驚くほどに負けているロケッツ
ロケッツについては酷い言われようもしているよね。
「ハーデンいなけりゃその程度」
「クリス・ポールでは勝てない」
「ダントーニがダメ」
何言ってんだって感じなのはロケッツファンはよく知っているし、ロケッツを知らない人の感想感がたっぷりなんだけど、1つ言えるのはクリス・ポールはオフの間に3歳くらい年をとった気がするよ。
開幕したら読者が結構増えてまして、一応知らない方のために書いておくと管理人はダントーニが大好き。その理由はシンプルなメッセージとコンセプトが細部にまで関連してくる方法論にあります。オフェンスとディフェンスを切り離さず、全てが1つの流れになっている形は非常に素晴らしい。
スティーブ・カーとダントーニのゲームコンセプトはよく似ていて、実際にやっているプレーは全く違うのに同じ匂いを感じるのでした。2人は元々GMとHCという関係性。
ただし、クリス・ポールの登場により有名な「7秒オフェンス」は消え去っており、いわゆるラン&ガンではないことは注視する必要があります。なんかちょっとコンセプト変化しているじゃん。勝ちにくくなっているじゃんということは、そのうち書くかもしれませんが、まぁまだそこまで試合を観ていない。
この記事は5敗目を喫したブレイザーズ戦を観ながら書いていますが、勝てないだけの理由はしっかりとあって、戦術が選手に染みこんでいません。特にオフェンス面は酷いモノさ。ここ大切でオフェンスの方が戦術が身についていない。ディフェンスは普通に守れない選手が多いだけ。ところでMCWってそんなにダメ?3P決められないなんてみんな知っていたし、むしろしっかりやっているけどな。
ペリカンズ
クリッパーズ
ジャズ
クリッパーズ
ブレイザーズ
並べてみると強いチームばっかりな訳で、選手数が少なくて負けたクリッパーズとの相性の悪さも含めて、致し方ない気もするけどね。内容が悪すぎたか。この後はネッツ、ブルズと続くアウェイなので勝ちクセをつけたいですね。このブログはネッツブログなんだけどね。
これで既に5敗ですが、昨シーズンはなんと17敗しかしていません。既にシーズン1/3の負け数ってことで怖い怖い。そんな昨シーズンの17敗を紹介します。
10/23 グリズリーズ
10/28 グリズリーズ
10/30 シクサーズ
実は昨シーズンもウォーリアーズに勝った開幕戦の後で10月に3敗もしています。いずれもクリス・ポール不在なのですが、2戦目はゴードンもいなかった。この頃のロケッツは選手層の薄さが最大の問題で、ほぼ8人で戦っています。そこにケガ人なので苦しかった。
グリズリーズにはチャルマーズの蟹挟みとかラフプレーも酷くてフィジカル的に痛めつけられました。あとレフリーがハーデンのパスをカットするとかさ。3試合ともFG%が非常に低く連戦の疲れを感じます。まだまだチームは調整段階で、バーアムーテにハンドラーやらせたり、カペラにパスを仕込んだりと、結構謎のプレーを繰り返していた気がします。
そう、今と同じでオフェンスは結構な謎プレーを繰り出していたんだ。本気のウォーリアーズ戦は違ったけど。「今と同じ」と書いたけど、今はもっとカーメロを試すようなプレーメイクがあっても良いと思うんだけど、そこまで手が回っていない感じです。
蟹挟みとレフリーによるパスカットは本当に酷かったよ。
11/14 ラプターズ
11月は1敗のみ。まだクリス・ポールは戻っていない試合で、完敗を喫するのですが、ロケッツもまた最強セカンドユニットの餌食になりました。つまりは選手層で押し込まれてしまった。ハーデンは38点奪っているけどさ。そんなわけでロケッツもまたエースが得点したからって勝てるチームではなかった。
12/20 レイカーズ
12/22 クリッパーズ
12/25 サンダー
12/28 セルティックス
12/29 ウィザーズ
12月は後半になって急激に負けてしまいます。バーアムーテもいなくなって困った困った。これがジェラルド・グリーンの獲得に繋がったね。
レイカーズ戦はハーデンが51点だけど7人ローテみたいなもので、クズマの38点にぶち壊されました。クリッパーズ戦はFG46%、3P43%で負けました。オフェンス好調で負けた試合は非常に珍しい、それくらいディフェンスで勝てていた昨シーズン。ルーとリバースの3P爆発に打ち負けたのです。この2試合はカペラまでいなくて、主力は6人状態。
サンダー戦はカペラは戻ってきたけど、やっぱり選手は足りない。セルティックス戦は残り11秒で3点リードしながら、テイタムのダンクの後でハーデンがオフェンスファールでターンオーバー、そしてホーフォードの逆転ジャンプシュートで負けるという流行していた謎の大逆転セルティックスに巻き込まれた形。
ウィザーズ戦は遂にクリス・ポールも戻ってきましたが、なんか普通に負けた。ジェラルド・グリーンが活躍しているのだけど、それでも負けた。
1/4 ウォーリアーズ
1/6 ピストンズ
1/15 クリッパーズ
1/26 ペリカンズ
ウォーリアーズ戦はデュラントとハーデンがいないというお互いにエース不在の中で、フリースロー落としすぎたのが痛かった。ピストンズ、クリッパーズも同じくハーデン不在で、トバイアスやグリフィンが活躍しているインサイドの弱さでやられます。その流れはペリカンズでも同じでこの試合までいたカズンズとADのコンビにインサイドを攻め込まれ、伏兵ダリウス・ミラーの6本の3Pで2点差に泣きます。弱点を突かれた形にして、ウォーリアーズ対策には何の関係もない負け方みたいな。
このペリカンズ戦前後で遂にメンバーが揃います。バーアムーテもハーデンも戻ってきて、ローテーションが整い、ディフェンスの強さが盤石に。ここ大切ね。やっぱり時間がかかる。
結局の所、昨シーズンの65勝という事実が重くのしかかるけど、メンバー揃っていないと結構負けていた。いなくても勝っていたのも事実だけどね。1月までが36勝13敗で4試合に1試合は負けていました。ここから29勝4敗なんだ。やべーやべー。
3/9 ラプターズ
実質、シーズンの中で完敗したのはこの試合だけだったような。最大19点差をつけられますが驚異的に追い上げて、残り2分で同点に。最後に競り負けた試合でした。ハーデンが負けた気がしないとか発言してたっけ。
4/1 スパーズ
4/7 サンダー
4/11 キングス
スパーズ戦はオフェンスがぼろぼろでした。サンダーは最後にウエストブルックのディフェンスにやられた。キングスは主力はタッカーしか出場していない。というかなんでタッカーはでたんだ。もう4月になるとウォーリアーズも失速していて、トップシードは確定みたいな雰囲気だったから、あんまり頑張ってなかったよね。サンズ戦で大量ビハインドになってもみんな笑っていて、そんなに頑張らなかったけど、なんか追いついてきたから最後にジェラルド・グリーンのブザービーターで逆転勝利したのはよく覚えている。
◉ディフェンスの問題は戦い方の問題
昨シーズンのロケッツはディフェンスの強さが売りでした。
FG40%以下の試合 4勝5敗
自分達のシュートが決まらなくても半分くらい勝てたのです。ただこれが単に「ディフェンスの強さ」とするのではなく、試合展開とコンセプトの中で重要な事がありました。3Pを多用するスタイルですが、確率はリーグ14位とそんなに高くありません。当然不安定な確率に陥ることがしばしばあり、爆発するのはほんの少しの時間だったりします。
それを勝てる算段にもっていけたのは高い2Pの確率など複数の要因があれど、試合の進め方として重要だったのは
・ディフェンス力とリスクをとらないオフェンス
・3Pの爆発でラッシュして試合を決める
この2つが機能したからと言えます。だから有名な7秒オフェンスは見る影もなくなり、基本的にスローダウンして、何度もオフェンスをやり直すことを選択しました。ハーデンやクリス・ポールの個人技で戦うわけですが、実はこの個人技の時間でリードを奪うことは珍しく、そこで互角の展開を続けて、どこかで3Pラッシュというのが勝ちパターンでした。
上記の通り、シーズン前半はメンバーが足らず、ケガ人も多く、負けるケースが多くなっています。耐えることが出来なかったわけです。クリス・ポールが離脱してもそんなに影響がなかったチームが、人数が少ない方がダメージが大きかったのであり、また戦術を練り込むのにはそこそこの時間を必要としています。
ディフェンスに必要な選手層と、戦い方の中でガマンするチカラ。その両方が足りていないのが現状のロケッツです。ジャズとブレイザーズには3Pの確率を大きく落とされましたが、それ以外の対戦では36%を上回っており、「3Pが決まらないから勝てない」のではなく、勝ちパターンが明確に練り込まれていないことが大きそうです。
◉2Pの確率
3Pがいまいち決まっていないとはいえ、本数は同じくらい打っている今シーズン。数字上の問題となるのは2Pの確率。そこを掘り下げて今回は終わりにしましょう。
昨シーズン 61.9%
今シーズン 45.8%
明確に問題なのがこれってことです。62%は気の遠くなるような確率なのですが、それにしても46%はねぇ。
〇2Pのアテンプトと確率
カペラ 11.5本 59%
ハーデン 11.3本 49%
CP3 9.5本 42%
ゴードン 8.5本 38%
カーメロ 6.7本 40%
目立つのは下3人の確率の悪さです。昨シーズンは50%を割っていたのがメインメンバーではタッカーのみというチームだったので、極めて悪くなった2Pの確率
実は確率が悪くなっただけでなくアテンプト増が目立ちます。
CP3 7.3→9.5
ゴードン 5.3→8.5
アリーザ 2.8→カーメロ6.7
ハーデンが離脱しているので致し方ないのですが、とはいえ最後が気になるわけです。殆ど打たず、打つときは確率の高いシュートを選択していたアリーザに比べると、40%ながら4本近く多いカーメロ。
カーメロパターンを作ることは悪くないので、増えることを即悪いとは出来ませんが、でも実際にはカーメロパターンを作っていないよね。同じ外すなら3Pを打とうというチームが、インサイドで外しているのは非常に悪い傾向です。
〇ノーチャージエリア内のFG
64.3% → 58.3%
2Pの悪化の原因はゴール下の確率が大きく低下したこと・・・なのですが、この理由はいくつかあることは置いといて、そもそも58%あるので、低いには低いけどもう少し頑張りましょうとしかいえない。試合数も少ないし、ネネイやハーデンがいないし。
〇ノーチャージエリア以外の2P
15.0本→19.5本
問題なのはゴール下以外のシュートが増えている事でした。確率が悪くなったのは、シュートが決まらないことに加えて、コンセプトから外れてきていると言うこと。カーメロのロング2Pもあるけど、そんなの1試合に1本もないわけで。
加えてフリースローが4本近く減っています。ハーデンがいないこともありますが、中途半端な感じがあるわけです。3P、ゴール下、フリースローというシンプルなコンセプトをどれだけ現実に表現できるかがダントーニだったとすれば、その戦術が表現されていない今シーズンの戦い方です。
◉ロケッツ対策って何?
実は結構簡単なロケッツ対策は「クリス・ポールを自由にする」こと。パスを出されてキャッチ&シュートの3Pを打たれるくらいなら、クリス・ポールに打たせろって事です。ブレイザーズは実にこれが上手く、何をして良いのか理解出来ていないクリス・ポールというシーンが多発しました。
周囲のポジショニングの悪さ、合わないタイミングといろいろあるのですが、根本にあるのはハンドラーを迷わせること。ミドルを打たせるように仕向ければ悩んでくれ、ヘルプにくるけどブロックには跳ばなければ迷ってくれ、マークマンとボールを行ったり来たりすれば、悩んでくれ。
本来はそんなディフェンスをすると、オフボールでのポジション調整で対応してくるのがロケッツなのですが、そんなことをする気の利いた選手は移籍してしまったので、新たな選手達が戦術に対応する時間が必要です。
「3Pを打つ」ことに縛られてしまっている気がする現状は、ディフェンスでも「スイッチディフェンス」に縛られている気もします。本当は「スイッチを多用することでイージーシュートを減らす」ことに意義があるはずですが、スイッチが目的になっていないかい?
まぁまだシーズンは始まったばかりなので、理解が進めば、ハーデンやネネイが戻ってくれば違いも出てくるでしょう。この記事を書いている間、ロケッツは移動日が多くある日程になっていて、少し時間を取れました。いくつかの修正を施すとダントーニが発言しているみたいなので、ここまでの内容を受けてどんな変化を見せるのか。
そして明日はネッツ戦。
ネッツはハーデン&クリス・ポールみたいなラッセル&ディンウィディーというPGコンビを中心に、カペラみたいなジャレット・アレンさえも3Pを打つロケッツ型チームでした。しかし、新たに加えた選手は3Pに特徴は無く、よりフィジカル系が多くなりました。それは戦術を次のステップにバージョンアップしようとしているのです。
ロケッツが苦労しているのは自分達が変わったことだけでなく、他のチームが変わっているのに対応すること。大して勝っていないネッツですが、時代の先端に合わせて来るチームなので、そこにある戦術的な理由を知ることが出来ると面白いな。
というネッツブログでした。
明日のネッツ戦(あえてロケッツ戦と言わずに)見ます?
観ますよ。リクエストもありましたし、ネッツの試合もロケッツの試合もしばらく書いていないので。
MCWはディフェンスは悪くないと
思うんですけどオフェンスでの積極性があればなぁと思います。3も外れてもいいから打ってほしいです。
あとはエリックゴードンが3を打立てるのはいいんですけどシュートセレクションがあまり良いとは思えないんですが…
僕は素人なのであまり良くはわからないんですがこれについてwhynotさんの意見を教えていただけると幸いです。
MCWにオフェンスを期待しちゃダメです。特に3Pなんてきまるわけがないくらいの。3P決まるなら、ジャーニーマンにはならなかったので。
ゴードンの3PはMCWの逆で許容すべき範囲を広く持つべきかと。
あれがあることでスペーシングが効力を発揮しています。カリーみたいなものなので。
インサイドへ飛びこんでのセレクションはそんなに良くないですね。
でも良く決めていると思います。ゴードン以上に決める選手となるとサラリーが高すぎて。
MCWにオフェンスを期待しちゃダメです。特に3Pなんてきまるわけがないくらいの。3P決まるなら、ジャーニーマンにはならなかったので。
ゴードンの3PはMCWの逆で許容すべき範囲を広く持つべきかと。
あれがあることでスペーシングが効力を発揮しています。カリーみたいなものなので。
インサイドへ飛びこんでのセレクションはそんなに良くないですね。
でも良く決めていると思います。ゴードン以上に決める選手となるとサラリーが高すぎて。
もー、今の惨劇に泣きそうです。本当にアジャストしてくれるのでしょうか。
去年は勝つのが当たり前だったので、負けるのに慣れてない贅沢なファンの悩み 笑
クリスポールをエースにする事が、ロケッツ対策って去年も言ってましたよね。
そして、そのポールに衰えが見えると、やっぱり勝てるわけないです。
でも、こうやって新しく来た戦力から最適の戦略を作り上げるのこそ、HCの腕の見せ所ですね。頑張れダントーニ!
管理人の昨年クビランキング1位だったルーはやっぱりいなくなりましたね 笑
NBAの戦術トレンドの歴史って、みてみたいです!お時間ある時に。
みんながダントーニをマネする時代なので、ダントーニが丸裸にされ、それでも勝てる方法論を作り上げているのは素晴らしいことかな。
戦術トレンドの歴史を語れるほど、観戦歴が長くないもので。昨シーズンからしか語れません・・・。