20171123 サンダー vs ウォーリアーズ

戦術的な充実に対して結果が伴わないサンダー。設計された内容は素晴らしいのですが、単にシュートが決まらないだけでなく、高いディフェンス力がありながら、時間を追う毎にそのディフェンスを攻略され、クラッチタイムのディフェンスはリーグ最低です。
それは試合中に強弱をつけ、相手を追い込むという視点に欠けているともいえ、試合に勝つ戦術はあるけど、戦略が足りないチームになっています。



ウォーリアーズは言うまでもなく非常に強いチームですが、そこには戦術だけでなく戦略としての有能性があります。
しかし、今季はなんだかイマイチなのは新しい戦略を付け加えようと試すような場面が多過ぎて見失い気味という点が挙げられます。ウィザーズ戦では全く遊ばずに昨季通りのローテーションにしたら変わらぬ強さを見せていました。
言うなれば遊びのあるウォーリアーズ。遊びのないサンダー。
そしてウォーリアーズ相手ならば間違いなく遊ばないであろうサンダー。戦略以前にウエストブルックを筆頭に個人の問題も大きいので、強者を目の前にしてさらなる力を発揮できるかに注目です。
発揮できないならば、スターを集めた意味なんて何もありませんよ。



センターを巡るHC采配対決
先ずはデュラントを誰が守るのかと思ったら、ポール・ジョージ。ジョージを守るのはトンプソン。カギを握るのはジョージっぽい。
おかしいのはアダムス。初めの1本は決めるも、そこからイージーを外し、3本もフリースローを外し、トンプソンに垂直ジャンプでブロックされる。アダムスいると勝ててない理論を自ら証明するかのようなプレー。
アダムスが外すとドライブが怖くなくなるシステムなので生命線だったりします。3Pが嫌いなウォーリアーズはジョージには打たせないので、そこから始まるドライブのフィニッシュが決まらないのはツライ。
早々にアダムスからグラントに変更。



ウォーリアーズは軽いシュートの立ち上がり。基本的にはサンダー相手だとドライブし難い布陣なので、積極的に打ちます。
生まれたのはお互いにオープンに走る展開。外から打つので外れたシュートに走れてしまうスモールラインナップのサンダー。普通に走るウォーリアーズ。
走り合うシーンをみてウォーリアーズもパチュリア→ルーニー。あまり見ない交代。この辺が遊んで戦略が増えてくる部分だったりします。柔軟性。ローテーションには入っていないけど出番は頻繁にあるルーニー。
その後サンダーもアダムス戻したのは面白いけど。最後にルーニー→マギーと1Qだけでマッチアップ調整が頻繁に起こります。



PG対決
リードしたのはカーメロが当たったサンダー。でも、多分試合の中で上下動する範囲の当たり方なので少しのアドバンテージを得ただけ。サンダーファンはカーメロ信じてないだろうね。
しかし、相変わらずサンダーにばかり厳しいコール。ちなみにデュラントにも厳しい。この感じはペイサーズ戦でもオラディポとサボニスに厳しかったので、嫌われているようなサンダー仕様のディフェンス。
カリーvsウエストブルックは基本的にはウエストブルックが圧勝するのですが、これまでのコールに困っているウエストブルックがカリーのドライブに身体を張らない場面が増えます。そのため割と苦労しないで得点していくカリー。
しかし、同じくカリーなんて守ってないのと同じのウエストブルック。ドライブにアシストと好き勝手やりだします。
お互いに止められないPG対決はウエストブルックがベンチに戻り、出てきたフェルトンによりウォーリアーズが盛り返して1Qが終わります。
リードしたのはサンダーだけど、層の厚さと柔軟性を感じさせたのはウォーリアーズなので互角。そしてサンダーファンはむしろ負けているくらいのリードに感じるであろう得点差です。



カーメロとヒューステス
サンダーのサブキャストは良い働きするけど、肝心な場面で決められないシーンが目立ちます。セカンドユニットになったこの試合でもそんな雰囲気がありありと。
ウォーリアーズのサブキャストもなんだか怪しくなっていますが、最後にはなんだかんだ決めたりします。その違いが何かなと眺めていると、最後にキックアウトされ外のフリーで打つサンダーと最後にインサイドへ合わせていくウォーリアーズな気もしてきます。
強いサンダーのスター達はドライブの強さ。強いウォーリアーズのスター達はシュートの上手さ。
生じたのはサブキャストがよりイージーシュートとなるウォーリアーズ。ショートレンジのリビングストンとミドルのウエストで応戦します。
11月はFGが40%を下回っているというカーメロが決めていきますが、キレイにエクストラパスが回ってヒューステスの3Pでは勝てる気がしないよね。
そんなわけで点差はあまり変動しないでスターターに戻ります。
なお、ディフェンスは良かったヒューステス。ディフェンスはデュラントに相手にすらされなかったカーメロでした。



ワナにハマりそうなウエストブルックを救ったのは
カリーの存在感が薄くなりますが、一方のウエストブルックもやらかし始めます。得意の決まらないアウトサイド。
本来はこのシュートを減らしてインサイドを増やしたいはずなのですが、カリー相手だと打ちやすいので打っている感じ。途中までシクサーズ戦をみていたので、インサイド推しのシモンズとの差を感じてしまいます。
それ打たされてるよ。ウエストブルック。
ジョージとカーメロは決めているので、出来ればドライブして欲しいわけで、悩ましかったのをデュラントが助けてくれます。
ポストでウエストブルックとのミスマッチになりますが、パスミスからアウトオブバウンズになりウエストブルックが止めた形に。
盛り上がる会場と気持ちが高まるウエストブルック。
ご機嫌になったのでドライブからファールを引き出し、更に速攻からアシストと外から打たなかった事でサンダーの得点は止まりませんでした。
調子に乗って3Pまで決めてしまったウエストブルック。
デュラントはサンダーの味方じゃないけど、ウエストブルックの味方はしてくれていましたよ。そんな終わり方の前半でした。
ラッシュ出来たことで17点のリードを得たサンダー。



ウォーリアーズクオリティ
明らかにウォーリアーズクオリティになっているサンダー。サンダーというかウエストブルック。ほぼミスなしの前半でした。調子に乗るのはいつもの事なので。
今季はみる度に信じられないミスをしていたウエストブルックは、その影響から頻繁にイージーシュートも外していました。
ウォーリアーズはいつも通りではありますが、それはむしろいつも通りではないのが今シーズン。実験的な要素を挟まないので、どうやらサンダークオリティで闘う前提みたいです。
具体的にはメンバー交代がガチなので、よく観るメンバーばかりが出てきます。ヤングやカスピはポイント起用のみ。マコーすら出てきません。
更にグリーンのPGの場面はほとんど出てきません。カリーコントロールからイグダラコントロールが基本スタンス。
気持ち悪そうなのはトンプソン。スモールラインナップの時間が多いのに逆にボールが回ってこないのはロバーソンとの対決だからかな。
そんなわけで、実はこの展開を生み出しているのはトンプソンvsロバーソンが消えている事だったりします。それはロバーソンの勝ち。



またもデュラントのアシスト
後半開始早々からミスをし始めたウエストブルック。これが今季の問題のやつ。ターンオーバーは多いけど昨季はしてなかったような凡ミス。フリーのレイアップまで外します。カリーも外してくれて助かっているだけ。
そんなウエストブルックを助けるのはまたもデュラント。
パスミスをやらかしてトランジションで戻ったウエストブルック。1回止まって作り直そうとしたデュラントがカリーにロブパスしたので猛ダッシュと高いジャンプでカットして、そのままイージーダンクしたウエストブルック。ご機嫌に戻ります。
デュラント自身はダンクを返したので、サンダーの敵ではあるけどウエストブルックは助けています。デュラントのドリブルをスティールするもアウトオブバウンズになって悔しがるウエストブルックと言い合うデュラントの構図。良いプレーして言い合うのだから根本的には仲良しだわ。



乗れないウォーリアーズ
ウォーリアーズからするとそんなデュラントのミスがちょくちょく挟まるのでリズムを掴みきれません。流れとしてそんなに悪くはないし、あとはシュートが決まるの待ちの通常営業なのですが、決まる前にミスが挟まるので、このままで本当に良いのか悩ましいところ。
サンダーからすると流れを掴んでいそうで、やっぱり決まらなくなるカーメロで掴みきれない状態。
ジョージが3Pを決めたところでウォーリアーズタイムアウト。
タイムアウト開けてジョージのディフェンスからデュラントがミス。返しでウエストブルックが素晴らしいアシストを決めます。
するとスティーブ・カーがクレームしてテクニカル。これ、大してクレームするプレーでもなかったので、おそらくワザとクレームしています。HCがキレて選手を冷静にさせるやつ。
カリーがジャンプシュート決めて答えましたとさ。



焦らし焦らされ破れた均衡は
カーの思惑叶わず、調子に乗ったサンダー。カーメロの3Pまで決まったので、さすがに手をつけられません。点差は広がる。
しかし、トンプソンも3P連発したのでウォーリアーズも流れは悪くない。延々と続く流れ待ちを耐え切れるかの勝負になってきました。手を打たないカーなので待っています。
残り3分くらいからガマンの戦いに。
焦れたのはレフリー。カリーのフェイクにロバーソンが跳ぶと触れる前にコールします。そこからお互いによくわからないコールが続きます。これ、おそらくお互いのファンが相手に有利に感じるようなコールです。
それぞれのミスジャッジにバランス取り始めたのか、試合が荒れそうで焦ったのか。
そんな状態で先にガマン出来なくなるのは負けているウォーリアーズなのは当たり前かな。
カリーのパスミスなどで、ウエストブルックとパターソンなんて珍しい速攻が続いてサンダーはリードを守ります。
最後にピック&ロールからカリーの3Pになったけど、それがQ途中で出てたら違っただろうな。
流れを掴めなかったウォーリアーズ。
流れを渡さなかったサンダー。
流れをぶち壊したレフリー。
だからサンダーが有利で23点差となりました。



働こうとするイグダラ
点差が開いているので走るしかないウォーリアーズ。働こうとするのはイグダラ。こういう時は大抵イグダラ。
プッシュ早いし、リバウンドとこぼれ球も早い。ヘルプでブロックにもカッ飛んで来ます。
それを阻んだのはアダムス&ジョージ。しぶといルーズボールにピンチを摘み取る早いヘルプ。そしてジョージの3P。
カーメロ<ジョージなのは単なるディフェンス力ではなくこういう部分です。
勝負をかけた走るユニットで4Qに入ったウォーリアーズでしたが、見事に摘み取られました。
残り8分残して諦めモードのユニットでした。
ウエストブルックのトリプルダブルを狙ったけど、アシストが足りなかったサンダー。ロバーソンのダンクミスね。



サンダーのウォーリアーズクオリティ
まぁデュラントで勝利したサンダーでした。
◯ウエストブルック
34点 9アシスト 10リバウンド
4スティール 6ターンオーバー
相変わらず多いターンオーバーですが、これもウエストブルックを構成する要素の1つです。今季頻繁にしていた謎のミスは1つくらいでした。
◯デュラント
21点 5リバウンド 2アシスト
4ターンオーバー
デュラントとしてはかなり酷いスタッツ。それを引き起こしたのはジョージでした。このマッチアップで勝てたのはスターを揃えた要因です。
◯クレイ・トンプソン
9点 FG3/12 3P3/8
そしてやはりここがお互いの勝負所だった気がします。今季2試合目のFG30%以下に抑えられたトンプソン。もう1試合はセルティックス。
デュラントとトンプソン両方にマークをつけられたのは、大きなアドバンテージでした。確かにここまで出来そうなのはサンダー、セルティックス、そしてレナードが戻ればスパーズくらいかな。
良いディフェンスが試合を通して続かないサンダーですが、そこは相手がウォーリアーズという事で気をぬく事なく対応した感じです。それがウォーリアーズクオリティ。
カーメロ 22点、ジョージ20点。



サンダーは改善しているのか?
気になったのはお得意のウエストブルック&アダムスパターンが減った事。
ディフェンスと共にこのパターンが試合中に多過ぎた気がしていました。でもやらないとアダムスに何させれば良いのか?
アダムスはイマイチでしたが、スクリーン以外でも中の合わせを使えていたので、これは改善しているのか、それともインサイドが弱いウォーリアーズ相手だからなのかは次戦以降の確認ポイントです。
全体的にアイソレーションは混ざりますが、そこに至るまでのボールムーブは増えているので、少しずつ改善させているのかもしれません。気になるのはミドルラインへのドライブの多さ。潰されまくるのはドライブの方向間違えてる気が。
ディフェンスもあのゾーン気味の布陣から、もう少し個人が守るように。言うなればサイドを変えられるのを嫌がり始めた気がします。それがトンプソン止めるのに一役かったのでしょう。



ウォーリアーズのプランは?
ウォーリアーズとしてはセルティックス戦と同じような負け方。違うのはディフェンスも止められなかった事ですが、正直そこはアーヴィングとウエストブルックの差なので気にすることはないかも。
問題はこの止められるパターンが両試合共に「シュートが入らなかった」ではなかった事。影を潜めた華麗なるパスワークは遊び過ぎている反動な気もします。
この辺はスティーブ・カーがシーズンを通してどんなプランを立てているか次第なので、観ている側にはわかりません。
なお、4Q諦めて出てきたメンバーはイキイキと頑張れていたので、そんな選手達を活かそうとしてきたここまでのシーズンプランは間違っているとは言えません。
同じような位置付のサンダーの選手は活躍できていないし。
プレーオフでみてみたい対戦にはなりました。この試合だけで言うならば結果だけでなく相性としてもサンダーは嫌そうなウォーリアーズでした。

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