2018/10/25 ホークスvsマブス

ドンチッチとトレ・ヤングに注目が集まる対戦

◉カリーではない

ドラフトでカリーみたいなトレ・ヤングとクレイ・トンプソンみたいなハーターと、ビラノバからやってきたシューター系ビッグマンのスペルマンを指名し、「新たなウォーリアーズ」を目指すと予想されているホークス。しかし、サマーリーグの内容はウォーリアーズと言うよりもシクサーズ。ロイド・ピアーズHCがシクサーズ出身なので、それは当然の流れだったとも。

当時のトレ・ヤングはまぁ確かにカリーみたいにシュートを打っていき、そして決まらなかったわけで、どうしていくのかと思っていたら、次第にその本領を発揮し始めます。トレ・ヤングはNCAAで1年生で得点王とアシスト王を獲得した化け物。その中核にあるのがカリーみたいにロングレンジを決めまくるシュート力を武器に組み立てるのだと思っていたよ。

しかし、蓋を開けるとどうだろうか。そのシュート力がなくても関係ないプレーメイクをしていくように。得点力があるからアシストが出来るタイプではなく、アシスト力があるから得点が出来るタイプな感じです。

 

この試合でも早々に魅力あるプレーを発揮していきます。ホークスは各選手が動いていく中でフリーになったときにぴったりのタイミングでトレ・ヤングからパスが出てくる。あるいは、4人がスペーシングしている中で、スピードもキラークロスオーバーもないのに、緩急を使ってディフェンスを崩していき、気がついたらシュートチャンスが生まれている。

この感じはカリーではなく、ルビオに近い感じです。ルビオにカリーのシュート力があるPGという方がイメージが近くなるのでした。もちろんルビオのプレーメイク力もカリーのシュート力もないよ。そんな感じって事ね。

しかし、そんなトレ・ヤングの魅力が良いとは限らない。全体的に動きの乏しいホークス。アリウープのパスを受けてダンクするだけなのにミスするアレックス・レンなんていうシーンもあって得点が伸びません。

 

◉ドンチッチとデニス・スミス

一方のドンチッチはPGって感じではなく、第2ハンドラーくらいの位置づけ。むしろドンチッチの方がシュート力をベースにプレーを組み立てています。NBAの中でも高いスキルを持ちますが、ちょっとスピード不足なのと、単純にマブスがそこまでやらせていない事情があって、トレ・ヤングよりもカリーっぽい。

しかし、デニス・スミスは圧倒的なスピードを発揮し、1Qだけで5アシストを記録します。パスを受けるドンチッチはシュートを決めていき12点。なるほど、非常に面白いコンビです。スピードのデニス・スミスとテクニックのドンチッチ。タイプの違うハンドラーは興味深い組み合わせになりながら、役割を入れ替えれることも可能

さらにマブスはマシューズとクラバーが3Pを決めていきます。いやー、クラバーは良い選手だと思っていたけど、プレーの幅を広げてきました。ジョーダン加入により、やるべき事を増やしたような感じ。

なんとJJバレアも1Qだけで5アシストを記録し、チームで7本の3Pを決めたマブスが42点を奪います。大爆発のマブスにして守っていないホークス。1Qは42-22とマブスが20点差をつけて、もう試合を決めたような感じ。

 

◉良いことは続かない。

マブスにもビラノバのルーキーがいて、ブロンソンがベンチから出てきます。PGではなくシューターみたいな役割をもらって、ここでも2人のPGを並べるマブス。カーライルっぽさ。

内容はそんなに悪くないのに、途端にシュートが決まらなくなります。フリーで打っても打っても決まらなくなると、次第にホークスがカウンターを食らわすように。でもそんなに確率が良くないホークスなので、速攻があってもなかなか点差が縮まらない。

そんな時こそデニス・スミスとドンチッチに何とかして欲しいわけですが、デニス・スミスは無謀なアリウープパスを出したり、自分で突破することに拘りすぎるシーンも。マブスを見慣れていないから、その理由は他の所にあるのかもしれませんが、とりあえずパスしても決めてくれないし、じゃあ自分で行こうにも上手く行かない。だって3P打たせてくれるホークスってことはインサイドを固めているわけで。

ドンチッチの方はタウリーン・プリンスに封殺されています。今シーズンのプリンスは「自分も主役になる」というプレーをしていて、万年脇役キャラから脱皮しようとしています。カワイ・レナードは言い過ぎだけど、まぁなんかそんな方向性かもね。うん、言い過ぎ。そんなに強引には決められないので、細いレナード。

 

どっちもロクなオフェンスにならない2Qでしたが、残り4分切ってからベイズモアが連続で決めると、プリンスも続いてチームで26点のうち、21点を2人で奪います。若いマブスのガードコンビにはやらせなかったベイズモアとプリンスは、オフェンスでも先輩の力を見せつけたのでした。それはわかりやすいデニス・スミスの弱点でもあるのでした。

1Q42点のマブスは2Q16点なのでした。調子が悪くなってエースの2人を出したけど、ベイズモアとプリンスに潰されたね。なお、トレ・ヤングはファールトラブルで殆ど出ていない。10点マブスリードで後編へ。

◉オレを観ておけ!

本当によく見ているトレ・ヤング。プリンスが自分がフリーだと気がつかずボールを観ていなかったのに、トレ・ヤングはプリンスがフリーである事を見つけてしまう。それでもちゃんとキャッチして3Pを決めたプリンス。「ちゃんと観ておけ」というジェスチャーをするトレ・ヤング。

続けてこの試合初めてのFGをお得意のロング3Pで決めるトレ・ヤング。ベイズモアも続いて、マブスが得点出来ない間に追いついていきます。

 

マブスは割とドンチッチにやらせるのですが、全く上手く行かない。フローターとかとっても上手いドンチッチなのだけど、突破しきるのはまだ早いから、シュートが決まらないとちょっと苦しい。それでもデニス・スミスがプットバックして、ジョーダンがダンクをぶちかましてと、流れを取り戻しかけたところでヴィンス・カーターおじさんが3Pをヒット。

1Qのお返しとばかりに8本の3Pを決めたホークス。32点を奪って逆襲しますが、一方でパスミスが多く6つのターンオーバーから速攻を食らいまくり29点を奪われるのでした。

なんというか、所々に良いプレーが出てくるけど、やっぱり総合すると弱いチーム同士の対戦って感じです。内容が悪くても安定させてしまった前日のペリカンズみたいな強さは感じないし、勢いがそのまま得点になってしまう両チーム。もう一踏ん張り出来るチームにならないとね。

ところで裏の試合でカリーが3P決めまくったらしいけど、カリー1人よりも少ない本数しか決めていないチームがいくつかあるらしいんだ。アレックス・レンやデッドモンまで3Pを決めさせているホークス。シューティングコーチを貸して上げてよ。

 

◉アクシデントでリードを奪う

4Qになると再びプリンス&ベイズモアで得点していきます。ルーキー達には負けないぜ!でもスペルマンがオフェンスリバウンドをとっても押し込めないし、ベンブリーがムダなミスを重ねていくしで、なかなか追いつくことは出来ない。なおベンブリーは16リバウンドを奪ったので仕事はしたぜ。

対してマブスはデニス・スミスがホークスの弱点であるトレ・ヤングをポストで攻め立てるのですが、別にデニス・スミスだってそこまで強いわけではないしな。ホークスの得点が止まっている間でも突き放すことが出来ない。

ディフェンスが良いという表現が出来るのかもしれないけど、そういうにはプレッシャーなんかかかっていないし。ちなみにマブスにはマシューズにフィニー・スミスとディフェンダーがいるよ。でも、そこまで止める必要のある選手がいないホークス。そして目の前にいたはずのベイズモアを完全に見失うジョーダン。まだチームとして守ることが出来ていません。

そんな押し引きがあった中で、残り5分でトレ・ヤングがフリースローをもらいにいき、遂にホークスが逆転するのでした。

 

なかなか見事なロ-テーションディフェンスをするホークスですが、それを上回るパスワークをみせたマブスが最後はドンチッチのフローターで再逆転。ハーターがフリースローで同点、マシューズが3Pで突き放し、トレ・ヤングがレイアップで追い上げる。

終盤に来て、各ポゼッションでお互いが決め合う白熱した展開になったりして。さっきまで決まらなかった両チームなのに。そんな攻防の中でデニス・スミスがケガをしますが、構わずプレーします。なんでだ?

そのデニス・スミスを狙ってハンドリングシェイク&ターンで逆転のレイアップを決めるトレ・ヤング。でも次はクレバーが叩き落とす。その間のマブスのオフェンスはデニス・スミスでミスの連続。ファールで止めてでも交代させておくべきだったマブス。

 

◉主役を奪ったベイズモア

残り2分ベイズモアでリードするホークス。アレックス・レンとジョーダンがそれぞれ押し込むだけのシュートをミス。さらにベイズモアがダンク。

マブスはちょっと謎で、好調のベイズモアではなくトレ・ヤングを止めるためにマシューズを使います。その結果、周囲はバレア、ドンチッチ、クレバー、ジョーダンと誰でもベイズモアがミスマッチの状況に。せめてフィニー・スミスを起用すれば良いのに。

対して何故かプリンスを起用しないでベンブリーのホークス。これもよくわかんないけど、別に悪いこともない。結局、ベイズモアでリードを奪ったホークスが、残りの時間はフリースローを貰って過ごしたのでした。

 

32点のベイズモア。注目されたルーキー同士の対決で主役の座を奪ったのでした。29歳だけどカーターおじさんの次に年長者のベイズモアは、若いもんには負けないぜ!

ホークスは大事なところでトレ・ヤングはもちろん勝負するけど、ベイズモアとプリンスにもやらせていきます。それに比べると13本も3Pを打ったマシューズだけど、大事な場面はデニス・スミスかドンチッチという雰囲気。それのどちらが良いかは何とも言えないけど、ボールを止めてまでやらせる必要はなかったような。

まだお気に入りのジョン・コリンズが離脱中だけど、チームとしての形があったのがホークス。離脱中のハリソン・バーンズとノビツキーがいないから、形が決まっていないので苦労したマブスという試合でした。最大26点差を逆転した試合だけど、そんな空気感はなかったのでした。

 

うーん、「是非、次の試合も観たい」という雰囲気には欠けていたな。それが何でなのかは、とっても難しいけど。トレ・ヤングとプリンスの変化は見続ける価値があるけど、ホークス自体は期待値をちょっと下回ってしまった。早くジョン・コリンズが帰ってきて欲しい。

マブスは何だろな。ちゃんとやっているけど、シュートの調子に左右される要素が大きいのかな。1Qのデニス・スミスのスピードは目立ったけど、あっさりと抑えられてしまった。抑えたのはベイズモアなので、やっぱり主役はベイズモア。

 

 

2018/10/25 ホークスvsマブス” への6件のフィードバック

  1. ヤングのハンドリングって誰にも合わないものがあって大好きです
    なんか緩急っていうか視線でディフェンダーを翻弄してるって感じじゃないですか?
    ロケッツからホークスファンになりそうです!

    1. ヤングはスピード関係ないのに抜けるのは、画面では伝わり難いフェイクを使ってますね。

      勝利はロケッツに求めて、将来の楽しみはホークスに託すのが最善かも。あっでもロケッツも・・・

  2. プリンスは3年目組の中でトップスリーにはいる選手だと思います
    ホークス浮上のコアとしての活躍を期待してしまいますね

    1. 単なる3&Dで終わる選手にはならないと証明するシーズンになってきそうです。
      オフボールで動いてキャッチ&シュートと、そのフェイクを活用してのドライブ。シュルーダーからトレ・ヤングになった利点も大きそうです。

  3. ロケッツが1巡目指名権4つ(後クリスとナイトも?)でバトラーを入手しようとしてることについてコメントをどうぞ。

    1. モーローが次の仕事を探し始める準備に入りました。ロケッツが優勝に近づく置き土産にして、自らの有能さを示しながら、将来性はないチームに。

      もっとも、ロケッツはFAでチームを作るので、大した問題ではないのかな。

      ウルブズは乗るべき。高いサラリーの選手を抱えながら、毎年ルーキー契約で補強出来るのは重要。どうせ今のチームに未来はないからシボドーもろとも若返りを!!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA