ウインドウ5 カザフスタン戦

ベストゲームだったんじゃないかな。

◉ローテーション

日本のスターターはカタール戦と同じ

富樫、比江島、田中、竹内譲、ファジーカス

富樫がしっかりと戻って来れたのは朗報だけど、カタール戦ではファールトラブルで失敗した形を再度持ってきました。最終的に富樫は32分もプレーしましたが、ケガのリスクを考えると危ない橋を渡ったことになりますし、それだけPG田中を信用していたことでもあります。

そしてカタール戦では観れなかったプランAが何かを示してもくれました。富樫、篠山、田中、比江島、馬場の5人で3つのポジションを回すという予想通りのラマス采配であり、インサイドはファジーカス、竹内譲、張本の3人で回し、欠員補充的に太田を使いました。太田の使い所はわかりにくいけどローテーションの狭間を埋めたイメージ。

つまりラマスはこれまでの良かった部分のみを起用したいし、チーム作りの中で連携が高まっているメンバーで勝負したいわけです。ドイツ代表がバイエルンに集合するような形が好みになりそうなラマス。ウインドウ2の会見とはかなり違い、スターターと馬場が頑張りましょう作戦です。

 

この試合で初めにレフリーコールに苦労したのはカザフスタンでした。ファジーカスに対してハンズアップしているだけなのに、当たってくるファジーカスが&ワンになってしまいます。繰り返された形でカザフスタンは修正してきました。修正なのか諦めなのか。

「国際試合のレフリーは厳しい」といえるのかもしれませんが、だとすると「Bリーグはなんで甘いのか?」というのが問題なんだけどね。一貫して厳しく吹かれているわけだし。日本一丸なら国際試合の基準にしっかりとアジャストしていく努力がレフリーにも必要。個人の努力とは違う面の話ね。

そして前の試合では比江島が早々にファールトラブルに陥りながら、2Qに登場して2分で3つ目をしてしまいました。その比江島はもちろん反省して抑えたけど、今度はベンチから登場する篠山がファールトラブルに。富樫のケガ、少ない人数でのローテという事情を考えると、褒められたアグレッシブさではありません。もう一人目だったのは張本。こっちは手を出してはいないので気持ちは分かるけど、ブロッキングも厳しいんだ。

そんなわけでスターターじゃなかったからまだしも、少ない人数で回したいのにファールコールへの対応が甘かったと言わざる得ません。ところが退場したのは竹内だったから、笑ってしまったね。4つ目の3Pへのチェックがファールになったのは致し方ない。良く追いかけたし、フォロースルーに当たっているのは何ともね。でも、レフリーにクレームしてあっさりテクニカルで退場となりました。あれでテクニカルは厳しすぎるレフリーだと思うので、何とも言えない。あの程度がダメなら試合中のコミュニケーション禁止になってしまう。何と言ったかは知らないけど日本語でしょ?

 

そんなわけで「国際試合ではプレー強度が高いからプレータイム配分が大切」みたいな発言をしていたラマスなのに、4人が29分以上プレーすることになりました。それで良いのかって疑問はラマスだけでなく選手側にも問題があったよね。ここに渡邊と八村が加わる前提でいえば+2人起用出来るから問題ないというのも事実。でもベンチスタートの馬場が30分超えるのはどうなんだい?

一方で彼らはファジーカスを除いて当初から代表でプレーしていたメンバー達。長くチームとして活動してきたことで、意思疎通がとれており、ベストゲームと評したくなる内容でもありました。

 

◉ファジーカスの41点

日本は初めに竹内が目立ちます。ドライブレイアップで初得点を挙げただけでなく、何度か切り裂く形に。なんで竹内なんだって感じですが、ヘルプが来ないからです。予選を通じて良いプレーを続ける竹内ですが、決めきれないことが多かったのだけど、カザフスタンはサイズが大きくないこともあってブロックが怖くなかった。

そこからファジーカス劇場になり最終的に41点と日本のほぼ半分の得点をとりました。ただ、注目したいのはアテンプト30もあったこと。打ちまくったファジーカスですが、確率はそこまで高くなかった。これが超高確率ならファジーカス様々なのですが、ファジーカスが個人で打開したシュートは少なく、周囲がドライブをしっかりとして、最後にファジーカスパターンが非常に多くなっていました。

「1回のアタックで2,3回のペイントタッチ」における3回目がファジーカスでした。レイアップにはならなかったけどね。これまで培ってきた部分が機能してきたと言えそうです。

30のアテンプトがありながら、あくまでもフィニッシャーでしかなかったわけで、そこがファジーカスじゃなくてもしっかり打てたでしょう。まぁファジーカスみたいに強気に打つメンタルもシュートテクニックも日本人センターはもっていないだろうから、実際にはファジーカスじゃなきゃダメなんだけど。

 

1度、田中がドライブから外に膨らみ、ゴール下のスペースを空けてアリウープパスを出したけどファジーカスはとれなかったシーンがありましたが、カークならダンクだっただろうね。機動力の問題。だからファジーカスは凄かったけど、周囲がプレーメイクをしっかりしていたし、個人能力が凄すぎたわけじゃないよ。でもファジーカスじゃなきゃ決められないプレーでもあったよ。というジレンマ。

34分プレーしたファジーカスは後半になり疲れを見せ始めました。そうすると3Pラインの外にいるファジーカスなので、比江島と馬場のドライブが目立つように。イメージと違いカザフスタンはトランジションディフェンスが良く、ランニングゲームは仕掛けられませんでしたが、インサイドヘルプを減らせればドライブも有効でした。ある意味、ファジーカスがいないなら、3P打てるセンターにすればドライブ決まりそうです。だから太田よりも張本なのかもしれない。

41点のファジーカスで勝てたのは間違いない。だけど、ファジーカスの高さとか、個人技とかで41点を奪ったわけでもありませんでした。そしてスペースを空ければ他のプレー選択も出来ていたということで、ベストゲームと評価出来るのはそんなことからなのでした。

馬場のダンクは凄かった。

 

◉効かないゾーン

一方でディフェンスはあまり効きませんでした。ゾーンディフェンスはカザフの17番にほぼほぼ潰されてしまいました。11本の3Pを打った17番はとにかくフリーになれるスペースを見つけるのが上手く、ドライブからキックアウトすると大体17番がボールを受け取っています。ベンチに下がると途端にチームは機能しなくなったので、チームの成熟度としては日本の方が上でした。それを個人で解決してしまった17番。

序盤はカザフの3Pが良く決まっていましたが、カタールは苦しくても打って決まっていただけに対し、コーナーを上手く利用し、ドライブで引き寄せてキックアウト3Pとしっかりと構成していたカザフなので、そのままゾーンを続ければ3Pは決まり続けた可能性があります。4人が3アシスト以上としっかりとパスを繋げるカザフのオフェンスなのでした。

これによりゾーンからマンツーに切り替えざる得なかった日本。ところが、マンツーになると17番はドライブでファールを引き出していきます。ここが守れないのが大きく、苦労していきました。それは最終局面に大きな影響を与えることになるのでした。

 

マンツーになるとある程度守れるようになったのですが、11本のオフェンスリバウンドをとられることに。全然ブロックアウトしないんだもの。特にファジーカスはブロックアウトしないで取られるケースが結構ありました。アウトサイドの飛び込みも許していたので、オフェンスリバウンドを外国人インサイドに任せるBリーグの弊害なのか。日本人ビッグマンは逆にしっかりとボックスアウトするよね。そうしないと全く取れないから。

一方でカザフもあんまりボックスアウトしてきませんでした。日本は12本のオフェンスリバウンド。そのうち6本がファジーカスですが、ゴール下でファジーカスと高さ勝負してどうするんだ。しかも2mに満たないセンターなのに。ということで、お互いにオフェンス勝負になっていった試合です。

 

◉両者の差を生み出したもの

試合は互角で推移していきます。鮮やかなキックアウトから3Pを打っていくカザフの確率はそこそこ。しっかりとしたプレーメイクからファジーカスに打たせるけど確率はそこそこ。日本が堅実に得点してはカザフがポンポンと決めて5点くらいを一気に詰めるのを繰り返している感じ。ペイント内得点は56-28と日本が圧倒しますが、それが決定的な差にはならないのでした。

途中で日本の方が良い流れになってくると、Q後半にチームファールからフリースローでやっぱり追い上げられます。両チームに差があったのはターンオーバー。日本は12スティールとディフェンスを頑張った感じですが、そこまでスティールしたイメージはないし、速攻での得点も10点に留まりました。

一方で日本の方はミスが少なく、シュートまでいけるのでターンオーバーは8のみ。なんと24も犯したカザフに比べるとチームの成熟度で圧倒していたと言えます。インサイドに飛びこんでから悩むようなシーンは殆どなく、リズムを崩されることもなかったのでした。同じメンバーでやり続ける意味があったのでした。

 

62-58と日本の4点リードで始まった4Q。最後の勝負で両者の差が鮮明になっていきました。

田中のステップバックミドルが決まると、馬場にもミドルが生まれた日本に対し、カザフは大事なところでターンオーバーを連発します。怪しかったシーンでボールを奪われたことでクレームしてテクニカルをとられるカザフのHC。日本がこれまでになかったミドルで得点したのに対し、カザフは勝負所で次第にチームとしてガマン出来なくなってきたのでした。

これでリードを奪った日本ですが、ここで前述の竹内がファール&テクニカルでベンチに下がります。さらに張本までファールしてしまったことで、ラマスは思い切った策を選択します。富樫、比江島、田中、馬場を並べたスモールラインナップの採用です。ちょっと記憶にないし、富樫で採用するというのは相当思い切った作戦です。

 

これが功を奏します。実質4ガードみたいなメンバーでプレッシャーディフェンスをするとミスを連発するカザフ。頼みの17番はアウトサイドまで守られるし、ドライブも出来ません。そこでポストアップを選択するのですが、田中がフェイスガードでパスをいれさせず、慌てていくカザフの面々。

オフェンスでも田中と馬場のコンビが光り、比江島は3Pにドライブと一気にラッシュします。スモールラインナップになったことでインサイドはファジーカスのみ。でもファジーカスを空けることは出来ないから、アウトサイドからでも1人抜けばチャンスになっていきます。

まぁこの形ってNBAでは見慣れた光景なわけですが、それをするにはセンターが弱かった日本。多分、ファジーカスでも本当はムリなんだけど、プレッシャーディフェンスが効いてしまったから大いに効果を発揮したのでした。

 

そんなわけでラマスの選択した「起用する選手を限定する」方法論は、それはどうかと思いつつも、2試合続けてファールトラブルによるアクシデントから始まった想定外のローテーションが生み出すディフェンスで勝利を掴み取りました。ちなみにどちらも田中のディフェンスが大きい。

これをどう捉えるかは難しい。「ラマスの采配が光ったね」とも言えるし「トラブルがなければ通常通りだったんでしょ」とも言える。ただ、この試合は太田を使う選択肢がありながらスモールを選んだので采配が光ったとしましょう。カタール戦は怪しいけど、第3PGがいても起用しなかった可能性はある。

 

◉カタール戦に勝つのみ!

ファジーカス+八村に加えてオーストラリアの乱調があったウインドウ3、八村と渡邊によるボーナスステージっぽかったウインドウ4に比べると、個人能力よりもチームとしての完成度で勝ちきったウインドウ5に。これでなんと6連勝!

フィリピンがカザフ、イランと連敗したことで順位が入れ替わり日本が3位に浮上しました。残すはアウェーのイランとカタールですが、フィリピンの得失点差が△21、日本が+88なので109点の差があります。残り2試合をフィリピンが連勝しても、日本はカタールに勝てば勝ち点で並ぶので、逆転される可能性はかなり低いです。

避けるべきはイラン戦の大敗と疲労によるカタール戦の乱調のみって感じ。となるとイラン戦は全身全霊で勝負を賭けるのはムダなんだよね。偏ったローテーションの意味がないわけです。出来ればミスの少ないオフェンスと、大ケガをしないディフェンスでイラン戦をやり過ごしたいね。

ラマスは一体、どんなマネジメントをしてくるのでしょうか。

 

 

 

ウインドウ5 カザフスタン戦” への4件のフィードバック

  1. 一つ気になるのが、仮に今後八村と渡邊を呼べたとして、このままファジーカスを呼ぶのか、それとも2人と相性の良さそうなアイラを呼ぶこともあるのか気になります

    1. ファジーカスでしょうね。
      困ったら竹内にすれば良いだけですし。

      竹内にアイラの代役をやらせることは出来ても、ファジーカスの代役は出来ないので。

    1. マジで。じゃあ並んじゃダメなのか。
      イラン戦勝たないといけなくなるぜ。
      逆ブロックで中国が3位以内の4位と比較になるのかも。

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