます。動き回るギャロウェイはシュートがいまいち決まっていなかったけど、カルデロンのパスがやりやすそう。それに比べると今日もシュートが決まらないモンクによって、点差がなくなっていきます。
何故か、エルナンゴメスを下げたことでインサイドの優位性がなくなったのもポイント。カミンスキーのみのビッグマンは苦しい。

モンクを早々に諦めるとパーカーからのプレーであっさりと二桁リードに戻したホーネッツ。パーカーおじさん凄い。ところがカミンスキー1人を諦めなかったのでグリフィンやドラモンドが戻ってくると反撃を食らいます。
断っておくとカミンスキーが悪いのではなく、ワンセンターのカミンスキーはムリ。そういえばMKGがいないので、スモールラインナップの延長なのかもしれませんが、なんとかしてしまっていたMKGの方が凄いってことで。

大したプレーはなく、完全にゴリ押しだったピストンズですが、グリフィンとドラモンド相手に無謀な作戦を採用してしまったボレゴ。折角のリードがふいになると、少しずつオフェンスもよくなるピストンズ

レジーの悪いゲームメイクもありますが、単純にこのユニットでプレーしたことがないから、上手く行っていなかった様子で、時間と共にマシになってきました。ケナードが独特の動きをすることと、グリフィンが動かないことの組み合わせがバランス良くなかったのかも。右サイドが死んでいるけど、ケナードが少しずつ使っていくことで改善しています。

ケンバのマークがブルース・ブラウンになったことでディフェンスもマシになっていき、前半最後はグリフィンのポストプレーとケナードの3P、そしてケンバをドラモンドがブロックして5点差になって終わるのでした。

◉ディフェンスから

ケンバを止めたブルースからグリフィンの速攻、さらにブルースはゼラーの謎のパスをスティールしワンマンダンク。更に今度はドラモンドがケンバのパスをスティールし速攻。ホーネッツはセンターを中継役に頻繁に使うのだけど、そのパスって緩いことが多いので、見事に狙っていった2人です。

昨シーズンもピストンズが良かった時ってディフェンスだったんだよね。アンソニー・トリバーとエイブリー・ブラッドリーのコンビが止めまくって、そうするとドラモンドまで走り出してさ。で、ケナードのディフェンスがまた上手いんだよね。ブラッドリーの代役にブルースが登場してくれたから、やっぱりトリバーを取り戻そうよ。

このディフェンスの爆発で一気に逆転に成功したピストンズ。ゴール下で4人に囲まれて押し込むドラモンドに、グリフィンのポストアップにカッティングレイアップのブルース。時間が経つ毎に良くなってきたユニット。あとはちゃんとケナードにスクリーンをかけに行くんだグリフィン!

ブルースはケンバをブロックしていき、ドラモンドは走るゼラーに後ろから追いつき。グリフィンは動かないけどパス貰って3P決め。いや、そこはグリフィンじゃなくてケナードがいるべきだろ。やっぱりここがね。トバイアスだとコーナーで待っていてくれるエースだっただけに、グリフィンとの相性に苦労しそうなケナード。
しかし、ブルース→グリフィン→ケナード→レジーと見事なボールムーブから3Pも決まっていけば、やっとドライブで抜けたケンバをドラモンドがブロックし、そこから走って最後はケナードの3P。3Q6分間で7点リードに変えたのでした。

苦しくなったときはパーカーの出番。3ガードでケンバの負担を減らし、全員でボールを動かして、コーナーで待っていたケンバの3Pが決まります。しかし、またもグリフィンのポストにカッティングしてきたブルース。この2人は相性良いね。

レジーのディフェンスが酷すぎて抜かれまくるのですが、それを救っていくドラモンドのブロックで、何とか守っていき、レジーのレイアップにグリフィンの3Pで少しずつリードを増やしていくピストンンズ。
レジーが4つ目のファールになったのでカルデロンが登場すると、またもカルデロンからギャロウェイの3P、モンクのミスパスから速攻レイアップ、スタンリー・ジョンソンの3Pも決まって二桁リードになります。

ディフェンスの良さから走り出せたピストンズ。一応、ブルースのスターター起用は当たったわけだ。最強セカンドユニットじゃないけど、ある程度固定してあげたほうが機能しそうだけどね。

◉稀に見る酷さ

相変わらずシュートを外しまくるモンクですが、レイアップを微妙なコールで&ワン。さらにケンバのキックアウトから3P。4Q初めから3ガードのスモールラインナップにして追いかけようとするホーネッツ。調子に乗ったモンクはムダに仕掛けてトラベリング。それはダメだよ。

パチュリアが連続で決めるピストンズはケンバ対策のブルースも出してディフェンス優先なのか、ちょっとオフェンスがチグハグ。ブルースが個人技で決めたりするけど、このメンバーの時に何をするかが決まっていないよね。またも慣れていないユニットな訳だ。
しかもホーネッツは既にスモールを辞めているのに、ピストンズは継続中。どうしてもインサイドが攻められません。でも、ホーネッツもダメダメになってしまい、カルデロンがミドルを決めて残り7分10点差。気がついたら元に戻されていたホーネッツ。

ホーネッツはスターターに。ピストンズはスターターからケナード→ギャロウェイ。お互いに守り合い得点がないまま時間だけが過ぎ残り5分になると、ケンバが3P。グリフィンをマービンが守り切りますが、ラムがオフェンスファールとなかなか追いつけないホーネッツ。

ショットクロック残り6秒くらいでボールを貰って、右みて左みて、何するか悩んだ挙げ句に苦し紛れの3Pを打つレジー。「こいつ本当にPGかよ」みたいなことを解説に言われます。そのリバウンドからあっさり3Pを決めたケンバで3点差に。

さらにグリフィンの強引すぎるアタックがミスになると、ボールを回して回して、最後は飛びこんできたゼラーのダンクで残り3分きって1点差に。グリフィンはポストアップからカットしてきたブルースに遅すぎるパスでミスに。

まぁあれだよね。グリフィンの悪いパターンが連続で出てきています。要するに判断が遅いってだけなんだけどさ。それが嫌でイシュをPGにしていたはずが、不在だから困ってしまいます。丁度、トバイアス・ハリスについて書いたけど、ビックリするほどアッサリしているよね。

そしてケンバもまたアッサリと打っていきます。そこそこ外すんだけど、もう自分が打つことは決まっているから、周囲もそれに合わせてくれる。時間使って、ゴリゴリしちゃうグリフィンとの差を見せつけるケンバのアーリーシュートの数々。

残り1分で3点ビハインドのピストンズはケナードをいれてきますが、まぁ結局はグリフィン勝負。またも苦しくなってから密集地帯のドラモンドにパスをしてしまいます。どうすれば良いかわからなかったドラモンドですが、強引にシュートに行くと&ワンに。フリースローもしっかり決めて同点。

ホーネッツはケンバがスピードで突破し、レイアップと思いきやゴール下でストップフェイクし、追いついてきたけど止まりきれないドラモンドにファールさせてフリースローを決めます。残り35秒でスタートしたプレーは5秒で完結させたので2for1にもなっています。パーフェクト、と思ったらフリースローを1本外したケンバ。だったらレイアップ打っておけよ。1点リードに。

時間を使えるピストンズですが、特に気にせずハイポストのグリフィンに託します。これがマービンのファールになってフリースローに。マービンは6つ目で退場。MKGがいないから仕方ない。ところがフリースローを2本ともミスするグリフィン。
うーん、2本決めていたら1点リードだったわけで時間を使わない選択肢はどうなんだろうか。でも外したけど時間が残っているからファールゲームのチャンスが増えるって事なのか。

さらに不思議なことにホーネッツは最後のタイムアウトをコールしてしまいます。キープしたら勝ちの場面で、ファールゲームなのは分かっているし、ボールを取ったのはバトゥームなのに、何故なんだ。勿体ない気がするわけですが、4人のガードをいれて、誰が貰っても良い形でラムがファールを受けます。
ラムが1本決めてホーネッツ2点リードの残り21秒にして両チームにタイムアウトが残っていない状態です。

ここでパスを受けようとしたギャロウェイにファールしてしまったのがパーカー。お前もか。もうカオスだ。2本のフリースローをしっかり決めるギャロウェイで、残り14秒同点に。本来ならここでタイムアウトのはずなのに残っていないとか、何やってんだか。

ボールを持つのはケンバ。マークするのはブルース。
何故か、ダブルチームを仕掛けたグリフィンだけど、その逆側をドライブし、ヘルプが寄ったところで簡単にラムにパスアウトすると、これをロング2Pで決めたラム。

残り0.3秒2点差なんだけど、当然タイムアウトも何もないわけだ。急ぐしかなかったはずのピストンズはなんかボケたことをして動けずタイムアップの雰囲気に包まれる会場。
しかし遙かにバカだったのはマリック・モンク。ラムのシュートが決まった瞬間に大喜びでコートに飛び出していたのでテクニカルファール。1点差になった上にリプレーで0.3秒に戻されて作戦タイムを与えてしまった。

エンドラインから放り投げたグリフィンのボールはバトゥームがキャッチして事なきを得たのでした。どっちも何やっているんだ。酷いぞ。

ケンバもグリフィンも勝負を決める大切なフリースローを外すし、タイムアウトの使い方間違えるし、モンクはアホだし、その前のパーカーすらもファールするし。

◉ケーシーっぽい

うーん、なんというか交代が行き当たりばったりだったのがプレーオフのケーシーっぽかった。試合の中では好不調を見極めつつ、相手の出方にあわせつつというのがあるので柔軟ではあるべきですが、その一方で自分達がやりたいことも考えないと行けません。

ディフェンスからチャンスを得たことで、ディフェンス優先だったのでしょうが、あまりにも苦しくなりすぎたオフェンス面と、それがグリフィンの強引なプレー頼みになってしまいました。
3Pラインの外でボールを貰って、ゴリゴリ押し込んで行くプレーを繰り返させるのは、かつて褒めた内容とは大きく違うので、非常に困ってしまいます。

グリフィンはグリフィンで判断が遅すぎてプレーを停滞させる悪癖が戻ってきました。そのためのイシュがケガな訳ですが、だったらカルデロンってのがあって、勝負所で起用したいなら逆に4Q早めにレジーを使っておけば良かったのに。

そしてレジーのディフェンスは何アレ。あまりにも無力すぎて驚いた。ということで、結構なバラバラ感のあったピストンズ。要するに急造チーム感がありました。それは仕方がないわけだけど、急増になると迷走しているケーシー采配は、プレーオフでレブロンのことを考えすぎていた感じに似ています。ギャロウェイは3Q残り4分半から出っぱなしだったし。

ポジティブに言えばブルース・ブラウンは良かったし、ケナードも使えるからグリフィンなしでユニットを組ませた方が面白そう。グリフィンはカルデロンが必要だからセカンドユニットに混ぜよう。アンテトクンポ的な使い方にしたい。
というのが提言ですが、それよりもある程度ローテを固定して上げないと苦しい様子です。ローテを固定するってのは「このメンバーではこういうプレーをする」という前提が必要なのだけど、足りていません。

再び登場したグリフィン問題って感じです。開幕後はあんなに良かったのにね。またもコンディションが万全じゃないのか。グリフィンは元気な開幕直後は良いプレーをして、どんどん疲労が溜まっていくイメージ。

ホーネッツはまさかの1点差を制したわけですが、内容的には「接戦に弱いチーム」らしいものでした。ピストンズも弱かったから助かっただけ。パーカーもモンクもケンバも、そしてボレゴも腕立て100回だな。

MKGがいないのが非常にでかくて、それでもマービンの頑張りとエルナンゴメスのオフェンスで繋ぐことは出来ました。そこは良かったのにな。
決勝シュートだけでなくラムはとても良くなっているし、モンクは物足りないけど、ガード陣で組み立てるのは良く出来た。問題はケンバを止められたときにどれだけの事が出来るのか。

ブルース・ブラウンのディフェンスには苦労したけど、ピックを使ったり、3ガードにしたりと戦略が複数用意されているのが機能したわけで、これでやっとピストンズを勝率で上回れたのは良かったね。

ただ、この上(セルティックス)とは実力的に開いているので、追いかけるには戦力不足は否めない。やっぱり欲しいよブラッドリー・ビール。エルナンゴメスが本物になるか、モンクとブリッジスが安定するか、結局はこの3人に戻ってきてしまうね。

ひやひやものの勝利でした。ポポビッチじゃなくって神様に怒られるモンク


2018/12/13 ホーネッツvsピストンズ” への6件のフィードバック

  1. ゼラーのおかげで助けられたけど、スイッチされなければケンバ相手にほぼ完璧に守っちゃうルーキー怖い。読んでてよかった当ブログ。慌ててHOU-DET観にいきました
    最後まで追いかけるしスペースみて飛び込めるしそっちだけMKGいるのズルい!

    1. リーグパス便利!

      敵にこの手のタイプがいると、どれだけ厄介な選手が混じっている思い知らされますね。味方にいるとシュート決まらない選手が扱いもされるけど!

  2. アメリカの国民性もあると思うんですけど、NBA選手って言い訳のしようのないヘマをやらかしてもうわーやっちゃった、、みたいな申し訳なさそうな顔しないで結構えぇ〜?俺〜?みたいな顔しますよね。日本人からすると結構不思議です

    1. sorryって言ったら負け!

      みたいな感覚が強そう。ジョーダンが頭を叩いたのも地味に問題視されたとか。

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