シクサーズのサードマン

シモンズとエンビート。3人目は誰なのか?

 

◉3人目こそがシクサーズの強さ

 

3Pは打たないけど、あらゆるプレーメイクをするシモンズと実はEFGが低くターンオーバーが多いけど、破壊力のあるエンビート。シクサーズの誇るワンツーパンチを世間一般ほどには評価していない管理人。もといシモンズの方ばかり絶賛していて、エンビートは「将来性あるね」くらい。ディフェンス力は評価している。

そんなシクサーズは50勝を超えたことで2人のコンビの優秀さが語られますが、実はそうでもない。それよりもシクサーズのオフェンスが素晴らしい理由は、ブレッド・ブラウンが作ってきたパッシングゲームとシモンズのゲームメイクにより誰もが得点する怖さを持っていること。

〇昨シーズンの得点

レディック 17.1

サリッチ 14.6

ベリネリ 13.6

コビントン 12.6

イリャソバ 10.8

 

さらにはFG50%、3P43%の3人目のプレーメイカーであるTJマッコネルまでいるから手に負えなかったのでした。全方位をシューターで囲み、それを巧みに活用していくシクサーズのオフェンスは、単に走りまくっているだけの時もあるけど、ペースが上がれば上がるほどに効果を発揮していくのでした。

高いオフェンス力を試合を通して維持するためには分業制が基本。強力に分業を促すシモンズとプレータイムが抑えられるエンビートによって、サードオプションであっても積極的なシュートが求められ、誰もが決めていく。

 

しかも誰がサードオプションなのか不明なのがシクサーズ

エースコンビの強さ以上に「リーグで最も3人目以降の選手が活躍できるチーム」であることこそがシクサーズのオフェンスが威力を発揮する部分です。誰1人フリーにすることが出来ないチームは最終的にはシモンズとエンビートが個人アタック出来る体制を構築しています。

だからシクサーズ対策で最も有効なのはシモンズとエンビートにやらせること。前者はドライブを止める個人のディフェンス力とフィジカルがあれば、後者は外から打たせておけば、チームオフェンスされるよりも失点を抑えることが出来ます。シモンズはそれを許さずアシストしてしまうのだけど、セルティックス相手だと徹底されて抑え込まれたのがプレーオフの敗因。

 

◉3人目の男を求めるオフ

 

しかし、このオフに話題をさらっていくのは大体マーケル・フルツ。大豊作のルーキー達の中で蚊帳の外だったドラフト1位は「イップスだった」とか「500万本シュートを打った」とか「オールスターに出場できる」とか、その活躍度に相応しくない話題性を誇っています。

このフルツが活躍することは喜ばしいことであり、特にシュート能力を改善させてくれるとシモンズと融合させやすくなります。イップスの要員の一つはシモンズが「PGやる」といって譲らなかった上に、その活躍が圧倒的すぎたことだと思うんだけどね。

 

気になるのはチームとして「3人目の男」を求めている風潮がある事

誰もが積極的に打ちに行くのが良かったチームであり、シューターのレディックをオフボールで走らせ、中外柔軟なサリッチがギャップを使い、コビントンがスペースを埋めていくからこそ機能するオフェンスに明確なサードオプションを導入したがるのはいかがなものか。

フルツが活躍するのは素晴らしい。しかし、活躍し過ぎるとシクサーズの最大の強みが失われるかもしれない。ジレンマ。

 

おそらくこの問題はシクサーズの根幹を揺るがす気がするのです。6thマンとしてシモンズの代役なら良いものの、そこにはマッコネルがいるので、実質はエンビート不在時に個人突破する役割というだけです。かなり限定された役割はあまり意味がありません。

リーグで最も効果的にこの役割をこなしているのはエリック・ゴードン。ロケッツの6thマンはハーデンとクリス・ポールの代役としてハンドラーの役割をこなしつつ、必要なときは単なるシューターになります。

シモンズが特殊なシクサーズが求めるサードオプション像は一体どんな役割なのか?

 

◉的確だった補強

 

一方でオフの補強は目立った選手を獲得できなかった代わりに、非常に的確な選手を獲得しています。

ウィルソン・チャンドラー

マイク・ムスカラ

前者はフィジカルなディフェンダーであり最低限のシュート力を備えています。コビントンの代役を確保出来たことはチームバランスを壊さずに層を厚くしました。時に迷走するコビントンなのでベテランで補えるのは非常に有意義です。ナゲッツから来たのでオフェンスチームにも慣れている。

後者はサリッチの代役になります。シュートの上手いビッグマンは特別な能力を発揮することはありませんが、スペースを保ち主役を引き立たせます。イリャソバを失った代わりにまたもホークスから補強するのでした。シクホークス。

 

ただし、どちらもサードオプションになるタイプの選手ではありません。あくまでもロールプレイヤーとして一定の役割をこなす選手。だからこそ的確な補強だったし、目立った変化を促すわけでもない。

むしろサマーリーグ初戦で40点を奪ったセルカン・クルマッツやルーキー達の方が得点面でプラスを生み出す可能性があります。逆に言えば明確な結果を示しているサードオプションの選手を求めはしませんでした。

 

フルツも含め横一線で始まる新たなサードオプション。つまり新たなプレーメイカーにしてロールプレイヤーにもなれる選手を欲しがるシクサーズなのです。

シモンズが異質な存在である事も含め、役割の難しさがあるため、誰のどんなプレーがフィットするか分からないし、何ならスターターを奪うような存在にならない方が好都合だったりして。

 

シクサーズの強さは3人目以降の強さだけにバランスも崩しかねない新たなサードオプションが誕生するのかどうか。しかし、現状ではシモンズとエンビートの成長の方が重要な気がします。主役の変化からサードマンの役割も変わってきてしまう。

フルツを積極的に起用するならマッコネルを放出してくれないかな。あのPGを観ることが出来ないのはつまらない。困った時にマッコネルを起用していたシクサーズ。それもまた違う形のサードマン。

シモンズとエンビート以外が全てサードマンであることこそがシクサーズの強さ。

 

 

シクサーズのサードマン” への25件のフィードバック

  1. プレシーズンマッチではレディックに変わってフルツをスタメンにしていましたね。
    シーズン前半は試行錯誤するところも多そうでそれほど勝てなさそうな気がします、むしろ前半勝ちすぎると露骨に失速しそうで…

    あと個人的にプレイスタイルとか全く関係なく、ドタバタした感じの選手好きなんですよねぇ、ウェストブルックとかランスとかシアカムとか。フルツもなんかそんな感じに見えるので頑張って欲しいです。

    1. レディックは後回しでも問題ないってことでしょうね。チャンドラーも出遅れるみたいなので、新戦力が途中から加わって連勝が止まる・・・とかだと不協和音も生まれそう。
      何はともあれ、シモンズとエンビート問題にじっくり取り組むべきでしょう。

      ラス君とフルツ君は肩周りの筋力が強そうです。ラス君はそれを利用してパワフルなプレーをしていますが、フルツはそういうわけでもない。
      肩周りが大きいのはシュート力低下にも繋がるので、その点では似ているかも。

  2. セルカン・クルマッツって誰だ?
    と思ったらFurkan Korkmazのことですか。
    フルカン・コルクマス、もしくはファーカン・コークマズと呼ばれていますが、
    セルカンは初めてです、トルコ語ではこういう発音なんですかね?
    サマリーの数字はあてにならないとはよく言われますが、
    彼には将来的にJJの後がまになれるよう期待しています。

  3. プレシーズン一戦目では、フルツがシモンズのドライブに合わせて点をとってましたね。
    フルツは3のC&Sもあればいいですが、自分自身でもドライブしてパスをさばく能力はあるので、バックコートに3がなく、フロント陣が3をうつという変な組み合わせも面白いと思います。

    1. 能力の高さは示していましたが、相手もアレなので判断が難しいです。問題はシーズンになるとフルツとシモンズを無視された場合ですね。

  4. シモンズとエンビードが両方機能するとどの様なプレーが生まれますか。昨シーズンの前半は上手く行っていたんですよね。

  5. イーストでボストンに対抗出来る一番手がシクサではないかと思っています。
    今シーズンは、フルツも最初から行けるでしょうし、補強も良いし、エンビードのケガさえなければ、相当面白そうですね。

    1. シモンズは最後までディフェンスを引きつけるのでエンビートはインサイドで合わせるべきかと。3P打っても怖くないし。
      そのために、あまりにもシモンズが走りまくるとエンビートはついてこないし、プレータイムを制限していた時の方が動けるので合わせが多かったです。

      1. シモンズが走りすぎないぐらいでウィークサイドの関心を惹ければエンビードをフィニッシャーで活用できる感じですね。その高確率の2点と並べたシューターの3点でGSWと7戦勝ちきるのは現実的ですか。

        1. ウォーリアーズ相手は厳しいかと。
          セルティックス相手も厳しいかと。

          シモンズよりもエンビートが成長してくれないといけません。TJマッコネル&シモンズのガードコンビでプレッシャーかけるとディフェンス力のチームになれるのですが、個人的にはその方が強豪相手には勝てると思います。

  6. エンビードの強みと弱点は昨日から、いや、ずっと考えてるんですけどGSW相手にモズコフで対抗しましたよね、2015年は。

    確か、その頃はあまりご覧になってないのかもしれませんが。エンビードが走れないことで失点はしてもその裏の攻撃で高確率の2点を取り続けるかつパスアウトで3点が決まれば面白いのでは。『裏の攻撃で』と言ったけど、主導権、GSWのブレイクを半減させつつ、エンビードのメリットを信じる、ことが大切かなと。
    それともポストアップが多いとGSWは手に負えませんか。モズコフは早めに下げられたと思います。スモールに合わせてしまった感じ。まぁディビッド リーとか枚数がいた分CLEは苦しかったでしょうが。

    1. いや、エンビートのシュートアテンプトは効率悪いです。モズコフの方がシュートの堅実性があったはず。
      そして外れたシュートからカウンターが大好きなウォーリアーズなので、ジリジリした展開から集中力が途切れた瞬間にラッシュされるイメージです。

      走らないというよりも集中力が切れやすいのが問題かな。

  7. 勿論エンビードのフィニッシュ方法は考えものです。もっとアタックしてダンクしないと勿体ない。ブライアントのようにターンして打つのは上手いけど。影響受けた選手らしいですし。接触嫌がるんでしたっけ。
    ブレイク、ラッシュに繋がりそうでもその裏でしっかりスコアすれば落ち着くんですが、なかなか何処もできない。精神的なものですか。

    1. シモンズのドライブに対してインサイドで合わせるの脅威なのですが、合わせる機会自体は少なめです。ただエンビートが良いのは試合終盤なるとインサイドへアタックすることです。

      自分が囮になるような動きが足りないですよね。

      1. 違いを作れる人はチームメイトに還元したいですよね。GSWは高度に達成してる感じ。レブロンはわかってるけど申し訳ないけど高圧的、パスが速くて受け手の上手さや慣れが必要。潜在的に連携プレー向かない人かと思ってしまう。JRはその辺り凄い人だと思います。

        プレーオフで対戦するしないは変数が多いので度外視してGSWと7戦勝ち越し得るチームの記事や仮想対戦プレビューなんかどうです。シーズン成績を越えた相性もあるのでは。

        一般論でクラッチのプレー選択はジャンプシュートのイメージがあります。昔に引っ張られてますかね。

        長くなってしまいました。

        1. まぁ困ったらデュラントと決まっているのもウォーリアーズがやりやすい理由ですね。そこで周りが消えるのが普通ですが、シューターのスプラッシュブラザーズとシュートは基本的に打たない脇役と打つ人打たない人を選り分けました。

          1. 3Qにカリー、4Qにデュラントでしたっけ。クラッチは1on1が適切なんて考え方をどう思います。C&3から始め続けてもいいのではないかと。2016はそこを見たかったのに最後ボールが止まってカリーが1on1してしまいました。

            それとも、1on1がクラッチに優れているのではなく、優れたスコアリングオプションが重なりあうことの価値、個人の負担軽減、これらが大きいんでしょうか。

          2. オプションが重なるのはあまり意味がないでしょうね。勝負するのは1人だけ。
            ウォーリアーズの場合は個人で仕掛けられるのはデュラントだけで、しかもデュラントはシューター役にもなれるので、チームシステムが使いやすいという。グリーンとイグダラが地味役専任というのも大きいです。

            ロケッツもウォーリアーズも役割分担が上手いです。

  8. フルツは思ったよりオフボールムーブとドライブからのアシストが良くて、無駄にドリブルをしないのも印象的でした。チェイスダウンブロックもプレ2試合で複数やってますし、ディフェンス面のハッスルも期待できそう。
    ただゲームメイクがまだ拙いし、当分はSG寄りに使うのが良いと思います。マッコネルと併用、共存するのもアリかと思いました。

    1. フルツは昨シーズンからディフェンス面で貢献しそうでしたし、シモンズとマッコネルがいるのでプレッシャーディフェンスに勝機を見出すのも効果的だと思っていました。

      でもレディックやベリネリでの成功は忘れられないでしょうね。

  9. オプションの重なりはシステムや分業のニュアンスで書きました。どこで打ってくるか、囮か、といったことを念頭に。

    ファイナル第3戦記事を読み返してます。敢えて脇役を徹底マークして、カリーとデュラントの大量アテンプトを許すのはどうですか。誘導、調整はします。ペリーメーターの2点を打たせ続けるとか。最終盤だけターゲットを脇役にするとか。それとも2人やトンプソンならシリーズ通して決め続けますかね。オープンを打たされ続けることに疲弊してくれれば。

    1. ブレイザーズはその作戦で勝ってます。それでもデュラントが異常な確率で決めてくるので簡単ではないですが、華麗なオフェンスは展開できなくなりました。
      個人のディフェンス力とデュラントを上回る自信のあるチームならば有効な作戦ですね。

  10. ブレイザーズはペリーメーターを打たせる守り方をするんでしたよね。書きながらよぎったけど、過去のシリーズから考えるとブレイザーズは大変だったでしょうね。ハイライトだけですがカーメロC&3してて良かったんじゃないですか。ロング2もしたのかもだけど。

    1. 普通はデュラントに無双されたら対策するのですが、ブレイザーズはあれをやり切る勇気がスゴイです。

      カーメロについては書く予定ですが、同じく試合を見切れてない。

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