2018/10/24 ペリカンズvsクリッパーズ

ペリカンズはプレシーズンで勝てなかったけど、試合内容を見る限り強い雰囲気だったんだ。その通りになっていてホッとした。

ペリカンズの2ポジション3プレイヤー

スタッツを見る限り、本当にこんな内容になっていそうなペリカンズ。2つのインサイドポジションに3人の選手が入れ替わりで出てきて、しかも組み合わせによってチームの色も良く感じに変化する。中心が同じで基本のスタイルも同じだけど、変化もあるチームは強いよね。怖いのはケガだけ。

クリッパーズも予想通りなんだけど、ちょっと違うのは起用法。ロケッツ戦は勝ったとはいえ、最後の方にベンチメンバーを酷使するという変な采配をしていましたよ。ペースが早いチーム相手には致命的なミスになりかねないのがスタミナロスなんだ。

 

◉無難な立ち上がり

アーリーオフェンスでしか得点出来ないペリカンズ。しかし、そのキモとなるのがアンソニー・デイビスであり、相手がゴータットなので結構楽勝っぽく進みます。ピストンズはあまりディフェンスの状況を考えたオフェンスをするわけではなく、せいぜいトバイアスのミスマッチが出来たときに使うくらいなので、アンソニー・デイビスが堅実にリバウンドを抑えて、オフェンスに繋げていきます。

そして誰もがフィニッシュするいつもの嫌らしさと、止める方法がないアンソニー・デイビスの高さのダブルパンチ。

悪夢のベバリー&ブラッドリーコンビですが、ピックアップが遅く、全然良い部分を見せられない。ベバリーは明らかに離して守っており、そういう指示って事だよね。うーん、全然良さがないから作戦ミスでしょ。たまに前からプレッシャーをかけるとスティールするベバリー。そしてハレルが出てくるとADにもビビらずゴール下で勝負するから逆転するのでした。

連携力があり、選手層も厚いクリッパーズだけど、それだけスターがいないわけでもあり、噛み合わせ次第で大きくぶれていきます。

 

ランドルが出てくるとランドル中心に。3Pも決めたけど基本的には自分で仕掛けることは出来るけどシューターとしてはイマイチなので、コートにいるときはランドルから始める形を多用するのかな。

クリッパーズもトバイアスが次々に返していき、SGA君も髪を切ったペイトンと互角の勝負をして、両チームが個人の局面を増やしながら、得点を伸ばしていった1Qでした。やっぱりクリッパーズはハレルが出ている時間が最も良いけど、このパターンだと先にバテそうです。

3人のビッグマンで上手くプレーシェアというかスタミナシェアをしているようなペリカンズ。これといって触れることがないけど、互角でスタートすると次第にスタミナで上回るのがペリカンズだよなー。

 

◉リバースの失敗

SGAが躍動し、スティールからの速攻を生み出せば、ゴール下のフリーを見逃さず、クリッパーズがリードします。本当に良いルーキーだ。しかし、負けてられないホリデーがルーからスティールして速攻、自分で飛びこんでファールを貰っていきます。シュートはイマイチ決まらない。

登場したのはマルヤノビッチ。ランドルに対してのマルヤノビッチは確かに効果的になりそうなのですが、すかさずADが戻ってきます。いやいや、予定されたローテーションなのかもしれないけれど、相性で考えれば采配で完勝って感じのアルビン・ジェントリー。

守り切られて3秒オーバーに、ゴール下でファールを引き出されて、直ぐにゴータットと交代。でもゴータットもついて行けないから同じじゃん。結局バーアムーテに任せてノーセンターにする対処。何やってんだリバース。

 

そんなわけで調子づいてきたペリカンズ。あっちが決まればこっちも行きやすいので、オフェンスに流れが出てきます。しかし、クリッパーズもガリナリとトバイアスによって、しっかりと対応すればバーアムーテが攻守にちょこちょこ仕事をしていきます。

ロケッツが失ったバーアムーテは単にエースキラー的な役割ではなく、ちょっとずつパスコースを消すし、AD相手のポストも守り切るし、万能なディフェンス力があり、ペリカンズのスキをついてフリーになる動きも冴えています。まぁ特別な仕事は出来ないのだけど、それで良かったのがロケッツ流。

ノーセンターにしたことで、ADをアウトサイドに引き出し、オフェンスの回転が良くなるのですが、それでも最後にブロックで叩き落とされるシーンもあり、リードというリードを奪うことは出来ません。

 

ペリカンズペースになりそうだったけど、何とかノーセンターで巻き返したクリッパーズ。残り3分からハレルも出てきて互角の展開に。最後にADを連続ブロックしたハレルでした。ファールっぽいけど。

前半はFG49%のクリッパーズに対し、FG39%ながら8のオフェンスリバウンドと25本のフリースローで対抗したペリカンズ。本来はそこまでとられるようなチームじゃないはずが、マッチアップミスが多すぎたクリッパーズ。ホリデーのFG1/9が痛かったペリカンズ。

◉ペリカンズペース

後半もゴータットでスタートするクリッパーズ。ADから始めるペリカンズ。まぁでもトントンで進んでいきます。ホリデー決まらないし、ガリナリが決めていくし。それにしてもガリナリはサラリー高すぎるから、そこまでではないにしても働くようになったよね。ケガしていたから真価がわからなかった昨シーズンと比較して良いのかわからないけど、人とボールが動くようになったから無理なく打つシーンが増えました。

それに比べてゴータットは何だろうか。「スターター限定」と契約書に書いてあるのだろうか。昨シーズンを衰えたとしたけど、ここまでそのレッテルを覆すにはほど遠いプレー。4分ほどでハレルと交代。12分しかプレーしないスターターなんですが。

そして少しずつペリカンズが押し込み始めます。ペリカンズの良さよりもクリッパーズの失速という雰囲気で8分で8点しか取れず。それがペリカンズ流とも言うけど。ADの3Pも決まって10点差に。

 

ただ、致し方なかったのはSGAの所で押し負けるシーンが目立ったこと。こればっかりは使いながら育てたいわけだし、ある程度は諦めるしかない。それにしてもペイトンが安定しているのは意外すぎる。サンズはこのPGを放出して迷走しているわけだから笑えない。

オフェンスでどうしても強気でいけないSGA。層の厚いクリッパーズならではの悩みなのかもね。クリッパーズもグリフィンとジョーダンの大成功以来、長いこと育成できていないチームなのでSGAとジェローム・ロビンソンがどうなるのか。

リングより下でハレルがブロックしたのにテンディングとられたりする意味不明なコールもあって、どんどんペリカンズペースになっていきます。ペリカンズって同じように続けまくる良さがあって、それ故に書きにくかったりするんだよね。

層の厚さが売りのクリッパーズが、何となく失速していき、インサイドの質が落ちないペリカンズが上回った3Qでした。とはいえ点差は7点のみ。

 

◉賭に出るクリッパーズだけど

SGAの連続ミスによって始まる4Q。ガマンするしかない。ドライブの途中で靴が脱げるホリデーと靴を客席に投げ捨てたスコット。

なかなか連続得点が生まれない両チームは、なんとなく点差をキープして時間ばかりが過ぎていきます。それぞれに良いプレーもあるけど、続かないというか。完璧に止める事は出来ないけど、簡単にはやらせないディフェンス力があるというか。

均衡を破ったのはミロティッチ。ゴール下を押し込めば、ブラッドリー相手のポストアップに持ち込んで連続得点に。残り7分で11点差になりますが、それを戻ってきたばかりのトバイアスが&ワンで返します。

 

クリッパーズはここでルー、ベバリー、ブラッドリーの3ガードにして、ハイプレッシャーディフェンスを仕掛けますが、ルーが抜かれて最後はADにフィニッシュされます。ただオフェンスではADをアウトサイドまで引き出すので、ガリナリの抜け出しやベバリーのドライブが決まります。これで5点差に縮めることに。

ADの高さを止められない代わりに機動力負けせず、オフェンスで切り返しを狙うのはクレバーな選択ですが、そこでベバリーのアイソレーションを選択してしまったり、ルーvsホリデーで止められてしまったり、ディティールが甘いクリッパーズ。それでもADとの勝負でレイアップを決めるトバイアス。

ペリカンズはADがガリナリとのポストアップ勝負を決めて堅実に得点していきます。焦らずに強い部分を使うけど、そこそこ止められる。でも、間違いは起こりにくいよね。意思統一されているから、カウンターを殆ど食らわないし、ディフェンスの強い部分を攻めないからシュートまでは行ける。

ハレルでインサイドを塞ぎに行くのではなく3ガードにして賭けに出たわけですが、上手く行かないクリッパーズ。なんでそうなるのか、よくわかんない。おそらくガード陣やトバイアスvsランドルにしておけば確率は高かっただろうし、ガリナリvsムーアやペイトンのインサイド勝負は狙い目だったのに、それを使わなかったのは何故なのか。何故なのかというか、そういう文化がないだけなんだけど。

リバースは「ここにグリフィンがいれば」と思っていそうだけど、それじゃ勝てないから今のメンバーになったのにね。

 

5点差までは持って行けるのに、そこからが遠かったクリッパーズと、手に入れたリードをしっかりと守りにいったペリカンズ。全く目立たなかったホリデーだけど、目立つほど無理をしなかったとも言います。フルパワーで追いかける理由がないなら、間違いの無いプレーを繰り返すだけだよね。

最後はペリカンズらしさのかけらもなかったけど、だからこそ強さを見せたのでした。

 

◉安定していたペリカンズ

笑っちゃうけど、ペリカンズなのに安定していたね。ロンドじゃなくてペイトンになったことで、変にスピードアップすることがなくなり、しっかりと繋いでオフェンスを構成している感じが、カウンターの機会を減らしてチームの安定に繋がったかも。

髪を切ったペイトンはそれくらい良かった。「余計なことをしない」ことで良いPGになったと言えるし、逆に将来性が高くオールスターも狙えるような選手ではなくなったけどね。そのことはトレードとFAを経て本人が1番良く分かっているだろうし。

インサイドトリオは何とも言えないけど、負担を分け合っていて良かったね。スター選手みたいなプレーを好むのがミロティッチとランドルの悪いところだけど、それをADというスーパースターの横にいることで、堅実で優れた選手にみえてくるから不思議なモノ。

特にこれと言って指摘することがないペリカンズ。ベンチメンバーも上手く混ぜながら、目立たない強さを手に入れつつあるのでした。ターンオーバー8とかペリカンズじゃないぞ。

 

一方のクリッパーズはロケッツ戦と同じ感想。選手起用がよくわかんない。特にロケッツ戦よりも柔軟になってノーセンターで戦う時間を作ったのだから「柔軟な良さ」がありつつ、今度は終盤にハレルが出てこないという「計画性に欠けた」ような選手起用なのでした。

それは別に悪いことばかりではないのだけど、バーアムーテやスコットが効果的に起用されているとは言い難いし、テオドシッチは完全に出番を失うしで、良いのか悪いのか判断するのがとっても難しい。

26点のトバイアスと24点のガリナリが安定して得点を稼いでいるだけに、もう少し何とかして欲しいのでした。

〇クリッパーズのFG 47%

ゴータット 0/4

ブラッドリー 1/8

SGA 3/8

ビックリしたのは、この3人以外はFG50%オーバーだった事実。これでホリデーがFG2/15のペリカンズに負けるってのは、ちょっと納得いかないなぁ。

 

ペリカンズ強かったね。迷いがないよ。迷いまくりのクリッパーズだったよ。

 

 

2018/10/24 ペリカンズvsクリッパーズ” への12件のフィードバック

  1. ペリカンズいいですよね〜。ホリデーのシューティングタッチはあまり良くないですけど、十二分に補えるオフェンスの質の高さがある。
    それにしてもペイトンはかなり良くなった気がします、散髪って大事。

  2. 管理人さんが以前記事にしていたドノバンミッチェル式のラス君にはペイトン合いそうだと思うんですけどどうですか?

    1. 今のペイトンなら合うでしょうね。サンダーはパスの上手い選手を補強しない理由が理解出来ません。
      ペイトンは狙い目でしたが、サンダーだと今のペイトンにはならなかったでしょうし。
      結局はチームの問題なのかもしれません。

  3. 管理人さん初めまして!
    いつも鋭い視点から記事とても参考にしています。

    一つ質問なのですが、管理人さんは学生時代などにバスケをやられていたいたのですか?
    自分は全くやっておらず、それでいてNBAにハマっています。管理人さんのような視点が未経験者でも身につけることが出来るのか非常に気になっています。

    1. 中学の時にやっていました。今も時々やっているのですが、NBAを観てマネする事はあっても、自分のプレーからNBAが理解出来るなんてことはないので、経験はそんなに関係ないかと。

      特に戦術変化が激しいリーグなので、多くの試合を観ていて、気がつくかどうか次第なのかな。プレーヤー目線に拘らない方が良い気もします。
      30チーム全てを観ている人って珍しいと思うので、比較検討しやすい利点もありますし。

  4. マルヤノビッチが出てきたときに
    ADをすぐ戻したときアルビンジェントリーやるなと思いましたが、あれは単なるローテーションでしたかね?笑
    唯一ハレルはADと戦えていたので終盤の采配は残念でしたね。
    後は怪我だけが怖いですね。
    クラークもあんまり出てませんし、現状8人ローテみたいになっているので、1.2人使える選手が出てくるといいですね。

    1. あれはどうなんですかね。あまりにも見事なタイミングだったので、ジェントリーの勝利にしておきましょう。リバースも逆にADが下がった瞬間にマルヤノビッチにすれば良かったのに。

      ペリカンズは強いけどプレーオフ圏外予想にしたのは、まさにケガに弱そうだからです。でもウィスリー・ジョンソンをクリッパーズからプレゼントしてもらいましたし。さて、どうなることやら。

  5. マブズがバトラー獲得を狙ってるようなのですがどう思いますか?試合に関係なくてすみません。m(__)m後グリフィンの記事楽しみです!

    1. マブスにバトラーは良い選択だと思います。ウイングとして強気な突破を許されながら、チームオフェンスに組み込んでくるチームです。
      しかし、誰を交換要員にするのか?ジョシュ・リチャードソンを上回る選手がいるとは思えないのですが。ハリソン・バーンズへの評価次第ですかね。

  6. whynotさんのランドルの評価はどんな感じですか?
    個人的には扱いづらい選手だと思ってます。ボールを持ったら中々離さない印象があります。身体能力や技術はそれなりに高いけどバスケットボールIQが・・・。
    将来的にはかつてのダンク王ジョシュ・スミスのような中途半端な選手になってしまうような気がします。

    1. 大して評価していませんでしたが、昨シーズンの後半からシュートの堅実性が増したことで急激に良くなりました。シュートが怖いからディフェンスが寄ってきてパスを出す事もできます。頭が良ければ、シュートが怖くなくても上手くプレー出来るのですがね。
      そして走れてインサイドが強いのは現代的です。現状の6thマンは適職だと考えています。ADがボール持った時に、ポジションとかがかなり怪しいのは相変わらず。

      終盤に起用しなくても怒らないならば、使い用はあると思います。

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