20171215 ウルブズ vs キングス

ウルブズは良くも悪くも面白味に欠けていて、試合を点でみるのと線でみるのとほぼ変わらないチームです。シクサーズ戦ではオーバータイムにもつれた試合で、エンビートを活かすシステムを徹底してきたのに対し、ボールを回して難しいシュートを選択して負けました。

それは考え方の面でシクサーズとの違いを感じさせられました。2人だけの中心選手のシクサーズと5人でやるよウルブズ。同じようなレイカーズは良い印象なのに、ウルブズは面白味に欠ける気がしてしまうのは不思議です。

 

キングスは若手が多くてさらに次々に新しい若手が出てくる面白いチームなのに、そんな若手達を伸ばそうとしているのか、活かそうとしているのかイマイチよく分かりません。こちらもなんとなく面白味に欠けます。

ディアーロン・フォックスを新人王にするようなやり方をするかと思いきや、チームオフェンス徹底でボールを回します。元々アンセルフィッシュ(というか大学でワガママな相棒を抱えていた)なので、必要以上に回していて個人勝負の場面が全く訪れなかったりします。

 

「チームバスケをしているようで個人の爆発待ちのウルブズ」
vs
「個人の成長を促そうとしているけどチームバスケをする方が大切なキングス」

似ているようで真逆だったりします。



似てない両チーム

ジョージ・ヒルとバトラーが対抗していく形になりますが、全体で回してシュートチャンスにボールが届いてキャッチ&シュートのヒルに対し、ボールが回ってきたので個人のドライブで勝負するバトラーと分かりやすいベテランズ。
キングスは合わせのプレーを多用しますが、バトラーやギブソンのフィジカルなディフェンスにオフボールムーブのコースを邪魔されてなかなか成功しません。その分外が空くので、コーナーからの3Pが目立ちます。

ウルブズはウィギンズ&タウンズがいつも通りムリの少ないシュートを選択していきます。ここが肝になっていて守り難いので、他の選手にヘルプし難い形になります。



タウンズとコーリーステイン

ベンチからボグダノビッチ、フランク・メイソンが出てきてランドルフと3人でそれぞれが少しずつワガママになります。フォックス君もこれくらいはワガママで良いと思うよ。
難しいのはワガママが成功すれば有利になり、失敗すれば不利になります。ランドルフが成功して追いつきそうになりますが、ボグダノビッチが失敗したのと、メイソンが働けなかったのでウルブズがリードしていきます。

次第に悪い意味で目立ち始めるコーリーステイン。素晴らしいブロックを決めたりしますが、タウンズに手も足も出なくなります。
タウンズは前の試合の後にディフェンスの酷さをエンビートにおちょくられました。その反省からか、コーリーステインにスキルが足りないからか、ゴール下を完封していきます。

コーリーステイン自身はよく合わせのプレーをしていますし、ミドルレンジからゴール下まで動きも豊富です。でも最後の所に手を出せば外してくれます。良い点も課題も多い選手。

 

キングスでショックなのはヒールド。シーズン前は今季のMIP候補に上がるほど躍進が期待されたシューターはシーズンが進むにつれて、チームと合わなくなってきています。
ボールをもらってからシュートまでの足の動きが入らない感覚満載です。
そうみえたらこの5試合は好調らしいのでよく分からなくなってきます。



ウルブズの憂鬱

そんなわけで珍しいタウンズのディフェンスが効いたこともあり、シュートを決められないキングスを尻目にタウンズ&ウィギンズの効率性を活かして加点していくウルブズ。

最大15点までリードを広げます。でも落とし穴がある雰囲気もいっぱいありそう。
2Q序盤にファールコールをされていたジェンによりタウンズが長く出て点差を広げていましたが、コーリーステインが下がった事もあり終盤にベンチに戻ります。

するとウルブズは停滞し始めます。

インサイドにジェンとギブソン2人を置いているのに、個人で攻められない2人なので、バトラーとウィギンズがムリをする必要が出てきます。

ウィギンズのタフショットも出始めてキングスが盛り返します。

マッチアップのボグダノビッチが守れない事もありバトラーが個人で崩していきます。珍しく効率的なバトラー。

最後はヒルが残り2秒でロング3Pを決めますが、ティーグがハーフコート3Pをブザービーターで返して9点ウルブズリードで前半が終わります。



キングスだけで十分な感想

キングスはボグダノビッチがチームオフェンスの面でかなりマシになってきていて、更にコーリーステインに頑張らせるなど思ったよりも面白くなっていました。

チームオフェンスも良いけど、その中で個人が頑張る局面がないと成功しません。そのバランスが前よりも良くなっていました。
しかし、相変わらずランドルフ起点のオフェンスが多すぎて、それが未来に繋がるのか怪しすぎます。そのプレー機会を他の選手に回せば、勝てなくても面白くなるのですが、今の所はランドルフ中心にして足が止まるシーンも。それは前を向いたグリズリーズが嫌がったプレーだったはずです。

なお、肝心のフォックス君はタウンズとの接触で膝を痛めたらしく出番がなくなりました。つまらない。



ウルブズはオフェンスが好調の割には印象が薄いのは、良いオフェンスというよりはシュートが決まっただけ、キングスが守れなかっただけだからでしょう。そんなにシュートが上手いチームではないので、決まればリードを奪えるのは当然かな。

◯前半の3P
ウルブズ 7/8
キングス 8/15

どちらも素晴らしい確率で決めましたが、少ない3Pはインサイドで簡単に攻めることが出来た証拠でもあります。



何も残らないキングス

長々とポストアップしたコーリーステインがタウンズとの勝負を制して後半が始まります。ウルブズもウィギンズがポストアップしてファールを引き出します。
一進一退の攻防が続きますが、その理由はキングスがヒル、テンプル、ジャスティン・ジャクソン、ランドルフ、コーリーステインなんて若さを感じないユニットにあったりします。良い意味でも悪い意味でもね。

負けているんだし、そこまで勝利にこだわる必要もないんだし、もっと爆発力あるユニットにすれば良いと思うのですが、この辺の感覚はよくわかりません。

ウルブズからすると10点をキープできるなら無理する必要がない相手です。



点差が変わらない中でオフィシャルタイムアウト明けにティーグが3P、タウンズが&ワンを決めると、更にミドルで加点して一気に18点差まで広げることに成功します。

更にキングスのタイムアウト明けにバトラーで20点まで広がります。

キングスのユニットはヒル、テンプル、ボグダノビッチ、ランドルフ、クーファスと更にベテランズばかりに。追いつく気ないよね?

ボグダノビッチがドライブからフローターではなくクーファスへのパスを選択し、クーファスが狭いインサイドでブロックされます。
対してウィギンズがゴール下までドライブすると強引でもダブルクラッチして決めきります。さらに3Pも続けてリードを盤石に。

パスをしたからアンセルフィッシュということはないので、ボグダノビッチは打つべきでした。クーファスがウルブズのインサイドから効果的に得点できるわけもありません。この辺が個人が局面を制するべき部分。

ウィギンズも意外とアンセルフィッシュでパスをする方だと思っていますが、こういうドライブした時に自分で責任持って打ち切ります。
それが良いかどうかは時と場合によりますが。
24点差で3Qが終わります。



試合は終わりです。

追いつこうとする気概が感じられないキングスとベンチを全く信用しないからバトラーやタウンズで得点していくウルブズ。もう何も起こらないだろうから、4Qを見ながら雑感です。
取り敢えずウルブズには何も言うことがありません。良くもなかったし悪くもなかった。まぁ唯一タウンズがディフェンスしてましたというのが良かった部分です。それはコーリーステインがちょうど良いレベルの相手でもありました。

◯ウルブズ
FG 56.1%
3P 47.6%
ターンオーバー 9

負けるわけがないというスタッツです。

◯アシスト 29
バトラー 9
ティーグ 6
タウンズ 5

バランス良く攻めた、というよりはキングスはインサイドディフェンスが弱くて、パスを通せるので効率的に攻められたという感じです。
ちなみに全く戦力とみなされていないベンチですが、ハントという新顔がいました。ドラフト外2年目で今季最長のプレータイム。ケガ人が多くてガード登録だけどストレッチ4みたいな役割。

スターターを酷使していると思いきや、ベンチがケガしているってどういうことなのよ?



キングスはチームオフェンスを徹底しているのは良い部分で、ボグダノビッチも以前よりも判断よくドライブするようになっているので良くなっています。
コーリーステインも最後まで果敢にタウンズに挑んだし、ヒールドやジャスティンもボールムーブさせながらも積極的にリングに向かいました。

しかし、ハッキリ言って最悪の負け方です。

若手が暴走したり、全くシュートが決まらなかったり、ウルブズに弄ばれたなら大反省すべき試合として前向きに捉えることも出来ます。
競り合える展開の中でベテランを多くコートに出して、そのベテランが普通にウルブズに力負けしました。そこには何の反省もありません。

しかもヒルを除けば優勝を狙うようなチームからは必要とされないレベルのベテランですから、ウルブズに力負けするのは致し方ない部分です。
安定した力を発揮して負けるべくして負けたわけです。

ディフェンスの固さを活かして重い展開にして接戦をものにするのはグリズリーズの得意技でしたが、目的も選手構成も全く違い、ディフェンス力も足りないキングスでイェーガーHCは一体何をしようとしたのか?

使われるべきレベルにある若い選手達に20分しかプレータイムを与えずにベテランを重用するのは何故なのか?

結局はシーズン前のプレビューと同じ課題に直面しているキングス。戦術的には学ばせられるし、実際に若手といえども規律を守ってプレーしています。しかし、それでも起用されなかったら何の意味もありません。

未来がありそうでなさそうなキングスでした。

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