2018/12/04 ラプターズvsナゲッツ

ナゲッツの現在地をもう一度確認したい。すっかりリーグ最強として物差し役になったラプターズ

◉アジャスト

ナゲッツのセンターはヨキッチですが、ニック・ナースの選択はバランチューナスではなくイバカ。ベンチにプラムリーもいるだけに悩むところ。そのヨキッチのポストアップからシュート、アシストと繋いでいくナゲッツ。ポストに入ってからのオフボールの動きとコーナーまで広く使い切るのがナゲッツ

同じくコーナーまで使うけど、ラウリーのアシストが目立つ今シーズンのラプターズ。ドライブ&キックアウトというわかりやすい形なのだけど、よく動くのに合わせるから厄介。いつになく3Pを打っていく序盤は少しナゲッツのディフェンスに苦労しているようにもみえます。ナゲッツはミルサップのことを評価していますが、エルナンゴメスが高さがあるのもポイントで3人大きいんだよね。最近はクレイグよりもエルナンゴメスを選ぶマイク・マローン。

お互いに、そんな中でミルサップのインサイドプレーとシアカムのスピンムーブが加わって、お互いに快調に飛ばしていきます。シアカムはなんでもスピンするね。シグニチャー。シュートが決まりまくるわけでもないのに、レイアップとキャッチ&シュートの連続だからテンポが良いのね。

 

6分が経過すると、少しずつお互いのオフェンスに慣れてきて、シアカムが走られるのに対応し、ミルサップのインサイドを止めることに。するとレナードが3連続得点でラプターズのリードに。マレーがくだらないバックビハインドして速攻になったり、エルナンゴメスがリバウンド後に気を抜いてラウリーにスティールされたり。まだまだ若いぜナゲッツ。

ナゲッツのエースはゲーリー・ハリス。でもあんまり決まらない。高確率が売りなんだけどね。ナゲッツのオフェンスが少し魅力を失っているのは、鮮やかな連携が減ってきたから。その影響が出ているのかリズムが悪いのか、フリースローも外してしまった。でも、ラプターズはレナード一辺倒に。これも面白い変化でラプターズは個人技に頼る時間が増えてきました。それを決めるし、止めに行くとちゃんとパスアウトするけどね。個人から始めたいオフェンス。

残り4分からのナゲッツはヴァンフリート、ラウリー、レナード、アヌノビー、バランチューナスのユニット。これがベストメンバーなんじゃないかと思わせるメンバーだけど、これが失敗に。ベストを揃えても機能するとは限らないね。オフボールの動きが減って、ヴァンフリートがやりすぎてパスカットから速攻が増えるナゲッツ。モリスとプラムリーの地味な活躍で逆転して1Qが終わるのでした。

でもラウリーとレナード下げたら、しっかりと立て直したのでナゲッツのリードは3点だけ。オフェンス好調で始まったけど、それぞれがアジャストして行った感じです。それぞれオフボールでの動きがポイントになるだけに鮮やかなオフェンスにして、それを止めるためにはチームで考えないといけないって感じです。それが出来るようになったナゲッツ。

 

◉シャキッとしない

ベンチメンバーにマレーを混ぜるナゲッツ。対するはヴァンフリートなのだけど、どうもシャキッとしないヴァンフリートが持ちすぎてはパスミスになります。パスのテンポが悪く、3Pも決まらないダメな時のヴァンフリート。そんなところをラウリーに似せなくてもいいのにね。一方でナゲッツはミスの多いマレーとライルズ。こっちは頻繁にやっているから悪い日ってわけでもないな。ライルズは大丈夫かね。

お互いにミスからのカウンターで得点していき、バランチューナスのゴール下の分だけ有利になったラプターズがライトの速攻で逆転します。タイムアウトが早いから一気に飲み込まれそうで怖いんだろうね。2Q前半はシュートも決まらず、どっちがより多くミスするかの戦いになっています。フリースローを外しすぎのナゲッツ。

 

ヨキッチだけ戻し、ポストアップからゴール下で久しぶりにハーフコートでのフィールドゴールが決まるナゲッツ。レナードも戻ってきてドライブでファールを貰います。ナゲッツはマレーとビーズリーで連続3Pになり逆転すると、スティールから速攻に持って行きますがミルサップがパスミス。さらにミルサップはオフェンスファールで流れを掴みきれず。レナードが決めて、ヨキッチが返すエース同士がガマンする展開になります。

それにしてもシュートが決まらないダニー・グリーン。強気に打っては決まらない。ミルサップも強気にねじ込みに行っては決まらない。3Pも決まらない。

ナゲッツは流れが良いとみたのか、ビーズリーとクレイグを下げません。そのビーズリーが3P、クレイグとヨキッチのコンビプレー、クレイグのドライブレイアップ、そしてビーズリーとのコンビからヨキッチが&ワンで9点リードに。レナードがミルサップ相手に何度もドライブから押し込みますが、ヨキッチに返されてしまいます。

残り1分からレナードのアシストをバランチューナスが押し込みますが、ミルサップのシュートミスをクレイグがリバウンドをとって3P。さらにスティール速攻で12点差に広げて前半が終わるのでした。終わってみればラプターズを47点に抑えたナゲッツでした。

 

まぁシュート外しすぎだよヴァンフリートとグリーン。共にFG1/5なんだけど、ヴァンフリートは7分で5本打って4本外し、2つのターンオーバーです。おいおい。レナードは16点、ラウリーは5アシストだけど、ヨキッチは14点10アシストと1人で上回ったのでした。

ちょっとラプターズのローテーションが上手く行かなかったね。3P3/22と打ちまくって外しまくった。2Pは17/25と決めまくっていただけに。

 

◉追いつきそうで

ナゲッツはゲーリー・ハリスじゃなくてクレイグがスターターなので、アクシデントだったかもしれません。ドライブで接触して痛そうにしていたし。その分、マレーがアタックを増やすことに。ヨキッチと2人で組み立て、クレイグやエルナンゴメスの3Pに繋いだりするけど、やっぱりちょっと展開力が苦しい。ミルサップもゴール下を打ち切れず。

対してラプターズは決まらなかったグリーンが3P、シアカムがお得意のドライブを決めれば、ラウリーも初得点。ちょっと良くなってきますが、イバカがヨキッチにタックル。それをファールじゃないというのは苦しいのにリプレー要求しているよ。なかなか追いつけません。

ただインサイドで外しまくってくれるミルサップ。ファジーカスの方が上手いとか言われそうなくらい外しているぜ。パスは良い感じに振っていくけど。イージーなところが決まらず、オフェンス効率が悪くなっていきます。

 

ラプターズはピックを使ってヨキッチを誘い出し、イバカのミドル連発します。狙い通りの形にすると、違うサイドでレナードが3Pで5点差に。シアカムのドライブも決まって調子が上がってきたかと思ったものの、今度はラウリーの3Pが決まらず、一気に追いつくことは出来ません。

ヨキッチのパスからエルナンゴメスがダンクにいったところでファールを貰い、プラムリーはアリウープ。さらにヨキッチのロングパスから速攻でビーズリーがダンク。で再び10点差に。

流れを変えたのは前半ダメだったヴァンフリートとアヌノビー。ゴール下で先読みしてスティールするヴァンフリートとコーナー3Pを決めるアヌノビー。さらにアヌノビーはヨキッチへのパスをカットし速攻にするもマイルズの3Pが決まらず。どうも苦しんでいる3Pでやっぱり反撃仕切れず、ビーズリーのミドルとプラムリーのプットバックを返されたのを、最後にライトがリバースレイアップと3Pで8点差まで戻して3Qが終わるのでした。

ラプターズの3Pは5/10なのでしっかり決まっていたわけですが、逆に10本打ったのはどうなのかって話だ。何回か良い流れが来たけど、3Pが決まらないから追いつききれないってのは、インサイドを封じられたって感じですね。

 

◉同点への長き道のり

ライルズが3Pを決めるも、アヌノビーは3Pを返し、そしてスティールから速攻に持ち込むけどライトへのパスが低すぎ。速攻も上手く行かないか。バランチューナスはヨキッチとプラムリーの演技に悩まされているし。3Pに頼るしかなさそうな。しかしリバウンドから走ったライト。ナゲッツがこのワンプレーでタイムアウトをコールしたように一気にリズムを掴めそうなプレーでした。

しかし、そのタイムアウトで奮起したのはバランチューナス。モリスのレイアップとプラムリーのゴール下を守り切り、ポストアタックでファールをもらいます。リバウンドからマイルズの3Pも生まれ1点差に。これまでがウソのように一気に点差をなくします。今シーズンも最強セカンドユニットは顕在と言いたげ。

ところがモリスの3Pにファールコールされたバランチューナス。怒ったバランチューナスをヴァンフリートがなだめている間に顔を真っ赤にして怒ったニック・ナースがテクニカル。4本のフリースローでやっぱり追いつかせて貰えません。バランチューナスはファールじゃなかったのだけど、モリスの着地点に足が入りそうだったんだよね。だってモリスが前に飛んでいたから。

 

激しくプレッシャーをかけるヴァンフリートですが、モリスが落ち着いてマレーに渡しミドル。さらにヨキッチとのコンビから最後はフリーのエルナンゴメスの3Pにするけど決まらず。ラプターズはレナードに託してミドル。更にポストアップから最後はフリーのマイルズの3Pにするも決まらず。試合は重たくなってきます。

マレーとモリスのミスが続くと、ファールを貰うレナードとトラベリングっぽかったシアカムのパスからイバカのダンクで遂にラプターズが追いつきます。長かったけど残り5分を切って追いついたのだから、あとはレナードに託すだけかな。3Pがなくて追いついた感じってのがさ。

 

◉イバカの選択

ナゲッツはスターターにゲーリー・ハリスの代役をビーズリーにします。シューティングを優先した形。するとエルナンゴメスの3Pで逆転は許しません。しかし、レナード→ラウリー→グリーンでコーナー3Pで同点。マレーのトラベリング、ヨキッチのパスミスもでて逆転のチャンスを得ますが、今度はナゲッツがレナードを追い込みラインクロス。判定に納得がいかない間にヨキッチがスローインして、ビーズリーが3Pを決めます。狙いが当たっているマイク・マローン。どうしたんだ。

ラプターズも当然の様にレナードに任せ、そこからイバカにパスが出てフリースローと引き下がらず、残り2分半で100-99。ここからお互いにギリギリで守り切ります。1人が抜かれても直ぐにヘルプがきて、キックアウトしても誰かしらはチェックに追いかける。決まらないのが当然のシュートが増えていきます。勝負所は個人で打ち切るスーパースターが欲しいし、チームで守れるのが大切。

やっとフリーで打てたヨキッチの3Pも決まらず、1分半の間無得点だったのを、そのスーパースターであるレナードがミドルを決めて残り55秒で逆転したラプターズ。昨シーズンはリードしていないと勝ちきれなかったよね。逆転させるぜレナード。地味にシアカムのドライブパスアウトからだったのも大きかった。

 

3Pラインの外にいるヨキッチに激しくプレッシャーをかけるイバカ。バランチューナスでパワープレーを防ぐ方法もあったと思うけど、そのためのイバカってことだね。しかし、マレーとのピック&ロールからペイント内でフローターを決めるヨキッチ。さあバランチューナスの方が良かったのかどうか。難しいぜ。

残り40秒でラプターズはレナードのドライブから繋ぎ、再びレナードに戻ってくるも、1回グリーンに渡すと強気にタフミドルを打ってしまい決まらず。リバウンドを抑えたレナードが囲まれているのでグリーンに出すと3P。でも、やっぱり決まらないグリーン。これで残り12秒になったのでファールに。フリースローを1本外したエルナンゴメスで2点差。

ラプターズの選択はもちろんレナード。何故かマークはミルサップ。これをドライブから流れながらのショートレンジを決めきったレナードで同点。なんでミルサップなのかわからないぞ。流れながらのシュートではあるけど、完全に振り切っていました。

残り7秒でナゲッツ。クレイグのスローインでスクリーンを掛け合うとイバカがヨキッチのユニフォームを引っ張ります。バカなイバカ。オフボールなのでフリースロー1本が与えられ、しっかり決めたヨキッチ。これでファールゲームせざる得ないラプターズ。ヨキッチが2本のフリースローをしっかり決めました。でも2秒でファールされたので5秒残っている。

タイムアウトが残っていないラプターズはエンドラインのスローインから運んでいくラウリーが、時間がないにしてはしっかりとした3Pを打ちますが、さすがに決まらずナゲッツが逃げ切ったのでした。強いて言うなら同点の状況で不用意なオフボールファールをしたイバカと、決められたら同点になってしまう3Pだけど難しいのだから手を出さなかったナゲッツということで。レナードのクラッチ力台無しにしてイバカらしかったよ。

トリプルダブルのヨキッチはFG62%と凄かった。ターンオーバーも2つだけ。ただプレーメイカーがヨキッチとマレーだけって感じだったのは苦しかったナゲッツ。それをディフェンスで耐えに耐えたのと、15のオフェンスリバウンドで救う通常営業。もう通常営業に定着してしまったね。アイザイア・トーマス不要論。

40本決めたFGに32アシストが記録されており、点数が伸びなかった割には鮮やかなパスゲームをしていました。でもフリースローが15/24と苦しく、最後もエルナンゴメスが外しているので危なかったね。終わってみればセカンドユニットを抑え込み、レナード以外は何とかしてしまったのでした。

そのレナードは27点。勝負所で決めまくっただけにヤルキ(残留)を削がれそうな敗戦ですが、最大の要因になったのがダニー・グリーンだから何とも言えない。でも気がついたらグリーンは3P3/7で、チーム11/41をかなり救っていたのね。

ラプターズが負けた試合は大体はラウリーが悪いスタッツなんだけど、例に漏れずFG1/7で5点のみ。でも11アシストだし、印象としてはそこまで悪くなかったです。ケガで前の試合を欠場しており、ちょっと復帰が早すぎただけかもしれません。

散々苦労して、それでも勝てる試合にしたけど、1つのファールでイメージが悪くなった試合でした。まぁ調子悪くてもウエスト首位の相手にこれだけの試合が出来るってことで気にするほどでもないかな。「プレーオフが・・・」という気の早い話をしたくなるということを除けばね。

 

 

 

 

 

 

 

 

2018/12/04 ラプターズvsナゲッツ” への8件のフィードバック

  1. スターターはバランチューナスかと思ってたんですが…イバカとヨキッチの差が大きかったと思います。最後のファールも何だかなぁと。苦しい場面や勝負所で素晴らしい働きしただけにレナード萎えそうです。
    いいときはすごくいいんですけどね、イバカ。プレーオフだと狙われそう。そのときどうするのか少し不安です。

    1. イバカはサンダー時代にファイナルまで進んでいるし、是非が難しい選手ですね。ラプターズのやり方だと、イバカのミドルレンジという選択に誘い込めることも含めて、狙われ所だし、たまに決めまくるし。
      もう少しプレータイムシェア出来ないかなーと思います。

  2. ハリスが心配です。
    ハリスが離脱なら早くバートンに戻ってきて欲しいですがバートンはまだなのか?
    アイザイアはもうちょっとゆっくり復帰でいいですね。

    1. 今シーズンもケガに悩まされていますが、よくフォローできていますよね。ビーズリーとクレイグを使い分けて凌いでいました。バートン戻ってきたら、ちょっとバランス変化してしまいそう。

  3. イバカの話題が出たので。イバカってゴール下の強さとスリーがあるから極端に使いたいのに、実際はミドルが多い印象。アダムス、ラスがいたりバランチュナスがいたりが悪い方向に触れてるかなと。もっと高い評価で安定できる人材かと。

    1. イバカは決まる時と決まらない時の差が激しく、しかも3Pにいると全くオフェンスリバウンドにこないんです。だからミドルにしたんじゃないかな。
      ブロック王だったのは昔の話で、成長してシュート力がついてきたことでインサイドプレーが減り、FG%、リバウンド数、ブロック数が下がっているんですよね。

      今シーズンはシアカムとのコンビになったことで、それをシアカムが補ってくれていますが、センターとしては、もう少しインサイドで頑張って欲しいところです。

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