ホーネッツの開幕戦は波瀾万丈の展開に
明らかに生まれ変わったホーネッツはホームにバックスを迎えた開幕戦でした。熱いシャーロットの応援に、チーム設立当時のメンバーが観戦に訪れ、放送席でインタビューを受けるなど大きな盛り上がりを感じさせました。
しかし、同じくHC交代でオフェンスを作新するバックスが3P連打でリードを奪います。これまでになかった積極性と見事なパスアウトで1Qだけで3P7/11で36点と開幕をラッシュでスタートする事に成功し、2Q開始直後には20点のリードを奪ったのでした。
そしてアンテトクンポは1Qだけで8リバウンド4アシストとハイペースでスタッツを伸ばしていったのでした。ここについては別途書きたい。
大いに期待されていたホーネッツはシュートが決まらずFG38%というスタート。エースとして10分出場したケンバの得失点差は△18という散々な有様。
ちなみにプレシーズンのケンバは、チーム改革の影響もあり24分で15点ながらアシストは2.6のみと、全員がプレーに関与することで個人スタッツを落としそうな内容でした。それは悪いことではないけれど、ホーネッツのケンバ時代は新しいターンに入ろうとしているようにも見えました。
開幕戦の1Qから躓いてしまったホーネッツ。新たな戦術自体もあまり機能しておらず、3Pは狙ってもインサイドへ切れ込んだり、合わせたりするプレーがなく、苦しすぎる船出でした。
2Qになっても流れは変わらず、バックスは3Pこそ4/11と「普通」になったものの、12本のFG成功のうち10本にアシストが記録されるチームオフェンスを展開。
対するホーネッツは全員アタックがなりを潜めてしまいます。得点するのはモンク、ラム、そしてケンバというハンドラー達ばかりに。モンクのアシストでゴール下を押し込むだけになってもファールを許してしまうことも多く、プレシーズンの緩いディフェンスとの差異に苦しみます。
ケンバが前半終了間際に3P&ワンを決めて何とか13点差にするのがやっとのホーネッツでした。
3Qになるとケンバは更にギアを上げていきます。このQだけで13点を奪いオフェンスを引っ張るように。そこにあったのはトニー・パーカー、モンクとの共存。まさかの3ガードにしてコントロールをパーカーに任せ、ケンバが得点をとるためのお膳立てをさせれば、ケンバが仕掛けた後でキックアウトする位置にはモンクを置いて苦しいときの出口も用意します。
全員アタックを志していたようなホーネッツがみせた違う顔はケンバの得点力を引き出す算段に。その期待に応えるように3Qは互角の展開だったものの、最後はケンバが3Pを沈めて10点差にして4Qに突入します。
迎えた4Qはホーネッツがラッシュを仕掛けます。ケンバとバトゥームが3Pを決めれば、MKGも3分で7点を稼ぎ、残り6分23秒にケンバがプルアップ3Pを決めて遂に同点に追いつきます。直ぐにミドルトンが3Pで返すも、ケンバがまたも3Pで同点に。最大20点差まで開いた試合を振り出しに戻したのです。
再びバックスに6点差をつけられても、今度はエルナンゴメスとモンクの若きコンビが取り返して、残り1分を切って1点差。そしてケンバがイリャソバのファールを引き出して得たフリースローを決めて、残り36秒でホーネッツはこの試合初めてのリードを奪ったのでした。
会場は残り5分くらいから既に総立ち。完全な負け試合を驚異的なカムバックで勝機を見出した新生ホーネッツ。41点を奪ったケンバは【開幕戦の最多得点】でカリーパパを抜き、シャーロット史上最多得点者に、さらに【40点オーバーの試合数】もグレン・ライスに並ぶ10試合となりシャーロット史上最多試合数に。
しかし相手はアンテトクンポ。残り23秒で再度リードを奪うフリースローを2本とも決められます。
ホーネッツのラストオフェンスはもちろんケンバ。ブレッドソーとヘンソン相手に得意のハンドリングで振り回し、ドライブからレイアップに行きます。残り3秒で放たれたレイアップは、この試合2Qと3Qのラストに3Pを沈め、トータルでFG15/28と神がかっていた活躍度を考えれば、あまりもイージーなシュートであり、20点差つけられた開幕戦を大逆転勝利で飾るストーリーの完璧な結末のはずでした。
試合終了のブザーと共にその場にうずくまったケンバ
トニー・パーカーがそばに駆け寄り、抱き起こし、ロッカールームへと引き上げようとしますが、5mほど進むと再びうずくまってしまいました。見かねたファンが励ましに近寄るも立ち上がれないケンバ。映像では分からなかったですが、泣いているとしか思えないシーンでした。
明らかに変わったホーネッツは、変わらぬケンバの大活躍もむなしく、開幕戦を落としました。しかし、ファンは負けても満足する試合を観れたことでしょう。ケンバの独壇場に思えるスタッツに反して、その内容は昨シーズンのホーネッツとは似ても似つかぬ驚きの変化がありました。
モンクがセカンドエースとして躍動し、エルナンゴメスとの合わせのプレーを連発して得点面で若き2人が助ければ、ゼラーまでもが3Pを決めていきました。ただし、プレシーズンからの全員アタックは実現せず、これまでとは違う形での変化をみせました。
ひとつはトニー・パーカーとケンバ、モンクを併用する3ガードで得点力と展開力を全面に押し出したこと。もうひとつはその時のインサイドがバトゥームとMKGというSFの2人だったこと。インサイド専任のプレーヤーで中を固めてばかりいたチームが、バックスの3P攻勢をガードで止めに行き、アンテトクンポの脅威をMKGが体を張って止め、更にオフェンスでもゴール下で奮闘しました。
バックスのオフェンスに慣れてきた4QはMKGがアンテトクンポを追い込むと、バトゥームとモンクが後ろから跳んできてブロックするシーンも。
生まれ変わろうとするホーネッツが違ったのは、誰もが献身的に自分の役割を果たすのに力一杯だったこと。ケンバ頼みのスタッツであった一方で、明確にチームメイトの力を感じていたであろうケンバ。最後に決めるべき自分のシュートが外れ、立ち上がれなかった姿は、シャーロットのフランチャイズ史上最高の選手として、チームの全てを背負うエースたる所以を感じたのでした。
ケンバは泣いていたのか。それはわからないが、観ている方は泣けてきた。
ケンバのことを考えると色々感傷的になってしまうんですよね。こういう文体も素敵です
ボレーゴは面白い采配してくれますね。モンクがディフェンス面成長してたのが大きい
管理人さんのいう通りモンクはシーズン途中でスターターになってそうです。
答えるようにMKGやマービンもよくあの怪物をディフェンスしてくれました。若干ホーム笛っぽくもありましたがまあいいでしょう。
あとイリャソバみたいのがうちにも欲しいです。
普通のゲームレポートではなく、もう少し特定の部分に注目したのを書きたかったのですが、ケンバのおかげで素晴らしいサンプルになりました。
モンクのディフェンス上手かったですね。
ただ、全体的に例えばケンバでもインサイドのポジション取りが上手くなっているので、ディフェンスコーチのアイデアが良いのかもしれません。
そこにMKGもハマったようで、以前に書いたように「MKGをセンターにしろ」が届いたような。
機動力のあるインサイドとしてハマってくれると面白いです。
それよりあのコートはレフリーもコールしにくかったのでは。
ACはかなり優秀な人集められたんですよねカプチャックのコネクションなのかな。
「MKGをセンターにしろ」は正に観ながら思い出していました。今でもたまに読み返します。
ブログや考察記事って消費されていくものだけど、クオリティが高い分アーカイブスとして成り立っているので楽しませてもらっています。
HC変わったチームなんかはレポート見比べたりなんかすると面白いんですよ。
CLEのゲームレポートとか見比べるの今から楽しみ
いやぁCHAには珍しく大盛り上がりでした。その分ケンバの気持ちは計り知れないです。
「MKGをセンターにする」なんて書いてもムダかと思ってましたが、書いておくもんですね。
読み返せる良さを求めてブログにしています。Twitterだとその時しか響かないし、動画だと重すぎて。
ホーネッツからはこれまで感じたことのない全員一丸となっている雰囲気を感じ、それがケンバのあの姿に集約されたのかなと思っています。
そんな事を後から読み返せるように、この書き方で記事数を増やした方が良いかと思ってショートスタイルに変えて見ました。
ハイライトしかみていませんがホーネッツは今日の試合で唯一勝とうとしてプレーしている気迫を感じました。ケンバお疲れさまです。すみません質問はかわりますが、ヒートはドラギッチがいない時間のオフェンスが頼りないのはJJがいないからでしょうか?ウェイドは今のヒートには合ってないし、TJもDJもなんだか消極的でスポルストラも困ってる感じでした。マジックはできすぎな感じがしましたがヒートファンとしてはかなり頼りない開幕戦でした。
ヒートはプレシーズン試しているのかと思ったら、本番でもイマイチだったんですかね?
代わりばんこにアタックする形は、展開力に乏しいから生まれた苦肉の策なわけで、そこに違う要素を加えようとしているのであれば、しばらく停滞するのでは。
メンバーを弄って試している気がしたのですが、どうなんでしょうね。
多分、ヒートの問題はオフェンスよりも守れなかった事、もっと言えばルール的に守りがたくなったことが問題なのではないでしょうか。
バックス側から見てるとリードを溶かされていって肝が冷える試合でした。
ホーネッツはボレゴHCになってからインサイドの起用法が絶妙ですね。
エルナンゴメスのスクリーンは厚みがあってハンドラーにとってかなりの助けになっていましたし、MKGとウィリアムスなんて不良債権とまで言われてたのに好守でアデトクンボを苦しめてました。
一方でバックスは徐々にアデトクンボ頼みのオフェンスになりダブルチームで苦しめられ、ディフェンスは全体を通してビューデンホルツァーが改善させるって言ってた割に…って様子でした。
別途書いていただける記事を楽しみにしています。
ホーネッツはこれまで隠されていた能力を使うようになりましたね。MKGにフィジカルの負担を強いるのは、ハワードとマービンでそこまで求められていませんでしたし。
バックスも良かったのですが、「ここにジャバリがいれば!」って感じなのでした。今の形ならジャバリも大活躍していそう!
ホーネッツの極端なスモールラインナップもアデトクンボに対するダブルチームも結局アデトクンボを止めれば他は無視しても影響力ないって言われてるようなもんですしね。
ジャバリがいれば分散させられてたのに。
ディビンチェンゾが毎試合テイクオーバーしてくれないものか…
あの対策を初戦でやられるとブーデンフォルツァーも頭が痛かったでしょうね。
単にヤニスを止めただけでなく、アウトサイドの3人がシューターを追いかけられるメンバーだったことも大切なんだと思います。パスの出し所を消しながらも、モンクがヘルプでブロックしたシーンは象徴的でした。
ただ、ディヴィチェンゾは思ったよりも速く戦力になりそうですね。あとはウッドがブレイクできるか。
ホーネッツがそんな胸熱な試合をしていたとは!!感動しました。一方我らロケッツ。こっちが20点差程で勝つと思ってました。ところがどっこいADミロティッチランドルに点は取られるわ、ペイトンがトリプルダブルするわでこちらが約20点差で負けてしまいました。ロケッツのどこが良くなかったのか、またペリカンズのどこが良かったのでしょうか?やっぱりペリカンズにガードを迎えられたのとオフェンスで負けてしまったからですかね?優勝とか言ってましたがプレーオフ大丈夫かなあ
ペリカンズ優勝!
なんでアンソニー・デイビスのトレード話が出てくるのが謎で仕方がない。
まぁ試合を観ていないので何とも。ロケッツ対策が進められる予想でしたが、その通りの内容になったのかとは思っています。
タッカーが有能な理由は単に3&Dなのではなく、ヘルプの上手さとインサイドの強さがある事で、それを強化するアリーザ とバーアムーテの不在は、些細な部分の差異を生み出したかと。
やっぱりアンソニー・トリバーを逃したのは大きかったかな。
バトラーのトレードでアンソニートレバー取れないかなあ。。。
バトラーがカーメロみたいに大人しく3P打ってくれるかな?
更新お疲れ様です。
ホーネッツそんな熱い展開だったのですね。。。見たかった。。。
ロケッツに関してお聞きしたいのですが、ACジェフ・バズデリック退任の影響大きいのでしょうか?
初戦あそこまで大差がつくとは思いませんでした。。
AC交代がどこまで響くのかは、長期的に見ないとわかりません。
ロケッツの2年前からの変化は素晴らしく、特にカペラは単にペリメーターを守れるセンターになっただけでなく、ポジショニングの上手さがあって簡単には裏をとらせないのに、積極的にヘルプにも出てきます。そんなディティールをしっかりと指導できるかどうかですね。
とはいえ選手個人の資質も大きいのでコーチの力なのか、選手の力なのかも見極めるとなると、簡単ではないかな。
これだけディフェンス面の質を落としたメンバーにしたわけですから、粉々にされても仕方ないかと。コンリーにくずされまくっていましたが、ペリカンズはコンリーみたいな事をチームでやらせます。
管理人さんが心動かされた様子がこんなにも伝わってくる試合のレポートは久しぶりに見た気がします。
管理人さんの文体は、一見、簡潔で淡々としているようで、実は好き嫌いや喜怒哀楽が言葉選びから感じ取れて分かりやすいなと思います。
記事の内容はもちろん、そんな部分も楽しみながらいつもブログを拝見しています。
今シーズンも更新楽しみにしています。
うーん、こういう書き方もありかなと感動チックに書いてみたのでした。これの良いのは後日振り返って読むと普通のゲームレポートより楽しい事です。悪いのは全てに触れるわけではないこと。
サバサバ触れる感じにしてますし、好き嫌いもそこそこ出てきますが、多分選手での好き嫌いではなく、やっているプレーや戦術の好き嫌いなんですよね。だから、たまに逆に判断される事もあります。
ダメな時はダメって、しっかりと書くし。