2018/11/27 ホーネッツvsバックス

なかなか落ちないバックスとなかなか接戦で勝てないホーネッツ

ブーデンフォルツァーとボレゴは共に元スパーズのACだけど、スパーズとは違うオフェンスをしており、その要素は似ていることも多い。早いペースを好み、エースが得点する最良の方法を求め、それが3P増になっています。

違うのは勝率。3Pを使って爆発力のある両チームのオフェンスは頻繁に爆発するわけですが、接戦に弱いホーネッツと接戦でも勝ちきるバックス。大切なのは何かは難しいけど、爆発力にエースのケンバが組み込まれているホーネッツと、爆発するのはエースのアンテトクンポ以外というバックスの構図は対照的でもあります。

 

◉プチ開幕戦

早速、爆発するバックスの3P。ブレッドソーが3連発して、ロペスにミドルトンも続いて止まらないバックス。このブレッドソーの2本目が秀逸で、左サイドでボールを持ったブログトンがフリースローラインあたりのアンテトクンポを狙います。ハードに動くわけじゃないアンテトクンポですが、フェイスガード気味のディフェンスを確認し、スッと裏抜けした瞬間にパスが出てくると、受けたアンテトクンポもヘルプの位置を見てワンタッチで右コーナーのブレッドソーへ。素晴らしいオートマティズムだし、バックスが勝ち続けているのはしっかりと戦術的な進化をしているからだと思わせてくれます。

とはいえ、いくら何でも決まり過ぎのバックス。28点になった時点で、そのうち24点が3Pでした。3P8/10はズルいって。あまりに決まりまくるから呆れるしかない解説陣。14点差まで広がったのでした。

 

このバックスの脅威は開幕戦の1Qから発揮されていたわけだから、よほど優秀なシューティングコーチがついているのか。今シーズン初めの被害者だったのもホーネッツ。前半に打ちのめされたと思われた試合は後半に一気に詰めて、最後の最後にケンバの逆転レイアップが外れて負けています。でも、それはバックスに対して、何も慌てずに追いかけるメンタルを身につけてることになったホーネッツ

マービンが3Pを決めれば、ラムはショットクロックギリギリの放り投げ3Pをバンクで決め、さらにラムは何度もアタック。ゼラーもゴール下で押し込んでと中外両方からケンバ以外が決めていきます。そしてこの試合から復帰したMKGが出てくると、はやくもノーセンターに。これも開幕戦で成功した形。アンテトクンポだけがインサイドを攻めてくるのでセンターを起用しても仕方が無いし、それよりも3Pに対して追いかけまわせる選手を増やします。

なお、MKGはプレータイム制限はないけど完調ではないので、長時間はプレー出来ないとか。思いっきり長時間出そうだけど。MKG離脱中は2勝4敗だったらしい。本当に信じられないよね。主力になっているMKG。好調にレイアップも決めていくマービンとのコンビでインサイドをカバーし、3ガードで追いかけ回すホーネッツが開幕戦と違い1Qで追いつきます。

こぼれ球が出てきたロペスがダンクを決め、最後はラストプレーのために出てきたケンバのレイアップが外れてバックスの3点リードで1Qが終わります。開幕戦の内容をギュっと凝縮したような1Qでした。最後にケンバが外したことも含めて。

 

◉立場が変化するベンチ陣

バックスはチーム状況に余裕が出てきたのか、ソン・メイカーやデラベドバも出てきます。チームとして固まってから戦力外だった選手を使っていくパターン。あまり機能していないから、ちょっとしか出番はない。ホーネッツの方は開幕から多くの選手を起用して調子が悪いと出番が減るパターンだけど、こちらもカミンスキーにプレータイムが与えられるように。でもオープン3Pを外してしまった。

目立つのはブリッジス。ちょくちょくハイパーダンクを決めるルーキーは、アンテトクンポのマークを担当しフィジカルファイトしながら、ヘルプでブログトンのレイアップを叩き落とし、攻めてもパスフェイクからのレイアップを見せます。得点パターンがあればもう少し活躍できそうだけど、高い身体能力でカバーしているくらいかな。

意外とプレー出来ているカミンスキー。昨シーズンまではトップの辺りをウロチョロしているだけで他の選手のジャマだったし、ディフェンスに至っては・・・って感じでしたが、しっかりとコート全体を動くし守っても追いかけ回しています。褒めたらスティールされたけど。ローテーション外にしている間に意識改革を出来たのか、ちょっと見違えるようだ。

メイカーにぶち当たりながらダブルクラッチを決めたモンク、ルーズボールを抑えたケンバが1on2でもアタックしレイアップを決めて逆転するホーネッツ。

 

試合序盤がウソのように、もうすっかり3Pがご無沙汰のバックス。スターリン・ブラウンがオフェンスリバウンドをねじ込んで助けるシーンもあるけど、苦しくなってきたオフェンス。ブラウンってこんな風貌の選手だったっけ。モンクのレイアップは相変わらず決まらないけど、ラムのステップインで6点リードに。

調子に乗ったラムがもう一度ステップインするもミスになって速攻に走ったミドルトン。それを後ろから追いかけたMKGが豪快にブロックで叩き落とします。本当に主力だよMKG。普通に欲しくなるプレーをしている。今やリーグ屈指のスモールラインナップの使い手じゃないか!?

ブレッドソーがドライブ&ワンを決めるけど、本当に3Pが決まらなくなり、オフェンスが止まるバックスに対しマービンが3P、さらにレイアップが外れるけどMKGがリバウンドを抑えてパーカーの3Pにしてホーネッツが13点リードで前半が終わります。

リーディングスコアラーが13点のマービン・ウイリアムスという、これまた意外な形でリードを得たホーネッツでした。ケンバ関係ないところで爆発できたホーネッツ。両チームのエースが沈黙した前半は予想外にして非常に見応えがある面白い展開でした。

〇前半の得点

ケンバ 10点

ヤニス 5点

これで65-52なんだよ。充実してきた両チーム。余裕をみせているバックスなんだけど、一方でアンテトクンポ対策が出来ているホーネッツでもありました。

 

◉お馴染みの展開

後半もゼラーの強引なレイアップ、ラムのアタックとケンバ以外で得点するホーネッツ。ミドルトンへのプレッシャーディフェンスでバトゥームがスティールするとラムが押し込んで快調にリードを広げます。モンクよりも伸びちゃったラム。さらにマービンもミドルトンをブロックし、ラムの3Pで22点差。

MKGが出てくるとアンテトクンポからスティールし、そしてまさかのMKGによるコーナー3P。そしたらアンテトクンポが3P決め返したので珍しい。片方ならちょくちょくあるけど、両者が決め合うって。MKGのゴール下に対して、アンテトクンポもドライブ&ワン。苦しくなったら働くエースという形はハッキリしているバックス。

自分でアタックするだけでなく外れたシュートのリバウンドを抑えるアンテトクンポからブレッドソーのコーナー3Pが決まりやっと流れが出来てきたバックス。しつこくアンテトクンポで攻めてキックアウトしていきます。一方で久しぶりに1on1になったケンバがステップバック3Pを決めて点差を詰めさせません。

 

ベンチに下がったアンテトクンポ。バックスは組み立てられず困ってしまいます。そんな時はブログトンの出番でドライブから押し込みます。しかし、ゴール下でフリーになったけどパスを出せないミドルトン。遅くなったのをマークのバトゥームにスティールされます。堪らずアンテトクンポを戻すことに。23点差あるので、これ以上は広がるなら諦めるしかないからか。アンテトクンポのアシストからこの試合初登場のディヴィチェンゾが3Pで少し反撃します。前半は出てこずデラベドバがプレーしていただけに、あの時間が勿体なかったかな。

ボールムーブからモンクがドライブで抜け、最後はブリッジスのダンク。ただ、そこからパーカーのミスショットが続き、ブリッジスの3Pミスもあってアンテトクンポとロペスにインサイドで反撃されます。あまりよくなかったパーカー。それでもタイムアウトを挟んでミドルを決めます。

守れてきていたバックスですが、焦る気持ちもあってかファールしてしまうケースが多く、でもゼラーがフリースローを外してしまい、最後もゼラーのゴール下がアンテトクンポにブロックされ93-80と追いかけられる所まで戻したバックスでした。リードを削ってしまったホーネッツ。今シーズンお馴染みのジェットコースターゲームに。

 

◉守り合い

カナートンがダンクに行くのをヘルプでファールしたMKGで4Qが始まります。アンテトクンポは出続ける。更にスティールから走ったブレッドソーのレイアップが外れるも飛びつくディヴィチェンゾとカナートン。ハッスルする3Pシューターで勝負を賭けるバックスなわけです。しかし、そのディヴィチェンゾからファールを引き出しドライブ&ワンのラムに、カナートンからスティールするMKG。頭を抱えるブーデンフォルツァー。

MKGがいる理由はもちろんvsアンテトクンポ。もう自分が止める気持ち満々で、ルーズボールへの反応も早くオフェンスリバウンドを奪っていきます。オフェンスが成功しなくても時間を使えれば勝利が近づくホーネッツ。ブレッドソーも止めきるMKGで24秒オーバーを引き出します。本当に凄いな。ウォーリアーズはドレイモンド・グリーンとのトレードを提案したらどうかな。50/50のボールの時には大体MKGがいます。

オフェンスが上手く行かないホーネッツは、そろそろケンバの出番です。しかし、ファールを貰うけどフリースローを落とし、3Pも決まらず。アンテトクンポのキックアウトからカナートンの3Pで10点差に。どちらも得点出来ない展開は両HCを困らせます。しかしミドルトンの3Pが外れたところで、カナートンが信じられないようなハンマープットバックダンク。これで遂に8点差になってタイムアウトはボレゴ。ブロックアウトをサボってしまったラム。

 

アウトサイドに2人がフリーで待っていたのにリバースレイアップを選択して外すケンバ。ステップインのレイアップを外すパーカー。中途半端にファールを貰いに行ったステップバック3Pが決まらないケンバ。4Q開始7分経っても4点しか奪えていないホーネッツ。

同じく得点はいまいちだし、3Pは決まらないけど、何とか少しずつ返していくバックスが4点差まで辿り着きます。MKGがベンチに下がると攻めやすくなったみたいだ。ブレッドソーがゴール下まで押し込んでパワーで決めきるとか、ちょっと前の時間までは無かったプレー。

それをやっと悪い流れを止めたのはトニー・パーカー。ミドルで4Q2本目のFGがきまるとレイアップも続けます。でもアンテトクンポがダンクを返し、マービンのイリーガルスクリーンで勝負はわからない。この時間でも強気に打てるディヴィチェンゾがトランジションから3Pを決めて残り3分3点差に。

 

バトゥームとパーカーが決めるも、ブログトンが連続でゴール下まで攻め込んで3点差は変わらず。ケンバのフェイクに引っかかってファールしたディヴィチェンゾですが、またもフリースロー1本ミスするケンバ。強気に打ったブレッドソーの3Pが外れるもルーズボールはバックスボールに。残り1分半4点差。

リプレーの間にバックスが選んだのはカナートンの3P。なんでだろうか。これが外れるもケンバのパスをブレッドソーがスティールし、自分で持って行くとディフェンスを引きつけてフリーのカナートンへ。ところがフリーのゴール下を外したカナートン。

ホーネッツはリバウンドを取ってパーカーにコントロールさせるのですが、今度は後ろからアンテトクンポがスティール。それをミドルトンの3Pにしますが決まらず。

リバウンドを取ったケンバにファールゲームしたアンテトクンポ。ファールゲームというか、連続した展開の中でちょっと限界を迎えた感じ。また1本外すケンバも2本目は決めて残り30秒6点差。タイムアウトから再びカナートンの3Pを選択し、タフショットを決めたカナートン。ノーファールのプレッシャーディフェンスもファールコールされたロペス。しかし、フリースローを2本とも外すパーカー。

 

アンテトクンポがドライブダンクで1点差に。ケンバへファールしたいバックスですが、逃げまくるケンバで残り7秒でやっとファール。フリースロー2本とも決めたケンバ。3点差。

タイムアウトのバックスが選択するのはミドルトンの3Pでしたが打ち切れず、致し方なくブレッドソーのロング3Pに。バンクになって惜しかったけど決まらず逃げ切ったホーネッツでした。カナートンで追い上げながら、カナートンで負けたバックスのむなしさ。

 

〇3P

バックス 16/46

ホーネッツ 13/29

1Qだけで8本決めたバックスですが、終わっていれば効率的に決めたのはホーネッツ。特にスターター陣は2Q以降にブレッドソーとアンテトクンポが1本ずつ決めただけでした。ミドルトンは7本全てをミス。チームとしては3Pに頼ったわけじゃないけど、ミドルトンは決まらないと非常に辛いのでした。

〇アンテトクンポ

20点 FG7/15

13リバウンド 9アシスト

頼みのエースの働きはそれなり。ただ15アテンプトに抑えたディフェンスが勝利を呼び込んだと言えます。スモールラインナップにしてMKG、マービン、バトゥーム、ブリッジスとファイターを並べて有利にしていったボレゴ。カミンスキーまでそれなりに働くから強いね。エルナンゴメスはプレータイムを失ったけど、コートサイドでバイクこいでアップしていたな。

MKGのプレー中が+18点だったホーネッツ。バックス対策が出来てしまっているチームなのでした。ケンバのFG3/12なんだけど、フリースローは15本打っている。いくつかのゴール下止めたのは致し方ないとして、ちょっと余計なファールが多かったのも事実。エースがあまり調子よくなくても勝ってしまったのは事前の予想とちょっと違ったのでした。

 

 

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