20171201 クリッパーズ vs ジャズ

ケガ人が出ていて観ていなかった両チーム。
その間に何が出来るかも大切な事でジャズはドノバン・ミッチェルを成長させに行っています。
クリッパーズはどうなのか?それを知る試合です。ダメなら思い切って何かを変えるのかどうか。
そう言えば能力はあるけど、戦術的にはダメなセンター対決でもあります。ゴベールがいなくて機能するはずのジャズと周囲がいなくなったので目立たせるべきジョーダンという面白い視点もあります。





リバースvsミッチェル
攻守にミッチェルが目立ちます。
それはクリッパーズからしても攻めやすいから。攻めやすいからか、リバースに選択肢がないからかは微妙ですが、ミッチェルなら抜けるし、シュートチェックで駆け引きもしてきません。
昨季までならリバースのいつもの暴走ですが、今季はシュートが入るので悪いとは言い切れません。落ちたシュートはジョーダンが押し込みます。
相変わらず戦術の匂いは皆無だけど、強者の論理はあるクリッパーズ。



ルビオはジャズらしいチームプレーをしているので昨季からアシストを4つも減らしています。不思議なジャズ理論。
そんなルビオによるピックを利用した崩しからのアシストが決まります。理由はゴベールの不在かな。フェイバーズとジェレブコは動くのでスペースが空き、空くから飛び込んでアシストになります。
ジャズのもう1つの武器はミッチェルの個人技。ルーキーの個人技が武器になっているので、もうエース扱いのミッチェル。



ミッチェルvsリバースならばリバースが有利に運びます。クリッパーズが9点リードします。
しかし、選択肢が一択のクリッパーズは当たり前のように失速します。マークがルビオになるとディレクションされプレッシャーを受けるので外すリバース。
ジャズはミッチェルが下がるとルビオパターンになりエクストラパスでワイドに動かします。3Pにドライブにと気持ちよく得点し、ブザービーター気味にウドーが決めて1点差まで縮めて1Qを終えます。



リード&デッカー
クリッパーズのセカンドユニットは観たかったフロントライン。ウィスリー・ジョンソン、サム・デッカー、リード。この方が走るし、合わせるしチームオフェンスします。
しかしスターターのウィスリーはすぐにベンチへ。残念。ジャズが逆転します。
リードは走るのでフェイバーズに置いていかれたジョーダンよりも頻繁にボールを触ります。さらにキックアウトするので、コーナーまで使えます。
そんなコーナーまで走っているのがデッカー。ドライブではなくパスを使って中外を振れるのはこのコンビになる強みです。
ルビオが下がったのでミッチェルのゲームメイクとデッカー&リードの走力の戦いが始まります。
デッカーの3Pでクリッパーズが逆転すれば、ミッチェルが3Pを返します。
観たかった展開がみれて有難い。



冗談みたいな点差です。
リードからジョーダンに戻るとリバースがアリウープパスを出します。まぁこれが酷い。ディフェンス3人いるのに上に投げてジョーダンが何とか取ってくれただけ。でもファールを引き出します。
フェイバーズが味方の肘を顎に受けてダウンしている間に、5対4で攻めてもスティールされるクリッパーズ。うーん、つらいね。
しかし、ミッチェルのディフェンスコミュニケーションが悪くて頻繁にノーマークを作れるクリッパーズが堅実にシュートを決めていきます。



同点で前半が終わります。冗談みたいな同点です。どうみてもジャズの一方的な内容なのですが同点。
チームで崩し、ノーマークを作り、エクストラパスを回していくジャズは58%の高確率オフェンスをしました。
リバースが個人技で勝負し困ったらジョーダンの上に投げていたクリッパーズは60%の高確率でした。なんか留学生の高さでプレーする日本の高校みたいなバスケ。
◯オースティン・リバース
18点 7/11 5アシスト
お前はどこのカイリー・アーヴィングだ?
そんなレベルの成功率を残したリバース。まぁ確かにミッチェルは守れていませんでした。しかし、それにしても確率が高すぎです。リバースに支えられ同点に出来たクリッパーズでした。
ジャズで目立ったのはアレック・バーク。ジャズらしくしっかりと合わせていきながら、強気に決めにいく場面も。ベンチからも援護を得られているのに同点は嫌な流れ。



強化版アーヴィングがいるよ。ジャズの対策。
いやいやいや
どうなっているのかリバース。
カイリー・アーヴィング状態が続きます。
もう強化版アーヴィングです。
1つには変わらずジャズのプレッシャーが弱いです。おそらくそれは「リバースにやらせとけば、そのうち落とすだろう」という計算。でも全く落としてくれないリバース。
息子に任せとけって感じのパパを映した後にジェリー・ウエストを映したカメラでした。考え方が合わなそうな2人。



少し困ってきたジャズはタイムアウト開けにゾーンにします。ボール回しが下手なクリッパーズなので、ノーマークへ渡すのが遅くカバーした選手にパスをスティールされます。
そしてジェレブコが3Pに続いてイングルスのミスをプットバックして対抗します。 ジェレブコが駆け回る事で成立しているゾーンなのですが、さらにトランジションオフェンスでノーマークになる事を見越しています。
この辺の采配が上手いシュナイダー。
ゾーンの問題はジョーダンの高さに対抗出来ないことなのですが、ジョーダンがテクニカルにオフェンスファールと自滅してくれます。リードと交代。
ゾーンの目的はリバースにプレーさせない事です。ドリブルを始めると2人目のジェレブコがやって来て、そこからローテーションするジャズ。しばらくリバースに打たせなかった事で久しぶりに打つとシュートを外したリバース。ベンチに戻ります。



しかし、今度はジャズがシュートを外します。まぁ高確率過ぎただけなので、そんな事もありますが、クリッパーズはウィスリーが決めるため点差が離れません。
ミッチェルのドライブからのアシスト、フェイバーズのオフェンスリバウンド、ルビオの3Pと良い感じなのにリード出来ないのは厳しいところ。
最後にまたもバークが活躍して、何とか7点リードを得たジャズでした。



リード&デッカーか個人技か。
珍しいルビオのハンドルミスを奪って速攻を決めたデッカー。さらにルビオのパスをスティールして速攻に走ります。
そしてまたもリードがポストからキックアウト。さらにルー・ウイリアムスのキックアウトからデッカーがコーナーにエクストラパス。どちらもノーマークの3Pになりますが、外れます。
結局は個人技の方が効率的と言わんばかりのクリッパーズ。
見事なボールムーブに速攻とジャズが加点した事で始めて10点まで開くとルー・ウイリアムスが個人技突破でレイアップを決めましたよ。



次第にクリッパーズの個人技が難しくなります。要因は後述します。リバースが止められるようになり、速攻でミッチェルの凄いダンクがブチこまれます。
このシーンは3対1なのですが、全く戻ってこないクリッパーズ。ワンマン速攻のダンクにも失敗を期待して戻っていたベバリーが懐かしいです。
タイムアウトを挟んでイングルス、セフォローシャと連続で3Pを決められ、さらに速攻が出るともう追いかけられないクリッパーズでした。



カイリーみたいなリバースとキャブスではないクリッパーズ
◯オースティン・リバース
25点 FG9/16 3P3/7
6アシスト
本当に凄まじかったリバース。後半にはゾーンでダブルチームプレーされてパスを出したので、後半に得点が伸びなかった事は批判するものではありません。
それでは本人の好調以外に理由はないのでしょうか。
1つのポイントにスターターで起用されたPFハレルがあります。FG5/5で13点。15年の2巡目。
この選手がFG100%だったのはエンドライン側に隠れていてディフェンスがヘルプに出たら合わせに行ってダンクしていたからです。イージーのみ。
もしここがグリフィンだとボールをもらいに上まで上がってくるのでスペースが狭くなります。つまり普段よりも1人分広いスペースで個人技を使えたリバース。
そして4QはガードのCJウイリアムスを使ったのでいつものスペースとなり、ドライブに失敗しました。スペースを広げた上に合わせの選手がいた事は間違いなくリバースを楽にしていました。
キャブスならアーヴィングのアイソレーションというチームプレー皆無の選択肢を取るにしてもシューター達がコーナーに広がり、効率的に勝負させます。
リバースの個人技勝負なのに、それすらしてもらえないのは不憫です。



いつものことですが、采配なんてないに等しかったクリッパーズ。個人技バンザイで成功しているけど、それを助けるフォーメーションでもない。
一方でリバースは凄かったし、周囲も高確率で決めました。FG54%。
問題はジャズが対策してきたゾーンに対して何も出来なかった事。パスが下手すぎるのか、指示が悪いのか。それは微妙です。
フリーは作れるけど、全員が同じサイドに集まっていたり、パスのタイミングが遅かったりとジャズの狙いにしっかりとハマっていました。
そして終盤には全く戻らなくなり、フランストレーションを溜め、追いかけるエネルギーは全くありませんでした。そんな点差ではなかったのに。
うーん、ベバリー。
あとやっぱりデッカー&リードは良い。まぁそれに合うガードはいないけど。多分、気が付いていないのはHCだけだと思うよ。



◯ドノバン・ミッチェル
24点 6アシスト
3P5/10
完全にジャズのエースになったミッチェル。予想以上の早さで進化しました。そしてジャズらしくチームプレーが徹底されていながらも、積極的に打つ権利を与えられているようでした。
ジャズとクリッパーズの違いは仕掛けのタイミングがチームで共有されている事と、仕掛けた後の出口がしっかりある事。
リバースがドライブしたら打つしかないけど、ミッチェルがドライブしたら必ずコーナーに移動するイングルスがいます。この出口がある事はミッチェルを助けています。無謀なドライブを無謀で終わらせないジャズでした。



◯アレック・バーク
28点 FG11/17 3P4/6
ベンチで自由を与えられていそうなのがバーク。見事な強気のプレーで貢献しました。
ケガ人で回ってくるプレータイム増。そこでちゃんと活躍させるのだから、ファンも見に来る価値があるのでしょう。
◯ジャズの3P 17/35 48.6%
高確率のジャズですが、難しいシュートはミッチェルくらいしかなかったので、納得の高確率です。まぁそれくらいクリッパーズがフリーにしてしまいました。



そんなわけでピンチの中でルーキーをエースに仕立て上げ、ベンチで躍動する選手が出てきているジャズ。
まさかの戦術リバースを成功させてきたクリッパーズ。でもグリフィン戻ってきたら出来ないでしょ?という内容です。クリッパーズのベンチ陣は悪くないけど、ガードは苦しそうです。
そんな久しぶりの両チームでした。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA