最近好調のマブス。この10試合が8勝2敗
◉ディフェンスの安定
マブスが好調というのはグリズリーズが未だに落ちないくらい信じられない。ちなみにグリズリーズは好調が続いたことでコンリーが復活し、ジェイレン・ジャクソンが安定してきたので、普通に強さを発揮するようになってきています。ネッツ戦はレフリーまで味方につけるようになって・・・それはまぁいいや。
マブスの試合を観るとドンチッチに好き勝手やらせていて、そのプレーは素晴らしいけど「ルーキーレベルとして素晴らしい」って感じで、それで勝てるようになるというのは理論としては苦しいのです。勝っているチームの中心だけど、チームを勝たせている感じはしないのです。
この10試合のマブスはディフェンスレーティングが101.8と非常に良く、ディフェンス面の改善が目立つのですが、ただ実際はジャズが68点しか取れない試合をしたことが大きく響いているだけです。それ以外は大量失点をしないことで凌いでいます。ということで、好調の要因は
好調の理由➀ 安定したディフェンス
たまに盲目的に「ディフェンスの強いチームは安定している」なんて言われますが、実際はそんなことなく、シクサーズだとしっかり守れる試合と大量失点する試合と両方がまざって平均でそこそこよいくらい。
この10試合のマブスはジャズ戦で大きくレーティングを引き下げ、それ以外は大崩れしなかったことが大きく響いています。ディフェンスが安定している要因は大きく3つあると思っています。
ドリアン・フィニー・スミス
デニス・スミスjr
ドンチッチを隠す
特にデニス・スミスは驚きなのですが、それはもう少しこの状態が続いてから考えようと思います。成長して取り上げたくなるレベルまでは達していない。相手に避けられるようになったドノバン・ミッチェルとは違う形だしね。元々、動けないノビツキーをカバーするような面白い使われ方をしていただけに、それをどう変えてきたのかは数試合見ないとね。チェックしたい気持ちは出てきたから今後の課題。
話を戻すとマブスがこの10試合で守り切れずにディフェンスレーティング110を超えたのは2試合あり、ロケッツ戦とネッツ戦でしたが、それをオフェンス面で上回ったことが大きく、意外とオフェンスの方が勝因なのではないかと思わされるのでした。
10試合中6試合でレーティング110を上回っており、100に届かなかった2試合が敗戦なので、実はオフェンスの方が大切なようで。そこで個人スタッツを確認するとハリソン・バーンズが目立つようになってきています。
◉エースの帰還
今シーズンのバーンズはケガで出遅れ、10/26のラプターズ戦がシーズンデビューとなりました。そこからの7試合の個人スタッツは
15.0点 FG36% 3P32%
とやや低調でケガの影響を強く感じさせます。それがこの10試合は大きく改善してきています。特に3Pは絶好調
20.6点 FG45% 3P46%
得点はまぁまぁってところですが、確率の高いシュートが目立つようになってきました。これをこの10試合のチームレーティングとバーンズのFG%で並べると
クリッパーズ 107/39%
レイカーズ 95/53%
ロケッツ 133/36%
セルティックス 115/58%
ネッツ 118/50%
グリズリーズ 92/21%
ウォーリアーズ 111/50%
ジャズ 118/55%
ブルズ 100/44%
サンダー 117/67%
レイカーズ戦とロケッツ戦を除き、何となくバーンズの好調さが良い結果に繋がっていそうです。ドンチッチに自由を与えているようなマブスなのですが、だからこそパスを貰ってから高確率で決めるバーンズのウイングとしての役割は重要。50%を超える試合が多く出てきたのがマブスの好調を支えています。
好調の理由➁ ハリソン・バーンズの高確率シュート
出遅れていたエースの帰還はマブスに新たな力をもたらすことになったのでした。
ところが、バーンズのオン/オフコートレーティングは興味深い。
オフェンス 103.4/120.6
ディフェンス 104.3/92.1
オンコートのレーティングはこれっぽっちも良くないのである。大勝した試合が混ざっているのに、とっても悪いのである。これはフィニー・スミスを除くスターター全般にいえることで、8勝2敗のチームとしては驚くほどに悪いのだ。
そう、つまりマブスが強いのはベンチメンバーなのです。勝っている理由がベンチメンバーだから、そりゃあ連勝の理由を探すのに手間取るわけだよ。デアンドレ・ジョーダンのフリースロー向上、ルーキードンチッチのスーパープレー、それはウエストで勝てるほどの強力な武器ではないんだ。負けないレベルの話に過ぎないんだ。
スターターで負けないようになったから、勝てるようになったマブス
◉セカンドユニット
マブスのメインメンバー
バーンズ、スミス、ドンチッチ、ジョーダン △5
この4人がプレーしているとき、この10試合の得失点差は△5点。欠場もあるから全試合じゃないけど、大敗した試合がないにも関わらず、8勝2敗には相応しくない数字です。ちなみにそれぞれをフィニースミスに変えると凄い数字に
〇〇→フィニースミスにした場合の得失点差
バーンズ→ +16
ドンチッチ→ +12
スミス→ +24
というわけで、最も大切なのはフィニースミスということに。ちなみにこれらは被っている時間が長いから〇〇の人がベンチに下がった場合ではありません。なので、そんなに意味がある数字ではないよ。ただ単にメインの4人の総合的な能力よりもフィニースミスのディフェンスがとっっっても大切というだけ。
それに対してセカンドユニットの主要メンバーは
ハリス、バレア、クレバー、パウエル
この10試合で4人が同時にコートにいたのは52分間のみ。その得失点差とレーティングは
得失点差 +42
オフェンス 135.8
ディフェンス 102.5
ラプターズの最強セカンドユニット顔負けの数字を残しているマブスのベンチ陣。これが勝利をもたらす要因に。10試合なので偶然の要素も大きいですが、得失点差の特徴としては安定している面と、爆発する試合が混ざっており、普通の時と良いときしかないイメージです。崩れることがなく爆発するんだ。
好調の要因➂充実したベンチメンバー
彼らの特徴は兎にも角にも動き回る事。といってもマブスで動かないのはジョーダンくらいなので、ベンチとしての特殊性を生み出すのは控えセンターのパウエルということに。確かに、それまでジョーダンを守っていたのがパウエルになると、あまりの違いに対応が難しそうです。PGとセンターはスターターとベンチで選手の特徴が違うと、チームとして激変するよね。
そうマブスはPGも大きく違います。ベンチから登場するのはベテランのJJバレア。この10試合の成績は
〇JJバレア
16.1点 FG54%
5.8アシスト
1.7ターンオーバー
これを僅か22.4分のプレータイムで稼ぎ出しています。もしもバレアが36分プレーしたら26点9アシストです。レブロンをも上回るバレアは、それでいてターンオーバーも少ない。極めて優秀なプレー効率を誇っているのでした。
しかし、バレアとハリスなんていうサイズとスピードのないガードコンビにして守れているというのも不思議な話。というか実際に2人のDIFFは共に+6.4。つまり2人にマークされた選手は通常よりも6.4%も高い確率でシュートを決めています。
これを驚異的にカバーしているのがクレバー。DIFFは-10.0で被FG34%しかありません。ベンチメンバーの中で最も多い被FGアテンプト8.0となっており、シュートを打たれるところにクリバーを配置し、19分のプレーで1.4ブロックと貢献しています。
今のマブスはクレバーとフィニースミスの驚異的なディフェンス力で成立しているのでした。
というわけでマブス好調の要因を探ってみるといろいろな選手の名前が出てきます。それは表の顔であるドンチッチと違う部分で感じる裏の顔の好調さ。順位予想でマブスを低くした時に「もっと勝てる」とコメントがありましたが、それがスターター陣をさしてもっと勝てるというのであれば、それはちょっと違うかな。今のマブスが勝てているのは、ベンチメンバーが充実しているからなのでした。
うーん、これは結構難しくて継続性があるのかどうか。個人で言えばクリバーとパウエルはずっと同じようなプレーを繰り返しているから継続性があるわけですが、ただクリバーのディフェンス面はさすがに出来すぎだし、バレアとハリスがやられている事実にも変わりないのです。だから継続するのか予想するのは難しいね。ノビツキーもいるし。
3勝8敗だったチームが、そこから8勝2敗と巻き返してきた脅威は、その内容も脅威なのでした。マブスの好調は続くのかどうか。オフェンス面ではバレアの大活躍と他の選手の小活躍、ディフェンス面ではフィニースミスとクリバーの大活躍。よくもまぁこんな選手達を組み合わせているよリック・カーライルと感心するのでした。
好調の要因④ カーライルの弱点を補わせる采配
特殊性のある選手達を上手く取り扱っているのが好調の最大の理由なのだと思います。
今日のクリッパーズ戦は今シーズンベストバウトでしたが、勝因は分析いただいた4点の通りです。デニススミスの守備含め。
ちなみに去年もセカンドユニットだけはレーティング良かったんですが、ラインナップはハリス-バレア-ヨギファレル-ノビツキー-パウエルというカーライル感満載なものでした。
ドリアン・フィニー・スミスは前からディフェンスの評価が高かったと思いますけど、今シーズンは3ptの精度がグッと上がって攻守で隙のない選手になりましたよね。非常に好きな選手だったので成長してきて嬉しいです。
あと記事とは関係ないですが、ホイバーグが解雇されたみたいで。怪我人が多くて勝てないのもしょうがないなぁと傍観してましたが、このタイミングで解雇されるとは思わなかったんで少し驚いてます。
前から思ってたんですけど36分換算ってデータいります?
そもそもが36分出ないわけですし、本当にそのPT与えられたらそりゃ対策もされるし疲労でミスも増えるだろうし調子の波により影響されるでしょうし
あくまでもベンチの時間帯での数十分のプレーな訳で換算したとろこで意味がないように思えます
そんなこと言い出したら、多くのデータは不要になる。36分換算がわざわざ用意されているのは、比較対象をし易くするためだし。
そんなことを言い出したら、記事がどんどん短くなるぜ。文字数稼げないじゃないか。