20171120 サンズ vs ブルズ

最下位争いのブルズ
前の試合で3勝目をあげたブルズ。ホイバーグがやろうとしていたポジションを入れ替えながら3Pを多用して行くスタイルが少しずつ形になってきていました。
◯3P 10月→11月
ホリデー 34.8% →34.8%
マルケネン 41.7%→32.7%
バレンタイン 39.3%→41.3%
グラント 6.3% →40.0%
ポンデクスター 9.1% →33.3%
ジプサー 37.5% →16.7%
ポーティス 42.9%
ダン 34.8%
チームとしての成功率は微増くらいですが、問題だったグラントとポンデクスターもよくなってきて、ポーティスの復帰で厚みが出てきました。マルケネンの確率は落ち始めましたが、長い目で見守りましょう。
これで2Pが決まればロケッツ(1位)なのですが49.5%で28位と全くダメです。3Pが調子よく決まって初めて勝機が生まれてくるレベルです。
3勝目は3P50%の超高確率でしたが、ハック作戦しているのにハワードを出し続けている間にリードを広げ、負けているのにシュート力のない選手を出し続けてくれたホーネッツの采配に助けてもらってなんとか勝てたレベルです。
サンズならば相手のミスも期待出来そうです。目指すは連勝。



弱いチームから脱却しそうなサンズ
ブレッドソーがいなくなりHCが代わってからは6勝8敗のサンズ。まだまだ発展途上という事を考えれば後半戦に向けてプレーオフを目指すと言っても許される雰囲気です。
この2試合は28アシスト15ターンオーバーと個人技万歳時代とは異なります。
その要因はタイラー・ユリスとデバン・ブッカーのガードコンビ。メインのハンドラーがブッカーに変更され、時にユリスがコントロールします。
選手個人の特徴を活かす事を意識したチームに変わりました。
例えばトロイ・ダニエルズは3P43.3%と好調なのでダニエルズが出てくるとスクリーンでフリーにし、ブッカーがドライブからキックアウトを頻繁にします。
ドラガン・ベンガーは対人には強くありませんが、シュート力とギャップを狙ったドライブをしたいので、ピック&ポップでスペースを作りますが、単にベンガーにパスが出るだけでなく周囲もスペーシングしています。その結果この5試合では3P52.9%と好調です。
本来は最も活かすべきはブッカーで、シューターとして全員でフリーにするシステムをとるべきなのですが、それよりは全選手の個性を活かす事を優先し、逆にブッカーがハンドラーとして常にシュートがある状態で相手に警戒させる方法にチャレンジしていると推測しています。
クレイ・トンプソンではなく、CJマカラムを目指す状態。
同じくジョシュ・ジャクソンもウイングから個人で突破する役割を与えられてそうで、中心になって欲しい選手に負荷をかけるスタイルです。ポジティブ。
問題はそんなジャクソンも含めてFG40%に満たない選手が割といる事。ほぼハンドラー達なので、個人で突破し切る力はブッカーにしかありません。
しかし、相手はブルズだから個人でも突破出来るチャンスがありそうです。



お互いに相手の未熟さにつけ込んで、自分達のスタイルを貫く機会にしたいところです。
◯サンズは個人での突破を決めていきたい。
◯ブルズはチームパッシングを効率的にしたい。
そんな目的の違いもありそうです。言い換えればディフェンスの良いのはどちらか。



連携のサンズ。個人のブルズ。
良い連携をみせるのはサンズ。開始直後はブッカーはシューターとして動き回り、動いたスペースを周囲も利用していきます。
モンローがポストとしてボールの経由をしてくれるのでブラインドカットがしやすくなっているサンズ。
個人で突破するのはブッカーだけで、カットプレーが効果的に決まります。
さらば!ブレッドソー!



サンズには小さなユリスがいてベンチから出てくるマイク・ジェームスも小さいので、ブルズとしてはスイッチさせてミスマッチを狙いますが、あまり上手くいきません。
しかし自分達の強みであるアウトサイドからのショットは効果的に使えます。更にインサイドではロペスが1枚上手である部分をみせて最後のところで助けてくれます。
中外のリズムが合ってきたので、さらに3Pが決まります。
お互いに守れない中で3Pもあって37ー30とハイスコアでブルズリードの1Qでした。



チームに浸透しているサンズ
2Qになるとサンズは追いつきます。取り立てるプレーもないので、単にセカンドユニットまで手が回っていないブルズ。サンズはここでもチームプレー。
ブルズがスターターに戻るとリードを奪いますが、サンズがブッカーを戻すと逆転します。個人で突破もあれば素晴らしいパスを通すブッカー。
前半のサンズは18アシストとチームが変わった事をみせてきます。多くてブッカーの4なので本当にチーム全体の意識です。それはFG53%に繋がり効率で上回りました。
一方のブルズはマルケネンが16点、ロペスが4本のオフェンスリバウンドもあり11点。マルケネンがアウトサイドから攻める事でスペースのあるロペスが反応力でリバウンド争いで有利になりました。
ペースはサンズですが、個人の踏ん張りでビハインドを4点に留めたブルズという前半でした。



それぞれの悩み
サンズは控えガードで苦労している形です。まぁブレッドソー放出してナイトがケガなので致し方ない。ユリスとジェームスの時間は小さすぎて困ります。
ガードとセンターのツーメンゲームでブルズのドライブをしっかり守ったけど、最後にレンがブロックに飛んだからリバウンド争いにいたのはジェームスだけとか厳しすぎます。
ブルズはスピード不足に苦しみます。高速パス交換はやっぱり現れません。ひょっとすると速いとシュートが決まらないのかもしれません。
3Pに意識を向けているのに全く決まらないドライブ。設計としては3P優先なのでドライブがなくても成り立ちますが、ディフェンスからすると怖さ半減しています。



続かない得点
後半になっても先手をとるのはサンズ。素晴らしいアシストが決まります。しかし、どうしてもリードを二桁までは伸ばせません。
ブルズからみるとそんな時に決めるのはマルケネン。もう完全にエースです。インサイドに強くはないけど、高さの利で決めていきます。
やはりディフェンスで武器のないサンズなので、連続得点が続かないのかと考えているとブルズがスティールを連発します。しかし、そこからの速攻が決められない。ブルズはオフェンスで連続得点が出来ません。
お互いに勝てない理由が浮かんできます。



ブルズが持っていた武器はクリス・ダン。スピード不足のチームにドライブからのダンクで勢いをつけます。ウィークサイドを抜かれると誰もヘルプに来ないサンズ。そこをつけるスピードがありました。逆転するブルズ。
逆転されるとギアを上げたブッカー。ドライブを次々に抜いていきますが、そのレイアップを外します。そこまで難しいシュートでもなかったので痛いミス。
しかし、そのドライブでディフェンスが収縮された事で周囲の3Pが連続で決まり再度逆転に成功し4Qに入りました。
3Pが決まってもドライブを決められなかったブルズに対し、ドライブ自体は外れたけど3Pに繋げたサンズの差は得点差以上に大きいです。



流れを失わなかったサンズ
セカンドユニットのサンズに流れを持ってきたのはジョシュ・ジャクソン。3Pを決めて調子に乗るかと思いきや、冷静にボールを捌いたり、ドライブして引きつけてのアシスト。そして自ら豪快なダンク(ミスしたけどリフレクションで決まる)。
そんなジャクソンを引き出したのはインサイドに陣取るレンと3Pを決めて外に広げるトロイ・ダニエルズなので、チームとして役割がハッキリし、それを使ってジャクソンが打開していく流れです。
ブルズはドライブからのフローターが決まりません。懸念事項の2Pの悪さ。フローターに行けてるのでサンズのディフェンスが良かったとは言い難い内容。
9点までリードを広げて残り6分へ。



ブルズはマルケネン推しですが、基本はキャッチ&シュートなので個人で打開しろと言われても困ります。
やはりザック・ラビーン待ち。
しかし、サンズもこの時間に強気にいってしまうジェームスでリズムが崩れます。それを救うのはTJウォーレン。
素晴らしい得点の取り方をするウォーレン。自力で打開はしないけど、ウイングから空いたポイントに飛び込み、リバウンドに飛び込み、チームを救います。
最後はPGブッカーがパスを振り回しますが、フィニッシュが甘くリードを広げる事が出来ないサンズ。それでもしっかりと時間を消費するので効率の悪いブルズオフェンスでは追い上げられない点差を守りきりました。



開花したようなサンズ
◯アシスト
サンズ 31
ブッカー 6
31のアシストで最高がブッカーの6はかなり素晴らしい数字です。1人ひとりを活かす意識が根付いてきた結果がフォアザチームを全員が実践すること。
課題はトロイ・ダニエルズとブッカー以外はシューターとしての打開力に欠けること。3Pを決める事が出来る選手はいるのですが、アシストがあって初めて打てる選手達です。言い換えれば安定感不足と相手に警戒されるレベルではない事。
そしてやっぱりこのバスケをするならばブッカーともうひとりPGが欲しい事。2人になるとアンストッパブルなチームになります。今はユリスとジェームスでも戦えますが、ウエストで勝ちたければ厳しい。
そんなわけで冗談で言っていたのですが、最近のサンズをみると本気でマリック・モンクを狙って第2のスプラッシュブラザーズを作ると強力なチームになりそうです。
イメージはウォーリアーズではなくロケッツのダブルPG。常にどちらかがコートにいる事で同じ水準のオフェンスを1試合を通して保てます。勝負所でも有効なコンビ。
残せるならば、ブッカー、ジャクソン、ウォーレン、モンロー、レンだけ残せれば他の選手ならいくらでも放出して大丈夫です。
モンローはサラリーが高過ぎて、戦術に合わなかっただけでゴール下で身体を張るし、ポストで起点になれているのでフィットしていますし、レンは全く違うタイプでひたすら走るのでブッカーのシュートミスを拾ってくれます。
かなりポジティブなサンズですが、ディフェンスはやってるのか何なのか。



個人力不足のブルズ
ザック・ラビーンを待つ以外には何も無さそうなブルズ。フロントは負ける気持ちしかないのだろうな。やっている事はよくわかりますが、マルケネンとロペス以外はベンチメンバークラスばかりです。
チームオフェンスするにも、その前提となる個人能力は必要です。それこそサンズのジェームスくらいでも決めてくれれば全く違ったはず。いくらなんでもドライブ出来な過ぎです。
ダンは頑張ってはいるけど、トレード相手をルビオにしていたら周囲の3Pを活かしていただろうし、ドライブされるから相手も嫌がったはず。
ラビーンが復帰すればセレクション無視したような3Pを打つだけでなく、ドライブのスピードがあるのでアクセントになれるでしょう。
それまでは連携を深めて、と言いたい所ですが、この試合でもオフェンス面はそれなりに継続して得点していたように、これ以上となると個人能力なければ難しい気がします。
◯3P 12/36
良くはないけど、悪いというレベルでもありません。高確率で初めて勝機がみえる感じは継続です。
オフェンス整備優先のサンズと違い、個人能力くらいしか整備するものもなくなってきそうなので、そろそろディフェンスに力を入れたらどうかな?



◯マルケネン
26点 FG10/18
13リバウンド
キャリアハイを更新したマルケネン。サンズのベンダーと違い自信をつけたからか安定感が出てきています。シュートに迷いがない。
ここからどんな方向に伸ばしていくのか?
チームの方針が試されます。ポジション違うけどオフボールムーブとキャッチ&シュートのクレイ・トンプソンみたいになるかもよ。
U19日本代表も増田を置いて成功していたし。

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