20171209 ペイサーズ vs キャブス

ちょっと短めに。そして展開よりもその時感じた印象を中心に書いていきます。

 


前半のキャブス

マブス戦のレポートでキャブスはかなり良くなっていると書いてから14連勝。いくら何でも結果に繋がりすぎですが、日程にも恵まれているタイミングでこうやって結果を残せることは重要な要素です。ブレイザーズは勝ててないし。

なお、14連勝してますが、その間に勝ち越しているチームとの対戦はシクサーズとピストンズしかありませんでした。

話を戻すとキャブスが良くなったのはシステムいじってレブロン頼みの形から他の選手が積極的にスペースを利用するような全方位アタックに変わったからです。なんせ、レブロンがいなくてもレーティングはプラスです。



そんな記憶とは裏腹にスターターはとことんレブロン経由になります。レブロンのパスからラブやクラウダーが決めていきますが、うーん、期待外れ。

例外はPGカルデロン。レブロンをピックに使いながら自らハンドルしてドライブを決めます。キャブスにレブロン以外のPGがいるのはいつ以来の話だろうか。
そのためあまり魅力は感じなかったものの複数の起点があり、なおかつアイソレーションではない形のプレーが出来ていきます。

一応昨季との違いをいうとレブロンやアーヴィングがドライブしてスタートするオフェンスだったのが、経由するだけでパッシングが基本ラインのオフェンスに変わっています。レブロン頼みではないけど、レブロンスタートには違いありません。



そんな中、スペースがあるインサイドでラブが得点していきますが、初めだけで終わりました。その理由はペイサーズの3人のPFの方が走れて跳べて動けるから。そろそろ選手としてターナーに抜かされるかもしれません。

セカンドユニットに代わると、こちらの方が全体が機能的に動きます。目立ったのはオスマンとウェイド。ただし悪い意味で。

オスマンは単純にこのレベルについていけていないので、ボールを持つ場面が多くありましたが、それはむしろボールムーブする視野と判断力が足りていないから。でも、こんな選手を使ってあげる余裕が出来てきているルー。
ウェイドはチームとして崩しているのに、1人わけのわからない難しいシュートを打っていきます。チームで動く意味が全くないシュート。でも結構決まります。何だそれ。



ベンチメンバーの中にレブロンが戻ってくるとウェイドは途端に大人しくなります。チームで崩してイージーシュートに繋げます。そんな動きがちゃんと出来るウェイドなのに、レブロンがいないとチームプレーを台無しにするのはよく見かける光景です。

スターターに戻ると開始直後よりも動きが出てきてボールが回ってシュートに繋がりますが、外れる場面が出てきます。というか、そこまでが高確率過ぎました。

そんなわけで、全体としては好印象であるものの、所々引っかかるキャブスのオフェンスでした。

 

もう少し良い感じだったはずですが、連勝している間に何かしらの心の変化があったのでしょう。ポストアップするシーンも減り、あまり躍動感がないオフェンスに。
ただ、スペーシングが適切なのでグリーンやクラウダーの頑張りがしっかりと結果に繋がりやすくなっています。



前半のペイサーズ

前述の通りペイサーズの強みはターナー、ヤング、サボニスという3人の動けてシュートがあるPF。このレベルのPFが常時2人出場しているのは驚異です。なお、ヤングとサボニスは成長してこうなりました。

オフェンスで違いを作るのはPF達。

1つはアウトサイドまで出てきて3Pを打つので、そこまでつききれない事。だから多くのプレーでトップの位置でボールに触ります。
もう1つはキャブスのようにスモールラインナップだと1人は対応できても、2人ともミスマッチにならないようにローテーションするのが難しい事。

まずはパッシングでフリーを作って外から決めていくペイサーズ。初めはキャブスディフェンスがPFに引っ張られてコリソンが何度もフリーになります。
次にエクストラパスを受けてコーナーからオラディポが決めます。これも45°でフリーになっていたヤング。



ディフェンス面でもレブロンからラブへのパスを連続して奪い取ります。キャブスからすると思ったよりも動けるから、弱めのパスにフットワークで追いつかれています。

そんなスティールからの速攻を1つの武器に早い展開で決めるのがペイサーズ。

スペーシングはするけど、その場の判断を重視しているであろうオフェンスなので、フリーになれば迷わず打っていきます。
ターナーとヤングも3Pを沈めて、ペイサーズもハイスコアに。



サボニスが出てくると少し変わります。よりインサイドでの合わせが上手いサボニス。ピックから何度もゴール下に飛び込みます。

ペイサーズの見事なピック&ロールであり、ディフェンスコミニュケーションが酷いキャブスという事もあり、簡単に得点していくペイサーズ。

ただ、クラウダーとグリーンのディフェンスには少し手を焼きます。裏をかくのが下手なターナーでした。大人しく積極的にミドルが最も効率の良いターナー。
前半はペイサーズもハイスコアであったものの、フリースローが5本しか貰えず、11本打ったキャブスに6点のリードを許しました。



3Q

後半になってもお互いのパッシングでシュートチャンスを作っていきます。

違う点が1つあり、キャブスはアウトサイドに大きく広がって、そこにパスが出てシュートに繋がりますが、ペイサーズはインサイドへのパスもあります。

JRスミスがポストアップするラブにパスしようとして簡単にスティールされるなどパスの質にも違いが。
インサイドも使えているペイサーズの方が優位に見えてきます。



しかし、キャブスにはレブロンがいます。何度もポストアップし始めます。相手がボグダノビッチなので楽な相手と踏んでいます。しかし、スターターのキャブスはこのプレーにカットを合わせる選手がいません。なので、レブロン個人技にしかみえなくなります。

同じように中外攻めているならスターのいるキャブス有利な気もしますが、ペイサーズにはオラディポがいました。

「インサイドも使えるから有利に」なんて分析を無視するかのように外から決めていきます。決めた続きはドライブでフローターを決めたり、ファールを引き出します。スーパー。フリースローだけは決まらない。

オラディポを止められなくなるJRスミス。ほぼ1on1なので評価が難しいところです。他にディフェンダーいないのか?



ターナーがレブロンをブロック。そこから走り、戻らないレブロンを置き去りにして、ど真ん中を飛び込んだターナーからさらに前を走ってゴール下にいたサボニスにパスが通り&ワンでヒートアップするペイサーズ。

サボニスがレブロンを止める場面もあり、このプレーで得た3点のリードで4Qに入ります。



勝負の4Q

 

キャブスは4Qで散々逆転勝ちしてきました。それはコーバー大作戦。とんでもない高確率で決めるのが4Qのコーバー。

ペイサーズはコーバーにジョセフをつけます。明らかに小さいですが、複数のスクリーンを掻い潜って離さないことを重視した対策。これが機能します。コーバーに自由を与えません。

オフェンスではサボニスがウェイドの上からプットバック。ウェイドは文句を言いますが、そもそも簡単にマークを受け渡してサボニスとのマッチアップになった時点でジョセフとは違います。

更にディフェンスリバウンドをとった瞬間に誰よりも前を走っていたヤングにスティーブンソンからロングパスが通り、7点までリードを広げました。


レブロンが戻ります。

コーバー大作戦は大きく分けて2つの要素があります。それはレブロンがポストアップやアイソレーションで個人で攻める体制を作ります。すると当然ディフェンスはレブロンへのヘルプを狙う訳ですが、そんなヘルプに気を配っていると自分のマークマンがコーバーにスクリーンをかけています。

一瞬で良いからショーディフェンスしてあげればコーバーは止められるのですが、ショーディフェンスすればレブロンへのヘルプが出来なくなります。
コーバーをしっかりと止めていくペイサーズ。それはレブロンとの個人勝負ですが、ここをヤングが粘ります。



オラディポやターナーも戻ります。オラディポはコーバーのディフェンスを引き継ぎます。

そこでコーバーはレブロンにスクリーン。レブロンvsオラディポを狙いますが、ヤングと2人で意地でもスイッチしません。

 

レブロンはこういう時間に自分が勝負する体制なのにパスを選択します。それを決める事で答えていたコーバーですが、しつこいオラディポにより外し続けます。
逆にコーバーは自分のマークのボグダノビッチを離してしまい3Pを決められます。

今度はターナーがレブロンにタフショットを強います。オフェンスではオラディポのミスショットをなんとか救い、マイボールを続けるハッスルプレー。



ヤング相手にドライブしたレブロンはまたも苦しくなってパスを選びます。4Qに3本の3Pを決めていたJRスミスが外れしますがリバウンドをレブロンが押し込みます。
オラディポが個人勝負で強気に3Pを打ち、これが決まります。そこまではミスショットを続けていましたが強気に。

4点差で21秒となりファールゲームとなります。フリースローだけは決まらないオラディポが外す場面もありましたが、何とか逃げ切りました。



そんなわけで、ペイサーズの3人のPFはやはり強力でした。レブロンにタフショットを打たせたヤングによりコーバー大作戦も防ぎ、キャブス得意の4Qをロースコアに持ち込みました。

ペイサーズに勢いと自信がつきそうな勝利でした。相変わらず良かったというよりも、更に良くなっていました。

 

キャブスは何とも言えない内容に。ここまで驚異的に上手くいっていたプレーが上手くいかなかったのは、たまたまなのか、それともペイサーズに強いられたのか。今回は後者に見えました。
3Qまでは高確率だったので、心配するほどの内容ではありませんが、前よりも少しレブロンへの偏りが出てきてしまい良くなかったです。

次戦は気合い入れてくるでしょう。
幸いエンビートのいないシクサーズなので、またも日程に恵まれたかな。

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